企画記事
ブロックチェーンゲーム業界を牽引する31名に聞く。2024年に注目したニュース,ヒットを生むために必要なこと,そしてブロックチェーンの未来
0x Consulting Group
Founder
細金恒希
弊社運営メディア『0x Crypto Research』で展開しているTON特化型レポートと、Line/Kaia特化型レポートです。
2024年に、チャットプラットフォームとゲームの相性が良いことがTON上で立証され、数多くのプロジェクトが興りました。
2025年は、日本の事業者の方々は、LINEに注目している会社が多いと思っています。
弊社は、LINE NEXTやKaia側とも、責任者レベルと会話を続けて、より分かりやすく、よりタイムリーに、より具体的にメリットがあるレポートを発刊しています。
グラント(補助金)申請のやり方なども含めて、深いエコシステムの理解をした上での事業展開が欠かせないと考えています。
それを実現できる数少ないメディアになっているので、ぜひ一度、読んでみて欲しいです。
<質問2>2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか
TONプラットフォームでの、Tapゲームの盛り上がりとユーザー数、売上結果です。
Catizenというプロジェクトは、3,000万人のユーザーを集め、リリースから3ヶ月で36億円の売り上げを作りました。
この数字はソーシャルゲームのヒットタイトルと比較しても遜色ない実績だと言えます。
2025年にエコシステムがどうなっていくのかに興味関心があり、11月のドバイでのTON Gatewayにも参加したのですが、非常に多くのインサイトを得ることができました。
2025年のTONプラットフォームの展開に加えて、LINE/Kaiaのエコシステムがリリースされるので、LINE上の展開にも非常に興味を持っています。
<質問3>ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか
ユーザーが使わざるを得ない、使いたくなるアイデアと仕組みの開発。
予測市場の盛り上がりを見ても、ファンタジースポーツとの相性を見ても、ベッティングや、相性の良い領域が多数あると思います。
法規制がついてまわる領域ですが、整理されて来ている面もあるので、相性の良い領域で、ヒットプロダクトが出て来ると思っています。
<質問4>近い将来(または遠い将来),ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか
金融の世界で社会に浸透していくと思います。同時に、決済がテーマになってくると思います。
オンチェーン上のお金が増えていき、法規制の整理と共に、決済が整って来て、初めてあらゆるコンテンツに浸透していくと思います。
今年、投資させて貰った、フランスのボルドーのワインプロジェクトがあるのですが、ワインのサプライチェーンのオンチェーン化を実施して、既に良い数字が出て来てます。
ニューヨークの飲食店の席のシートが、デジタル上で売買されている様に、本来は、オンチェーンで、シームレスで、トラストレスになっているものの方が、マーケットも大きいし、商圏も大きくなるので、金融とデジタルアセットに近い領域から浸透していくと思います。
<質問5>2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2025年は、事業上のインフラが整い始めて、売上が立つプロジェクトを始めやすくなる1年になると思います。
弊社は、エコシステム全体に貢献できるように、日々プロジェクトのサポートをさせて頂いています。
『信用できて頼りになるのが0x Consulting Groupである』という実績と信用を今まで以上に築いていきたいと思っています。
日本のブロックチェーンゲームの最初のリリースが重なるのが2025年です。2024年度もリリースされて来ましたが、2025年もリリースが控えています。
弊社の深く関わらせて貰っているゲームタイトルもリリースされていきます。ぜひ、手にとって、遊んでみて、楽しんで頂けたらと思います。
0x Consulting Group 公式サイト
Ava Labs
ソリューションアーキテクト
井上大悠
※編注:Ava Labsはゲーム開発会社ではなく,ゲームにも使われるブロックチェーン「Avalanche(アバランチ)」を開発・運営する企業。
「Off The Grid」と「Resella」を知って頂きたいです!
「Off The Grid」は先日Epic Games Store内の人気ランキングでFortniteを抜いて世界一位になりましたが、実は裏側で弊社のブロックチェーンが使われています。ユーザーの参入コストを排除してマスアダプションさせた世界初の事例でしょう。
KONAMIさんの開発する「Resella」でも弊社のブロックチェーンのAvalanche(アバランチ)が採用されます。ゲーム制作エンジンを使うようにブロックチェーンならではのユニークな機能をゲームに搭載できるツールです。
日本ではこれからKONAMIさんを中心に4Gamerの読者の方も遊びたくなるようなブロックチェーンを活用したゲームが登場していくはずなので、「Resella」ぜひ覚えておいて頂きたいですね。
<質問2>2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか
暗号資産推進派のトランプさんのアメリカ大統領再選です。
私はここ2年、暗号資産をユーザーに買わせずに遊べるけどブロックチェーンの機能は使ってるゲームが先にスタンダードになっていくと思っていました。
しかしトランプさんが大統領になって暗号資産投資がよりメジャーになっていくと、暗号資産を活用したゲームも今よりもっと盛り上がるかもしれませんね。なんだかんだゲーマーの皆さんってギャンブル要素好きじゃないですか?(笑)
<質問3>ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか
ブロックチェーンを使っていようがいまいが「面白いゲームを作る」に限ると思います。あたり前のことばっか言って申し訳ないですが、「儲かる」は投資家を集めるための要素でゲーマーを集めるための要素ではありません。
私は日頃、ブロックチェーンやトークンを使うと何がどう面白くなるのか、普段やっているゲームでこんな機能あったらいいなをブロックチェーンを活用して作れるかを考えています。四六時中そのゲームのことを考えてしまうようなゲームを目指すしかないと思いますね。
<質問4>近い将来(または遠い将来),ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか
まずは決済の領域から浸透していくと思います。決済の領域はわかりやすく手数料による事業者メリットのみで浸透してきました。
決済手数料が安くなる分ユーザーに還元される分も増える。PayPayがいい例ですが決済のユーザー体験より加盟店手数料と還元率で浸透しましたよね(タッチ決済の方がよっぽど便利)。
その点ブロックチェーンは決済のためにあると言っていいほど決済コストを下げてくれます。パブリックチェーンではなく決済専用の独自チェーンが構築され社会に浸透していくと思います。
<質問5>2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2025年は決済とゲームでブロックチェーンを浸透させていきます!
「面白さとお得さ目当てで気づけばブロックチェーンが使われているサービスを触ってた」
それくらいのゆるさで社会にブロックチェーンを浸透させたいですね。
来年のこの特集の時期にはふと気づくと皆さんブロックチェーンを使っているかもしれません。
そんな時これアバランチかもなって思い出してくれたら嬉しいです!
KONAMIはWeb3の何に可能性を感じ,どのような目的でNFTマーケットプレイス「リセラ」を運営しているのか
京都で開催されたカンファレンス「IVS2024 KYOTO」より,「KONAMI リセラ NFT Solution on Avalanche: マス向けweb3サービスの実現、現場チームが何をどのように考えて作ってきたのか」をレポートしよう。KONAMIはWeb3の何に可能性を感じ,どのような目的でNFTマーケットプレイスを運営しているのか。
Ava Labs 公式サイト
BLOCKSMITH&Co.
代表取締役社長
真田哲弥
いま最も知っていただきたいサービスは「QAQA(カカ)」です。
このアプリは、ポイ活ブームを捉え、1,000万ダウンロード突破を目指しています。
無料で稼げる楽しさがあり、課金によってさらに収益を伸ばすことも可能です。
クイズに挑戦することで知識を身につけ、ランキングで競うことで承認欲求も満たせます。
また、自分の知識をクイズ化して発信すれば、SNS的な収益獲得も狙えます。
同じ趣味や推しを持つ仲間との交流も楽しめ、ギャンブル的な刺激があるため、一度ハマると夢中になってしまう点も魅力です。
初心者向けには、NFTや暗号資産ではなく、アマゾンギフト券など手軽なデジタルギフトと交換できる仕組みを準備しています。
これにより、誰もが自然とWeb3に触れられる世界を実現したいと考えています。
<質問2>2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか
2024年、特に注目を集めたWeb3関連ニュースの一つは、アメリカにおけるトランプ大統領再当選と、その後の急激なクリプト需要拡大じゃないでしょうか。
トランプ当選以降、彼の応援者であるイーロン・マスク効果もあり、ビットコインやその他仮想通貨への関心が爆発的に増大しました。この余波はアメリカだけではなく、日本や中国などその他地域にも広がっています。将来振り返ったとき、今年から来年にかけての動きが、仮想通貨史においても大きな転換点だったとされるのではと考えています。
<質問3>ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか
ブロックチェーンゲームをヒットさせるには、まず「Web3」を知らないユーザーでも違和感なく遊べる設計が重要です。
最初は普通のスマホゲームと同様にダウンロードし、直感的な操作で楽しめることが必要です。
プレイを続けるうちに、自然とトークン報酬やNFTアイテムなど、Web3ならではの要素に触れる構造を作ることで、ユーザーは意識せずにWeb3の世界へと溶け込んでいきます。
結果として、Web3を前面に出さなくとも、面白いゲーム体験そのものが新たなユーザーを呼び込み、ブロックチェーンゲーム市場の拡大につながると考えます。
<質問4>近い将来(または遠い将来),ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか
やはり今年11月のトランプ大統領選以来、潮目が大きく変わったと思っています。ビットコインサイクルの第4波ともいうべき波がきており、キーワードは、リアルワールドとエコノミクスだと思います。
Bit CoinのETFが米国SECに承認され、日本政府は暗号資産に関する法律を整備し、Web3はディセントラライズドの夢から遠ざかりリアルワールド(現実世界)との結びつきを強めています。今後はステーブルコインなどの金融系のみならず、エンタメ系Web3もリアルワールドとの結びつきや裏付けがあるサービスが主流になっていくと考えています。
Web3の恩恵は多数ありますが、結局一番大きな要素が、Web3以前ではあり得なかったエコノミクス設計なのではないか。このエコノミクス設計をどう活かすかが、今後の回復期の鍵となるはずです。
<質問5>2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2025年に向けて、弊社は「QAQA」を通じてWeb3のマスアダプションと、サステナブルなトークノミクスの実現を目指します。ユーザーにとって「楽しく、価値ある」体験を提供し、社会にも貢献できるサービスを拡大させたいと考えています。
4Gamer読者の皆様には、Web3やブロックチェーン技術を単なる技術として捉えるのではなく、その背景にある「新しい経済圏の可能性」や「現実社会との結びつき」を感じていただきたいです。これからもゲームを通じた新しい世界の広がりを共に楽しんでいきましょう!
「QAQA」公式サイト
CCP Games
CEO
Hilmar Veigar Pétursson
『EVE Frontier』は、EVMベースのブロックチェーンネットワークであるEVE Netの上に構築された、私たちの今後のスペースサバイバルMMOです。
『EVE Frontier』では、『EVE Online』を通じて20年にわたり仮想経済を運営してきた経験を活かし、よりオープンなフレームワークで、オープンソースの未来に向けてプロジェクトを開発しています。
オープンな経済とゲーム世界により、『EVE Frontier』は、銀河系を構築し、その中で生活するプレイヤーのものとなります。
<質問2>2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか
アメリカの選挙でかなり決定的な結果が出たことは、デジタル資産の領域におけるイノベーションにとって最大のニュースだと思います。
<質問3>ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか
第一に、ゲームが体験として優れている必要がある。
次に、その体験を取り巻く経済的枠組みが健全で持続可能である必要がある。
最後に、ゲームのプレイヤーは、単にゲームをプレイするだけでなく、ゲームの存在と成功に物質的に貢献し、その結果に参加できる必要があります。
『EVE Frontier』では、これら3つの分野をすべて満たし、新しく革新的なものを提供することを目指しています。
<質問4>近い将来(または遠い将来),ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか
(回答なし)
<質問5>2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
『EVE Frontier』は現在ファウンダーアクセスが可能で、クローズドアルファに移行しています。
2025年、『EVE Frontier』はオープンベータに移行し、さらなる発展を遂げることになるでしょう。
「EVE Frontier」公式サイト
CRETA
共同創業者/チーフクリエイティブオフィサー/日本法人代表
中里英一郎
Cretaは次世代のWeb3ゲームプラットフォームであり、プレイヤー中心の経済システムと高品質なゲーム体験を提供します。
今年中にサービス開始を目指しておりましたが、さらなるクオリティ向上のため、正式リリースを2025年に延期することとなりました。この点についてはお詫び申し上げます。
しかし、すでにクローズドβテストを開始しており、プレイヤーからのフィードバックをもとに、より良いサービスを提供できるよう取り組んでいます。
特に注目すべきは、AAA品質のゲーム「Kingdom of The Fire: The Rise」と「Fortress NFT」で、これらは既存のブロックチェーンゲームの限界を超えた新しい体験を提供します。
また、「Creta Studio」により、誰でも簡単にゲームを作成し、自らのコンテンツを共有できる環境を実現します。
<質問2>2024年に最も興味を惹かれたWeb3関連のニュースは何ですか
2024年のWeb3業界で特に注目したのは、ビットコインの価格が予想を超える上昇を見せた点と、一方で「面白くないゲーム」が市場から次々と淘汰されていった現象です。
これにより、Web3が短期的な利益追求から、ユーザー体験と長期的な価値創造を重視する方向にシフトしつつあることを感じました。
特に、持続可能で魅力的なゲームデザインが求められる中、Cretaとしても「面白さ」を軸にした価値提供を目指し、さらなる成長を期待しています。
<質問3>ブロックチェーンゲームをヒットさせるのに必要なことは何だと考えていますか
成功するブロックチェーンゲームには、「ゲーム性の高さ」と「ユーザーエコノミーのバランス」が不可欠です。ゲームとして面白くなければ継続的なプレイは期待できません。
また、経済設計が偏り過ぎると、ユーザーが新規参入しにくくなり、長期的な成長が阻害されます。
Cretaでは、無料で楽しめる「Free-to-Play」要素に加え、プレイヤーが収益を得られる「Win-to-Earn」要素をバランスよく組み込んでいます。これにより、幅広いユーザーが楽しめると同時に、持続可能なゲームエコシステムを構築しています。
<質問4>近い将来(または遠い将来),ブロックチェーンというテクノロジーはどのように社会に浸透していくと思いますか
ブロックチェーン技術は、デジタルエコノミーの中核を担う存在として、ゲームを超えた幅広い分野で浸透していくでしょう。
Cretaが目指す「サーバーレス」(完全分散型仮想サーバー)は、オンラインゲームの枠を超え、既存のSaaSビジネスの在り方を根本から改革する可能性があります。
この技術により、企業は高いコストパフォーマンスとスケーラビリティを享受し、ユーザーはより安全で透明性の高いサービスを受けることが可能になります。これにより、私たちの生活はさらに利便性の高いものへと進化していくでしょう。
<質問5>2025年に向けての抱負と、4Gamer読者に向けてのメッセージ
2025年に向けて、Cretaはユーザーが「作る・遊ぶ・共有する」を自由に行える新しいエンターテインメント空間を構築します。
私たちの目標は、単なるゲームプラットフォームにとどまらず、プレイヤーが主体となって価値を生み出す「持続可能なデジタルエコシステム」を実現することです。
4Gamer読者の皆さまには、Cretaが提供する多様な体験をぜひ楽しんでいただきたいと思います。一緒に新しい時代を切り開きましょう!
CRETA 公式サイト
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