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[COMPUTEX]ROCCATの新作キーボードは「フルキー仕様のまま,極限まで小さく」がコンセプト。E3ではさらなる新製品が
世界市場に向けて7月初旬に出荷開始予定となっており,北米市場におけるメーカー想定売価は99ドルという製品である。
Suoraは,Ryosシリーズの下に位置づけられ,ミドルクラス市場を狙うキーボードだ。「Cherry MX」互換のTTC製茶軸スイッチを搭載しており,上の写真見て分かるとおりのフルキー仕様だ。ミドルクラス市場ということで性能面に不安を覚える人がいるかもしれないが,Nキーロールオーバー対応でポーリングレート(≒USBレポートレート)は1000Hzと,ゲーマー向けキーボードに求められる基本仕様は満たしている。
外観上の大きな特徴は,一般的なゲーマー向けキーボードでは横幅と奥行きがざっくりと順に450mm前後,150mm前後のところ,Suoraでは430(W)
「そこまで小さくしたいなら,10キーレスにすればいいのではないか?」という意見はもっともで,筆者もそう感じたのだが,その点について聞いてみると,「10キーは必要で,しかし机上におけるキーボードの専有面積は小さくしたいという声が大きいため,Suoraでこういうデザインを採用した」との答えが返ってきた。
ただし,「日本市場などで10キーレスモデルを望む声があることは理解しているため,出すか出さないかも含め,10キーレスモデルについては現在も検討を続けている」とのことである。
ハードウェアではもう1つ,10キー部の奥にメカニカルスイッチ搭載のキーを4つ用意し,[Fn]キーとの組み合わせによるショートカット操作でサウンド出力の有効/無効切り替えと出力ボリューム調整,そして「Game Mode」の有効/無効切り替えを行えるようにしてある点にも注目したい。
Suoraは,専用のマクロキーを持たない。そこで[Insert/Home/Page Up/Delete/End/Page Down]キーに[M1〜M6]キーの機能も持たせておいて,「Game Mode」を有効化したときにはこれら6キーをマクロキーとして使えるようにしてあるのだ。
ではこれは何かというと,キーのタイプに合わせて,効果音を出力する機能だ。具体的には,以下に挙げる5つの選択肢から好きなものを選ぶと,選んだ結果としての効果音がPCから出力されることになる。
- NO TYPING SOUND:効果音出力を行わない
- CLICK SOUND:マウスクリックのような「カチッ」という音を出力する
- TYPEWRITER SOUND:タイプライター操作風の音を出力する
- BEAMSOUND:STGで自機が弾を撃つときの「ピチュン」的な音を出力する
- SIFI SOUND:ゲームにおけるビームの効果音でよくある「ヒューン」的な音を出力する
メカニカルキースイッチの音を別の音でマスクできるので,メカニカルキースイッチのカチカチした音が苦手な人には意味があるのかもしれないと思ったのだが,実際には「本当にただWindowsミキサー経由で音を出しているだけ」のようで,ヘッドフォンを付けてテストしてみると,打鍵からわずかに遅れて音が聞こえてしまい,たいそう気持ちが悪い。
キーボードを打鍵するたびにピチュンピチュンとSTGのような音が鳴ったりするのは面白いのものの,それ以上のメリットは何も感じないという,ある意味でスゴい機能である。
いずれ登場するだろう日本語配列に無理がなければ,という条件付きではあるものの,必要十分なゲーマー向け機能があって,10キー付きでできる限り小さなメカニカルキーボードが欲しいというニーズに,Suoraは応えてくれそうな気配だ。
なお,ROCCATによると,E3 2016でもさらなる新製品を発表予定とのことなので,期待したい。
ROCCATのSuora製品情報ページ
COMPUTEX TAIPEI 2016 取材記事一覧
※2016年6月17日追記
Suoraの搭載キースイッチについて「ZF Electronicsのライセンスを受けてTTCが製造している互換品である」という連絡がROCCATからあったため,本文をアップデートしました。
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