「GeForce 551.86 driver」が「Horizon Forbidden West Complete Edition」に対応

　米国時間2024年3月19日，NVIDIAは，公式最新版グラフィックスドライバ「GeForce 551.86 Driver」をリリースした。WHQL（Windows Hardware Quality Labs，ウィクル）通過版となる本バージョンは，アクションRPGのPC版「Horizon Forbidden West Complete Edition」（以下，Horizon Forbidden West）に対応したドライバである。


　NVIDIAによると，Horizon Forbidden Westは，超解像技術「DLSS 2」やGeForce RTX 40シリーズで利用できる「DLSS 3」のフレーム生成，さらにNVIDIA独自のアンチエイリアシング技術「DLAA」にも対応しているという。GeForce RTXシリーズのユーザーは，これらを利用することで美しいグラフィックスを，同作の標準設定である60fpsで楽しめると謳っている。
　さらに，GeForce RTX 4080シリーズ以上のGPUならば，フレーム生成を利用することで，グラフィック品質を最高（Very High）に引き上げても4K解像度時に60fpsを得られるそうだ。

　また，GeForce 551.86 Driverは，3月14日にアナウンスされた「Portal with RTX」のDLSS 3.5対応アップデートにも対応している。Portal with RTXは，Valveの名作アクションパズルゲーム「Portal」を，NVIDIAの「NVIDIA RTX Remix」を使ってリメイクした作品だ。2022年12月にリリースされたPortal with RTXでは，レイトレーシングによる美麗なグラフィックスが話題になった。
　今回のアップデートでは，DLSS 3.5の「Ray Reconstruction」への対応と，GPUからSSDにアクセスしてアセット等のロードを高速化する「NVIDIA RTX IO」のサポートが追加されている。

　NVIDIAによるとRay Reconstructionに対応したことで，水の反射や金網のようなグラフィックスに生じていたにじみなどが抑えられて，より美しいディティールの再現が可能になっているとのこと。さらに，レイトレーシング使用時のフレームレートも大幅に向上して，たとえば「GeForce RTX 4090」では，4K解像度のフレームレートが実に6.2倍も増えたそうだ。
　また，NVIDIA RTX IOへの対応により，テクスチャなどのロード時間が最大5倍まで速くなり，ハードウェア支援による高度な圧縮が利用できるために，ディスク占有容量が37％削減されているという。

　そのほかにもGeForce 551.86 Driverでは，G-SYNC Compatible Displaysに11機種が新たに追加されている。ドライバのアップデートは自己責任となる点を理解してもらったうえで，すぐにでも入手したい人は，以下に示したリンクかGeForce ExperienceもしくはNVIDIAアプリのアップデート機能を利用してほしい。

→Windows 11・64bit版Windows 10用GeForce 551.86 Driver（634.47 MB）
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/223501/jp
→ノートPC向けのWindows 11・64bit版Windows 10用GeForce 551.86 Driver（634.47 MB）
https://www.nvidia.co.jp/download/driverResults.aspx/223533/jp


●GeForce 551.86 Driverの対応製品

• デスクトップPC向けGeForce RTX 40シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce RTX 30シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce RTX 20シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX 16シリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX 10シリーズ
• NVIDIA TITAN RTX
• NVIDIA TITAN V
• NVIDIA TITAN Xp
• NVIDIA TITAN Xシリーズ
• デスクトップPC向けGeForce GTX TITAN X
• デスクトップPC向けGeForce GTX 900〜700シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 40シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 30シリーズ
• ノートPC向けGeForce RTX 20シリーズ
• ノートPC向けGeForce GTX 16シリーズ
• ノートPC向けGeForce GTX 10シリーズ
• ノートPC向けGeForce 900M〜800Mシリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 500シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 400シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 300シリーズ
• ノートPC向けGeForce MX 200〜110シリーズ

●GeForce 551.86 Driverが統合するソフト

• GeForce Experience：3.27.0.120
• HD Audio Driver：1.3.40.14
• PhysX System Software：9.21.0713
• NVIDIA RTX Desktop Manager：記載なし
• CUDA：12.4
• NVIDIA Control Panel（DCH）：8.1.964.0

●GeForce 551.86 Driverの新要素

• Horizon Forbidden West Complete Editionに対応
• Portal with RTXのアップデートに対応
• GeForce Compatible Displaysに11機種を追加。詳しくは公式サイトを参照

●GeForce 551.86 Driverで解決した問題

• Advanced Optimus対応のノートPCで，NVIDIA製GPUのみのモードにすると，スリープ状態から復帰しないことのあった問題
• 一部のAdvanced Optimus対応のノートPCで，「Hitman 3」をプレイするとカクつきが見られることのあった問題
• RTX HDRの彩度およびトーンカーブのガンマ値を2.2から2.0に変更
• RTX Digital Vibrance機能が，Paint.netのアプリを対応アプリと認識しないことのあった問題

●GeForce 551.86 Driverにおける既知の不具合

• 「Microsoft Edge」で「Netflix」を鑑賞すると，動画表示に問題が生じることがある。この問題は，Windows版Netflixアプリを用いることで回避できる
• GeForce GTX 10シリーズおよびGeForce RTX 20シリーズで，NVIDIA SLI構成と，Windowsの「Hardware-Accelerated GPU Scheduling」設定を同時に有効にすると，PCがランダムにフリーズすることがある