今年のE3会場を歩いていると絶対に目に入ってくるのが,Micosoftの
Kinectと,その対応ソフトの展示だ。というのもKinectの展示されている場所は,(ブースレポートでも説明したとおり)決まってガラスで覆われた小屋のようになっており,その中で必死の形相で飛び上がったり,しゃがんだりしている人がいるからだ。さすがに業界関係者ばかりが集まるイベントなだけに,みんなモーションコントローラということは認識しているだろうが,それにしてもモニターの前で飛んだり跳ねたりしているとさすがに目立つ。さらに,そんな人達がガラスで覆われた空間にいるのだから,人目を引いてもなんの不思議もない。
そんななかでも一際目を引くのが,本家本元のMicrosoftブース。贅沢に六つもガラス張りの部屋を用意して,来場者にKinectを体験させていたのだ。というわけで,Microsoftブースの周りには興味津々といった感じでガラス張りの部屋を見ている人があふれ,常にごった返していた。そんな注目のデバイスと六つのローンチタイトを実際に体験できたので,その概要をお伝えしよう。
Kinect Adventures
川下りなど,さまざまなアクティビティが楽しめるミニゲーム集だ。二人同時に遊ぶことが推奨されており,二人同時に体を傾けると,よりその方向に寄っていったり,二人同時にジャンプすると一人のときよりも高度が上がったりする。この特徴を生かしたゲームが多く,まさにファミリー向けのタイトルといえるだろう。
Kinect Animals
ペットとの交流を楽しむゲームで,プレイヤーは自分のペットと戯れたり,教育したりしながら日々の生活を送っていく。ペットに手を差し出せばじゃれてきたり,ときには舐めてくるときもある。ペットの性格には個体差があって,同じような外見のものを選んでも,育て方によって変ってくるという。ちなみに,初期設定時にペットの名前を決められ,その名前を呼び続けることでペットに覚えさせられる。
Kinect Joy Ride
名前から推測できるとおり,さまざまな乗り物に乗って楽しめるミニゲーム集だ。ハンドルを握るような形で両腕を前に出して車を操作できる。体重を左右どちらかにかければ,よりその方向に寄り,お尻を使ってドリフトもできる。通常のレースを行うモードのほかにもスノーボードのハーフパイプのようなコースを走りながらジャンプを繰り返し,中に浮かぶ物体を取ると得点が加算される「スタントモード」がある。
Kinect Sports
ボウリング,サッカー,ビーチバレー,卓球,ボクシング,トラック競技(110メートルハードルなど)が楽しめる。今回実際に体験できたのはボウリングだけだったが,まさに本物のそのもの。右手だけでなく左手,もしくは両手で投げることもできる。腕を大きくひねることでボールにスピンをかけるといったことも可能だ。
Your Shape: Fitness Evolved
さまざまなトレーニングが手軽に行えるフィットネスソフト。手や足だけでなく膝,肘など,細かく動きを認識するKinectだけに,正確な動きを身につけられるかもしれない。少なくとも同じことを鏡の前でやるよりも,正確に自分の動きを把握できる。Wii Fitよりも体の動きが制限されない分,トレーニングしやすいだろう。
Dance Central
MTV Gamesが開発を行っているダンスゲームだ。音楽に合わせて画面右側に映し出される体の部位を動かしながら楽しむ。足でボタンを押すタイプのゲームよりも,ダンスしている感が出ているのが特徴だ。モードをイージーにすれば簡単なステップを踏んだり手拍子を入れる程度で楽しめる。
全体を通して感じるのは,なんといっても手軽さだ。今回は数人で一緒に上記6タイトルを次々と遊んだのだが,人の入れ替わりが非常に簡単で驚いた。画面の前に立つだけですぐさまゲームを楽しめるのは,まさにパーティゲーム向き。新しいゲームを始めたり,人が入れ替わるたびにキャリブレーションし直していると盛り上がり方も鈍るというもの。その点,Kinectは非常に優秀で,場に妙な間を作らずにすむ。
おそらく東京ゲームショウ2010でも数多くのKinect対応タイトルがプレイアブル出展されるはずなので,その際にはぜひ一度試してみてほしい。