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[GDC 2025]中小ブースで賑わうEXPO会場をレポート。日本パビリオンではビサイドが“対戦型フルーツ盛りパズルゲーム”を出展
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印刷2025/03/21 13:37

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[GDC 2025]中小ブースで賑わうEXPO会場をレポート。日本パビリオンではビサイドが“対戦型フルーツ盛りパズルゲーム”を出展

 GDCでは毎年,広々とした展示会場で,無数の企業がブース出展を行う「EXPO」が行われる。今年のGDC 2025も,会期3日目の2025年3月19日からEXPOが開催されたが,その様子は例年とだいぶ異なるものとなっていた。

GDC 2025のEXPO会場入口
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 というのも,事実上GDC EXPOの顔となっていた,Epic GamesによるUnreal Engineの巨大ブースと,Unityの巨大ブースがなくなってしまったのだ。

 両社とも,昨年はGDCの会期前に行われた大型のレイオフにも関わらず出展したのだが,それはすでに出展の申し込みが完了しており,直前でキャンセルするわけにもいかなかったからだろう。さすがに,今年のGDC 2025では出展計画そのものがなくなったようだ。

 そして,改めて言うまでもないが,任天堂,Microsoft(Xbox),ソニー(Playstation)など,ゲームプラットフォーマーのブースも,例年同様にない。
 ちなみに,ゲームプラットフォーマーで最後までGDC EXPOへの出展を頑張っていたのはPlayStationで,2019年までであった。

 今年のGDCは,任天堂の新世代機「Nintendo Switch 2」登場直前の開催ということもあって,任天堂の復活が期待されていたが,それも叶わず。

久々の出展となるNVIDIAブースは,自社製品が当たるアンケート企画が主体
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 では,EXPOが閑散としていたかというと,そんなこともなく,逆に中小サイズのブースは増えていた。
 今年のEXPOは,以前にも増してベンチャー企業やスタートアップ企業の小型ブース,ゲーム開発支援デバイス,ゲーム開発支援ツールといった“ゲーム裏方系企業”のブースが存在感を高めている印象だ。

 一方,昨年のGDC 2024のEXPOで急増していた,ブロックチェーンやNFT系ゲームの開発スタジオやパブリッシャのブースは,その総数に落ち着きを取り戻した感はある。

 それと,数は減ったが,著名企業の大型ブースが全くないわけでもなく,VRヘッドマウントディスプレイのMetaは,今年も大型のブースを出展していたし,ネットワークサービスのAmazonも,EXPO会場入口付近に大きく目立つブースを構え,社名ロゴを輝かせていた。

今年も一等地に出展していたMetaブース
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存在感を強めつつある,ゲーム業界を支える裏方系企業の代表格,Amazon Web Servicesブース
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 そして,インディーゲーム関連の出展コーナーは,通り抜けも難しいほど,来場者でごった返しており,人混みに溢れていた。以前のGDC EXPOから明らかに様相は変わったが,賑わいはなんとか維持できているといった感触だ。

中国のVRヘッドマウントディスプレイメーカー,XEOのブース。最新モデルの「XEO BIG」は,片目あたり4K解像度のパネルを採用し,両眼解像度8Kモデルとしては最軽量クラス
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日本パビリオンを取材


 近年のGDC EXPOでは,国別パビリオンが数を増やしているような実感がある。1社あたりのブースはそれほど大きくはないが,それらが集まって国名を掲げたパビリオンのセクションを形成している感じだ。

国別パビリオンが多くなったGDCのEXPO。奥に見えるのが日本パビリオン
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 日本パビリオンも存在しているとのことで,EXPO開幕初日の最初にここを訪れてみた。

 筆者にとって馴染み深いミドルウェア企業のCRIブースもここにあり,取材をしてみると,今回の出展は,CRIが誇るゲーム向け映像ミドルウェア「Sofdec」外部リンク)と,ゲーム向け音響ミドルウェア「ADX」外部リンク)のグローパルな認知度拡大を狙った施策の一環だとのこと。

CRIミドルウェアブース
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 Sofdecは,CRI独自コーデックのほか,HEVC,AV1,VP9などの業界標準コーデックに対応し,ゲームへの採用を狙った半透明ムービー,動画をテクスチャマップとして適用する機能などを搭載する動画系ミドルウェアだ。

 ADXは,CRI独自のオーディオコーデックの提供はもちろん,ゲームへの採用に最適化された,CPUへの低負荷音響処理と低遅延再生制御について,業界からの信頼が厚い音響系ミドルウェアだ。

 最近ではノンゲーム事業への取り組みや,パイオニアとの協業で開発したクロストークキャンセリング技術を応用したバーチャルサラウンド対応のゲーミングスピーカー「SOUND TECTOR」も発売するなど,企業活動の幅を広げている真っ最中のCRI。日本パビリオンでも,来場者からの大きな注目を集めるブースとなっているようだ。

「どこいつ」のビサイドが開発するフルーツ系アクションパズル


 日本パビリオンブースには,癒やし系ネコ型キャラのトロで有名な「どこでもいっしょ」で知られるBeXide(ビサイド)も出展しており,現在開発している新作ゲームのプロモーションを行っていたので,取材をさせていただいた。

ビサイド代表の南治一徳氏がお出迎え
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 新作ゲームのタイトルは「フルーツマウンテン パーティ」PC / Mac)だ。
 ゲームジャンルとしてはアクションパズルタイプのゲームで,1人プレイと画面分割式の対戦プレイが用意されている。

フルーツの合体進化ルールはこんなかんじ
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 基本的なゲームルールはこんな感じ。ランダムで提供される果物(フルーツ)を,少し離れたお皿に投げ込んでいく過程で,同種のフルーツと接触すると,より大きなフルーツへと変化する。同種フルーツは一定個数同士を合体させると「ぶどう→苺→ドリアン→桃→柿→林檎→洋梨→ドラゴンフルーツ→パイナップル→メロン→スイカ」と変化していき,最終的なゴールとしては「スイカ」に変化させられればゲーム勝利となる仕組み。
 そう,「あの人気ゲーム」によく似たゲームメカニズムを採用しているのである。

 フルーツを変化させた場合には,その報酬得点も入り,対戦の場合,制限時間内にスイカを作れなかった場合は,この累積スコアの大小によっても勝敗が下される。
 たしかにゲームメカニクスは「ス●カゲーム」にかなり近いが,ゲームシステムが3D化され,衝突判定までが3D物理シミュレーションになったことで,独特なプレイフィールが醸成されている。

 たとえば,大型のフルーツが中央にある場合,後から投げた小型フルーツがこれに当たり,その衝突反動でお皿の外に落ちてしまうと,1ミスとなりペナルティが科せられる(プレイ復帰に時間がかかる)。
 これに対処するために,大型のフルーツをお皿の外郭に配置することに注力すればよさそうだが,これをやりすぎると,次に投げるフルーツの投げ込み先のエイム操作量が大きくなり,1つのフルーツを投げ込むまでの時間消費が大きくなってしまう。

 また,3Dだからこそ,小型フルーツを大型フルーツ同士の隙間に打ち込むこともでき,「3Dに積み上げる」ことで,お皿自体の積載ポテンシャルを有効に活用する戦略性も生まれたりする。

 現実世界では,大型のフルーツは重いので,どっしりとお皿の上に鎮座してくれるはずだが,本作は特有の物理法則となっているため,投げ入れた小さいフルーツ達との衝突も大きく反動する傾向にある。よって,プレイ中は「このゲーム特有の物理法則」への理解も必要となり,意外にも奥が深いのだ。

 ブースにいらっしゃったビサイドの南治社長とは,筆者は古くからの知人ということもあって,ぶしつけにも対戦を提案したので,その様子を下の動画に示す。筆者の悪戦苦闘ぶりから,本作の面白さを感じ取って欲しい。


 この映像は所々,カットとしたものなので映ってはいないが,プレイ中は,我々の楽しげなプレイの様子に惹き付けられてやってくる来場者達がとても多かった。ただ,そのほとんどが「わぁ。ス●カゲームの3D版だ!」としゃべりながらだったが(笑)。
 本作は,近々,Steamで早期アクセス(外部リンク)が実施されるようなので,興味がある人は要チェックだ。

「フルーツマウンテンパーティ」は今夏発売予定。早期アクセスは近日中に
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現在「どこいつ25周年記念のぬいぐるみ」が発売中(外部リンク)。価格は少々高めだが,受注生産でかなりハイクオリティであった
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「GDC 2025」公式サイト

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