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「不破湊 1st LIVE “Cheers with you”」レポート。シャンパンコールやトロッコ演出など,ファンにとっても忘れられないライブに
なお,本ライブの配信視聴チケットは12月21日23:59まで購入できる。視聴期間は12月22日23:59までだ。以下,ライブ内容のネタバレを含むので,これから観る予定のある人は注意してほしい。
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不破さんは2019年11月にデビューしたバーチャルホストで,これまでに「にじさんじ 5th Anniversary LIVE『SYMPHONIA』」をはじめとした,多くのライブイベントに出演経験がある。本イベントはそんな不破さん初の“ソロライブ”ということもあり,過去に「にじさんじ」のライブに参加したことがある筆者も,前々から注目していた。
開演時間になるとジャズ調の音楽が流れ,ムーディーな雰囲気の中,ライブがスタートした。スクリーンに本ライブのキービジュアルが映し出されると客席からは歓声が響き,不破狂(ファンの名称)たちの熱気も十分だ。
1曲目を飾るのは今年9月に発売され,「不破湊 1st Mini Album『Persona』」にも収録されている「ディストーションと抱擁」。ホストクラブ「CLUB Persona」の煌びやかなステージから不破さんが登場し,観客を熱狂の渦へと巻き込んでいく。
続いて歌い上げるのは,彼が昨年のバレンタインデーに公開したオリジナル楽曲「ミラージュ」で,曲中にはMVに使用されたイラストが投影されるなど細部までこだわりが感じられる。歌唱後には客席から「最高ー!」という声も上がっていた。
ギターやピアノソロといったオリジナルアレンジが印象的だった「Violet!?」は,シンガーソングライターとして活動中のなとりさんが楽曲制作を手がけている。不破さんの色気溢れる声を生かせたら……という思いで作られた曲は,低音パートなど彼の魅力をグッと引き出しファンを夢中にさせていた。同時に彼は先程まで羽織っていたジャケットを脱ぎ,ベスト姿で登場し,客席の目を引いていた。
MCで「すごく(皆の)声聞こえてるよ」と話す不破さんは,観客の多さをあらためて実感したのではないだろうか。また,会場一面に広がる紫のペンライトを見て「俺が見たかった景色だ」とうれしそうな様子も見せていた。
ほかにもコール&レスポンスを行ったり,「Violet!?」で脱いだジャケットがステージ上で実際にお披露目されたりと,バーチャルと現実の壁を感じさせない演出の数々に心が動かされる。そして本ライブでは,バンドメンバーやダンサーの方々も不破さんとお揃いのスーツ衣装を着用し,より一体感が感じられた。
ライブ序盤ではオリジナル楽曲を中心に展開していたが,ここからはカバー曲も織り交ぜたセットリストになっている。転調するラスサビが耳に残る「Mr.Sweetest」や「Rapport」(キタニタツヤさんカバー)に続き披露されたのは,多くの「にじさんじ」ライバーがカバーしていることでも知られる「ロウワー」(ぬゆりさんカバー)だ。本楽曲は不破さん自身も過去に歌い手のまふまふさんと歌唱していることから,ファンのあいだでは馴染み深い曲として知られている。
ライブ前に投稿されたインタビュー動画(外部リンク)でも「やりたいことを詰め込んだ」と話していた彼だが,ここからは歌いたい曲をさらに歌っていくと話しており,客席の方々も期待に胸を膨らませたはずだ。「(次は)何を歌うと思う?」と問いかけたりと,配信でも繰り広げられる“予測がつかない言動”がたびたび出てくるのも面白い。
「次は“チル”な楽曲を歌う」と言って不破さんが持ってきたのは,スタンドマイク。「フライデー・ナイト」(なとりさんカバー)はCMソングとしても使用されている曲で,しっとりとした雰囲気が心地よい。「黙って私に従って」という歌詞に彼の力強さを感じた「ド屑」(なきそさんカバー)や「愛して愛して愛して」(Adoさんカバー)と,アルバムの初回生産限定盤Bに収録されていた楽曲が続いていく。
バンドメンバーの紹介が終了すると,ギターを持った不破さんが「HONEY」(L'Arc〜en〜Cielカバー)を歌い上げた。彼は現在,渡会雲雀さん,イブラヒムさん,ローレン・イロアスさんとのバンドユニット「2時だとか」でもギターを担当しており,ホストの時とはまた違った表情を見せてくれる。
戌亥とこさん,加賀美ハヤトさん,樋口 楓さん,緑仙さんとのカバーも忘れられない「栞」(クリープハイプカバー)を今回はソロで披露し,見事なパフォーマンスに観客からは「ありがとうー!」の声が上がっていた。曲が終了したあとには不破さんが客席に向かってピックを投げており,ファンの方は「拾いたい……」と思ったに違いない。
「人マニア」(原口沙輔さんカバー)でのLEDフラッグや,不破さんが目を光らせていた「エンデバー」と,ライブ後半戦でも驚きの演出が次々と登場していく。「Same as you are」(Pay money To my Painカバー)では,彼の英語歌唱も存分に堪能できた。
ダンサー陣の紹介を終え,アルバム収録楽曲「黄昏ラビリンス」「4Count」では,不破さんもダンスを披露。その後のMCでは「なんかステップしたね(笑)」と発し,客席を笑わせる。
今年5月の3Dライブで告知された本ライブ「不破湊 1st LIVE “Cheers with you”」についてもあらためて“あっという間”だったと語り,「ついてきてくれてありがとう」「(今後も)不破 湊であり続けたい」と自身の思いや感謝を述べていた。
「やっていない曲があるんじゃないか?」と最後に歌い上げたのは,インタビュー動画でもセットリストに入っていることを明言していた「一旦ステイ TONIGHT」。ライブ直前に放送された会場突撃レポート(外部リンク)でもコール練習が行われ,客席からは気合いや,やる気がうかがえる。
現在配信OPにも使用されており,歌詞やMVとすべてに“不破 湊らしさ”が溢れた楽曲には会場も大盛り上がり。曲の途中ではステージ上にシャンパンタワーが登場し,実際にシャンパンが注がれるという演出もファンを魅了させた。
ここで出演者たちは降壇し,ライブは終了……かと思いきや,アンコールに応え「LOVEドッきゅん♥」(CLUB PRINCEカバー)を生歌唱! 初代配信OPに使用されていた本楽曲は不破狂だけでなく,「にじさんじ」ファン全体に浸透しているはず。
さらに本ライブで最も注目していただきたいのは,12月6日より同会場で開催されていた「さんばか」(アンジュ・カトリーナさん,戌亥とこさん,リゼ・ヘルエスタさん)と,三枝明那さんのライブでも見られた“トロッコ演出”だ。「にじさんじ」の技術の進化が感じられる試みからは,今後のイベントやライブへの期待も高まった。
楽曲終了後には今回のライブグッズでもあるTシャツを着用,さらにマフラータオルを持って現れ,“ホスト”とはまた違う姿に。
今年9月にチャンネル登録者100万人を達成した記念グッズ「Fuwa Minato Celebration Goods」の発売告知(Xの関連ポスト)や,新曲「シャンパンナイトフィーバー」の発表(YouTubeでMV公開中),歌唱とファンにとってはたまらない展開だっただろう。
ホストクラブでは,その日最も売上が高いホストへ閉店前に好きな曲を歌う権利「ラストソング(ラスソン)」が与えられる。2度目のアンコールでは不破さんが本日のNo.1となり,ラスソンを獲得した映像がスクリーンに映し出された。
彼がラスソンに選んだのは自身初のオリジナル曲でもある「ラストソング」。タイトル通り“ラスト”にふさわしい楽曲では会場のボルテージもMAXとなり,最後まで目が離せないライブだった。
観客からの声援に「悔いなかったよ!」「帰りたくねぇよ!」と応え,彼にとっても充実した時間であったことがしみじみと感じられる。最後には「ありがとうございました!」と感謝を伝え,ライブは無事幕を閉じた。
「不破湊 1st LIVE “Cheers with you”」特設サイト
YouTube「不破 湊 / Fuwa Minato【にじさんじ】」
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