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ビジネスPC向け新型APU「Ryzen Pro 7000」が発表に。ノートPC向けにはAIアクセラレータ「Ryzen AI」を組み込む
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印刷2023/06/13 22:00

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ビジネスPC向け新型APU「Ryzen Pro 7000」が発表に。ノートPC向けにはAIアクセラレータ「Ryzen AI」を組み込む

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 2023年6月13日,AMDは,ビジネス市場向けのAPUである「Ryzen Pro 7000」シリーズを発表した。

 「Ryzen Pro」シリーズは,ゲーマーを含む一般消費者向けのRyzenに対して,高度なセキュリティ機能を提供する「AMD Pro Security」や,「Microsoft Endpoint Manager」を使用した管理機能のサポートなど,ビジネスユース向けの機能を追加したAPUだ。
 AMDはこれまでも,ノートPC向けとデスクトップPC向けのRyzen Proを展開してきた。Ryzen Pro搭載のノートPCは,一般のPCショップでも販売されているので,見かけたことがある読者もいるだろう。

 今回,発表となったRyzen Pro 7000シリーズは,Zen 4アーキテクチャを採用するAPU製品だ。大きく分けて,ノートPC向けの「Ryzen Pro 7040」シリーズと,デスクトップPC向けの「Ryzen Pro 7000 Desktop Processor」シリーズで構成されている。

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 Ryzen Pro 7040シリーズは,2023年1月に発表となった高性能のノートPC向け「Ryzen 7040HS」シリーズと,2023年5月に発表となった薄型ノートPC向け「Ryzen 7040U」シリーズのビジネス向けバージョンと考えていいだろう。
 末尾にHS,またはUが付いたそれぞれ3製品のRyzen Proがラインナップされている。

Ryzen Pro 7040シリーズの製品ラインナップ
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 いずれも,主なスペックは先行して登場したProなし同型番モデルと同じで,一般向けの製品に,AMD Pro Securityなどへの対応を追加したものという理解でいいだろう。

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 一方,Ryzen Pro 7000 Desktop Processorは,Socket AM5に対応するビジネスデスクトップPC向けのAPUだ。12コア24スレッド対応の「Ryzen 9 Pro 7945」と,8コア16スレッド対応の「Ryzen 7 Pro 7745」,さらに,6コア12スレッド対応「Ryzen 5 Pro 7645」の3製品が発表となった。

Ryzen Pro 7000 Desktop Processorの製品ラインナップ
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 スライドにあるとおり,3製品ともTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)欄には「65W」と書かれており,デスクトップPC向けCPUとしては,消費電力は比較的少ないほうだ。それを反映してか,単体販売用の製品ボックスには,空冷CPUクーラーの「Wraith Sprite」が付属するという。
 ちなみに,デスクトップPC向けRyzen Pro 7000シリーズと同じ型番の一般向けRyzenはないのだが,Ryzen 7000シリーズの末尾「X」なしモデルと,動作クロックなどの仕様は同じだ。つまり,XなしモデルのProバージョンと考えていいだろう。


競合を上回る性能とAIアクセラレータの将来性をアピール


 AMDが行ったRyzen Proシリーズの事前説明において,とくに時間を割いていたのがノートPC向けのRyzen Pro 7040シリーズだ。

 AMDによると,Ryzen Pro 7040シリーズは競合を上回る性能を実現するだけでなく,より優れた低消費電力性能も実現しているという。たとえば,「Microsoft Teams」を使ったビデオ会議を行った場合,バッテリー駆動時間はIntel製CPU搭載機に比べて,最大70%も長いそうだ。

ノートPC向けCore i7の3製品と,薄型ノートPC向けの「Ryzen 7 Pro 7840U」の性能を,ベンチマークテストで比較したスライド。多くのベンチマークテストで競合を上回るという
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Microsoft Teamsを使ったビデオ会議のバッテリー駆動時間を,「M2 Pro」搭載Macを含めた競合と比較したスライド。Ryzen 7 Pro 7840Uなら,7時間弱のビデオ会議が可能だそうだ
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 また,高性能ノートPC向けの末尾HSモデルは,最大12コア24スレッド対応製品を用意しており,高性能なビジネス向けモバイルワークステーションを実現すると,AMDは主張する。

12コア24スレッド対応のRyzen 9 Pro 7940HSと,競合製品のCPU性能を比較したスライド
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 それだけでなく,AMDは,Ryzen Pro 7040の末尾Uモデルに搭載したAIアクセラレータ「Ryzen AI」も,大きくアピールしていた。
 Ryzen AIとは,AMDが買収した半導体企業Xilinxの技術に基づくニューラルネットワーク特化型アクセラレータを使い,PCにおけるAI処理を高速化しようというものだ。AMDは,話題の「ChatGPT」といった生成AIを引き合いに出しつつ,「AIの技術が今後のビジネスを大きく変える」と述べ,Ryzenとして初めてAIアクセラレータを搭載したRyzen Pro 7040のUモデルが,「ビジネスの効率を大きく引き上げるだろう」と予告していた。

 ちなみに,Ryzen Pro 7040のUモデルを搭載したPCでは,Ryzen AIを使ってWebカメラの背景を加工したり,カメラが映した人物の視線や動きを追跡して,フレーム内に収めたりする機能が標準で提供されるそうだ。いずれの機能も,ビデオ会議ソフトウェアが搭載していることもあるので新鮮味はないが,Ryzen AIならば,利用するビデオ会議ソフトウェアに依存せず,これらの機能が使えることが利点だと,AMDはアピールしていた。

Ryzen Pro 7040のUモデルでは,AIアクセラレータを使ったビデオ会議向けのビデオエフェクトが使用可能になる
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将来的には,Ryzen AIを使ったデータ解析やAIアシスタントなどさまざまなアプリケーションが登場するとAMDは予告する
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 なお,ビジネス向けという性格上,軽くしか触れられなかったが,Ryzen Pro 7040のUモデルは,一般向けのRyzen 7040Uシリーズと同じく,RDNA 3ベースの統合型GPUも備えている。統合GPUとはいえ,エントリー市場向けの単体GPUと肩を並べる性能が期待でき,描画負荷の軽いゲームならば,十分快適にプレイできる。
 価格次第ではゲーマーが選ぶPCの候補になるかもしれないので,Ryzen Pro 7040シリーズのことを,記憶にに留めておくといいかもしれない。

AMDのノートPC向けRyzen Pro製品情報ページ

AMDのデスクトップPC向けRyzen Pro製品情報ページ


  • 関連タイトル:

    Ryzen(Zen 4)

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