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「ハック&スラッシュRPG」と「ゾンビアクションFPS」をブレンドさせたら奇妙な香味と旨味が……「デッドアイランド」のレビューを掲載
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印刷2011/12/15 10:00

レビュー

ゾンビが大量発生した地上の楽園「バノイ島」から脱出できるか?

デッドアイランド 日本語版

Text by Chihiro


 2011年10月20日,ゾンビアクションRPG「デッドアイランド」PC / PlayStation 3 / Xbox 360)が発売された。価格はいずれも8190円(税込)で,コンシューマ版はスパイク,PC版はズーからの発売となっている。

「デッドアイランド 日本語版」(PC)公式サイト

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 ゲームの舞台となるのは「バノイ島」という架空の島。観光業に力を入れているらしく,ビーチを見晴らせる立派な高層ホテルが建っていたり,海辺には多数のコテージがあったりなど,いかにも南国のリゾート地といった雰囲気の島だ。ほかにも旧日本軍が作ったというバンカー,先住民族が暮らすジャングル,市街地などがある。
 主人公は男女2人ずつ用意されており,おのおの事情があってバノイ島に滞在していたのだが,島で突如発生したゾンビの「アウトブレイク」(爆発的感染)に巻き込まれてしまう。4人の主人公の中から1人を選んで操作し,危険に満ちあふれたバノイ島から生きて脱出するというのがゲームの目的だ。

舞台となるバノイ島は,美しい自然を活かしたリゾート地区がある一方で,貧困層が住む危険な市街地や,先住民が生活を送るジャングルなど,多彩な顔を持っている
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 本作のキャンペーンは「ACT I」〜「ACT IV」の4編からなり,全18チャプターで構成される。オープンワールドな島内を舞台に,マップ上のあちらこちらで発生するクエストを好きなタイミングで受領し,クリアすることでゲームを進めていく。
 クエストにはストーリー進行に絡む「メインクエスト」と,必ずしもやる必要はないが,さまざまな報酬を得られる「サイドクエスト」の2つがある。各クエストには物語性があり,「指定された物資(アイテム)を入手して届ける」「偵察に行ったまま連絡が取れなくなった仲間の様子を見に行く」「ゾンビ化してしまった家族を楽にしてやる」など,ゾンビものらしい内容のクエストが豊富に用意されている。

NPCはどれも個性的。話しかけられる相手からはクエストをもらえることが多い。ストーリーの途中で知りあうジンという少女は,プレイヤーの荷物を預かってくれるようになるため,非常に助かる
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 4人の主人公達は,ただ外見や背景が異なるというだけでなく,「ナイフが得意で動きが素早い」「銃が得意で能力は平均的」など,基礎能力や戦闘スタイルにも個性付けがなされている。とはいえファンタジーRPGのファイター,マジシャンといった“クラス”ほど極端な性能差というわけではない。また,キャラクターにはRPGのような成長要素があり,「ゾンビを倒す」「クエストをクリアする」「チャレンジを達成する」などの行為で経験値を得て,一定ポイントに到達することでレベルアップしていく。

画面右下にあるミニマップに「!」マークがあり,ここに行くとクエストを受注できる。難度や報酬も確認できるが,とりあえず受けておいて,好きなタイミングで進めるのがいいだろう
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 デッドアイランドは,実はマルチプレイを前提としたゲームだ。ストーリーを追う「キャンペーン」がメインとなるが,このモードではデフォルトで,ゲームタイプが「協力プレイ」,オンラインタイプが「インターネット」に設定されている。この設定では,進行度が近いほかのプレイヤーと合流し(もしくは自分が他人のゲームに入り),最大4人での協力プレイが楽しめる。
 もし1人で遊びたい場合は,ゲームタイプを「シングルプレイ」に変えるか,オンラインタイプを「LAN」にしておくといいだろう。4人で協力して遊ぶよりは苦労するが,シングルでも遊べないことはない。
 協力プレイでは,一緒にゾンビの大群と戦ったり,瀕死の味方を助けたり,アイテムのトレードを行えたりと,シングルプレイとは違った楽しさを味わえる。他人のゲームに入って入手した経験値,武器の設計図などは,自分のシングルプレイにも持ち越し可能だ。

協力プレイではプレイヤーが増えることで,単純に戦力が増え,難しいクエストもより簡単にクリアできるようになる。トレードで不要なアイテムを交換することも可能だ。近くにプレイヤーがいる場合は画面にアナウンスが出て,PC版ではJキー(デフォルト)を押すと乱入できる
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 筆者はサイドクエストをプレイしたり,島内を探索したりなど寄り道しながらのプレイを楽しんだのだが,エンディングを迎えた時点でのプレイ時間は22時間を超えていた。サブクエストをすっ飛ばしてメインクエストに集中すれば,もっと短くなるとは思うが,ゲームとしてのボリュームは十分だろう。
 一度ゲームをクリアすると,そのデータを引き継いでまた最初からプレイ可能だ。取りこぼした武器の設計図やボイスレコーダーなどのコレクタブルアイテムのコンプリートを目指すなど,やり込み要素も豊富に用意されている。なお,難度は「VERY EASY」〜「VERY HARD」の5段階が用意されている。

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島全体がこういう緊急事態に陥っても,商売を行う商魂たくましい生存者もいる。不要なアイテムを売ったり,アイテムを購入したりと,結構お世話になる機会が多い
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NPCが多数いる拠点にはポータル機能があり,マップをクリックすれば瞬間移動できる。これを活用すれば無駄な移動時間を短縮できるだろう

 操作はPC版については,W/A/S/Dキーで移動,マウスの左ボタンで射撃,右ボタンで投擲武器のロックオン,スクロールボタンのクリックでクイックインベントリにアクセスできるといった具合。普段からFPSを遊んでいる人なら,すぐに馴染めるオーソドックスなスタイルになっている。
 そのほか,ゲームコントローラ用の設定として,Xbox 360のプロフィールが用意されているのは,昨今のマルチプラットフォーム展開のタイトルならではといえるだろう。

4人の主人公

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シアン
表向きはバノイ島にある「ロイヤル・パーム・リゾート・ホテル」の従業員だが,実は香港警察から派遣された潜入捜査官。スタミナが高く,長距離をダッシュ移動できるという特徴を持つ。得意武器は刃物
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サム・B
アメリカ・ニューオーリンズ出身のラッパー。一発屋として世間からは忘れ去られているが,ロイヤル・パーム・リゾート・ホテルが主催するパーティに出演するため,バノイ島にやってきた。鈍器の扱いに長けている
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プルナ
オーストラリア先住民族のアボリジニを母に持つ元警察官。現在はバノイ島を訪れるVIPのボディガードで生計を立てているが,その最中にアウトブレイクに巻き込まれる。元警察官だけに,銃の扱いはお手の物だ
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ローガン
元アメフトのスーパースター。現在は過去に起こしたトラブルや怪我によって引退しており,惨めな生活を送っているが,そこから逃れるようにバノイ島にやってくる。アメフトの名残りか,投擲武器の扱いを得意としている
ストーリー上は,この4人が共に行動しているという設定らしい。ただしシングルプレイ時にほかの3人がNPCとして同行し,一緒に戦ってくれるなどの演出はない。少々残念
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ゾンビやギャングが敵として主人公の前に立ちふさがる


 なぜバノイ島にゾンビが大量発生してしまったのか……それはストーリー上の重大なネタバレになってしまうので言及は避けるが,とにかく島内には非常に多くのゾンビが存在する。シングルプレイの場合は,1人で大量の敵を相手にしなければならない。登場するゾンビの種類を紹介していこう。

 まず基本となるのは「ウォーカー」と呼ばれるタイプ。ノソノソ歩き(とはいってもそこそこ速い),噛み付きや引っ掻き攻撃をしてくる,いわゆる雑魚だ。武器を持っていることがあり,その場合は結構痛い攻撃を繰り出してくる。

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 続いての「インフェクテッド」は,映画「28日後…」の感染者のように,奇声を発しながら猪突猛進してくるゾンビだ。タフではないが,武器を持っていることがあり,たいていは2,3体同時に出現して襲いかかってくるため,精神的にも恐ろしい相手といえる。こちらのレベルに合わせて敵も強くなっていくので,終盤のインフェクテッドはかなりの強敵だ。

 「サグ」は非常に大柄でマッチョなゾンビで,パンチやヘッドバットといった攻撃を仕掛けてくる。非常にタフでパワーがあり,攻撃を食らうと吹き飛ばされてダウンしてしまう。動きが遅いのでヒット&アウェイで倒せるが,建物内などの狭い場所で出会うと泣きたくなる(当然そういう場所によくいる)。

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 上記の3体が,たいていの場所で見かけることになるメジャーなゾンビだ。
 そのほかに「スーサイダー」「ラム」「フローター」「ブッチャー」という特殊感染者もいる。

 スーサイダーは,プレイヤーが近づくと動きを止め,数秒後に自爆するという迷惑なゾンビだ。爆風は威力があり,至近距離だと即死級のダメージを食らう。ただし行動速度は遅いので,わざと近づいたり銃撃したりして爆発させ,それにほかのゾンビを巻き込んで倒すといった活用法(?)もある。

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 ラムはサグに負けず劣らずの体躯を誇り,拘束具のようなもので上半身と顔の自由を封じられた姿が特徴的だ。猛スピードでタックルをしてきたり,近づくと強烈なキックを浴びせてきたりする武闘派である。

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 フローターはブヨブヨの体型をしたゾンビで,基本的には水辺だけに出現する。吐瀉物で攻撃してくるという厄介な相手で,接近戦は注意が必要だ。

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 最後のブッチャーはインフェクテッドをさらに凶悪にしたような強敵。強烈な突進力で迫ってきて,両手で激しく殴りかかってくる。両腕とも肉が削げ落ちて前腕骨がむき出しになっているあたりから,いかに激しく殴りまくるやつかが想像できるだろうか。

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 なお,敵はゾンビだけではない。ストーリーが進むと海沿いのリゾート地帯から内陸部の貧民街に舞台は移っていくが,ここらへんは人間のギャングがたむろしており,彼らはハンドガンやアサルトライフルなどで武装している。島全体が未曾有のピンチに陥っているなか,自分達のエゴを押し通す無法者がいるというのも,いかにもゾンビ映画チックで面白い。



敵に対抗するための“武器”を数多く手にしよう
武器コレクションは割とやみつきになる?


 対ゾンビ戦では基本的にバットやハンマーなどの鈍器,マチェーテ(鉈)やナイフなどの刃物といった,近接攻撃用の武器を使って戦うことになる。これらは道端で拾ったり,クエストの報酬として得たり,商人から買ったりなど,さまざまな手段で入手できる。銃は主にギャングを倒して奪い取ることになるが,銃弾をあまり多く所持できず,ここぞというところで使いたい貴重品だ。
 見た目はFPSライクな本作だが,このあたりが本作と「Left 4 Dead」の大きく異なる部分で,銃でゾンビを蜂の巣にするシューティングゲームというイメージではなく,あくまでゾンビとの殴り合いが戦闘のメインなのだ。

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 ちなみに近接武器は,使うたびに耐久力が減っていき,それに応じて攻撃力も落ちていくというデメリットがある。武器は急速に劣化していくため,常に何個もの武器を持ち歩き,ダメになったら持ち替えることになる。修理方法については後述したい。
 また武器以外に,キックやパンチなど己の肉体を使っての攻撃も可能だ。パンチの出番は正直あまりないが,キックは近づいてくるゾンビのスタミナを奪い,ノックダウンさせたり間合いを取ったりできるため,非常に重宝するアクションとなる。

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 ここで,武器を含めたアイテムの“レアリティ”についても触れておきたい。ゲーム内で入手できるアイテム名は,「Diablo」などのように価値に応じて色分けされており,「白」(Common)→「緑」(Uncommon)→「青」(Rare)→「紫」(Unique)→「オレンジ」(Exceptional)というように分類できる。紫やオレンジ色の武器は入手しにくいが,さまざまなプラスボーナスが付加されており,非常に強力だ。レア武器のコレクションは本作の楽しみの一つといえる。

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近接武器は投げつけてダメージを与えることも可能だ。マウスを右クリックすると近くの敵にロックオンされるので,あとは左クリックすればOK。ガスボンベは爆発させることで広範囲の敵にダメージを与えられる
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素手攻撃以外に最大7つの武器を装備できる。最初は2つしかスロットがないが,レベルアップによってどんどん拡張されていく

 「体力」は攻撃を食らうと減っていき,当然ゼロになると倒されてしまう。ゲームオーバーからの復活には,所持金の一割を失うというデスペナルティが生じる。減った体力はフィールド内に落ちている「栄養ドリンク」「フルーツ」などを摂取して回復できるほか,持ち運び可能なアイテム「医療キット」を入手すれば,任意のタイミングで使用可能だ。

 ゾンビと戦っていくうえで,もう一つ気を配りたいのが「スタミナ」だ。これは攻撃,ダッシュ,ジャンプなど特定の行動によって減少し,自動回復するものの,ゼロになってしまうと一定時間攻撃やダッシュができなくなる。
 つまり本作では,あまり長く連続攻撃ができないのだ。大勢のゾンビに囲まれると,すぐスタミナ切れで攻撃不能&ダッシュ不能(戦うことも逃げることもできない)となり,ピンチに陥ってしまうのである。この「スタミナ」のおかげで,ゲームに慣れてきて強力な武器が揃ってくる中盤以降も,下っ端ゾンビに対する緊張感や恐怖感を失わずにプレイできるのだ。

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 攻撃時は体の各所に当たり判定があり,例えばバットでゾンビの腕を叩き続けると,画面に「BRAKE」と出てゾンビの腕の骨が折れ,同様に刃物ならゾンビの腕を切り落としてしまうが,ゾンビは腕が使えなくなったとしても体力が残っている限り,噛み付き攻撃などを仕掛けてくる。足を痛めつけると一定時間ダウンして動けなくなるので,その隙に追い討ちをかけるといった選択も可能。素早く倒すなら頭を狙うのが一番だ。なお,部位破壊することでボーナス経験値も得られる。
 PC版デッドアイランドに関しては,ゾンビや人間を攻撃したときの部位欠損が完全無修正となっていて,四肢や頭を切り落とせば派手に出血したり,武器は血で真っ赤に染まったりと,オリジナル版同様のハードなゴア表現がそのまま残されている。グロテスクな表現が苦手な人は,プレイに注意が必要といえるだろう。

(※閲覧注意)ゴア演出はかなり過激なので,苦手な人はドン引きするかもしれない
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スキルを覚えて戦闘を有利に進めよう
各主人公はこれで個性を付けられる


 経験値を得て,主人公がレベルアップすることで習得できる「スキル」について,もう少し詳しく紹介していきたい。
 スキルは「フュリー」「コンバット」「サバイバル」と3つのカテゴリーがあり,それぞれがツリーの形式になっている。上のスキルから習得していく必要があり,下にあるスキルほど効果は高い。スキルにはポイントを1つ,もしくは3つまで割り振れるものがあり,後者はポイントを割り振るほど効果が増す。

スキルは3つのカテゴリに分かれていて,振り直しはできないので,どういったスキルが欲しいのか事前によく確認しておこう
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 レベルキャップは60で,レベルアップ時に1スキルポイントが手に入る。全スキルを最大まで上げるには足りず,一度割り振ったポイントはリセットできないため,スキルの取捨選択には注意が必要。プレイした印象としては,一つのカテゴリを集中的に鍛えるよりも,全体を見て欲しいものをつまみ食いしていくほうがよさそうだ。

 コンバットスキルは基本的に,主人公ごとに独自のものが用意されている。例えば鈍器の扱いが得意なサム・Bは鈍器の使い勝手をよりアップさせるスキル,プルナは銃,ローガンなら投擲,シアンなら刃物に関するスキルが充実しているという具合だ。4人とも基本的にすべての武器を扱えるが,得意武器を扱うことで,より力を発揮できるわけだ。

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 サバイバルスキルに関しては,一部で各主人公専用のスキルが設定されているが,鍵を解錠する「ピッキング」,持ち運べるアイテムを増やす「ポケット拡張」など,4人に共通したものも用意されている。

 フュリースキルを習得すると,発動することで一定時間,視界が変化して超強力な攻撃を繰り出せるようになる「フュリー」が使用可能になる。フュリーは,敵を倒すたびに増える「フュリーゲージ」を溜め,満タンになれば任意のタイミングで発動できる,いわゆる必殺技だ。
 フュリーは主人公ごとに専用のものがあり,例えばシアンは「ブラッドレイジ」という鋭利な刃物による攻撃,プルナは「ガーディアン」という弾数無制限の銃撃&味方へのバフ効果といった具合に,攻撃の性質も異なる。
 いずれも非常に強力で,サグ程度の敵なら瞬殺してしまう。特殊感染者や大量の敵を相手にしなければならないときなどに,大いに効果を発揮する。

フュリーを発動させると,画面がモノクロになるが血の色は赤いままという,ちょっとスタイリッシュなビジュアルになる。ゲージが空になるまで続けられるので,できるだけ多くのゾンビがいるところで使いたい
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 経験値を得るためには「チャレンジ」を達成していくことが大事だ。チャレンジは「ゾンビの手足を○○回切り落とす」「銃でゾンビを○○体倒す」といった,実績のようなもので,その多くはとくに意識することなく,普通に遊んでいるうちに達成できるものが多い。
 また,チャレンジ項目はプレイヤープロフィールそのものに記録され,4人の主人公で数値が共有されているようだ。



武器には定期的なメンテが必要
材料が揃っているならカスタム武器も


 ゲームのマップを見ると,いくつかの地点にクロスしたレンチとハンマーのアイコンが表示されている。ここには「作業台」と呼ばれる施設があり,「武器の修理」「アップグレード」「改造・作成」を行える。とにかく武器がなければゾンビとの戦いもままならないので,この作業台は大いにお世話になる施設の一つだ。

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耐久値が0%に近い武器は,修理費が非常に高い。レアリティの低い武器ならば無理に修理せず,使い捨てるのも一つの手だ
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アップグレードによって武器そのものの威力が高まるほか,使用時にスタミナが減りにくくなる効果も付加されるなど,さまざまなメリットが生まれる

 まず武器の修理に関してだが,これはお金を払うことで武器の耐久度を100%まで回復させられるというもの。壊れる寸前まで使い込んだものや,レアリティの高い武器ほど必要なコストは増してしまう。銃には耐久度がないため,修理の対象にはならない。
 続いてはアップグレード。お金を払い,武器の攻撃力や耐久度,扱いやすさなど各種パラメータを強化できる。最大4段階まで上げられ,もともと性能の良い高レアリティ武器は,アップグレードによってさらに頼もしい武器になる。こちらは銃も対象だ。

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ロッカー,ゴミ箱,パソコン,倒したゾンビなど,素材アイテムはいろいろなところから手に入る。何に使うのか分からなくても,とりあえず拾っておくのが吉
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設計図をダブルクリックすると,どういう効果があり,どんな材料が必要かが分かる。材料が揃っているのなら,あとはお金を払うことで作成可能だ

 最後に武器の改造・作成について。これは,まずレシピとなる「改造」,もしくは「設計図」が必要だ。こちらはフィールド上で拾ったり,クエストの報酬としてもらえたりする。「改造」は既存の武器をベースにカスタムを行うというもので,もう一方の「設計図」は素材同士を組み合わせてオリジナルの武器を作ろうというもの。一例を紹介すると,デオドラントとガムテープで自家製手榴弾「デオボム」,バットに釘を打ち付けたお手製メイス「ネイルド」,アルコールと布切れから作る「火炎瓶」などがあり,種類は非常に多い。この設計図にもレアリティは設定されていて,レアなものほど性能は高まるようだ。
 材料となる素材アイテム(バッテリー,有刺鉄線,ギアなど)はマップのあちこちにあり,重量制限などはないので,見つけたら拾っておくという癖をつけておこう。

既存の武器を使うのもいいが,カスタム武器はもともとのダメージが大きいうえ,追加ダメージも付与される。こちらは攻撃と同時に電気ショックを与えるショックハチェットだ
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FPS meets ハック&スラッシュRPGな作風


 実は最初の印象では,キャラクターの動きがもっさりしていて,「面白いのかな……」と,ちょっと不安に感じた部分もあった。しかし,もっさり感などは遊んでいくうちに気にならなくなり,フィールドを探索してレアな武器を拾ったり,倒したゾンビからアイテムをルートしたりといったハック&スラッシュRPG的な要素が楽しくなってきてからは,プレイがやめられなくなった。

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 島内では一見何の役に立つかも分からない無数の素材アイテムを入手でき,これを利用してオリジナル武器を作成できるというのも,個人的にはかなり気に入った要素だ。ゾンビ映画における「その場にあるものを利用して,ピンチを脱する」といった演出が,ゲーム内にうまく落としこまれている印象。必ず武器を作成しなければならないわけではないが,この点は開発者のアイデアが詰まった要素といえる。

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 「フュリー」という必殺技があるものの,基本的にはスタミナ切れを常に気遣いながら鈍器や刃物で戦うというスタイルで,「Left 4 Dead」や「デッドライジング」のような,いわゆるゾンビ無双っぽい要素は少ない。こちらのレベルアップに合わせてゾンビも強くなっていくため,中盤以降も普通のゾンビ相手にドキッとさせられることがあるなど,気の抜けないホラーゲームとして仕上がっている。

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 このスタイルが気に入った人はハマるだろうし,合わない人は投げ出してしまいそうな,ちょっと癖のある作品といえるかもしれない。「Diablo風味のRPG」と「ゾンビもの現代ホラーアクション」の両方の良さを持った本作,個人的には好きな作品だ。

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