OC機能付きゲーマー向けノートPCベアボーン「GX600」続報
MSIの日本法人であるエムエスアイコンピュータージャパンは,2007年6月30日に,エンドユーザー向けイベント「MSI P35夏祭り」を東京の秋葉原にある秋葉原UDXビルで開催した。 このイベントの目玉はCOMPUTEX TAIPEI 2007におけるMSIブースの展示内容を再現した点にあり,4Gamerでもお伝えした「Intel X38 Express」チップセット搭載マザーボード「X38 Diamond」や,「ATI Radeon HD 2600 XT」を2個搭載した巨大なグラフィックスカード「RX2600 Geminium」,ノートPC向けの外付けグラフィックスユニット「Luxium」(ルーズィアム)などが国内初公開。来場者の注目を集めていたほか,インテルの“神様”,シニア・フィールド・アプリケーション・エンジニアである天野伸彦氏とマイクロソフトのWindows担当シニアプロダクトマネージャー,森洋孝氏によるセッションなども開催されていた。
左は天野氏と森氏によるセッションの様子。右はX38 Diamondについて説明するエムエスアイコンピュータージャパンのマザーボード商品企画担当である陳 明期(Minky Chen)氏
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■GX600のTURBOボタンでは動作クロック20%アップ ■搭載GPUは「NV8PGS」に
GX600。国内では型番が製品名となる模様だ
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さて4Gamerとしては当然,ゲーム用途を意識した製品群に目がいくわけだが,COMPUTEX TAIPEI 2007のレポートでもお伝えしたゲーマー向けノートPC「GX600」(型番:MS-163A)について,新たに分かったことをお知らせしておきたい。
CPUとメインメモリ,HDD(とOS)を別途購入して組み込むことでPCとして利用可能になるベアボーンとしての国内展開が決まっている同製品。最大の特徴は「TURBO」ボタンが用意されていることだが,具体的には「対応CPUの動作クロックを一律に20%向上させる」機能を提供するという。Socket P対応のCore 2 Duo T7000番台やCeleron Mのすべてで同じように動作するそうで,実際,オーバークロック動作時の消費電力や発熱を想定して専用設計のダクトを採用するなど,Core 2 Duo T7000番台のTDP(熱設計消費電力)よりも余裕を持った構造になっているとのことだ。 さらに,片方のコアがアイドル状態のときに,もう一方のコアのクロックを自動的に引き上げるCore 2 Duo T7000番台の機能「Intel Dynamic Acceleration」も考慮されているとは,エムエスアイコンピュータージャパン チャネルセールス&マーケティング部マネージャー 石岡宣慶氏の弁である。
ちなみに同氏いわく,TURBOボタンの押下は「マザーボードのオーバークロック設定と同じ位置づけ」。つまり自己責任となるが,MSIとして,CPUが壊れたりはしないことを確認済みとのことだった。
TURBOボタン(左)と,本体に用意された排気口(右)
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搭載GPUは「NV8PGS」になると石岡氏。筆者の記憶が確かならば,NV8PGS=「GeForce 8600M GT」なので,“COMPUTEX TAIPEI 2007バージョン”から変わっていない。ちなみにGPUのオーバークロックに関しては「(発熱面などで)チップの個体差が大きいのと,オーバークロック時の熱設計が難しい」(同氏)とのことだった。 なお,GX600は2007年8月下旬発売予定で,価格は未定。ゲーム用ノートPCの購入を考えているなら,その存在を憶えておいて損のないベアボーンといえるだろう。
展示されていたグラフィックスカードの一部。詳細はCOMPUTEX TAIPEI 2007のレポートを参照してほしい
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ところで,少し話は変わるが,エムエスアイコンピュータージャパンは,一時期積極的に行っていた,国内ゲームデベロッパ製タイトルをバンドルしたグラフィックスカードの販売を,復活させる方向で動いているという。まだ具体的なタイトル名が挙がるタイミングではないようだが,近い将来,何らかの動きがあることを期待したい。(佐々山薫郁)
このほか会場では,Core 2 Duo T7000番台に対応し,PCI Express x16とPCIスロットを各1本持つMini-ITXマザーボード「Fuzzy GM965」も展示されていた。小型のゲームPC用途には面白いかも? 2007年8月発売予定で,価格は4万円を超える見込み
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