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Access Accepted第312回:ポストWoWはどのタイトルか? 欧米産MMORPGの最近の動き
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印刷2011/08/01 18:55

業界動向

Access Accepted第312回:ポストWoWはどのタイトルか? 欧米産MMORPGの最近の動き

画像集#006のサムネイル/Access Accepted第312回:ポストWoWはどのタイトルか? 欧米産MMORPGの最近の動き

 北米のMMORPGプレイヤーの半分以上が「World of Warcraft」を遊んでいるという独占状態が続き,しばらく動きの乏しかった欧米のMMORPG市場だったが,ここへきて,さまざまなタイトルが登場してきた。2011年には,Trion World の「Rift」やSony Online Entertainmentの「DC Universe Online」が登場して市場に再び活気が見え始めたが,さらに今後も,いくつかのタイトルがサービスインを予定している。今週は,Electronic Artsの「Star Wars: The Old Republic」を中心に,欧米産のMMORPG新作タイトルをいくつか紹介しよう。果たして,ポストWoWの座を奪取できるタイトルはあるだろうか。


スター・ウォーズファンの注目を集める
Star Wars: The Old Republic


 LucasArtsのライセンスの下,Electronic Artsがパブリッシングを予定し,傘下のスタジオBioWareが開発を進める超大型MMORPG「Star Wars: The Old Republic」。未だに正式サービスの開始日が発表されていないにも関わらず,予約受付が始まり,結果としてElectronic Artsの歴史を塗り替えるほどの好調ぶりを発揮しているという(関連記事)。欧米ではそう珍しい話ではないのだが,通例,そう日を置かずに発売日や正式サービス開始日が発表されるため,「いよいよ近づいてきた」と喜んでいるファンも多い。

2011年内の正式サービス開始にも期待が持てる,「Star Wars: The Old Republic」。同じスター・ウォーズをテーマにしたSony Online Entertainmentの「Star Wars Galaxies」が2011年内のサービス終了を発表しているだけに,乗りかえ需要も期待できるかもしれない
画像集#001のサムネイル/Access Accepted第312回:ポストWoWはどのタイトルか? 欧米産MMORPGの最近の動き

「Star Wars: The Old Republic」公式サイト


 BioWareは,「Baldur's Gate」に始まって「Mass Effect」「Dragon Age」シリーズなど,ハズレのないAクラスのRPGを開発するデベロッパとして,日本でもよく知られているはずだ。テキサス州オースティンにMMORPG開発専門のスタジオを開設し,Star Wars: The Old Republicの開発に臨んでいる。8種類のキャラクタークラスそれぞれに専用のストーリーを用意したり,主人公だけでなく敵やNPCもフルボイスになっていたり,豪華なムービーシーンが多用されていたりと,まさに,壮大なスペースオペラという雰囲気のゲームになっている。

 Electronic Artsにとっては,自社タイトル専用のデジタル配信サービス「Origin」の市場浸透のため,本作を利用したいという思惑もあるようだ。Valveの「Steam」を目指して開発されたOriginだが,そのSteamのローンチには「Half-Life 2」が大きな役割を果たした。それと同じ役割をStar Wars: The Old Republicに担ってもらいたいというわけだ。

 噂では,ゲーム市場前代未聞の250億円の開発費をかけたという本作。その話が本当なら,Electronic Artsにとって,もはや失敗の許されないプロジェクトになっているだろう。
 もっとも,この巨額開発費の話は,Electronic Artsのゲーム開発とは関係の薄い部門を退職した(という)人物を出どころとしており,真偽は今のところ藪の中。ちなみにその人物は,「最低50万人のサブスクライバー(毎月料金を支払うプレイヤー)がいなければ,運営を継続できない」とも述べている。
 いずれにしろ,パッケージソフトの予約販売は非常に順調であり,予約だけで200万本を達成すると予想している業界アナリストもいるほどだ。これだけでもかなりの開発資金を回収できることになる。

 当連載の第309回,「欧米ゲーム業界に広がるFree-to-Play」でも書いたように,欧米のMMORPGジャンルには現在,基本プレイ料金無料の,いわゆるFree-to-Playタイプのタイトルが増えつつあり,月額課金からFree-to-Playに移行するタイトルも増えてきている。古いビジネスモデルになりつつある月額課金を採用する予定のStar Wars: The Old Republicが,プレイヤーにどのように評価されるのか。果たして独占状態にある「World of Warcraft」の牙城を脅かすことができるのか,非常に興味深い。

 このStar Wars: The Old Republicを含め,欧米のゲーム業界では,ヒットが期待できそうな注目MMORPGが,2012年から2013年にかけて次々とローンチされていく。登場からすでに7年が経過したWorld of Warcraftの人気が,ようやく落ち着きつつあるのも事実で,発売前にはそれほど話題になっていなかったTrion Worldの「Rift」が,フタを開けたらサービス開始からわずか1か月で約100万人のプレイヤーを獲得するなど,「次のタイトル」を求めるゲーマーは少なくない。ポストWoWを狙うMMORPGにとって,タイミングは悪くないのだ。

 最初のMMORPGといわれる3DO Publishing「Meridian 59」が1996年にローンチして以来,15年が経過した。そろそろ変革の時期なのかもしれない。
 2013年末には,Blizzard Entertainmentのコードネーム「Titan」が登場すると言われているが,その頃までに,欧米のMMORPG勢力図はどのような姿になっているだろうか? 最後に,2012年以降に登場すると思われる期待作をいくつか紹介してみよう。


  ■Guild Wars 2

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「Guild Wars 2」公式サイト


開発元:Arena.net
販売元:NCSoft


 2005年に発売されて多くのファンを獲得した「Guild Wars」の続編となる「Guild Wars 2」。舞台となるのは前作から250年後のゲーム世界「Tyria」で,支配するElder Dragonと,それを倒すべく立ち上がったプレイヤー達,Destiny's Edgeの戦いを描く。ヒューマン,Charr,Asura,Nornなど,前作に登場した種族に加え,Sylvariという種族も初登場。8種類のキャラクタークラスが用意されており,前作同様,数多く用意されたスキルの中から,コンビネーションを考えて10種選択するという,カードゲームを思わせる,戦略性の高いスキルシステムが採用されている。
 Guild Wars 2は,パッケージやアドオンパックの売上で運営され,月額料金はかからないという,前作と同じビジネスモデルを採用する予定だ。NCsoftは,2011年8月にドイツで開催されるGamesComで「何か大きな発表をする」ことを明らかにしており,Guild Wars 2のスケジュールなどが発表される可能性が濃厚だ。


  ■The Secret World

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「The Secret World」公式サイト


開発元:Funcom
販売元:Funcom


 現代社会を舞台に,世界中の都市伝説や神話,陰謀などをテーマにするという異色作品が,Funcomの「The Secret World」だ。プレイヤーは,ロンドンに本拠を置くTemplar,ニューヨークを拠点とするIlluminati,そしてソウルにあるDragonという3つの組織から自分の所属するものを選び,世界各地で起きる怪しい事件を解決していく。また「Agartha」と呼ばれる地下世界で,組織同士が戦うPvPも可能であるようだ。
 The Secret Worldは,クラスやレベル上げの概念がないという独特のシステムが特徴になっている。数多く用意されたさまざまなスキルが,プレイを続けることで次々にアンロックされていくので,プレイヤーはクエストの内容に合わせてスキルを組み合わせたり,武器を決めたりしていくのだ。ゾンビやゴーレム,水中に住む怪物や幽霊など,神話や伝説に登場するモンスターが,ユニークなデザインで多数登場する。また,自分のキャラクターにレザージャケットなどの,現代風な衣装を着せたりすることも可能だ。
 現在のところ,正式サービスの開始日は発表されていない。


  ■World of Darkness

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「World of Darkness」公式サイト


開発元:CCP
販売元:CCP


 「EVE Online」日本での展開や,PlayStation 3向けのオンラインFPS「DUST 514」のE3での発表など,元気の良い印象を受けるアイスランドのゲームメーカー,CCPの新作が「World of Darkness」だ。CCPは2006年にテーブルトークRPG,「Vampire: The Masquerade」の開発元として知られるWhite Wolf Publishingを傘下に収めており,彼らのIPを使った最初の作品が本作となる。
 World of Darknessは,プレイヤーがさまざまなクランに属するヴァンパイア(吸血鬼)となって,自分の勢力の拡大を図るというもの。ゴシックな世界観を持った,ダークでセクシーなゲームに仕上がりそうだ。
 詳細についてはまだ明らかでない部分が多いが,2012年内に正式サービスが開始される見込みで,テーブルトークRPGのファンにも見逃せないだろう。

著者紹介:奥谷海人
 本誌海外特派員。サンフランシスコ在住のゲームジャーナリストで,北米ゲーム業界に知り合いも多い。この「奥谷海人のAccess Accepted」は,2004年に連載が開始された,4Gamerで最も長く続く連載だ。バックナンバーを読むと,移り変わりの激しい欧米ゲーム業界の現状が良く理解できるはず。
  • 関連タイトル:

    Star Wars: The Old Republic

  • 関連タイトル:

    Guild Wars 2

  • 関連タイトル:

    Secret World Legends

  • 関連タイトル:

    World of Darkness

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