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[JAEPO2017]システムを再構築し,新たな息吹を吹き込む。「LORD of VERMILION IV」を手がける丹沢悠一氏へのインタビュー
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印刷2017/02/11 20:09

インタビュー

[JAEPO2017]システムを再構築し,新たな息吹を吹き込む。「LORD of VERMILION IV」を手がける丹沢悠一氏へのインタビュー

 スクウェア・エニックスのアーケードTCG「LORD of VERMILION IV」(以下,LoV4)が,2017年2月10日から12日まで開催されるジャパン アミューズメント エキスポ2017にプレイアブル出展されている。

 本作は「LORD of VERMILION」シリーズの最新作で,物語の舞台がファンタジー世界から現代となり,ゲームシステムも再構築されるなど,さまざまな試みがなされている。詳しくはこちらの記事をご覧いただきたいが,そんな本作はどのような狙いで開発されているのか。プロデューサーの丹沢悠一氏に聞いた。

「LORD of VERMILION IV」プロデューサー 丹沢悠一氏
画像集 No.001のサムネイル画像 / [JAEPO2017]システムを再構築し,新たな息吹を吹き込む。「LORD of VERMILION IV」を手がける丹沢悠一氏へのインタビュー

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。これまでファンタジー世界が舞台だったLoVシリーズですが,LoV4でそれが現代になったのはなぜでしょうか。

「LORD of VERMILION IV」は,紅い霧に包まれた後,異常事件が起こるようになった現代の東京が舞台
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丹沢悠一氏(以下,丹沢氏):
 入口のハードルを少しでも低くするためです。ファンタジーだと,まず独特の世界観や用語を理解しなくてはならないことが多いですが,現代が舞台であれば,そういったことは必要ありません。

4Gamer:
 現時点で主人公は「神名千尋」「白木優羽莉」の2人が発表されていますが,今後増えていくのでしょうか。

左が大学生の神名千尋(CV:梶 裕貴),右が謎の女性,白木優羽莉(CV:福圓美里)
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丹沢氏:
 はい。「LORD of VERMILION Re:3」と同じ16人ぐらいは出したいですね。

4Gamer:
 現代が舞台になると,使い魔たちにもいろいろと変化がありそうですが。

丹沢氏:
 基本的にはこれまでのシリーズ作品に登場した使い魔たちは続投しつつ,新規のものも増えていきます。現代日本に対する使い魔たちのスタンスもさまざまで,文化に適応している者とそうでない者がいるんです。例えば「ロロ」は日本の街に紛れ込んでいるんですが,ヘッドフォンの使い方が良く分からなくて腰に巻いていたりする……といった具合です。

「ロロ」(左)と「ミリア」(右)。ともに背景が現代の街並みになっている
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4Gamer:
 現代という舞台が,カードの絵でも表現されていくわけですね。LoV4では新たなレアリティとして,服装とゲーム内のモデルが違う「EXTRA COSTUME RARE」が登場するのも気になります。

「EXTRA COSTUME RARE」のミリア。カードの能力は通常のものと変わらないが,服装やゲーム内のモデルが通常と異なったものになる
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丹沢氏:
 これまでのシリーズ作品でも,通常のカードとはボイスが異なる「VERMILION RARE」というレアリティを実装していますが,以前から「モデルも変わったら面白いんじゃないか」というアイデアがありました。あくまで外見が違うだけで,能力は通常のカードと同じですから,コレクション要素として楽しんでいただければと思っています。

4Gamer:
 では,EXTRA COSTUME RAREの排出率はどれくらいでしょうか。

丹沢氏:
 当たった人に大喜びしていただけるくらい,ですね。

4Gamer:
 システム面についても聞かせてください。新たな能力値「PSY」とはどういったものでしょうか。

丹沢氏:
 使い魔の精神力を示すもので,この値が大きいと施設制圧力やジョブの固有アクションの効果が高まります。PSYが高い使い魔は「ATK(攻撃力)」と「DEF(防御力)」は低くなる傾向があります。

4Gamer:
 LoV4はシンプル化がコンセプトの1つになっているにもかかわらず,新たな能力値を増やすのはなぜでしょうか。

丹沢氏:
 アビリティやテキストを増やすことなく,使い魔の個性を表現するためです。
 これまで使い魔の能力値はATKとDEFしかなかったわけですが,そこで個性を出すためには複雑なアビリティを付与するしかありませんでした。そうするとカードのテキストも長くなり,その分ハードルが高くなってしまいます。

4Gamer:
 なるほど。確かにそうなるでしょうね。

丹沢氏:
 PSYが高ければ制圧力やジョブの固有アクション,低ければATKやDEFといった基本スペックで勝負するタイプになります。こうした個性が,PSYという数字で分かります。
 分かりやすい例が制圧力で,これまでのシリーズ作品だと,制圧力は使い魔のコストから算出されていて,コストが同じ使い魔なら制圧力も同じでした。そのためアビリティで差別化していたわけですが,これからはPSYの値を高くするだけでよくなります。

4Gamer:
 能力値を増やすことで,ゲームが分かりやすくなっていると。

丹沢氏:
 PSYは役割分担の明確化にもつながります。例えば,PSYの高い使い魔が「スロウアタック」で敵の動きを遅くしているところで,逆にATKが高い(PSYの低い)者が攻撃するといった具合ですね。特にタッグ戦ではいろいろな戦術が生まれるんじゃないでしょうか。

4Gamer:
 では,「アルティメットレイド」について教えてください。

丹沢氏:
 さまざまな効果を持っていた「アルティメットスペル」を再構築したもので,使い魔のATKやDEF,移動速度などを一定時間パワーアップさせます。どの能力が上昇するかは「サポートカード」として登録した使い魔の種族で決まります。

画像集 No.011のサムネイル画像 / [JAEPO2017]システムを再構築し,新たな息吹を吹き込む。「LORD of VERMILION IV」を手がける丹沢悠一氏へのインタビュー
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4Gamer:
 デッキに組み込んだ使い魔を,同時にサポートカードとしても使えるのでしょうか。

丹沢氏:
 使えません。デッキに登録したものとは別に,サポートカード用の使い魔を用意する必要があります。

4Gamer:
 お話いただいたように,本作ではさまざまなシステムが再構築されているようですが,このきっかけは何だったのでしょうか。

丹沢氏:
 昨年,全国を巡って「講習会」を開いたことですね。システムが複雑化していたので,しっかり説明すると結構な時間がかかってしまいました。誰かがつきっきりで教えるならともかく,そうでないと戸惑ってしまうと感じ,ハードルを下げることを意識しました。

4Gamer:
 アニメやコミックと言ったマルチメディア展開も発表されましたね。

丹沢氏:
 それぞれのメディアの特性を生かしたものになっていく予定です。LoVはアーケードゲームなので,キャラクターたちの感情の機微を描きにくかったのですが,そうした部分を掘り下げるといった取り組みをしていきたいですね。

4Gamer:
 では,最後に4Gamerの読者へメッセージをお願いします。

丹沢氏:
 「LoV」はコアなゲームなので,4Gamer読者のみなさんなら,ハマってもらえると思っています。LoV4ではかなりハードルを下げられたので,ぜひ一度遊んでいただきたいです。女性のプレイヤーさんも少しずつ増えていますので,女性の方もぜひトライしてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

「LORD of VERMILION IV」公式サイト

  • 関連タイトル:

    LORD of VERMILION IV

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