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プレイレポート
[プレイレポ]「モンスターハンターワイルズ」は遊びの幅が大きく広がった。美しくも厳しい大自然を舞台に,新たな狩猟生活が幕を開ける
美しくも厳しい大自然に,「ヌ・エグドラ」や「ヒラバミ」といった未知のモンスターの狩猟,セクレトに乗っての放浪,新システムが満載の狩猟アクションと,見どころが山のように用意されている。
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「モンスターハンターワイルズ」公式サイト
美しく厳しい大自然を舞台に,新たな狩猟生活が幕を開ける
あらためて説明する必要もないが,本作はカプコンの大人気ハンティングアクション「モンスターハンター」シリーズの最新作だ。今回の狩りの舞台となるのは,「禁足地」と呼ばれる未踏の地。その禁足地の調査隊に任命されたハンターがプレイヤーであり,本作の主人公となる。
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禁足地は個性豊かないくつもの地域で構成されており,同じ地域でも生き物どうしが争う「荒廃期」,荒れ狂う「異常気象」,生命豊かな「豊穣期」という3つの様相を持つ。
荒涼とした「隔ての砂漠」は,砂漠や岩場などバラエティに富んだ地形の地域だ。砂漠にはハンターの探索を邪魔するような流砂もあり,流されて落ちた先の地下エリアを探索することもある。また,突然訪れる異常気象の砂嵐は落雷をともない,その荒々しくも美しい光景が冒険心を刺激してくれる。
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「緋の森」は水と緑が溢れる,熱帯のジャングルを思わせる地域だ。水の色が時期によって変化するところが特徴で,荒廃期には血のような赤,異常気象の豪雨では茶色い濁流,そして豊穣期には輝くようなエメラルドグリーンとなり,同じ場所でも印象が大きく異なる。咲き乱れる花々もエキゾチックで,豊穣期には南国リゾートのような趣すら漂うのだ。
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原色に満ちた緋の森から一転,黒い油泥に覆われているのが「油涌き谷」だ。油泥はときにハンターの膝上まで達し,移動速度に影響を及ぼす。地面からは可燃性のガスが吹きあがり,不気味な雰囲気を演出している。異常気象である「火走り」が起こると,この油泥が燃え上がり,灼熱地獄の様相を呈する。飲み物など何らかの手段で体を冷やさないと,暑さのあまり体力がじりじりと減っていく。そして火走りが終わって豊穣期になると,一転して穏やかな場所となる。
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雪と氷に覆われた「氷霧の断崖」は,油涌き谷の暑さに苦しんだあとには天国のように思えるが,今度は逆に寒すぎて温かい飲み物が欲しくなってくる。瓦礫が浮いていたり,氷の洞窟に通路のような細い岩場が走っていたりと,この世のものとは思えない光景を目の当たりにするだろう。構造がやや複雑だが,セクレトの「オート移動」を使えば狩猟対象まで楽々移動してくれるので問題はない。
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禁足地に棲むモンスターは,シリーズでお馴染みの種から,見たこともないモンスターまで多様な顔触れだ。生き抜くために自然環境に適応しており,そのたくましさに驚嘆させられる。
例えば,新モンスターのヌ・エグドラは,「獄焔蛸」の二つ名どおりタコのような姿であるが,火走りの炎をものともせずに襲い掛かってくる。まさに環境適応の好例と言えるだろう。
そしてヌ・エグドラは全体的なフォルムがどこから見ても似ているので,後ろに回り込んでいると思いきや,危険地帯の前面に位置してしまったなんてことが,慣れないうちはよく起こってしまっていた。軟体であり,長い触手を持つのでリーチも分かりにくく,なかなかに苦戦させられたモンスターであった。
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そして,氷霧の断崖に適応しているのが,こちらも新モンスターとなるヒラバミである。この地に吹きすさぶ風を首の帆で受けて飛行しつつ,ハンターに攻撃してくるモンスターで,とらえどころのない動きを見せてくる。また,ヒラバミは群れを形成して襲い掛かってくるのだが,複煤のヒラバミがあちこちに飛び回りつつ,凍結異常を起こす液体を吐きかけてくる。ヒラバミもヌ・エグドラ同様に環境に適応したアクションでハンターを苦しめてくるのだ。
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環境に適応したモンスターに対抗するには,こちらも環境に適応することが必要だろう。フィールドのあちこちには狩りに利用できる地形やアイテムが存在しており,これを使えば狩猟を有利に進められる。
例えば油涌き谷には,ショックを受けると爆発する「燃石炭の塊」が落ちており,うまく転がしてモンスターにぶつければ大ダメージを与えられる。また,油涌き谷の「古びた鋳造機」,氷霧の断崖に浮遊する瓦礫といったギミックは,遠距離からアイテムを入手する特殊装備「フックスリンガー」のロープをつないでタイミング良く作動させれば,こちらもモンスターにぶつけられる。地形や性質の理解が必要だが,狩猟の大きな助けになってくれることは間違いない。
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油涌き谷の暑さや氷霧の断崖の寒さには「クーラードリンク」や「ホットドリンク」が必要だが,「ヒンヤリコロモムシ」「ホカホカコロモムシ」でも代用可能だ。これらの蟲はフィールドに点在するので,回収できればドリンクの節約にもなる。暑さは体力を,寒さはスタミナの上限を結構な速度で削るため,しっかり対策して狩猟に臨もう。
前述したヒラバミや「ドシャグマ」といった群れをなすモンスターには,「スリンガー大こやし弾」を使えばいい。フィールドに落ちているモンスターのフンをフックスリンガーで取得すればスリンガー大こやし弾となり,モンスターに当てることで群れを散り散りにさせられる。目標の個体を孤立させ,確実に狩猟していこう。
またワイルズでは,クエストを請けることなくフィールドをさまよう旅を楽しめる。時間の経過とともに昼夜が移り変わる中,あちらこちらとセクレトで駆け巡るのは開放感に満ちた体験だ。
生肉にできるモンスターを狩り,「焚き火料理」で料理もできる。フライパンにバターを溶かし入れ,狩りたての生肉を焼くという光景がリアルなグラフィックスで描写されるのは,とんだ「飯テロ」である。もちろん,モンハン名物の肉焼きだってできる。肉を分厚く切り分けるさまが食欲をそそり,「明日はリアルに焼肉を食べよう!」と心が決まったり。
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旅のさなかに見かけた大型モンスターを狩猟してもいい。狩猟を始めれば,そのままクエストとなり支給品がもらえるので,いきなり格上の相手に挑んでも構わない(同種のモンスターでも「ギルドの許可が下りていない」として支給品が出ない場合もある)。狩猟をして肉や素材を手に入れ,鉱石や植物や虫を採集していると,拠点であるベースキャンプに戻ることを忘れてしまう。もうずっと,さまよっていたくなるのだ。
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フィールドでは「簡易キャンプ」の設営候補地を探すのも重要となる。簡易キャンプでは装備の変更やアイテムの整理など,拠点の機能が揃っている。ファストトラベルもでき,クエストの出発地点にもなるなど,至れり尽くせりだ。ただ,周囲の「危険度」が高いとモンスターに壊され,一定時間が経過するか,名産品などで手に入る「ギルドポイント」を支払わなければ利用できなくなってしまう。ババコンガが簡易キャンプをぶん殴って壊している場面を目撃してしまい,怒りのあまりそのまま狩猟した……なんてこともあり,オープンフィールドの本作らしい体験だ。
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狩猟においては,特定の部位を攻撃すると,モンスターの角を折ったり,尾を切ったりなど部位破壊が発生し,報酬が増える……というのはシリーズの伝統とも言えるフィーチャーだが,さらに「集中モード」「傷口」「傷口破壊」「相殺」といったフィーチャーが加わり,新たな楽しみが生まれている。
集中モードを使うと,武器が狙っている場所が照準で示されるため,部位破壊を狙いやすくなる。同じ場所にダメージを蓄積させることで開く傷口は,そもそものダメージが上がるだけでなく,集中モード時に使える「集中弱点攻撃」を当てることで,よりダメージを与えられる。
傷口は部位破壊よりも頻繁に開くため,これを狙う攻撃や位置取りといったテクニックが重要になりそう。また,モンスターが特殊な攻撃を行う際に,特定の部位に集中弱点攻撃を当てても傷口破壊が発動する。「レ・ダウ」なら放電直後の頭,「バーラハーラ」は粘液を吐く直前の口,「ネルスキュラ」の場合は攻撃のために口から突き出された鋏角といったところだ。リスクを伴うが,成功時に大ダメージを与えられる,スリリングな要素と言える。
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そして,意識すると面白いのが相殺だ。大剣の「相殺斬り上げ」や狩猟笛の「相殺の調べ」など,特定の武器種に用意された相殺技をモンスターの攻撃にぶつけると,相殺が発生してモンスターを弾き飛ばし,攻撃のチャンスが生まれる。
これまでにも,モンスターの攻撃をギリギリで防いだりかわしたりといった要素はあったが,相殺は「攻撃どうしを当てる」ものであり,従来とは違ったタイミングでのアクションが必要だ。相殺技の性質を理解し,モンスターの動きをじっくり見てからの一撃が必要なわけで,決まったときの爽快感はかなりのもの。今回は「ババコンガ」や「ゲリョス」など従来作のモンスターも登場しており,相殺を意識して狩猟することで,これまでとは違った楽しさを味わえるだろう。
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セクレトとのコンビネーションも見どころだ。セクレト騎乗中は,現在の武器とあらかじめ用意しておいた武器を交換できるし,騎乗したままでもモンスターに攻撃を仕掛けられる。スタミナを消費せずに素早く動けるので,狩りのポジションを変化させるのにも有用であり,うまく連携できれば狩猟の役に立つのは間違いない。
なおワイルズでは,防具だけでなく武器にもスキルが付くので,武器を交換したあとも有効なスキルを保ちつつ狩猟に臨める。防具との兼ね合いもこれまでよりも自由さが増していそうで,さらにコーディネイトが楽しくなりそうだ。
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「モンスターハンターワイルズ」は,明日2月28日に狩猟解禁を迎える。広大なオープンフィールドでの狩りは新しい体験であり,そのなかで自由に放浪し,仲間達とコミュニケーションを図る。ハンターたちにとって多くの未知の体験が待っているのは,想像に難くない。
また,本作はモンスターハンターシリーズでは初となる,クロスプラットフォームに対応している。さまざまなハンターが入り混じったオンラインプレイは,これまで以上の楽しみをプレイヤーに与えてくれるはず。ついに狩猟が解禁されるワクワクを胸に,自由の荒野へと飛び出していこう。
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- CERO C:15歳以上対象
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- ファンタジー
- プレイ人数:1〜4人
- PS5:モンスターハンターワイルズ
- PS5
- Xbox Series X|S:モンスターハンターワイルズ
- Xbox Series X|S
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- ライター:箭本進一
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