ニュース
セガハード入浴剤の“実機”レビュー。せっかくだから,オレはこの黒くて野性的なメガドライブの湯に入るぜ!
この,一般の理解を超越した製品名に「?」マークを頭上に浮かべた読者も多いはずだが,ドリームキャストとセガサターン,そしてメガドライブの香りが楽しめるとあっては,何か常識を超えた謎の力によって生み出された製品としか思えない。……と,そこまで考えた次の瞬間,「でも,そこにライセンスを出しちゃうセガは,やっぱ最高だな」となり,会場であわてて確保してレビューを行うことにした。実機レビューだ。
「セガハード 温泉の素3種セット」は要するに上記3機種をイメージした入浴剤で,機種のカラーとフレーバーでそれらを再現しているそうだ。理屈がすんなり頭に入ってこないが。
成分を見てみよう。炭酸水素ナトリウム,硫酸ナトリウム,炭酸ナトリウム,塩化ナトリウム,香料,黄4,赤102とあり,ベースの成分についてはよくある入浴剤で,他機種版と比べて香料と色素でハードの性能差を表現している。また,パッケージ裏面にもあるように,硫黄成分は使っていないので,浴槽や風呂釜へのダメージはなく,安心だ。
次はセガサターンだ。「脳天直撃セガサターンの湯」とあり,当時のコマーシャルのコピーを巧みに突っ込んでいるところに好感が持てる。
だが,それ以上に気になるのが左下の「推奨年齢 全年齢」で,セガサターンからゲームに年齢制限が設定されたことを思い出させる憎い演出だ。ちなみに,全年齢のほか,推奨年齢18歳以上,MA-18,X指定という4段階のレーティングがあったので,そのうち推奨年齢の異なるバージョンが出てきそうだ。X指定の入浴剤は,必要以上に夢が広がる。
最後はメガドライブ。まず,パッケージのフチが金色で,ほかにも特色が多く使われており,コスト感が高い。しかも,黄金の「16-BIT」の文字は,当時メガドライブでよく見られた描画に似た表現になっており,熱いこだわりを感じる。
パッケージには,「ビジュアルショック! ボディショック! メガドラの湯」とリズムのいい文字が踊っているので,とりあえず,声に出して読んでみることをオススメする。テンションが高まるはずだ。なお,振ってみたところ,内部で粉末が移動する音は聞こえるものの,謎のカラカラ音は発生せず,少々残念だ。
では,実際に入浴してみよう。
最初はドリームキャストの湯で,粉末の色を確かめてみたところ,オレンジ色が中心。オレンジフレーバーが立ちこめ,お湯に入れるとオレンジになるんだなきっと,と分かるものだ。
入ってみると身体がポカポカして,128bit級の息吹が感じられる。次いで,湯川専務を思い出したり,あの時代にアナログモデム搭載とか未来に行きすぎだったよなとか考えたり,誰しもが懐かしい気分になれるはずだ。PSOをやりすぎて大学を留年したことも思い出してブルーになったが,テレホタイムと妙に高い電話代のことも忘れられない。
ドリームキャストの湯の粉末カラー |
投入 |
セガサターンの湯は,色成分青1とあるようにボタンの色を持ってきたのが分かっていたので,まず洗面台で色を見てみた。そういえば,セガサターンってイメージカラーがないような気もするが,ともあれ青い。そして,ラムネの香りがスゴイ。
セガサターンの湯の粉末カラー |
メガCDのブート画面を思い出させる青さだ |
さて,ここでお詫びがある。このあと浴槽にセガサターンの湯の素を投入する流れだったのだが,うっかり転んで浴室に青い粉末をぶちまけてしまったのだ。なにこのカートリッジスロットの接触不良が起きやすくてパワーメモリのセーブデータが吹っ飛んだセガサターンみたいな展開は,とボヤいても仕方ないが,以上のような理由で実機レビューが行えなくなってしまった。
ところでセガサターンといえば「機動戦艦ナデシコ The blank of 3years」がキャラものとしては,とても素晴らしいデキだと思っているのだが,どうだろうか。熱視線タイムは,とてもマーベラスだった。
メガドライブのイメージカラーは黒か金色だが,いずれも入浴剤としては見かけない色だ。発表では「色はブラック,フレーバーはコーラ」とあってなんだか不安だが,まずは粉末を確認しよう。コーラというよりは漢方薬みたいな匂いがする。また,粉末は薄い茶色で,先の2機種に比べて投入時の色のイメージがわかない。
とりあえず,洗面台でテストしてみよう
黒を構成するさまざまな色素が視認でき,ビジュアルショックというのはこれかと痛感した。写真は禍々しい雰囲気だが,実際にうねうねしながら色が広がっていく様子は,直視すべきであり,カオスだったメガドライブのソフト群を思い出すはずだ。筆者は「おそ松くん はちゃめちゃ劇場」や「ああ播磨灘」「マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー」「XDR」などのカオスなタイトルが脳裏をよぎった。あとメガCD向けだが,「惑星ウッドストック ファンキーホラーバンド」も外せない。
個人的な印象では,メガドライブのシューティングゲームは粒揃いだったと思う。「重装機兵レイノス」や「アフターバーナーII」「大旋風」「鮫!鮫!鮫!」「ダライアスII」「鋼鉄帝国」「バトルマニア大吟醸」,あと「ガンスターヒーローズ」や「ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌」なども思い出深いタイトルだ。ただ筆者の周辺にはメガドライバーがおらず,このあたりがまったく誰とも共有できないままインターネット時代に入ったので,ドリームキャストのチャットルームは本当に嬉しかった。
こうした色の生成過程を目の当たりにし,これを湯船に入れたらどうなるのだろうと思ったら,それがまるで悪魔召還の儀式をしてるんじゃないか的な世界。二度目だが,直視すべきだ。このためだけに「セガハード 温泉の素3種セット」を買う価値はあると思われる。
さっそく入浴してみよう。ビジュアルショックはイヤというほど分かったので,次はボディショックの番だ。だが,手を浴槽に入れてみても肌に刺激を感じることはなく,このあたりは成分表からも分かる。
「メガドライス」と言いたいためだけにセガハード米を作るようなメーカーなので(関連記事),語感とノリで決めたのかもしれないと脚を入れたところ,心理的な抵抗を感じた。この黒い湯に身体を沈めてもいいのだろうか。よく分からない不安を覚え,しばらく,たゆたう黒い湯を眺めていたが,これがボディショックなのか。むしろメンタルショックだが。
黒くなっていく過程のインパクトが強すぎて,なんかコーラっぽい匂いがするなくらいしか記憶にないが,意を決して肩まで浸かってみれば,それはなんということもないメガドライブの湯であった。
ファンアイテム,あるいはジョークアイテムとして素晴らしい仕上がりを見せる「セガハード 温泉の素3種セット」。TGS 2018のCASSETTE DISC.ブースで販売されていたアイテムは,秋葉原の同社店舗,THE AKIHABARA CONTAiNERで取り扱いをするとのこと。ぜひ購入して,セガハードのさまざまな思い出に文字どおり肩まで浸かってほしい。
4Gamer「東京ゲームショウ2018」特設サイト
- この記事のURL: