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西川善司,Project SHIELDの実機を体験。操作感やグラフィックス性能,PCからのストリーミングプレイをチェック
Project SHIELD |
そこにあったのは,今期中の市場投入が予定されている携帯ゲーム機型Android端末,「Project SHIELD」(以下,SHIELD)。しかも,ただ置かれていただけではなく,基本的には参加者なら誰でも実際にゲームをプレイできるようになっていたので,さっそく,インプレッションをお伝えしてみたいと思う。
なお,SHIELDの概要は1月8日掲載の記事をチェックしてもらえればと思うが,ざっくりまとめるなら,NVIDIAの次期主力モバイルSoC(System-on-a-Chip)「Tegra 4」を搭載し,小型液晶パネルとゲームパッドを合体させたようなデザインが特徴となっている端末である。
Dead Trigger 2を体験。グラフィックスはPS3や
Xbox 360並み。アナログスティックの低さは気になる
まずはAndroid用FPS「Dead Trigger 2」を,SHIELDでプレイしてみた。街でのボス戦と,下水道でのザコ戦を体験したが,SHIELDではいい意味で“ごく普通のFPSゲーム”として遊べる。
ショルダーボタンの位置がやや分かりにくく,2つあるアナログスティックの背がやや低くなっているあたりに,PlayStation 3やXbox 360のゲームパッドへ慣れきった筆者は違和感を覚えたが,まあ,慣れてしまえば気にならない程度かもしれない。
2つのアナログスティックが背が低いのは,SHIELDの液晶パネルを閉じた際に,スティックの先端がパネル表面に当たらないようにするためだ。アナログスティックの高さを高くするには,パネル表面の位置を天板方向に上げて,スティックとの距離を取らなくてはならない。しかし,そうすると結果的に閉じたときの高さが増えて,ボディが大きくなってしまう。おそらくここは,本体をデザインするときにも,熱い議論が交わされた部分ではないかと思われる。
ちなみに,「SHIELDは内蔵スピーカが優秀」という触れ込みだったのだが,会場がうるさくて,音質を評価できるほど音が聞こえなかった。
グラフィックスに関しても言及しておこう。Dead Trigger 2の映像は,法線マップによるディテール表現や,鏡面反射や異方性反射によるマテリアル表現など,それこそPlayStation 3&Xbox 360世代のグラフィックスに近い印象の,リッチな映像になっている。そのわりに,表示に大きなもたつきはなかった。
冒頭でその名を挙げたTegra 4は,グラフィックスAPI「OpenGL ES 3.0」を採用せずに,その前のバージョンである「OpenGL ES 2.0」に踏みとどまった。その一方で,描画性能だけは高い……という前評判があるのだが,Dead Trigger 2を体験した限りでは,その前評判どおりの性能といった手応えだ。
PC版ニード・フォー・スピードをストリーミングでプレイ
気になる遅延はそれほどなし
次に,KeplerベースのGeForceが搭載されたデスクトップPCを母艦として,PC上で実行されている「ニード・フォー・スピード モスト・ウォンテッド」をストリーミング配信し,SHIELD上でプレイするデモを体験してみた。
PC版でもゲームコントローラを使ってプレイできるレースゲームということもあって,SHIELDでプレイしても,操作系に大きな違和感は感じない。
ストリーミングプレイとなると,気になるのは遅延だ。しかし,大型テレビに映し出されているPC実機での映像と,SHIELD上のそれを比較しても,目視レベルではそれほど大きな遅延は確認できなかった。SHIELDと本タイトルを組み合わせたデモのビデオは,NVIDIA公式blogでもすでに公開されているが,筆者が体験した印象でも,「この動画は誇張されたものではないな」と感じられた。下に示した直撮りムービーで,遅延の少なさを確認してもらえればと思う。
GTC期間中には,SHIELDの開発スタッフに質問をする機会を得られる予定だ。そのときには,もう少し突っ込んだ質問をぶつけてみるので,SHIELDの続報に期待してほしい。
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