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「GeForce 572.83 Driver」が登場。「Half-Life 2 RTX」や「inZOI」に対応
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Half-Life 2 RTXは,2004年にオリジナル版が登場した「Half-Life 2」をベースに,旧作タイトルのリマスター版ゲームの作成用プラットフォームとしてNVIDIAが開発した「RTX Remix」で作られたDLCである。これまではオープンβとして公開されていたRTX Remixだが,GDC 2025に合わせて正式版が公開された。
Half-Life 2 RTXでは,ニューラルシェーダやニューラルレンダリング,一新された環境光システムなど,NVIDIAがGeForce RTX 50シリーズとともにアピールしている最新のグラフィックス技術が投入されている。
DirectX 12がAI活用シェーダ技術「ニューラルシェーダ」に対応。GDC 2025で発表する話題をNVIDIAが明らかに

米国時間2025年3月17日から,米国で行われるゲーム開発者会議「GDC 2025」に先立ち,NVIDIAは,発表予定の話題を明らかにした。本稿ではその中から,DirectX 12がAI活用シェーダ技術「ニューラルシェーダ」に対応するといった注目の話題をまとめてみよう。
Half-Life 2 RTXは,無料のデモ版のほかに,Half-Life 2のオリジナル版を所有しているゲーマーなら,無料でプレイできるとのこと。RTX Remixにより一新されたグラフィックスをアピールする動画をNVIDIAが公開しているので,興味がある人は見てみるといいだろう。
2004年のゲームだが,グラフィックス要素が最先端ということで,ハードウェアの要件はかなり高い。最小要件のGPUは「GeForce RTX 3060 Ti」だが,推奨は「GeForce RTX 4070」以上となっている。
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NVIDIAが,GeForce RTX 3060 Ti以上のGPUにおける最適なグラフィックス設定を一覧にまとめているのだが,GeForce RTX 30シリーズだと1920×1080ドットでも厳しく,やはりフレーム生成が利用できるGeForce RTX 40シリーズ以降が望ましいようである。Half-Life 2 RTXをプレイしたいゲーマーは,ドライバをGeForce 572.83 Driverにアップデートするとともに,NVIDIAの公式blogのポストを参考に,設定するといいだろう。
ちなみに,プレイ中に[Alt+X]キーを押すと,最適化された設定を呼び出すことができるそうだ。
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GeForce 572.83 Driverではほかにも,3月28日から早期アクセスがスタートするライフシミュレータ「InZOI」や,「Warhammer 40,000: Darktide」および「Control」の新しいアップデートへの対応が謳われている。
InZOIは,NVIDIAが力を入れて普及に努めているAIベースキャラクターエンジン「ACE for Game」により,AIで行動するNPCが登場するゲームタイトルだ。NVIDIAによると,「Smart ZOI」と呼ばれるNPCのAIには,NVIDIAが開発した5億パラメータの小規模言語モデルが利用されているそうだ。独自のモデル蒸留によって,小型の言語モデルながらも低レイテンシで品質の高い応答が得られるとNVIDIAはアピールしている。GPUがGeForce RTXシリーズなら,この言語モデルにTensor Coreによるアクセラレーションが使用されるそうなので,ドライバをアップデートしておいたほうがいいだろう。
また,Warhammer 40,000: Darktideでは,来週に配布予定のアップデートで,DLSS 4のマルチフレーム生成と新しいトランスフォーマーモデルに対応するという。一方のControlは,公開中の最新アップデートを適用することで,NVIDIA Appに新設されているDLSSオーバーライドによるマルチフレーム生成と新しいトランスフォマーモデルの設定が可能になるとのことだ。
さて,NVIDIA Appには,既存のDLSSに対応するタイトルを,DLSS 4に対応させる「DLSSオーバーライド」という機能がある。しかし,グレーアウトして設定できないゲームが非常に多い。そこでNVIDIAは,新たにDLSSオーバーライドを利用可能なアプリやゲームタイトルをまとめたページを公開した。
少し分かりにくいが,ページ後半ある巨大な表にチェックが入っているアプリやゲームは,DLSS 4にネイティブ対応済みだ。DLSSオーバーライドは必要ない。一方,DLSS Multi Frame Generation欄が「NV」となっているのが,DLSSオーバーライドによりマルチフレーム生成が利用できるタイトルだそうだ。
そのほかにも,フレーム生成に新しいトランスフォーマーモデルを利用できるタイトルや,DLSS 3.5の「Ray Reconstruction」を使用するようにオーバーライドできるタイトルなどが,それぞれマーク入りで分類されている。オーバーライドできる機能が複数あるので,表がやたらに複雑なことになっている印象はあるものの,対応状況がまとめて分かるので,GeForce RTX 50シリーズを利用しているゲーマーには役に立つだろう。
GeForce Driverを入手したい人は,以下に示したリンクか,NVIDIA App(あるいはGeForce Experience)のアップデート機能を利用してほしい。
→Windows 11,64bit版Windows 10用GeForce 572.83 Driver(845.3 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/242442/
→ノートPC向けのWindows 11,64bit版Windows 10用GeForce 572.83 Driver(845.3 MB)
https://www.nvidia.com/ja-jp/drivers/details/242506/
●GeForce 572.83 Driverの対応製品
- デスクトップPC向けGeForce RTX 50シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- NVIDIA TITAN RTX
- NVIDIA TITAN V
- NVIDIA TITAN Xp
- NVIDIA TITAN Xシリーズ
- デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
- デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
- ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
- ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
- ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
- ノートPC向けGeForce MX 200〜100シリーズ
●GeForce 572.83 Driverが統合するソフト
- HD Audio Driver:1.4.3.2
- PhysX System Software:9.23.1019
- CUDA:12.8
- NVIDIA Control Panel(DCH):8.1.967.0
●GeForce 572.83 Driverの新要素
- 「Half-Life 2 RTX」「InZOI」に対応
- 「Warhammer 40,000: Darktide」「Control」のアップデートに対応
●GeForce 572.83 Driverで解決した問題
- GeForce RTX 5090およびGeForce RTX 5090 D(※中国市場向けバージョン)をオーバークロックしているとき,システム再起動後にフルスピードで動作しないことのあった問題
- GeForce RTX 50シリーズにおいて,ブラックスクリーンをともなくクラッシュが発生していた問題
- NVIDIAコントロールパネルやNVIDIA Appで設定を変更すると,設定がすぐにリセットされたりエラーが表示されたりすることのあった問題
- HDRを有効にした状態でゲームをプレイしていると,「IRQL NOT LESS OR EQUAL 0xa」というバグチェックが発生することのあった問題
- Autodesk製3Dビジュアライゼーションソフトウェア「VRED 2026」において,Release 570世代のドライバ使用時に「Optix compile」エラーが生じることのあった問題
- Derivative製ビジュアルプログラミング言語「TouchDesigner」で生じていた安定性に関する問題
●GeForce 572.83 Driverにおける既知の不具合
- 通知エリアにあるGPUアクティビティアイコンの状態が,PCを再起動するまで変わらないことがある
- 関連タイトル:
GeForce Driver
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