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まるでモーターショー? なぜ自動車がChinaJoyに出展されるのか,ブースを回って聞いてみた[CJ2024]
HUAWEI
日本ではスマホやタブレットのメーカーとして知られるHUAWEIは,今回のChinaJoyで自社開発のOS「HarmonyOS NEXT」を大々的にアピールしている。このOSはスマホやタブレットはもちろん,ウェアラブルデバイスや家電など,さまざまな製品への搭載が想定されており,自動車もその1つになるという。
ブースでは,自動車の中でゲームを楽しむ「カープレイ」のデモが行われていた。ブースに置かれた電気自動車「问界M9」のダッシュボードには,運転席,助手席,中央部にそれぞれディスプレイが取り付けられており,中央と助手席の画面でゲームをプレイできた(運転席の画面にはバッテリー残量や走行可能距離などの情報が表示される)。
ディスプレイへのタッチ操作に加えて,ゲームパッドにも対応。「HarmonyOS NEXT」搭載のスマホにインストールされているゲームを車内のディスプレイで楽しんだり,運転席と助手席で対戦したりもできるという。
さらに,レースゲームなら運転席のステアリングを使ってプレイすることも可能だそうで,ゲーマーにとってはまさに「夢の自動車」かもしれない。
筆者は最初からオプション装備だと思い込んでいて,「このシステムはいくらで付けられますか」と聞いたのだが,これは问界M9の標準装備だという。问界M9の最低価格は約47万元で,50万元以上で購入されることが多いようだ。日本円にすると1000万円超なので,その意味からも「夢の自動車」になってしまうかもしれない。
Xiaomi
確認できた限りでは,「ChinaJoyで一番人気を集めていたクルマ」だったのが,「Xiaomi SU7」だ。2024年の3月末に販売が開始され,4月までで7万台の注文があったそうで,ブースに置かれた2台にも,ひっきりなしに人が乗り降りしていた。
こちらではゲームに関するデモは行われていなかったが,担当者に確認してみると,車内のディスプレイを利用してのゲームプレイは可能とのこと。XiaomiもHUAWEIと同様に「Xiaomi Hyper OS」という自社開発のOSをさまざまな製品に搭載して,連携機能の強化を進めているようだ。
广汽传祺
广汽传祺は,广州汽车集团(広州汽車集団)のブランドで,ブースにはSUVの「GS3 影速」と,スポーツタイプの「EMPOW 影豹 R」が並べられていた。
どちらもゲームプレイ機能などは搭載しておらず,出展の目的は「幅広い層に广汽传祺の自動車を知ってもらうこと」だそうだ。
どちらもガソリン車だったので,「中国と言えば電気自動車を推進しているイメージがあるのですが」と聞いたところ,「都市部はともかく,地方では(電気自動車の)インフラが整備されていない」との返事で,ガソリン車の需要はまだまだ高いらしい。
今回ブースを回ってみて驚いた……というか,“自分が時代に取り残された感”を強く感じたのが,スマホの会社というイメージが強かったHUAWEIやXiaomiが,「自動車メーカー」と呼べるような存在になっていたことだった。
Xiaomiは15年から20年で世界トップ5の自動車メーカーになることを目標に掲げており,「Xiaomi SU7」に群がる人たちの様子からは,その目標が必ずしも大それたものではないと感じられた。
4Gamer「ChinaJoy 2024」記事一覧
「ChinaJoy 2024」公式サイト
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