ファン周りをチェックした
前回に続き,今回は,「
STRIX-GTX960-DC2OC-2GD5」(以下,STRIX-GTX960)のゲーム性能を見てみたい。
テスト環境は
表に示すとおりで,これは
「GeForce GTX 960」のレビュー記事で用いたのと同じもの。そこで,同記事から,GIGA-BYTE TECHNOLOGY製GeForce GTX 960(以下,GTX 960)カード「GV-N960WF2OC-2GD」をリファレンスクロックまで下げたものを流用し,リファレンス仕様のGTX 960相当として扱うことにした。
テスト時の状況によって影響が異なるのを避けるため,「Core i7-4790K」の自動クロックアップ機能「Intel Turbo Boost Technology」は,マザーボードのUEFIから無効化している
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テスト方法は,基本的に4Gamerの
ベンチマークレギュレーション16.0準拠。このなかから「3DMark」(Version 1.4.828)と「Battlefield 4」(以下,BF4),「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」(以下,新生FFXIVベンチ キャラ編)をピックアップして利用する。解像度は2560×1600ドットと1920×1080ドットを選択した次第だ。
結果は
グラフ1〜5のとおり。STRIX-GTX960は,(リファレンスデザインと比べるとクーラーが変わっている)GTX 960比で2〜3%程度のスコア向上を確認できた。今回のテストで,STRIX-GTX960のGPUコアクロックは1418MHzまで上がったのに対し,GTX 960は1365MHzまでと,その差が4%弱あるので,クロックどおりの妥当なスコアと言って差し支えない。
※グラフ4と5は,グラフ画像をクリックすると,平均フレームレートベースのグラフ4’,グラフ5’を表示します
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消費電力は
グラフ6にまとめたが,アイドル時はほぼ同じ。一方,各アプリケーション実行時では,STRIX-GTX960がGTX 960に対して2〜14W高い結果となり,動作クロックが高い分,消費電力も増加してしまっているのが分かる。
ログの取得が可能なワットチェッカー「Watts up? PRO」を用いて,システム全体の消費電力を取得。OSの起動後30分放置した時点を「アイドル時」,各アプリケーションを実行したとき,最も高い消費電力値を記録した時点を,タイトルごとの実行時としている
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グラフ7はGPU温度をまとめたもの。STRIX-GTX960はGTX 960より若干高いものの,高負荷時でも60℃を切っており,GPUクーラーの冷却性能は申し分ない。
3DMarkの30分間連続実行時点を「高負荷時」とし,アイドル時ともども,「GPU-Z」(Version 0.8.1)からGPU温度を取得した結果。テスト時の室温は24℃で,PCケースに組み込まず,いわゆるバラック状態に置いてテストを実施している
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補助電源コネクタが6ピン×1という構成のため,ユーザーが自己責任でオーバークロックしたい場合には,他社製品のほうが適している可能性もある
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STRIX-GTX960は,補助電源コネクタが6ピン×1という構成のため,ユーザーが自己責任でオーバークロックを試すには,電力不足が懸念される。その意味では,カードの定格のまま,できる限り静かに運用したいというニーズにこそ,STRIX-GTX960は向いているといえるだろう。GPUクーラーの能力は文句なしに秀でているので,カード定格での性能と静音性の両立を求めるユーザーなら選択肢になるはずだ。
■ファンの挙動について
前回の短評でファンの回転が停止するまでの時間が長いと指摘したが,どうしてそのようになるのかASUSTeK Computerに確認したところ,「ファンはGPUの温度を基準にしたPWM制御がなされている。そして,停止温度の40℃前後になるまで30〜40秒ほどかかるため,それまでの間は低い回転数のまま回るようになっている」という回答が得られた。この仕様自体は,STRIXの従来製品から変わっていないとのことだ。
※HW短評に関する注意
- HW短評(ハードウェア短評)は,各執筆者が,テスト経過時点でのインプレッションをまとめたものです。最終的な評価の掲載を目的とするわけではないため,次回以降のHW短評,もしくは別途掲載されるレビュー記事などとは異なる評価が掲載されることもあります
- HW短評について,お気づきの点や,「こんな追加テストをしてほしい」という要望があれば,問い合わせフォームの「記事について(掲載情報の間違いや修正依頼など)」からお伝えいただければ幸いです。ただし,ご要望にお応えできない場合もありますので,この点はご容赦ください