4Gamer 女子部（仮）
プレイレポート
［プレイレポ］「The Silent Kingdom」体験版――タイトルに込められた意味にゾクッ。愛する者のために女神に挑む乙女RPG
2025年2月19日にSteamで早期アクセスが始まったLucky CatのPC用ソフト「The Silent Kingdom」は，呪いのくびきに支配された王国の王女となって，世界の創造主である女神に立ち向かう1人プレイ用の乙女RPGだ。 |
早期アクセス版ではプロローグと第1章がプレイでき，今後は第2章，第3章の追加が予定されている。現在，リリース記念セールが実施されており，通常価格2000円のところ，2月26日2：59まで10％オフの1800円（税込）で購入できる（関連記事）。
さらに，序盤をプレイできる体験版も配信中だ。本稿では，そのプレイレポートをお届けする。なお，記事内にはネタバレを含む記述やスクリーンショットがあるため，注意してほしい。
清廉なだけではいられない運命を背負った主人公，ときには血が流れるダークな世界観，恋のお相手は幼いころから仕える従者か，怪しい魔法使い。どれか一つでもピンときたら，プレイして損はないタイトルだ。ぜひ，予備知識なしで本作の世界に飛び込んでほしい。
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愛する者を救うため，血塗られた旅に出る王女の物語
本作は呪われた王国の王女になり，彼女の運命を追体験できるRPGだ。体験版ではドラマチックな物語や，シンプルながら戦略を考えるのが楽しいターン制バトルなど，本作の見どころをたっぷり楽しめる。筆者は体験版を最後まで遊んだが，寄り道を含めて100分ほどのボリュームだった。
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物語は，主人公である王女「エリーニュス」（名前変更可能）が城の自室で目覚めるところから始まる。起こしにきたメイドの「デニス」によると，今日は彼女の13歳の誕生日だという。
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しかし，彼女自身は「私が13歳？ そんなの、何年も前のことでしょう？」と不思議がっている（見た目も13歳には見えない）。ところが部屋にあるクローゼットに入っているドレスは小さいものばかり。どうやら城の人間には彼女が小さなプリンセスに見えているようだ。
平穏な城の様子や優雅なBGMに反して，どこまでも違和感がつきまとう展開にゾワゾワとする。
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プレイヤーは，エリーニュスとしてフィールドを自由に移動し，さまざまな人物と出会ったり，話しかけたり，気になる場所を調べたり，特定の行動をすることで物語が進んでいく。目的は画面に表示されないため，会話をよく聞いて行動しよう。
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デニスから，エリーニュスの父である王に会いに行くよう言われるが，王は会議中だった。待っている間，彼女は従者の「クロノ」から剣の鍛錬を受け，教師の「ソロモン」から世界について学んだ。
戦闘の基本や，エリーニュスが暮らす国のことを，世界観に沿って自然に理解できるのが魅力的だと感じた。
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また，目的地に行くだけでなく，城内や庭を探索するのもとても楽しいのでオススメだ。RPG作品のお約束である宝箱も用意されているが，カギがかかっており，「お城はセキュリティーがしっかりしている」と思わず笑ってしまった（カギを入手すれば開けられる）。
ほかにも，猫に話しかけたり，本を読んだり，寄り道することで見つかる仕掛けがいくつも用意されており，自然と探索したくなる。
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エリーニュスは，クロノの願いで彼の祖母に会いに行くことになる。クロノの祖母は，女神の信託を受ける「オラクル」（巫女や祭司のような存在らしい）で，代々王家に仕えている人物だ。オラクルは，エリーニュスが13歳には見えないと言い出して……。
そこから物語は急展開し，エリーニュスは再び13歳の誕生日の朝を迎えることになる。無限ループって怖い。
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同じ1日を繰り返すのかと思ったところ，先ほどは登場しなかった謎の青年「セネカ」が現れる。カッコいい青年だが，突如現れたこともあり，強い異質さを感じさせる。彼は，自分のご主人様に命じられ，エリーニュスを迎えに来たという。
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筆者には怪しさしか感じられないのだが，現状を打開するには彼についていくしかなく，一緒に行動することになった。
そして，セネカの主である「キルケー」に会ったエリーニュスは，女神の罰によって王国が呪われているという衝撃的な真実を知ることになる。また，彼女が13歳とは異なる姿をしている理由も明らかに……。
呪いの正体を知ったとき，「The Silent Kingdom」というタイトルに込められた意味が浮かび上がり，ゾクッとしてしまった。
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キルケーは，エリーニュスに王国を救う方法があると告げる。しかし，それは創造主であり，世界の守護者でもある女神を殺すことだった。さらに，そのためにはほかにも犠牲が必要になるという。
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エリーニュスは，国と民を救うため，血塗られた道を歩むことを決意する。自分の国のために女神を殺そうとする行為は，正しいとは言えず，人によっては身勝手だと感じるかもしれない。
しかし筆者は，心から愛する者たちのために荊の道を選んだ彼女を否定することはできないと感じた。
また，現実世界では選べないような究極の道を突き進めるのも，ゲームだからこその体験であり，その奥深さだとあらためて思う。エンディングまでプレイして，彼女の運命を見届けたくなった。
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過酷な旅をともにしてくれるクロノとセネカ
本作には多数の選択肢が登場し，選んだ内容によって登場人物たちとの関係性が変化していく。
エリーニュスの考え方も，女神殺しに肯定的か否定的かなど，選択肢によってプレイヤーの気持ちを反映できる。そのため，感情移入しやすく，応援したくなる主人公像になっているのも魅力だ。
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旅にはクロノとセネカが同行し，彼らとロマンスに発展することもあるようだ。ストーリー完結の条件には含まれていないが，彼らとの絆が物語に影響を与えるという。
体験版の範囲でも，CG付きのドキドキするイベントが多数発生する。
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最初にエリーニュスとの距離が近づくのは，セネカだ。13歳の誕生日が繰り返されるという不可思議な現象から，救い出してくれたセネカの存在はとても頼もしい。とても，怪しいけど。
基本的には飄々としているが，ときおり見せる優しさにも，心がキュンとなる。
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しかし，彼の主であるキルケーを含め，胡散臭い部分も多く……，でもそんな危険そうな部分も魅力的に見えてしまう。
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物語序盤に登場するクロノは幼い少年の姿だったが，真実を知ったあと，エリーニュスは青年へと成長した彼と再会する。呪われた王国の生き残りであるクロノの存在は，エリーニュスにとって大きな救いとなる。
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クロノは，女神の信託を受けるオラクルの孫であり，女神殺しに巻き込むことに抵抗を感じる存在だ。しかし，クロノは幼いころから仕えたエリーニュスの従者になることを望んで……。一途な想いがとても尊い。
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クロノもセネカも魅力的な人物だけに，どちらとの関係を深めるか，かなり悩む。そもそもエリーニュスには，やるべきことややらなければならないことが山ほどあり，恋をする余裕があるのかも気になるところだ。
本作は，カッコいい戦うヒロインやダークな世界観が好きな人には，間違いなく刺さる。気になる人は，まず体験版でエリーニュスたちの物語に触れてみてほしい。
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