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ニュース
eBookとゲーム機のハイブリッド「Ink Console」で,テキストベースアドベンチャーを楽しむ
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CROWD SUPPLY「Ink Console」
インタラクティブな「動く本」を実現
本機の最大の特徴は,7.5インチの電子ペーパーディスプレイ(800×480ピクセル)の採用だ。これまで電子ペーパーディスプレイは,Amazonの「Kindle」に代表される電子書籍リーダーで主に使用されてきた技術で,反射型のディスプレイにより目への負担が少なく,低消費電力という特徴を持つ。
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操作系には,ゲーム操作用のアナログジョイスティックを搭載。これにより,テキストベースのアドベンチャーゲームやインタラクティブノベルのような,新しいスタイルの読書体験を提供する。開発は1980年代の名作「Zork I」や「Choose Your Own Adventure」(邦題:きみならどうする?)シリーズからインスピレーションを得たとしている。
「Ink Console」では,従来の電子書籍のような読書体験に加え,ストーリー上の重要な場面で選択肢が提示され,その決断によってストーリーが分岐していく仕組みを実装。さらに,OSには本格的なインベントリシステムが搭載されており,物語の中で収集したアイテムを管理し,さまざまな場面で使用することができる。アドベンチャーやロールプレイング要素のある物語では,キャラクターのスタミナ管理システムも利用可能で,戦略的な要素も加わる。
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これらの機能により,分岐型の物語以上の深い没入感を実現できるだろう。薄型でスタイリッシュなフォルムファクターながら,ゲーム性も備えている。
コンテンツはSDカードスロットを介して追加可能だ。開発元は現在,「ゲームブック」と呼ばれる多様なインタラクティブストーリーを開発中としている。スリリングな探検物語から深海アドベンチャー,没入感のあるSFストーリー,ファンタジー世界を舞台にした叙事詩的な物語まで,幅広いジャンルをカバー。年齢層や読書レベルに応じたさまざまな作品を用意し,誰もが物語の一部となれる体験の提供を目指している。
オープンソースで展開予定
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注目すべきは,このプロジェクト全体がオープンソースとして公開される計画があるということだ。クラウドファンディングキャンペーン終了後,専用のSDKに加えて,本体ケースの設計図(STEPファイル)や部品表も公開される予定。これにより,ユーザーはハードウェアのカスタマイズやアドオンの制作も可能になる。また,SDKはプログラミング未経験者でもコンテンツ制作ができるよう設計されているという。
価格情報はまだ公表されていないものの,本製品は近日中にクラウドファンディングキャンペーンが開始される予定だ。電子ペーパーディスプレイの特性を活かした新しいゲーム体験が,どのような形で実現されるのか注目される。
CROWD SUPPLY「Ink Console」
Ink Console / Dana(@InkConsole)
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