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レビュー
ゲーム性能は文句なしに高いが消費電力も非常に高い
NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Edition
今回はNVIDIA純正の「GeForce RTX 5090 Founders Edition」(以下,RTX 5090 FE)を用いて,ゲームにおける性能を確かめてみたい。
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なお,RTX 5090 FEそのものの詳細は,掲載済みのカード紹介記事を参照してほしい。
写真で見る「GeForce RTX 5090 Founders Edition」。斬新な冷却構造の採用で2スロットの厚みを実現した新世代GeForce
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NVIDIAの次世代GPU「GeForce RTX 50」シリーズの最上位モデルとなる「GeForce
Blackwell世代の最上位モデル
PCIe 5.0やDLSS 4など見どころも多い
RTX 5090は,「Blackwell」アーキテクチャを採用したGPUだ。「GB202」コアを採用し,シェーダプロセッサであるCUDA Coreの総数は21760基という巨大なプロセッサである(関連記事)。
AI処理を担うTensor Coreは第5世代,レイトレーシングエンジンのRT Coreは第4世代にそれぞれ進化。グラフィックスメモリにはGDDR7を採用することで,メモリバス帯域幅は1792GB/sという広帯域を実現している。また,最新のインタフェース規格「PCI Express 5.0」に対応している点や,複数のフレーム生成が可能な「DLSS 4」をサポートしている見逃せない。
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RTX 5090の主なスペックを表1にまとめたが,L2キャッシュが96MBに増えた一方で,ベースクロックが2010MHz,ブーストクロックが2407MHzと,動作クロックは「GeForce RTX 4090」に比べて若干控えめだ。
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後述するテスト環境において,GPUクロックを「GPU-Z」で追ってみたところ,2910MHzまで上昇しているのを確認した。RTX 4090は,同じテストで2715MHzまでしか上がっていなかったので,RTX 5090のほうが動作クロックが伸びる印象だ。
RTX 4090との比較を実施。DLSS 4の効果も確認
テスト環境の構築に話を移そう。今回,比較対象として「GeForce RTX 4090 Founders Edition」を用意した。従来の最強GPUに対して,RTX 5090がどれくらい性能面で上回るかを見ようというわけだ。
使用したグラフィックスドライバは,「GeForce 571.86 Driver」。これは,NVIDIAがRTX 5090のテスト用としてレビュワー向けに配布したものだ。テスト時におけるGeForce Driverの最新版は「GeForce 566.36 Driver」なので,RTX 5090のサポートに合わせて若干だが世代が進んだようである。それ以外のテスト環境は表2のとおり。
CPU | Core i9-14900K(P-core 定格クロック3.2GHz, |
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マザーボード | ASRock Z790 Steel Legend Wi-Fi |
メインメモリ | Corsair VENGEANCE RGB DDR5 |
グラフィックスカード | GeForce RTX 5090 Founders Edition |
GeForce RTX 4090 Founders Edition |
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ストレージ | CFD CDDS-M2M1TEG1VNE (NVMe,1TB) |
電源ユニット | CoolerMaster V1200 Platinum(定格1200W) |
OS | Windows 11 Pro 24H2 |
チップセットドライバ | Intel チップセットINFユーティリティ |
グラフィックスドライバ | GeForce:GeForce |
テスト内容は,4Gamerのベンチマークレギュレーション30に準拠。ただし,「Fortnite」は,RTX 5090でグラフィックスAPIにDirectX 11を使用すると,ゲームが強制終了したので,今回はDirectX 12で統一している。
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今回使う3DMarkは,NVIDIAが用意した特別版(Version 2.32.8360)である。「DLSSバージョン」の項目で「DLSS 4」が選択できるようになっていて,「Frame generation」の項目で「2x/3x/4x」から選べるというものだ。なお,今回のテストでは,「Super Resolution」では「Quality」を選択している。また,NVIDIA DLSS feature test以外のテストについては,テスト時の3DMark最新版(Version 2.30.8348)を使用した。
Cyberpunk 2077も,NVIDIAが用意したプレス向けβ版を使用している。このβ版は,DLSS 4に対応しており,「Frame Generation」の項目で新たに「DLSS Multi Frame Generation」の設定が用意され,「2X」「3X」「4X」を指定できるようになっていた。今回のテストでは「Ray Tracing: Overdrive」プリセットを選択したうえで,「DLSS Super Resolution」を「Quality」に指定。DLSS Multi Frame Generationの設定を適宜変更しながら,ゲームに用意されたベンチマークモードを実行している。
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テスト解像度は,いつもどおり3840×2160ドット,2560×1440ドット,1920×1080ドットの3つを選択している。
RTX 4090から20%以上の性能向上。DLSS 4でフレームレートはさらに上がる
それでは3DMarkの結果から順に見ていこう。グラフ1は,「Fire Strike」の総合スコアをまとめたものだ。
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RTX 5090のスコアは,RTX 4090から7〜25%程度増えている。低解像度では,CPU性能の影響が大きくなるので差が縮まるが,解像度が高くなるにつれて,差が広がる傾向が見て取れる。それにしても,Fire Stirke“無印”で5万を超えるスコアは,なかなかインパクトが大きい。
続いてDirectX 12のテストとなる「Time Spy」の結果を見てみよう。グラフ2はそのTime Spyの総合スコアをまとめたものだ。
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ここでは,RTX 5090とRTX 4090の差は10〜26%程度といったところ。やはり,テスト解像度が3840×2160ドットとなるTime Spy Extremeのほうが,RTX 5090の強みを発揮できている。
新世代のDirectX 12テストである「Steel Nomad」の結果が,グラフ3だ。
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Steel Nomadは,GPUの性能差がつきやすいのだが,RTX 5090はその実力を遺憾なく発揮しており,RTX 4090との差は約54%にまで達している。
グラフ4は,DirectX 12 Ultimateに対応したテストである「Speed Way」の結果だが,ここでもRTX 5090がRTX 4090を引き離している。
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その差は約41%と,Steel Nomadほどではないもののかなり大きい。Speed Wayのテストには,DirectX Raytracingが含まれているが,RTX 5090はしっかりと性能向上を果たしつつ,レイトレーシング性能も引き上げられているのが分かる。
それは,リアルタイムレイトレーシングテストである「Port Royal」の結果(グラフ5)を見ても明らかだ。
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RTX 5090は,RTX 4090に約34%の差を付けており,レイトレーシング性能もかなり高い。RTX 5090では,RT Coreが170基とかなり多いことに加えて,第4世代となったことが性能向上につながったと考えるのが妥当だろう。
グラフ6,7はNVIDIA DLSS feature testの結果だが,Multi Frame Generationの効果がハッキリと表れている。なお,RTX 4090はDLSS 4に対応しないので,スコアはない。
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まず,3840×2160ドットの結果を見ていくと,RTX 5090は,DLSSがオフの状態では77.5fpsしか出ていないが,DLSS 4のFrame Generationを2xにすると約2.8倍,3xで約4.1倍,4xでは約5.3倍と,フレームレートが大きく伸びている。DLSS 4とDLSS 3を比較した場合,同じFrame Generation 2xで,DLSS 3のフレームレート向上率は約2.7倍と,DLSS 4とあまり変わらない。なお,同じDLSS 3でRTX 5090とRTX 4090を比べると,フレームレートの向上率はどちらも約2.7倍で,大差ない結果が出ている。
2560×1440ドットの結果に目を移すと,4xでのフレームレート向上率は約4倍で,3840×2160ドットよりは低くなっている。3xと2xのフレームレート向上率を計算すると,それぞれ約3.2倍と約2.3倍だった。DLSS 4の恩恵は,解像度が低いほど小さくなることが分かる。
それでは実際のゲームではどうなるのか。グラフ8〜10は,「Call of Duty: Modern Warfare III」(以下,CoD:MW3)の結果となる。
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RTX 5090の平均フレームレートは,RTX 4090に18〜28%程度の差を付け,世代の差を見せつけている。1パーセンタイルフレームレートも,RTX 5090とRTX 4090の差は10〜29%程度もあり,とくにRTX 5090は,3840×2160ドットで100fpsを超えている点は立派だ。
「バイオハザード RE:4」の結果がグラフ11〜13となるが,ここでもRTX 5090が貫録の結果を残している。
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1920×1080ドットはCPUのボトルネックとなるためか,RTX 5090の平均フレームレートは,RTX 4090に約8%ほどの差しか付いていない。しかし,2560×1440ドットになるとその差は約18%となり,3840×2160ドットでは約34%にまで広がっている。
1パーセンタイルフレームレートは,171fps付近で頭打ちになるようで,2560×1440ドット以下では有意な差が付いていないが,3840×2160ドットでRTX 5090はRTX 4090に約34%の差を付けており,150fpsに迫る点は評価できよう。
DirectX 12を使用した「Fortnite」の結果が,グラフ14〜16となる。
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RTX 5090の平均フレームレートは,RTX 4090に19〜33%程度の差を付けた。とくに,3840×2160ドットで90fps弱のフレームレートを記録する性能は立派だ。
また,RTX 5090の1パーセンタイルフレームレートも,RTX 4090から25〜34%程度も高い。とくにRTX 4090は,3840×2160ドットで1パーセンタイルフレームレートが60fpsを下回るのに対して,RTX 5090は大きく上回っているあたりは,格の違いをハッキリ見せつけている。
グラフ17〜19は,「Starfield」の結果だが,やはりRTX 5090の性能は優秀だ。
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ここではCPU性能が足かせとなり,平均フレームレートは122fps程度で頭打ちになるようだ。そのためRTX 5090は,2560×1440ドット以下の解像度ではRTX 4090に明確な差を付けられていない。しかし,3840×2160ドットになると,RTX 5090はRTX 4090に約20%の差を付けて,100fpsを超えてみせている。
1パーセンタイルフレームレートでも,RTX 5090は3840×2160ドットで,RTX 4090を約23%も引き離している点は評価できよう。
グラフ20は,「ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマーク」(以下,FFXIV黄金のレガシー ベンチ)の総合スコアをまとめたものだ。
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ここでも3万2000程度でCPUがボトルネックになるようで,2560×1440ドット以下ではRTX 5090とRTX 4090に大きな差はない。一方,3840×2160ドットでは差が約23%にまで広がっており,RTX 5090の実力はかなりのものだ。なお,スクウェア・エニックスの指標では,スコア1万5000以上で最高評価となる「非常に快適」とされているが,RTX 5090ではどの解像度でも快適にプレイできることは明らかだ。
そんなFFXIV黄金のレガシー ベンチにおける平均フレームレートと最小フレームレートをまとめたものが,グラフ21〜23だ。
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平均フレームレートは,総合スコアを踏襲したものとなっているが,RTX 5090は3840×2160ドットでも170fpsと非常に高い点は注目しておきたい。また,最小フレームレートはCPU性能の影響が色濃く表れるため,RTX 5090とRTX 4090でそれほど大きな差は付いていない。
「F1 24」の結果をまとめたのがグラフ24〜26だ。
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RTX 5090の平均フレームレートは,CPUがボトルネックとなり,2560×1440ドット以下の解像度では,216fps程度で頭打ちになっている。そこで3840×2160ドットに目を移すと,RTX 5090はRTX 4090に約40%もの差を付け,150fpsを超えてみせた点は評価できる。最小フレームレートも,RTX 5090は3840×2160ドットでRTX 4090に大差をつけ,120fpsを超えている点はさすがの一言。
グラフ27〜29に「Cities: Skylines II」の結果をまとめよう。
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RTX 5090の平均フレームレートは,RTX 4090を15〜16%程度引き離しているものの,3840×2160ドットでその差が広がっていない点が,これまでのテストと傾向が異なる。
1パーセンタイルフレームレートでも,その差は12〜19%程度だが,RTX 5090は3840×2160ドットで40fpsを上回っている点は評価できる。
さて,今回のゲームで唯一,DLSS 4に対応するCyberpunk 2077で,マルチフレーム生成の効果を確かめてみよう。グラフ30〜32が,その結果だ。なお,文中とグラフ中ともにDLSS Multi Frame Generationを4xに指定したRTX 5090を「RTX 5090 FG 4x」,同設定を3x,2x,オフに設定したものを「RTX 5090 FG 3x」「RTX 5090 FG 2x」「RTX 5090 FG off」と表記する。
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RTX 5090の平均フレームレートは,RTX 5090 FG 2xでDLSSオフ状態から1.8〜2.0倍程度伸び,3xでは2.6〜2.9倍程度,4xで3.3〜3.7倍程度と,しっかり向上している。また,RTX 5090 FG 2xとRTX 4090 FG 2xを比較すると,RTX 5090が17〜33%程度高いが,DLSSオフ状態での差も同程度なので,DLSSの違いというよりは,GPUの実力差と言っていいだろう。
最小フレームレートでは,RTX 5090 FG 2xは1.8〜2.1倍程度,RTX 5090 FG 3xは2.6〜3.0倍程度に,RTX 5090 FG 4xは3.3〜4.0倍程度と,いずれもDLSSオフ状態からかなり高くなっている。
カード単体の消費電力は550Wとかなり高めだが,冷却性能は十分
RTX 5090のTGPは575Wと,RTX 4090の450Wから125Wも上昇してしまっている。では,実際の消費電力はどの程度なのだろうか。
NVIDIA製の消費電力計測ツール「PCAT」(Power Capture Analysis Tool)を使い,グラフィックスカード自体の消費電力を計測してみたい。なお,テストは,いつもは3DMarkのTime Spy“無印”の「Graphics test 2」実行中に行っていた。しかしRTX 5090では,Time Spy“無印”でも描画負荷が軽いので,今回はTime Spy Extremeの「Graphics test 2」実行中に計測を行っている。
その結果がグラフ33だ。
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この結果を見ると,RTX 5090の消費電力は,RTX 4090よりも100W以上高い値を示しているのが分かる。
さらに,グラフ33の測定結果から,分かりやすくなるように中央値を求め,最大値と合わせてまとめたものがグラフ34となる。
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RTX 5090の中央値は548Wほどと,TGPの値に近い結果となった。RTX 4090の中央値は415Wほどなので,その差は133Wとかなり大きく,RTX 5090が電力喰らいのGPUであることは疑いの余地はない。
続いて,ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の最大消費電力を計測した結果も見てみよう。
テストにあたっては,Windowsの電源プランを「バランス」に設定。さらに,ゲーム用途を想定し,無操作時にもディスプレイ出力が無効化されないよう指定したうえで,各アプリケーションベンチマークを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を「タイトルごとの実行時」,OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」としている。その結果がグラフ35だ。
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ここではピーク値を結果として採用するため,どうしても差が大きくなりやすい傾向が出てしまう。それを踏まえても,各ゲーム実行時におけるRTX 5090とRTX 4090の差は,92〜237Wもあり,消費電力が増えてしまっていることは明らか。しかもシステム全体とはいえ,1000Wを超えてしまっている点は看過できない。RTX 5090は,電源ユニットに対するハードルがかなり高いGPUであることは間違いない。
GPU-Zを用いて計測したGPU温度も確認しておきたい。温度約24℃の室内で,テストシステムをPCケースに組み込まず,いわゆるバラックに置いた状態から,3DMarkにおけるTime Spy Extremeの30分間連続実行時を「高負荷時」として,アイドル時ともども,GPU-Zから温度を取得することにした。
GPUによって,温度センサーの位置や取得方法が異なっており,ファンの制御方法も違うため,同列に並べての評価にあまり意味はない。それを踏まえた結果は,グラフ36のとおり。
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RTX 5090は,高負荷時でも80℃弱。RTX 4090 FEよりもGPUクーラーは薄くなっているものの,しっかりした冷却性能があるようだ。なお,アイドル時の温度は約51℃と,RTX 4090より高いが,これはアイドル時にファンの回転が停止することに加えて,薄くなったことで放熱フィンの表面積が減り,温度が下がりにくくなっているのだろう。
最後に騒音計を使って,RTX 5090とRTX 4090の動作音を比較してみたい。今回は,41.2dBAの環境で,グラフィックスカードに正対する形で50cm離したところに騒音計を置いて,動作音を計測した。なお,ここでもバラック状態でテストを行っているので,実際にケースに組み込んだ状態よりも動作音は大きくなっていることを断っておく。アイドル時と高負荷時は,GPU温度を測定した条件と同じだ。その結果はグラフ37となる。
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どちらもアイドル時はファンの回転が停止するため,動作音は42dBA程度で変わりはない。高負荷時は,RTX 5090のほうが若干高めになっているが,その差はさほど大きくなく,動作音は同程度と言ってよさそうだ。
新世代のGPUとして申し分のない性能だが,40万円という価格はネック
テスト結果から明らかなように,RTX 5090は,2025年1月において,最高のゲーム性能が得られるGPUであることは間違いない。DLSS 4を使用せずとも,RTX 4090からパフォーマンスを2割強伸ばしている点は好感が持てる。しかしその一方で,RTX 4090がそうであったように,低解像度ではやはりCPU性能が足かせになってしまう点は覚えておきたい。4K解像度で描画オプションを最高の設定にして,ゲームで最高性能を得たいというのであればRTX 5090は,唯一無二の存在だ。
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しかし,RTX 5090搭載カードの価格は,NVIDIAの想定売価でも39万3800円からとなっており,ミドルハイクラスのゲームPCが1台購入できてしまうほど高価な点はネックだ。
またDLSS 4は,テスト結果を見るとフレームレートが向上するのは間違いないものの,対応ゲームがどの程度増えるかは未知数だ。さらに,たとえばCyberpunk 2077のようなゲームでは,200fpsを超るような高フレームレートはあまり意味がなく,従来のDLSS 3でも十分だ。そう考えると,DLSS 4はRTX 50シリーズの下位モデルでこそ活躍する機能ではないだろうか。
とはいえ,RTX 5090は,RTX 4090から性能向上を果たし,新世代のGPUとして十分な能力を備えている。各メーカーからRTX 5090搭載カードが発売されるのを,楽しみに待ちたい。
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