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「Supercade」リマスター版に関するKickstarterキャンペーンが展開中。図版を多用したビデオゲーム史の書籍が,より鮮やかによみがえる
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2001年に発売された「Supercade: A Visual History of the Videogame Age 1971-1984」は,世界初のアーケードゲーム「Computer Space」からファミコンまで,ビデオゲーム史の始まりについて解説された書籍だ。ゲーム画面はもちろんのこと,写真や当時の広告といった図版が,1ページ丸々や見開きといった形で多用されており,眺めているだけでも楽しい本となっている。
好評を博した本書だが,著者のVan Burnham氏にとっては100%満足のいくものではなかったという。出版社の設定した締め切りが短かったために製作上でも妥協があったうえ,ページが丸々抜け落ちるといったトラブルがあったそうだ。
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Burnham氏は本書のリマスターを行い,Kickstarterキャンペーンをスタートすることとなった。オリジナル版が448ページなのに対し,リマスター版は500ページを超えるものになる。図版の解像度も向上するのに加え,オリジナル版に掲載されていなかった「カラーテレビゲーム」「Lazer Command」「Wizardry」といった“重大な欠落”がリマスター版には「確実に含まれる」という(前述の抜け落ちたページの内容だろうか?)。
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また,「Pong」のAl Alcorn氏,Odyssey 2のEd Averett氏や「Robotron: 2084」を制作したVid KidzのEugene Jarvis氏,「River Raid」のCarol Shaw氏へのインタビューも行われるという。そして「Art of Atari」のTim Lapetino氏や「The Art of Video Games」のChris Melissinos氏といったビデオゲーム書籍の著者や,アニメ「スーパー・ロボット・モンキー・チーム・ハイパーフォース GO!」の原作者であるシロ・ニエリ氏,Digital EclipseでAtariの歴史をゲームとともに知ることができる「Atari 50」を手掛けたMike Mika氏といった,新たなメンバーが寄稿しているそうだ。世界初の家庭用ゲーム機Magnavox Odysseyの制作で知られるRalph Baer氏を称えるエピローグも追加されるとのこと。
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プレッジ(支援)は日本時間2025年4月1日23:00まで。35ドル(約5100円)でデラックスソフトカバー版とエナメルピンバッジ,65ドル(約9600円)でハードカバー版とエナメルピンバッジが手に入る。総支援額が10万ドル(約1471万円)を超えた場合,ゲーム史の深掘りやインタビュー,事後分析などが含まれる「Supercade Journal」の物理版も販売される。
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なお,対応言語は英語のみで,リワードの発送先もアメリカ国内のみとなっている。これは「Supercade: A Visual History of the Videogame Age 1985-2001」のKickstarterキャンペーンで海外への発送に困難があったためで,公式サイト(リンク)を利用してほしいとのことだ。
オリジナル版は当時の広告など図版が多用されており,英語が分からなくとも時代の息吹が伝わってくる内容となっていた。日本への発送に対応していないのは残念だが,興味のある人は公式サイトから購入するといいだろう。これらの収益はコレクションの保全や展示会の開催に充てられるという。米国ロサンゼルスにインタラクティブミュージアムを設立する準備が進められているそうで,今後の活動にも期待したい。
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Kickstarterキャンペーン「Supercade: A Visual History of the Videogame Age 1971-1984」
「Supercade」公式サイト
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