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「ルーマニア」シリーズの音楽ユニット「セラニポージ」が2024年度配信ヒット賞を受賞
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セラニポージは1999年に初のアルバム「manamoon(まなもぉん)」を発売,その後はドリームキャスト用ゲーム「ROOMMANIA#203」(2000年)と,その続編となるPS2用ゲーム「ニュールーマニア ポロリ青春」(2003年)にも楽曲が登場している。
「ルーマニア」シリーズはプレイヤーが神様となり,日本で一番平均的な青年であるネジタイヘイの日常生活に介入するという風変わりなアドベンチャーゲームだ。ネジが大ファンなのがセラニポージで,オシャレな楽曲と不思議な歌詞が話題を呼んだ。
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こうしてセラニポージの活動を時系列で並べると,既存ユニットがゲームとタイアップしたように思えるかも知れない。実際はその逆で,ゲームのために作られたが,ゲームより先にCDデビューしたという特異な経歴を持っている。
セラニポージの作詞作曲とトータルプロデュースを務めるサウンドクリエーターのササキトモコ(佐々木朋子)氏はセガの元社員で,ROOMMANIA#203の原型となる企画を考案した。
ネジには「平均からはずれ,流行に流されない自分の好きな音楽がある」というキャラクター付けがなされ,そこから「流行に流されない,知っていたらちょっと通と思われるアーティスト」としてセラニポージが作り出されている。
セラニポージをゲームより先にデビューさせたのは,プレイヤーに「ネジが現実世界に生きているかも知れない」と思ってもらうためであるという。
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セラニポージは,「manamoon remix(まなもぉんリミックス)」(2002年),「one-room survival(ワンルームサバイバル)」(2002年),「オチャメカン」(2004年),「MERRY GO ROUND JAILHOUSE(メリーゴーラウンドジェイルハウス)」(2010年)といったアルバムをリリース。ゲームの枠を越えて評価されてきたが,一度は「冬眠」として活動を休止している。
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その後,2023年ごろに「one-room survival」収録の「ぴぽぴぽ」がネット上で話題となり,同年12月には同曲を高速化した「pipo pipo(Sped Up Version)」が配信された。また,2024年1月には「スマイリーを探して」がBillboardのTikTokのチャートTop50にランクインする(リンク)など,改めて評価されている。
ゲームのために作られた音楽ユニットがデビューから20年以上を経て再び話題となった……というのは配信時代らしい現象といえる。
公式サイトではセラニポージの現状について,「現在は冬眠中ですが,最近世間が騒がしくなってきたので薄目を開けたようです」と語られている。この流れに乗ってさらなる活動を期待したいところだ。
セラニポージ(Serani Poji)公式サイト
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