レビュー
オープンβも間近? 「グラナド・エスパダ」韓国β3レポート
最新の「グラナド・エスパダ」に触れてみた
今回の目玉は,フリーミッションモードと新エリアの実装だ。
フリーミッションモードは,プレイヤーが任意のプレイルームを作成し,条件を設定して複数のチームで挑める,いわゆる“プライベートエリア”(もしくはインスタンスダンジョン)のような存在。しかし今回のテストでは,このモードを利用できるのはキャラクターレベル45以上のみという制限が設けられており,恥ずかしながら筆者はアチコチ寄り道しながらプレイしていたため,同モードに挑戦できなかった(この制限に気づいたのがテスト終盤の四日め。後半かなり急いだのだが,レベル43で力尽きてしまった……。まったくもって面目ない)。
なのでこの部分については,年明けに行われると思われる日本でのβ3でじっくりやり込んでからあらためてレポートするとして,今回はフリーミッションモード以外の部分を紹介していきたいと思う。
さて,新エリアや新機能の紹介の前に,β3から追加された初心者向けチュートリアルについて触れておこう。
β2までは,バラックでコマンダー名を決定してキャラクターを作成すれば,すぐにスタート地点となる都市「リボルドウェ」から冒険が始まった。しかし今回からは,キャラクターを作成すると,そのキャラクターが強制的に「新大陸秩序統制委員会付設新規移民者教育支援館」(※名前は公式サイトの「バラック」より)というバラックの別館のような場所に移動させられ,クラスごとの簡単なチュートリアルを行う形となった。
このクラスごとというのがミソで,最初はファイタークラスで練習,次はマスケッティアで練習といった具合に,チュートリアルを経るたびにクラスがアンロックされていく仕組みとなっている(厳密には,同じような操作のクラスはまとめられているので,3段階ですべてのクラスがアンロックされる)。
そしてすべてのチュートリアルを終えて新大陸秩序統制〜の主であるリンドン男爵に話しかけると,冒険の開始地点をリボルドウェとするか,今回追加された「コインブラ」とするかという選択を迫られる。筆者はここで何も考えずにリボルドウェを選んでしまったため,後ほどコインブラにたどり着くのに相当難儀したが,これら両都市は地続きなので,歩いて行き来することもできる。しかも今回からは,都市やダンジョンなどの主要ポイントに「ウェイポイント」と呼ばれる転送用のゲートが用意されていて,訪れた場所にあるゲートにタッチしておけば,次回からはほかのどの地点のゲートからでも,記憶した場所にテレポートできるようになった。
ウェイポイントのおかげで,チームが全滅してもすぐに前線に復帰できるため,リプレイ性が高まり,β2に比べてレべリング速度も向上している印象だ。
■新エリア「コインブラ」と新ダンジョン「ポルトペルロ」
そのほか,拠点接続用エリアも大幅に拡張
コインブラは,韓国のゲームショウ「G★」の取材記事などで報じたとおり,リボルドウェの西にある「テトラ遺跡」を越え,さらに西へ進んだ場所に位置する,海に面した港街だ。
ギリシアをイメージして作られた湾岸の都市ということで,土地の大部分が階段で構成されているといっても過言ではないほど,マップの起伏が激しい。街並みは当然ヨーロッパ風で,海岸を見渡せる高台にはオープンカフェが立ち並び,港に行けば,魚を肩に担いだ漁師や,絵画の露店を営む商人が見られるなど,内陸の都市であるリボルドウェとはまた違った情緒がある。
とはいえ,現時点での都市機能はリボルドウェと変わらない。ショップはアイテムショップとウェポンショップの二つのみで,リボルドウェとはNPCのグラフィックスが異なる程度。商品ラインナップもほぼ同じだ。今後,街や装備品のバラエティが増えて,この土地ならではの特色をもった装飾品が追加されたりすれば,ショッピングの楽しみも増えそうである。
前述のとおり,このコインブラはゲーム開始時の拠点として選択できるほか,地続きなのでリボルドウェから徒歩で行くこともできる……が,その道のりはかなり険しい。というより,遠い。
大まかな道順を書くと,まずリボルドウェからダンジョン「アル・ケルト・モレッツァ」の北側をかすめつつ,いくつかのエリアを経て,大陸中央部のテトラ遺跡へと進む。そしてさらに今回追加された「Tetra Hill」や「King's Garden」という広大な接続エリアを経て,西の拠点であるコインブラにたどり着くといった具合だ。
筆者は,スカウトの移動速度増加スキル「アクセラレーション」を修得していない状態だったし,多少の寄り道もしたので正確な数字は分からないが,最短でも移動に20分近くかかるのではないだろうか。
さて,コインブラからさらに西へ向かった大陸の最西端には,新ダンジョン「ポルトペルロ」がある。
ここは,「リボルドウェ」と「アル・ケルト・モレッツァ」の関係と同様に,コインブラの住民がレベル10前後から挑める最寄りのダンジョンだ。ポルトペルロは,既報のとおり座礁した海賊船にモンスターが住み着いたようなダンジョンで,対象レベル帯や全3階という構造を考えると,アル・ケルト・モレッツァとほぼ同じコンセプトで設計されているようである。
ところどころ穴の開いたデッキ,そこらじゅうにぶら下がる錆びた鎖,また全体的に暗い色調でどんよりと霞がかっていたりと,おどろおどろしい雰囲気が特徴のマップだ。
内部のモンスターは,魚やカニといった海洋生物型や,アンデッドの海賊(?)などのヒューマノイド型モンスターが中心。3階まで行くと,プレイヤーキャラクターの3倍程度はありそうな巨大なカジキ型のモンスターや,巨大な砲から放つ弾でパーティダメージを与えてくる浮遊型モンスターが登場する。
キャラクターのレベルが30後半から40前後あれば,1階から3階までをソロ(単一の3人チーム)で踏破できる難度だろうか。このダンジョンも現在のところ,この場所ならでは,といった趣向はない。こちらもドロップアイテムに地域的な特徴が出たりすれば,観光目的で遠方から訪ねてくるプレイヤーも多くなることだろう。
■興奮度とプレイアビリティを向上させる新機能あれこれ
まぁチャットウィンドウのほうは,MMORPGでは基本的といえる機能が実装されたにすぎないが,Webとの連携は要注目だ。まだヘルプやモンスター紹介などといった情報が見られる程度だが,こういったメタ情報を,ゲームプログラムとタスクを切り替えることなく見られるのは,思ったよりも便利。サービス提供側にとっても,ゲームの一部の機能を外出しにできたり,クライアントをアップデートすることなく各種情報を更新できたりと,メリットが多そうだ。
ポチポチと触っていると,予期しないポップアップやダイアログの出現によって勝手にタスクが切り替わってしまうなど,まだ安定性に問題はあるものの,これはほかのRPGにもぜひ採用してほしい機能である。
もう一つ,冒険の興奮度をより高める要素として,レアアイテムの追加が行われている。具体的には,「Diablo」の登場を期に爆発的に普及した,追加効果付きの装備品が初お目見えしているのだ。
GEでは,元々モンスターは通貨をドロップせず,装備品ばかりをボコボコ落とすため,すぐにインベントリがいっぱいになる(といっても,現状インベントリは無制限だが)。β2までは,これらアイテムを拾っても,大抵は装備可能レベル(つまりその時点の装備品と同等)かそれ以下のシロモノで,基本的には“売られていく存在”だった。
今回からは,モンスターが各種ステータスや属性耐性を向上させる装備品をドロップするようになったため,戦闘の合間に現在の装備品を再考する要素が加わり,レベル上げの単調さが少し緩和されている。しかもレアアイテムは通常アイテムよりも少しだけ売値が高いため,相対的にβ2よりも金銭に困るシチュエーションが少なくなったとも感じた。
とはいえ,やはりレベル15/30/45/60の段階に分けて装備を一新できるという仕様は変わっていないらしい。ドロップで得られる装備品も基本的には15レベル単位で装備できるものばかりなので,レベル15以降徐々にスピードダウンしていくレベルアップは,現時点ではまだ少し単調かもしれない。ほかのテスターからどういった改善案が出ているのか,興味をそそられる部分である。
■バランス面はまだまだ微調整が必要
次はオープンβテストか?
ただ短いスパンでテストを重ねているためか,それともMCCという複雑なキャラクター操作システムのためか,バランス面ではまだ多くの問題を抱えているように見受けられる。
例えば今回気になった点に,ホールドモードの存在がある。
ホールドモードとは,Ctrlキー+Hでキャラクターをその場に固定して,索敵範囲のモンスターを自動的に攻撃するモードで,β2のプレイレポートでも触れたように,プレイヤーの手放しプレイを許容するか否かを左右する,実にデリケートなシステムである。
今回筆者は,ウィザードとマスケッティアを中心とした遠距離戦闘型のチームを組んだわけだが,この組み合わせで各キャラクターがお互いに近接ターゲットを捕捉できるようなフォーメーションを手動で設定してやると,マウスから手を離しても,長時間敵を倒し続けることができた。しかも手動でターゲットをクリックするよりもAIのターゲット捕捉のほうが早いので,忙しく操作しているほうが逆に損をする(バカを見る?)という具合なのだ。
βテスト2日めあたりから,このシステムを積極的に利用するプレイヤーが目立って増え,そのためか3日めには同モードでのターゲット索敵範囲が15メートルから5メートルへと大幅に縮小された。残念ながらこの部分の仕様変更は突貫と言わざるを得ず,現時点ではAIモードの問題解消と共に,ホールドモードの存在意義をなくす形となってしまっている。
ドロップアイテムの取得優先権の時間しかり,ハーベストモード(アイテムルートモード)の速度しかり,各システムの仕様は今後もまだまだ流動的であろうと予測される。多くのシステムがお互いに依存関係を保ちながら実装されているため,このあたりのバランスどりは,参加人数の少ないクローズドβテストレベルでは難しそうだ。
日本のGEサービス元であるハンビットユビキタスエンターテインメントからは,まだ日本での「FINAL TEST」実施スケジュールは発表されていない。しかしこれまでの傾向から考えると,β1やβ2と同様に,韓国から2〜3週間の遅れ,つまり2006年年明けの早い時期での実施になると予想される。
韓国FINAL TESTのフィードバックが反映された最新の日本語版クライアントで,前述のバランス面を含め,ミッションモードやギルドシステム,またコマンダーポイントといった新要素について詳細にレポートしていきたいと思う。もちろんβ2までのテスターも,現時点でのクオリティを確かめるべく,ぜひ奮って参加してみてほしい。(Gueed)
- 関連タイトル:
グラナド・エスパダ
- この記事のURL:
(C)2003-2013 IMC Games Co.,Ltd./Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.