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次世代HDMI規格「HDMI 2.2」が発表に。伝送帯域幅は2倍の96Gbpsに到達
HDMI 2.2では,「HDMI 2.1b」の伝送帯域幅である最大48Gbpsの2倍となる96Gbpsを実現するという。それにより,より高い解像度や高リフレッシュレートの映像に対応できるほか,ARやVRなどの没入型の仮想アプリケーションや医療画像,マシンビジョンなどの商業アプリケーションの映像品質を改善できると,HDMI Forumは謳っている。
データの伝送には,HDMI 2.1で導入された「HDMI Fixed Rate Link technology」(HDMI FRL)の次世代版を用いるとのこと。HDMI 2.0世代までは,1つのクロック専用レーンと3つのデータ専用レーンを用いる「Transition Minimized Differential Signaling」(TMDS)方式を利用していた。だが,HDMI 2.1において,クロックをデータに埋め込むことで4レーンすべてをデータとするHDMI FRLが導入された経緯がある。
現行のHDMI 2.1bでは1レーンあたり12Gbpsで最大48Gbpsだが,HDMI 2.2で導入する次世代版HDMI FRLでは1レーンの帯域幅を2倍の24Gbpsとすることで,96Gbpsの帯域を実現しているようだ。
したがって,HDMI 2.2ではこれまでのHDMIとの下位互換性が維持される。しかし,HDMI 2.2対応ケーブルについては,HDMI 2.2の全機能に対応することを認証した「Ultra96 HDMI」認証プログラムが開始されるという。現行のUltra HDMIケーブル認証プログラムと同様に,HDMI Forumの認証を受けたケーブルには,Ultra96 HDMIのバッジを貼付できるというものだ。
新しいHDMI 2.2は,2025年第1半期中に正式な規格がリリースされ,パートナー各社が導入可能になるとのこと。おそらく実製品が登場するのは,2025年後半になるだろう。ゲーマーとしては,より高リフレッシュレート,低レイテンシを実現する次世代のディスプレイに用いられる規格として,頭の隅に入れておくといいかもしれない。
HDMI Forum公式Webサイト(英語)
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