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[GDC 2025]MMORPG「Star Wars: The Old Republic」のコミュニティをワクワクさせた,新たな“恋愛オプション”が作られたワケ
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印刷2025/03/22 19:53

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[GDC 2025]MMORPG「Star Wars: The Old Republic」のコミュニティをワクワクさせた,新たな“恋愛オプション”が作られたワケ

 カリフォルニア州サンフランシスコで開催されていたGDC 2025の会期中,Broadsword Online Gamesでナラティブディレクターとして活動するAshley Ruhl氏がナラティブデザイン・サミットに登壇し,「好きでやる仕事: Star Wars: The Old RepublicにおけるDate Nightのストーリー」と題したトークセッションを行ったのでご紹介しよう。

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 2011年にBioWareが開発し,Electronic Artsからリリースされた「Star Wars: The Old Republic」と言えば,映画シリーズよりも3600年も古い宇宙を舞台にし,シス帝国と共和国が一触即発の状況の中で和平を保っている時代を描いたMMORPGだ。
 8種のキャラクタークラスを3つのストーリーに分けて描き,メインクエストはNPCとのボイス付きの会話がフィーチャーされている。1日あたりのプレイヤーアクセス数は2万人ほどで,今も熱狂的なファンに支え続けられているという。

Broadsword Online Gamesのナラティブデザイナーで,「Date Night」の陣頭指揮を執ったAshley Ruhl氏
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 ローンチ当初は不振だったことから,翌年の2012年にはFree-to-Playのビジネスモデルを採用し,2022年2月にリリースされた「Legacy of the Sith」まで合計8種類の拡張パックを公開した。2023年には,旧Mythic Entertainmentのメンバーで設立されたBroadsword Online Gamesに,その運営が完全委託されて現在に至る。

 Broadsword Online GamesがElectronic Artsとのパートナーシップにより,「Star Wars: The Old Republic」の運営をサポートしていた2020年末頃,同社内でファンコミュニティを活性化させるために,ゲームジャムが開催された。
 ゲームジャムとは,与えられたお題をもとに個人や有志でゲームを作る催しで,アイデアのブレインストーミングやプロトタイプ作りに加え,仲間たちの結束力を強化するといった目的で,ゲーム会社内で行われることも多い。

 Broadsword Online Gamesの社内ゲームジャムの場合は,すでに存在するアセットを流用するという縛りがあったが,Ruhl氏が考えたのが,ロマンス(恋愛)オプションを強化するというものだった。

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 「Star Wars: The Old Republic」には,約25人におよぶコンパニオン候補のNPCたちとロマンスを楽しめるオプションがある。しかし,一度クエストをプレイすると,あとは日常に戻ってしまい,大恋愛をした相手とは思えないそっけなさが残る。そこでRuhl氏は,まだ熱の覚めていない恋愛関係の続きとなるストーリーを作ろうと考えたという。

 当時,Ruhl氏はシネマティックデザイナーという肩書であり,開発ツールのステージエディタでアクションを決め,環境オブジェクトやBGMなども既存のものを利用した。恋愛相手として選んだArcannの身長が非常に高く,カメラが捉えていないところでプレイヤーキャラクターが30cm以上も浮いたような状態になっていたらしい。

当時はシネマティックデザイナーだったRuhl氏は,自分が使い慣れていたツールでデモを作っていったという。それに賛同した12人のメンバーが集まり,「Date Night」を4年越しにリリースさせた
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 また,キスシーンは目的外で制作されたアニメーションを組み合わせたものだったため,動きはもたもたしたものに過ぎなかった。Ruhl氏は「業界ではこうした無理やりアニメーションを作り出す行為を,“コーヒーメーカーでホットドッグを作る”なんて表現するのです」と話していたが,そのフランケンシュタインのようなシーン作りは概ね好評だった。
 「Legacy of the Sith」がローンチした直後の2022年6月にナラティブデザイナーに昇格したRuhl氏は,この恋愛オプションをミニ拡張パックにすることを説き伏せた。

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 そうして,未公表のまま開発が進められたが,データに「Date Night」という文字が存在することにファンが気付き,コミュニティではさまざまなウワサが持ち上がり盛り上がっていったという。

 その状況に答えるように,Ruhl氏の開発チームは情熱をもって開発を続け,結果として4人のコンパニオンとの恋愛シーンを追加。バレンタインデーに公開された最新アップデート「7.4.1」に含まれるコンテンツとして無料公開された。

正式アナウンス時に熱狂したファンの様子
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 ファンが狂喜乱舞したのは,すべてのクエストにボイスオーバーが加えられており,さらに毎週ステータスがリフレッシュされるため,4人全員とのロマンスの続きを体験できるからだったという。

 「Date Night」の話題は,すでにゲームから離れていたベテランプレイヤーの元にも届き,ローンチ直後には同時アクセス者数が6倍の12万人になったこともあったそうだ。
 開発チームの情熱に突き動かされて始まったプロジェクトだが,Ruhl氏は,「みんな,古い恋愛の続きを求めています。コーヒーメーカーから出てきたホットドッグを軽視してはいけません」と講演を締めくくった。

個別で一番人気だったキャラクターは唯一の女性恋愛対象であるLana Benikoだが,断トツでプレイされたのは「4人全員」というオプションだった。SWTORファンが,どれだけ新しい恋愛クエストを楽しんだのかが分かる
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「Star Wars: The Old Republic」公式サイト


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