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「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
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印刷2014/12/13 00:00

インタビュー

「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー

画像集#009のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
 ハンビットユビキタスエンターテインメント(以下,HUE)がサービスを提供するMMORPG「グラナド・エスパダ」(以下,GE)では,2015年初頭に,現在進行中の大型アップデート「アルモニア」の最終章がスタートする。それに先駆けて2014年12月からは,これまでGEチームが取り組んできた「プレイの短時間化」および「ソロプレイの強化」によって,新たに見えてきた課題に対する施策も打ち出していくという。
 そこで今回。4Gamerでは,今後のGEの運営方針や,直近のインゲームイベント展開などについて,日本プロデューサーを務めるHUEの松田勇樹氏に聞いてみた。


予想以上の評価を得た「ソロプレイの強化」。一方,強武器供給問題も発生


「グラナド・エスパダ」日本運営プロデューサー松田勇樹氏
画像集#001のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
 本題に入る前に,まずはGEのプロデューサー交代について触れておこう。今回新たに,GEの日本展開におけるプロデューサーとして登場もらった松田氏は,2014年中盤まで,GEのアシスタントプロデューサーを務めていた人物である。ちなみに,長らくプロデューサーを務めていた中尾圭吾氏は,現在HUEの新規事業立ち上げに専念しているとのこと。とはいっても,中尾氏が“HUE社内でもっともGEに詳しい人物”であることに変わりはないため,GEの運営方針に関して松田氏が月1〜2回の頻度で相談を持ちかけているという。

 「GEは,独自の路線でブランドを築いてきたタイトルです。現状,私はまずは1年くらいを目処にプロデューサーという役割を任されている感じなので,今はだいたい期間の半分が経過した状況ですね」(松田氏)

 実際のところ,2014年5月に行われたプレイの短時間化およびソロプレイに注力したリニューアル以降のGEの運営は,松田氏を中心とした新体制で進められてきたわけである。このリニューアルは,日本におけるオンラインゲーム市場の状況を踏まえた内容だったため,当初は非常に好評だったと松田氏。とくにソロプレイの充実に対する評価が高かったという。

 「私達としては,プレイ時間に対する報酬の調整に時間を掛けていましたので,そこに反響が集中すると予想していたんです。もちろん,そういった評価もいただいたのですが,それ以上にソロプレイへの反響が大きかったですね。従来,運営に意見を発信するプレイヤーは,大きな党に所属していたりパーティプレイを中心にしているプレイヤーが多かったんです。それが,短時間・ソロのリニューアルではそれらと同じくらい,ソロプレイヤーの方からも多くの意見が寄せられました。やはりソロプレイを望む潜在的な層が多かったんだと確信できました」(松田氏)

 そうした評価を受けて,導入されたアルモニアアップデートだが,難度が高めに設定されていたこともあり,今度は予想以上について来られるプレイヤーが少なくなり,結果として不満の声が高まってしまったという。

 「とくにメインシナリオに関しては,ソロでクリアでき,かつ適度な攻略性を持たせるというバランス調整が難しかったですね。うまくいかなかった部分を反省中です。ただ,このままでは今後も同じようなことを繰り返す羽目になると思っています。そこで,例えばゲームの進行に応じて,34等級武器などの,これまでより1ランク上のアイテムを入手しやすくしたり,プレイヤーの成長という部分への改修を行おうと決めました。GEは低ランクの武器でもしっかり強化すれば,上位ランクの武器に匹敵できる仕組みになっているので実現できる手法です。これは12月中に実現します」(松田氏)

12月10日のアップデートで追加された店売りのアイテム
画像集#012のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー

 その一方では,現在実装されている最上位コンテンツをクリアしているような,トップ集団に属するプレイヤーの武器強化も頭打ちになっているという。こちらでは,「武器の強化に必要なアイテムの入手が難しい」という,以前改修したはずの問題が再び俎上に上がりつつあるようだ。

 「アルモニアアップデートで実装された新たなボスがコンスタントに討伐されるようになり,トップを行くプレイヤー達の装備水準も上がってきました。上位ランクでは,武器強化に必要な素材アイテムも変わるのですが,その供給が大幅に不足している状態です。しかし,今あるコンテンツは,すでに遊び尽くされているものですので,上位プレイヤーの水準に対応したコンテンツの追加が急務という状況です」(松田氏)


松田氏の新体制がこだわる「コンテンツ量」と「中人数プレイ」とは


 それでは,上記の点を含め,新たに浮かび上がってきた課題に対し,松田氏はプロデューサーとしてどのように応えていくのだろうか。大きな方針は,「コンテンツ量の増加」と「中人数パーティプレイ」の二つだという。

 日本開発スタッフによるコンテンツの拡充については,これまで技術と環境の構築に重点を置いてきたが,長期にわたって取り組んできたこともあって,開発・調整スピードの向上が見られるようになったという。そこで今後は,これまでどおり質にもこだわりつつ,実装していく量を増やしていくとのことである。無論,最上級武器の強化素材を出すようなミッションなども追加されることだろう。

 「プレイヤーが自分のプレイスタイルに合ったものを選択するために,自分が何をできるか考えて最初に浮かんだことは,「実行にはまだまだ量が足りない」でした。前任の中尾は経験則から的を射ることができたかもしれませんが,正直,私にはプロデューサーとしての経験が不足しています。それなら自信が持てる現場もバリバリやって,せめて前任の中尾よりも量やペースを増やそうと思っています。現状は毎月一つか二つの新コンテンツを追加している状況ですが,今後は倍以上の数を提供する予定です」(松田氏)

 もう一つの中人数パーティプレイは,ソロプレイとフルパーティ(12名)の中間に相当する,3〜6人程度でプレイできるコンテンツの追加を指す。これは,現在進行中の短時間プレイ施策とも関連があるとのことだ。

画像集#002のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
 「短時間リニューアルで,プレイヤーそれぞれのプレイ時間が短くなり手軽に遊べるようになったのですが,その一方で,党(ギルド)メンバーやフレンドが,必ずしも同じ時間にプレイしているとは限らないという状況があります。とくに平日の夜なんかは,フルパーティ12人を揃えるのは困難です。そこで,プレイヤーのプレイスタイルに柔軟に対応できるように,ソロとパーティの中間あたる3〜6人程度で気軽に遊べるようなプレイスタイルのコンテンツを追加したいと考えました」(松田氏)

 ここで,「わざわざ中人数向けを新たに作らなくとも,少しレベルを落としたフルパーティ向けコンテンツを3〜6人で遊べばいいのでは?」とい思う人もいるかもしれない。しかし,それでは報酬がキャラクターレベルに見合わなくなってしまうのだという。

 「例えば,フルパーティ向けコンテンツの報酬ルーレットには,12人で遊んだときに誰か一人は当たりアイテムが出ることを想定した確率設定をされているものがあります。ほかのプレイヤーに当たりアイテムが出たのを見れば,「自分にも出るだろう」という期待感が生まれるわけです」(松田氏)

画像集#010のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
 しかし,同じ設定のまま,3〜6人でプレイすると,ルーレットを回す回数が減って大当たりが出る確率もそれだけ低くなってしまい,結果として「何回クリアしても,全然いい報酬が出ない」ということになりかねないのである。そこで,例えば6人の中で誰かが大当たりを出せるような設定のコンテンツを新たに用意する必要があるのだ。

 「実は,この中人数という考え方自体は,過去にハードモードを実装したときに内包されていたものです。あのときはそのほかの調整が最優先されたため,結果的にそれを突き詰めることができませんでした。個人的にすごくやりたかったことなので,プロデューサーとして就任したこの機会に手をつけました。まずは自分なりにできると思ったことを,とことんやりきろうと思ったんです」(松田氏)

 なお,中人数パーティ向けのコンテンツは,12月中旬から順次実装される予定だ。内容は,まったく新しいミッションと,従来のフルパーティ向けに調整を加えたもののの双方を展開していくという。従来のようなフルパーティ向けのコンテンツや,好評のソロ向けコンテンツと並行して展開し,プレイヤーの選択肢を増やしていくとのことである。

 「私自身,プレイベートでプレイをしていても,そのときの気分によって,大人数で遊びたかったり,ソロで遊びたかったりします。割ときまぐれプレイです。プレイヤーが自分の好きなときに好きなところで遊べるような,コンテンツを選べる環境を整えたいと考えています。また,そうする以上,どのコンテンツを選んでもそれなりの報酬が得られ,プレイヤーが強くなっていけるような調整を心がけていきます」(松田氏)

 そのほか新規プレイヤーや復帰プレイヤーに向けて,インゲームサポートを再び実施する予定もあるとのこと。今回は,GMが各種ミッションを一緒にプレイするといった形の引率形式に力を入れるという。またクエストに詰まったプレイヤーにアドバイスするようなことも検討しているそうだ。

 「ミッションなどのコンテンツの引率役は以前にもやっていたことなので,ちょっと内容をバージョンアップして,クエストなどもサポートする権限を渡そうかなと思っています。同じ党でも,なんとなくいまさら聞きにくいことってあるじゃないですか(笑)そんなときに質問しやすいGMがいたらいいな,と。ただ,受け身とはいえプレイヤーのプレイに対してGMが干渉するということに,不公平感を生まないよう,まずはガイドラインを定めているところです」(松田氏)


2年越しの因縁もついに決着? いよいよ佳境「アルモニア」の最終章と,シナリオをおさらいできるゲーム内イベントも


 さて,記事冒頭に記したとおり,アルモニアアップデートは2015年初頭から最終章がスタートする。この最終章はかなりのボリュームとなるため,最短のアップデートを目指し,何回かに分けて実装することを調整中とのことだが,現在はその第1弾の準備を進めている段階だ。

 「アルモニアシナリオもいよいよ佳境となり,舞台となるのは,“深淵”に最も近いアルモニアのどこかです。これまでのマップは崩壊した地下聖堂をモチーフにしていましたが,今回は神聖さとダークな雰囲気が共存するような,これまでとはまた違ったイメージのものになっています」(松田氏)

画像集#004のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー 画像集#006のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
画像集#007のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー

画像集#008のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
 たしかに,最新の画像ではこれまでの荒廃した雰囲気のグラフィックスではなく,どこかダークで神秘的な空気を感じることができる。

 「これまでの締めくくりに相応しく,シナリオや最上位のレイド,フィールドボス,多数のミッションなど多くのコンテンツが追加されます。あ,あとずっと沈黙を守っていたアルモニア エルテンプロの“アレ”もようやくプレイできます」(松田氏)

 これまでのアルモニアシナリオで活躍してきたキャラクターやモンスターなどが出演するような,まさしく集大成のシナリオとコンテンツになるとのことだ。

 「アルモニア最終章では,2年ほど前から登場している『ナバス』も華麗な変身(?)を遂げています。登場時から妙な魅力でプレイヤーに人気があり,彼女の動向も注目してもらいたいポイントの一つですね」(松田氏)

画像集#013のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー 画像集#014のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー

画像集#011のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー
 また,アップデートに先駆けて,12月中旬からはゲーム内でもイベントを大きく強化する。週替わりでさまざまな内容を準備しており,好評のクリスマス限定キャラクターや,リアルグッズなども提供されるとのこと。

 「2013年の『サンタシャルリン』は非常に好評でした,今年はゲーム内のイベントにも力を入れてクリスマスはもちろん,ほかにも特別なゲーム内イベントを用意しています。最終章を迎える前に,アルモニアシナリオをおさらいできるようなイベントも準備中です」(松田氏)

 加えて,8周年記念のときに好評だった武器交換イベントも,実施を検討しているという。ただ,このイベントはゲームバランスにも関わってくるので,慎重な調整が必要とのことで,あくまで現在は企画中の段階だそうだ。

 最後に,松田氏から今後のGEおよびアルモニアアップデート最終章に期待する人に向けたメッセージを掲載して本稿の締めとしよう。

 「今後の方向性はこれまでの路線と変わらず,日本の実情に合わせた展開をしていきます。ただ,前任者とはやり方が異なることもあるので,少し違和感を持つ方もいるかもしれません。そのあたりは模索中ですので,今回お話しした『プレイヤーがプレイスタイルを選べる』方針も,まずは自分なりにどんどんやってみようと思います。アルモニアアップデートはできる限り早くプレイヤーの皆さんにお届けできるように調整中です。それまでの間,今年の感謝も込めた特別なプレゼント企画なんかも用意していますので,アップデートを含めて楽しんでいただければと思います。よろしくお願いいたします」(松田氏)

画像集#005のサムネイル/「グラナド・エスパダ」が挑む新たなプレイスタイルの追加とは? いよいよ佳境に迫ったアルモニアフィナーレ直前インタビュー

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