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生成AIでアニメや漫画が作れる「GoPrince」。開発・運営を行うPuri Princeの代表取締役で,元セガの中山雅弘氏に話を聞いた
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印刷2025/04/09 07:00

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生成AIでアニメや漫画が作れる「GoPrince」。開発・運営を行うPuri Princeの代表取締役で,元セガの中山雅弘氏に話を聞いた

 生成AIとブロックチェーン技術を活用した,アニメ・マンガ創作コミュニティプラットフォーム「GoPrince」の最新情報が,2025年3月に開催された「AnimeJapan 2025」で発表された。

Puri Princeの代表取締役・中山雅弘氏。以前はセガに在籍し,サクラ大戦専門ショップ「太正浪漫堂」の立ち上げや,同社IPのメディア展開,キャラクタープロデュースなどに関わっていた。のちにブシロードに転職し,メディアミックスプロジェクト「D4DJ」「ROAD59」「D_CIDE TREAUMEREI/ディーサイドトロイメライ」などを手掛けている
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 Puri Princeがサービスを予定している「GoPrince」は,簡単にアニメ制作を楽しめる,モバイル向けの投稿プラットフォームだ。利用者は,用意されているモデルやスキン,モーションなどのアセットを使用でき,各種生成AIツールを活用することで,専門的な知識がなくてもストーリー付きのアニメを作成できる。

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 アセットはアニメや漫画の公式アセットも用意される予定だ。故いのまたむつみ先生がキャラクターデザインを担当した「おゆみこ」の参加も決定しており,2025年春・夏頃に実施されるオープンβテストでは,「おゆみこ」のPVコンテストも実施される。

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「Puri Prince」公式サイト


GoPrinceは,プラットフォーム内で「アセットの選択」「アニメの制作」「投稿」が行える


 AnimeJapan 2025の2日目(3月23日),「TOKYO MX」ブースでPuri Princeのステージイベントが行われた。
 メインとなったのは,アニメコンテスト第1回「Prince Jam!」の最優秀作品「悪夢の淵から」の長編アニメ化の最新情報と新PV公開,そして出演者によるトークショーのほうなのだが,まずは先に説明があった「GoPrince」の情報を紹介しよう

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 「GoPrince」の特徴は3つある。
 ひとつ目は,“誰でもクリエイターになれる”こと。プラットフォーム内には「アニメ制作向けに厳選されたAI」「快適な動画編集機能」「アセットライブラリ」が用意されているので,利用者は簡単にアニメを制作できる。
 また作ったアニメは,「GoPrince」に投稿することも可能だ。

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 2つ目は,“モバイルファースト”であること。まずはスマホアプリとして提供される予定の「GoPrince」は,制作と発信,視聴がモバイル向けに最適化されている。制作や視聴は,縦画面での利用も考えたインタフェースに。発信は,「GoPrince」だけでなくYouTube ShortやTikTokなどのユーザーに向けた自動配信も検討中とのこと。

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 3つ目は,“IPアセットとライセンス処理”がしっかりしていること。「GoPrince」が使用権利を取得しているアニメや漫画のIPは,投稿などによって利益が発生した場合,IP先への収益配分などの権利関係をプラットフォーム側が処理してくれる。
 また利用者のオリジナル作品の場合は,メディアミックスや権利処理,収益配分の支援をしてくれる。これらは,ブロックチェーン技術によって保障されるそうだ。

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AIやブロックチェーン技術に関する多くのパートナーも。生成AIのトップクリエイターも参加予定だ

 公式IPのアセットとしては,先にも述べたように,故いのまたむつみ先生がキャラクターデザインを担当した「おゆみこ」の参加が決定している。
 こちらは,「おゆみこ」登場キャラクターの人気No.1を決める投票キャンペーンと,ショートPVコンテストも実施するそうだ。

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コンテスト最優秀賞作品「悪夢の淵から」が長編アニメ化。出演者のトークショーを実施


 Puri Princeが主催するAI×Web3ショートアニメコンテスト「Prince Jam!」の第1回が,昨年7月に開催された。
 最優秀賞作品の「悪夢の淵から」は長編アニメ化が決まっており,ステージには出演する声優の水川桃子さん,八木ましろさん,佐當友莉亜さんが登壇。Puri Princeの代表取締役で,本作のプロデューサーでもある中山雅弘氏とともにトークショーを行っていた。

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 「悪夢の淵から」は,小林譲監督が制作したホラーアニメだ。主人公は,大手企業で働くOLの望月あかりで,とある日から見るようになった悪夢によって,平穏な日常が脅かされるようになる。

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 監督・脚本・演出は,コンテスト作品を制作した小林譲氏が担当。制作協力に,AI Visual ArtistとしてTakka氏が参加している。公開時期などは未定のようだが,プロモーションムービーが配信されているので,気になる人はチェックしておこう。


 なお「Prince Jam!」の第2回が,5月28日に開催される。エントリー応募期間は4月30日までとなっているので,参加を考えている人は,公式サイトの確認も忘れずに。

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 ステージイベントの後,「GoPrince」と「悪夢の淵から」について,中山雅弘氏に話を伺ったので,その内容を紹介しよう。

中山雅弘氏インタビュー

※2025年3月23日,ステージイベント後に実施

4Gamer:
 本日は,よろしくお願いします。
 まず「GoPrince」についてお聞かせください。AIを使ったアニメ制作が可能とのことですが,学習に使用される素材に関して,著作権の問題などは発生しないのでしょうか。

中山雅弘氏(以下,中山氏):
 「GoPrince」は,基本的に用意されているアセットを使用してアニメを制作します。アセットは,Puri Princeやパートナーとなってくれている企業・個人が用意したものですので,他者の権利を侵害するといった心配はありません。
 また人気のアニメや漫画のIPは,「GoPrince」内で使用できるように版元に許可を得ていく予定です。許諾を得たものはアプリ内にアセットなどが登録されるので,さらに作品ごとに決まったガイドラインに沿って,使用してもらう形になります。

4Gamer:
 たとえば,ネットで拾ってきた画像を使用してアニメと作るといった使い方はできないと。

中山氏:
 そうですね。基本的にはアセットの中から選んでもらい,必要に応じて編集していく仕組みです。なお外部のIPに関しては,混ぜて使用することはできません。Aというタイトルの二次作品を制作する場合は,そのタイトルのアセットのみ使用できます。

4Gamer:
 IPを使用する場合,同人誌などの黙認系二次創作ではなく公認の二次創作といった扱いになるのでしょうか。

中山氏:
 はい。とはいっても「GoPrince」内で制作してみんなに見てもらう分には,それほど難しく考えなくてもいいような作りになってます。

 最近は,往年の人気作品が30周年,40周年といったアニバーサリーを迎えることが多いです。
 AnimeJapan 2025でも,周年を記念したビジュアルやロゴなどが発表されたタイトルがあり,ファンの人たちが盛り上がっているのですが,例えば「GoPrince」がこれらの作品の使用権利を持っていた場合,お祝いの二次創作アニメを作ることもできるのです。

 制作した作品は版元からも公認されているものなので,オフィシャルのコミュニティなどがあった場合,そこで共有してみんなで盛り上がることも可能なんですよ。

4Gamer:
 同人誌より,ワンダーフェスティバルにおける個人ディーラーの版権作品みたいな感じですね。

中山氏:
 イメージ的には近いかもしれません。ライセンス許諾として1日版権というものがありますが,「GoPrince」ではきちんと権利処理をして,継続的にIPホルダーに収益還元されるようなビジネスとして成り立つ形にしていきます。

4Gamer:
 IPですが,「おゆみこ」の参加が発表されました。こちらは,どのような使われ方を考えているのですか。

中山氏:
 「おゆみこ」は,おっどあいくりえいてぃぶ社の企画で,いのまたむつみ先生がキャラクターデザインを担当された未発表の作品です。キャラクターは9人いるのですが,まだ世に出ていないんですよ。
 そこで本編はなくとも,その作品の意思を継ぐであろう二次創作をファンによって創り出してもらえればという気持ちがありますね。

4Gamer:
 「GoPrince」はスマホアプリとしての配信が予定されていますが,PCでも利用できるようになりますか。

中山氏:
 PC版も用意したいなとは考えています。またリリース時は国内のみでのサービスですが,ゆくゆくは全世界でも使えるようにしたいなと思っています。
 多くのクリエイターさんたちが作品を作ってくれて,それを見て感銘を受けた方たちが自分も何か作ってみようと思う。そんな流れになるといいですね。

4Gamer:
 「悪夢の淵から」についてもお聞かせください。こちらは,いつ頃に放送や配信されるのでしょうか。

中山氏:
 「GoPrince」のリリースが今年の夏を予定しているので,そこ辺りに公開したいなとは思っています。ただ本作は少人数で作っているので,もう少し先になるかもしれません。尺が60分くらいあるので,結構時間が必要でして。

4Gamer:
 作品は,どこで見ることができますか。

中山氏:
 まだ決まっていないのですが,Webでの配信になると思います。また,TOKYO MXさんでも放送出来ればと思っています。

4Gamer:
 最後に,「GoPrince」や「悪夢の淵から」が気になっている人たちに,コメントをお願いします。

中山氏:
 「GoPrince」は,誰でも簡単にアニメやマンガが作れるアプリケーションを目指しています。AI生成と聞くと,著作権などの問題を気にする方も多いと思いますが,「GoPrince」ではアセットや完成した作品に対する権利関係を明確にし,トラブルがないようにしていきます。
 なおアニメ制作においては,AIに頼るだけでなく,作り手が持つクリエイターの力も大事だと思っています。「GoPrince」でアニメを制作する楽しみを知ったら,次はぜひ,多くの人たちが感動するような,質の高い作品の制作も目指してください。

 「悪夢の淵から」は,公開に向けて鋭意制作中です。今後も予定などが見えてきましたら,Puri Princeの公式サイトなどで案内しますのでお待ちください。
 なお,第2回「Prince Jam!」の開催が決定しましたので,興味がある方は,ぜひ参加をお待ちしています。

4Gamer:
 本日は,ありがとうございました。

「Puri Prince」公式サイト

「AnimeJapan」公式サイト

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