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クラウド版ドラクエXの試遊デモから各社の未発表スマホまで,CEATEC JAPAN 2013で見た最新スマホ&タブレットをレポート
しかし会場では,NTTドコモやソニー,Intelなどが,国内発表前の製品を展示していたほか,前日の9月30日に発表されたクラウドゲーム版「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」(以下,クラウド版ドラクエX)がプレイ可能な状態で披露されているなど,興味深い展示も少なくない。
本稿では,CEATEC会場で見かけたスマートフォンやタブレット新製品の話題を中心にレポートしよう。
クラウド版「ドラクエX」を体験! 細かい疑問もぶつけてみた
クラウド版「ドラゴンクエストX」のサービスがドコモのdゲームから提供されることに。堀井雄二氏がデモプレイを披露した記者発表会の模様をレポート
そもそもクラウド版ドラクエXをプレイする端末側は,ユーザーの入力をサーバー側に送ると同時に,サーバー側から送られてきた映像を随時表示する役目を果たせる程度の性能があればいい。映像はあくまでサーバー側で描画され,それを受ける端末側からすれば,YouTubeのようなビデオストリーミングを表示しているのと似たようなものだ。
dtab 10は2013年3月に発売されたHuawei Technologies製の10.1インチAndroidタブレットで,SoC(System-on-a-Chip)にはHiSilicon製の「K3V2T」を採用している。お世辞にも高性能なSoCではないが,クラウド版ドラクエXの動作を見ている限りでは,性能面に不足は感じなかった。最新のスマートフォンやタブレット端末なら,性能が問題になることはないだろう。
なお,dtab 10が備える通信機能はIEEE 802.11a/g/n対応の無線LANだけである。LTE回線でのプレイに関しては,現在検証中とのことだった。
現状では動作検証が済んでいるのがdtab 10というだけで,対応機種については検証が済んだものから随時追加されるだろう。
展示されていたBluetoothゲームパッド。その場では詳細が分からなかったのだが,2つのアナログスティックと十字キーや各種ボタンを備えた,Xbox 360コントローラを小型化したような製品だった |
残念ながらスマートフォンのほうは,アクリルケースの中に飾られていたため触ることはできなかったが,ゲームは自由にプレイできるので,興味のある人は体験してみることをお勧めする。
なお,「ドラゴンクエスト いつでも冒険ダイスを,他の端末向けに提供する予定がないか」と聞いてみたところ,明確に否定されてしまった。ちょっと残念だ。
限定アプリのドラゴンクエスト いつでも冒険ダイスが,試遊できる状態で出展されている。すごろく形式の手軽なゲームだった |
ドコモ冬のツートップはGALAXY Note 3とXperia Z1?
Xperia Z1は,世界市場向けの製品が2013年9月に発表されたものだが,NTTドコモブースにあるのは,「SO-01F」という製品名の入ったNTTドコモ版である。
背面パネルにはSO-01Fの製品名と,「おサイフケータイ」のマークが印刷されていた。展示機のソフトウェアは最終版ではなかったが,Xperia Z1でもおサイフケータイ機能は問題なく使えそうだ。
Xperia Z1は,世界的なヒットとなった従来機種「Xperia Z」のデザインを継承した後継機種であり,内蔵するSoCを,Qualcomm製のハイエンドSoC「Snapdragon 800」に変更するなど,スペックの強化を図った製品となっている。発売されれば本機も人気を呼びそうだ。
NTTドコモ版Xperia Z1の背面。目立たないがおサイフケータイのマークと,製品名が書かれている |
左側面(左)にはmicroSDカードスロットとUSB Micro-B端子,クレイドルとの接点が並ぶ。右側面(右)には内蔵カメラのシャッターボタン,音量調節ボタン,[電源/スリープ]ボタン,防水カバーに覆われたSIMカードスロットが配置。本体はXperia Zよりも若干厚いそうだが,触った感じでは分からない程度だ |
Xperia Z1以上の注目を集めていたのが,GALAXY Note 3だ。5.7インチサイズという大きな有機ELディスプレイを備えながら,横幅は現行機種である「GALAXY Note II」よりも,2mm以上狭くなった79.2mmを実現し,大きいながらも持ちやすい製品に進化している。
NTTドコモが販売する製品は,日本向けにカスタマイズされたものであり,おサイフケータイやワンセグ機能も余すところなく備えている。「電車に乗れないスマートフォンなんていらない!」という人(筆者もそうだ)でも安心だ。
GALAXY Note 3の本体頂部(左)。ヘッドフォン端子などと並んで,ロッド式のワンセグアンテナを装備。底部の中央には,USB 3.0対応のUSB Micro-B端子を備える。いよいよスマートフォンもUSB 3.0対応の時代に? |
GALAXY Note 3もまた,発売されれば人気を呼びそうで,両機種ともNTTドコモが冬商戦の目玉商品とするのにふさわしい製品といえよう。
ソニーブースでは6.5インチ巨大スマホ「Xpeia Z Ultra」が展示。ただしキャリアは未公開
NTTドコモブースの隣には,ソニーがブースをかまえており,多数のXperia Z1を試用できる形で展示していた。ところがその中に紛れるように,ひっそりと置かれていた製品がある。それが「Xperia Z Ultra」だ。
Xperia Z Ultraは,2013年6月に発表された,6.5インチサイズの液晶パネルを備える大型スマートフォンである。ただし,今のところ日本市場での発売に関しては,とくにアナウンスがない。
とはいえ,CEATEC会場で展示されるのだから,日本向けに発売するのだろうと説明員に聞いてみたが,どこからいつ発売といった話は,当然ながらまったく聞き出せなかった。本体背面を見ると,いかにも携帯電話キャリア固有の型番が書かれていそうな部分がシールで隠されている。これを剥がせば,どこから出るのか一目瞭然になるのだろうが……。
ソニーブースでひっそりと展示されていたXperia Z Ultra。右写真は裏面だが,いかにもな部分が黒いシールで隠されていた…… |
多少気になるのは,背面パネルにNFC対応を示す「Nマーク」が書かれていたものの,おサイフケータイのマークはなかったことだ。これについても説明員に聞いてみたが,やはり答えてはもらえなかった。あるいは,CEATEC期間中に詳細が明らかになることがあるのかもしれないが,今日のところはまだ未公表の部分ばかりである。
ただし,Xperiaシリーズ共通のシャープかつフラットなデザインイメージを踏襲しているため,大きさが野暮ったさにつながるようなことはない。また,厚さが6.5mmとスマートフォンよりも薄いので,片手で持ちにくいというわけではない。ビデオを見たり電子書籍を読んだりといった,頻繁なタッチ操作が必要ない使い方をする場合は,大画面の見やすさや迫力というメリットが感じられるだろう。両手持ち必須にはなるが,ゲームも迫力のある画面で楽しめそうだ。
サイズからして,誰にでも勧められるような製品ではないが,コンテンツ視聴を重視する人は,魅力を感じる製品となるのではないか。日本での正式発表を期待したい。
Bay Trail-T搭載タブレットや2-in-1ノートPCも出展
CEATECでは,PC関連の話題や出展は,残念ながら少なかった。元々PC中心のイベントではないが,「IT・エレクトロニクス」の展示会で出展が少ないというのは,PCそのものの存在感低下を反映しているようで,一抹の寂しさを感じるのは否めない。
そんな中でも,Intelブースには,各社の“2-in-1”タイプのPCやタブレット端末が出展されて注目を集めていた。とくに記者が期待していたのは,今冬に搭載製品が登場するという,新しいAtomプロセッサ「Atom Z3000」シリーズこと,開発コードネーム「Bay Trail-T」を採用した,Windows 8.1搭載タブレットやPCの出展だった。
なお,Bay Trail-Tの詳細に関しては,こちらの記事を参照してほしい。
さて,Intelブースや,国内メーカー各社のブースには,Bay Trail-Tを採用するタブレットや2-in-1 PCが出展されてはいたものの,ほとんどが参考出品ばかりのうえ,来場者が自由に触れる形で展示されていたものがなかったのは残念だ。
ここでは参考出品されていた各社のBay Trail-T搭載製品を,簡単に紹介しよう。
9月30日に発表された,IGZO液晶を搭載するBay Trail-T採用タブレット「Mebius Pad」。10.1インチサイズながら,解像度はなんと2560×1600ドットにも達する |
こちらは東芝が参考出品していた8インチサイズのBay Trail-Tタブレット。海外では「Encore」(アンコール)という名称で正式発表済みだが,日本ではまだ発表されていない |
Bay Trailシリーズは,「Atomのイメージを覆すほど速くて快適」という話が伝わってきている。これらの搭載製品が,リーズナブルな値段で日本市場にも投入されることを,切に望みたいものだ。
CEATEC JAPAN 2013 公式Webサイト
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Android端末本体
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ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン
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