バンダイ ベンダー事業部は,「ガシャポン」ブランドで展開しているカプセルトイ事業の45周年記念プロジェクト
「答えはガシャポンだ」の締めくくりとなるポップアップイベント
「ガシャポン 45周年博 1977→2022 〜ガシャポンの昭和&平成&令和〜」を,2022年12月15日から12月18日までの4日間,JR品川駅改札内コンコース7・8番線階段脇イベントブースにて開催中だ。
ガシャポン45年の歴史を,“ワクワク”とともに体験できるという本イベント。JR品川駅改札内に今までガシャポンが歩んできた歴史を振り返るブースが設置され,歴代ガシャポン自販機や商品の展示,無料ガシャポン自販機設置,最新商品の販売が行われている。今回は,イベント初日12月15日の様子を取材してきたので,フォトレポートで紹介していこう。
初代から最新のガシャポンまで堂々集結。レアな商品の展示も
赤と白を基調とした賑やかなイベントブースには,4つのショーケースと十数台のガシャポン自販機が置かれていた。ここには132種のラインナップ,計700点もの商品が並び,コンパクトなスペースに見どころがギュっと詰まっている。
駅構内に突如現れたガシャポンの展示は通行人の興味を引いたようで,開催時間前にも,多くの人たちが足を止めていた
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ここからは,歴代のガシャポンを紹介していこう。まずは昭和に登場したガシャポンから。1977年に初代である
「BVM100」というカプセルトイ自販機が誕生した。当時20円が主流のカプセルトイ市場に100円という価格で参入したという挑戦的な企画であったが,出てくる商品のクオリティを高くすることで子供たちの心を掴んだ。1983年には大ブームとなった
「キンケシ」も発売され,カプセルトイ市場を大きくリードしていく。
初代ガシャポン,「BVM100」
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筒形の「BVM101」も。中のカプセルが見やすいモデルだ
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超レア! カプセルトイ第1弾,「超電磁ロボコン・バトラーV」。彩色はしておらず可動式でもないシンプルなおもちゃだが,しっかりとしていて大きい
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子供たちの間で大ブームを巻き起こした“キンケシ”
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年号が平成になった1989年からは,商品価格が200円になった
「BVM201」,飲食店のカウンターなどにも設置できる小型の
「カプセルステーションmini」,100円,200円と商品価格の切り替えが可能になった
「BVM2002」が登場する。メンテナンス性が向上し,幅広い商品,設置店側のニーズにも応えられるようになってきた。
左から,「BVM201」「カプセルステーションmini」「BVM2002」
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年季の入った自販機の姿に子供のころの自分を重ねると,何とも言えない懐かしさがこみ上げる
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ラインナップを発売順に見ていると,どんどん商品のクオリティが上がっていくのがよく分かる
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キューティハニーDXもひみつのアッコちゃんも,平成初期にリメイクされたアニメのバージョンだ
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当時の学生たちを中心にして,爆発的に流行したプリクラ。筆者も友達とプリクラシールを交換してプリクラ専用手帳を作ったり,こういうホルダーに入れてバッグにつけたりして楽しんでいたので,懐かしさがよみがえる
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平成後期になると,払い出された商品を使って本格的なゲームが遊べるという革新的な自販機
「データップ」,商品の売り切れ表示が出る
「カプセルステーションV」が登場。「カプセルステーションV」は多くの人が見慣れた機種と言えるだろう。
左から,「データップ」「カプセルステーションV」
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平成後期になると,ぬいぐるみやリアルなフィギュア,実在商品を模したキーチェーンなど,凝った仕様の商品がたくさん登場する
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最後は令和最新機種の紹介だ。カプセルトイ史上初となる最大A4サイズ,厚さ1cmまでの平面商品を取り扱える
「フラットガシャポン」,現金決済&キャッシュレス決済に両対応した
「ガシャポンステーションW」といった時代に合わせた進化を遂げた機種が展示されていた。
左から,「フラットガシャポン」「ガシャポンステーションW」
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近ごろは,カプセルの回収&再生利用だけでなく,カプセル自体を商品パーツの一部とした商品,または排出する際に商品自体がカプセル型になっていて,カプセルを使用しないものも出てきている。SDGsにも積極的に取り組んでいるのだ
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豆本ファンは多い。フィギュアやドールに持たせて楽しんだりもできそうだ
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生き物のフィギュアも,数百円で手に入る商品とは思えないクオリティの高さ
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こんなリバイバル商品も。現在のより高まった技術で蘇る,ゴールドライタン!
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常に綿密なリサーチを行って商品化されるガシャポンのアイテムは,その時代の風潮や流行が反映され,歴史的な資料にもなっているところが面白かった。
非売品「豆ガシャ本」無料配布,「ガシャポンペーパークラフト」の販売も
今回のイベントは展示だけではなく,来場者ごとに1日1回チャレンジできる無料ガシャポン自販機が設置されていた。中にはガシャポン45周年の歩みをまとめた手のひらサイズの「豆ガシャ本45周年特別版」(全4種,非売品)が入っており,持ち帰ることができる(当日配布分がなくなり次第終了)。
4種類のうち,どれが出るかな?
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昭和バージョンの豆ガシャ本が出た。ビニールのカバーとボールチェーンは自分で着ける。すごく小さいが,ちゃんと読める!
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さらに今回は,「フラットガシャポン」も会場内に設置されており,来場者は「ガシャポンペーパークラフト」(1回500円)を購入できる。ペーパークラフトを完成させると,全高約220mm,全幅約80mmのガシャポンができあがる。本物よりはだいぶ小さいサイズだが,丸みのあるデザインやツマミを回す感覚にもこだわりが感じられ,かなり本格的な仕上がりとなっている。
縦に2つ連結することもできる。ズラッと並べて飾るのも楽しそう
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本イベントを品川駅構内という場所で開催した理由について,担当の方に話を伺ったところ,「今回は,幅広い年代の方に見ていただきたいという思いから,多くの人が利用する場所を選びました」とのこと。狙い通り,会場の前では老若男女が足を止め,展示を見たり,写真を撮ったりと思い思いに楽しむ姿が見られた。きっと誰が見ても,「どこかで見たことがある」商品,琴線に触れる展示が見つかると思う。
カプセルから出てくるドキドキ・ワクワクを常に更新し,ファンに届け続けてきたバンダイの「ガシャポン」。45周年記念プロジェクト「答えはガシャポンだ」のラストにふさわしい遊び心たっぷりの本企画は12月18日まで開催されている。入場は無料だが,駅構内での開催となるため,改札外からは入場券が必要だ。JR品川駅を訪れる予定の人はぜひ足を運び,ガシャポンの歴史を感じてほしい。