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[インタビュー]「NINJA GAIDEN 4」はなぜ新たな血を必要としたのか。Team NINJA安田文彦氏,プラチナゲームズ中尾裕治氏に聞く
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印刷2025/01/28 07:00

インタビュー

[インタビュー]「NINJA GAIDEN 4」はなぜ新たな血を必要としたのか。Team NINJA安田文彦氏,プラチナゲームズ中尾裕治氏に聞く

 2025年1月24日,東京の日本マイクロソフトにて,今秋の発売が予定されているアクションゲーム「NINJA GAIDEN 4」PC / PS5 / Xbox Series X|S)の合同インタビューが行われた。

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 本作はコーエーテクモゲームスのブランドであるTeam NINJA,アクションゲームの開発を得意とするプラチナゲームズの協業によって開発中だ。
 Team NINJAと言えば,そのルーツはテクモ(当時)の「NINJA GAIDEN」シリーズや「DEAD OR ALIVE」シリーズなどを手がけていたチームであり,名称の由来となるシリーズが13年ぶりに再始動したことになる。

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 そしてプラチナゲームズと言えば,「ベヨネッタ」シリーズや「NieR:Automata」などで知られるデベロッパだ。アクションゲームを得意とする両社が手を組むこと自体は素直に楽しみだが,同時に「なぜ?」と疑問が浮かぶところでもある。

 Team NINJAはなぜ「新たな血」を必要としたのか。そして,プラチナゲームズが「NINJA GAIDEN」にもたらしたものとは。本作のプロデューサーを務める安田文彦氏(Team NINJA/コーエーテクモゲームス) ,プロデューサー兼ディレクターの中尾裕治氏(プラチナゲームズ)に話をうかがった。

(左)安田文彦氏:コーエーテクモゲームス執行役員,Team NINJAブランド長,NINJA GAIDEN IP(シリーズ)プロデューサー。本作ではプロデューサーとして,Team NINJAスタジオ開発統括を担当している
(右)中尾裕治氏:プラチナゲームズ プロデューサー兼ディレクター。「ベヨネッタ3」ではプロデューサーとしてプロジェクトを統括し,また開発部門のマネージャーとして後進の育成にも取り組んでいる
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「NINJA GAIDEN 4」公式サイト



──さっそくですが,「NINJA GAIDEN 4」の開発の経緯から教えてください。

安田文彦氏(以下,安田氏):
 このシリーズは十数年,ナンバリングが止まっていますが,社内では「新作を作れないか」と検討を続けてきました。そんな状況の中で,プラチナゲームズの稲葉氏(代表取締役社長の稲葉敦志氏)と弊社の鯉沼(代表取締役社長の鯉沼久史氏)が懇意にしていて,「共同で何かを作ろう」と話をしていたんです。
 そこに,Microsoftのゲーミング部門を統括するフィル・スペンサー氏から「NINJA GAIDEN」復活のオファーがあり,3社によるプロジェクトがスタートしました。それが今から5年ほど前の話です。

──これまでの主人公リュウ・ハヤブサに加えて,新しい主人公のヤクモが登場します。彼らの関係はどのようなものになるのでしょうか。

中尾裕治氏(以下,中尾氏):
 ヤクモは「鵺一門」と呼ばれる,リュウ・ハヤブサとは別の里のニンジャです。若くして数々の任務をこなしているけど,人間的にはまだ未熟というタイプですね。そんな彼が,ある理由からリュウと敵対せざるをえない状況になります。
 「4」の時代,リュウ・ハヤブサは忍の頂点とも言える存在になっていて,そんな彼に対抗し,超えようとするストーリーが展開していきます。

 強調しておきたいのは,リュウ・ハヤブサからヤクモに代替わりするのではなく,リュウ・ハヤブサという偉大な超忍と,新たな主人公ヤクモを操作して,敵のニンジャたちと激しい戦いを味わえるゲームだということです。
 新たにシリーズを知った人はもちろん,従来のシリーズファンにも楽しんでいただけるゲームに仕上げていきます。

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──Team NINJAは数々のアクションゲームやアクションRPGを制作されてきましたが,なぜプラチナゲームズの力を借りる必要があったのでしょうか。

安田氏:
 まず純粋な話として,近年は「仁王2」や「Wo Long: Fallen Dynasty」など,我々にとっても大きなチャレンジとなる作品を複数制作していたことが大きいです。
 また,我々も他社さんのIPを扱わせていただいたり,逆に外部に制作をお願いしたりする中で,いろいろな学びを得ています。ですから,優れたアクションゲームを作ってきたプラチナゲームズさんと一緒に開発することは,それ自体が魅力的でもあったわけです。
 ちなみに「Wo Long: Fallen Dynasty」のディレクターを務めた平山正和をはじめ,本作の開発には我々もかなり深く関わっています。

──どちらかだけではできない,なにか新しいものが作れそうだと。

中尾氏:
 私からも付け加えると,もちろんご依頼をいただいて制作しているのは確かですが,2社の力で「この伝統的なIPを最強にしていきましょう」という気持ちが強いです。

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安田氏:
 プラチナゲームズさんのケレン味だったり,直感的な気持ち良さを大切にしている部分だったりは,公開された映像からも感じていただいていると思うのですが,我々Team NINJAにとっても刺激的なんですね。


──いろいろな意味を含む刺激ですね。

中尾氏:
 Team NINJAさんとのやり取りの中で強く感じたのが,アクションの手触りに関するノウハウが厳密に見るとまったく異なっていて,プラチナゲームズとしても勉強になることの連続でした。

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安田氏:
 我々は近年,歴史もののアクションRPGにシフトしていた流れもありますので,純粋にアクションそのものに注力できる「NINJA GAIDEN 4」の手触り,アクションのカタルシス,ケレン味のような部分は,独力では成し得ないレベルに達していると感じています。テストプレイをしていて,それを大いに感じるんです。
 そして,心強いことに中尾さんは「NINJA GAIDEN 2」のことが本当に大好きで。言語化が難しい感覚的な部分についても,以心伝心のやり取りができたと思っています。

中尾氏:
 これはリップサービスではなく,僕はプラチナゲームズに入るときに「人生で一番好きなゲームは『NINJA GAIDEN 2』だ」とアピールしています。それくらい大好きなんです(笑)。

──「NINJA GAIDEN 2」のような“殺意の強い”敵との戦い,途切れない緊張感に,ケレン味の成分がうまく融合していると。

中尾氏:
 常にヒリつくような感覚があり,素早く攻防の入れ替わりが起こる良さを大切にしています。Team NINJAさんが生み出した緊張と緩和の妙味を,プラチナゲームズなりにアレンジをして,よりカタルシスを得られるゲームを目指しました。

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──大きな軸となるアクションを教えてください。

中尾氏:
 ヤクモの「血楔忍術」ですね。多勢に無勢の状況で1対1の状況を作り出す,シリーズらしい立ち回りの楽しさに加え,無慈悲なほどに囲まれた状況から血楔忍術で一気に逆転できる,緊張と緩和の楽しさが加わりました。もちろん,それでゲーム全体の難度が下がりはしないんですが,新たな気持ち良さのポイントを用意したということです。
 血楔忍術はアナウンストレーラーにも入れていますが,これは集団相手だけでなく,ボス戦でも役立つものになっています。

──近年は「ジャスト回避」「パリィ」が重要なアクションゲームに人気があります。そうした流れも取り入れているのでしょうか。

安田氏:
 その方向も検討しなかったわけではないですが,やはりシリーズとして正しい形にしようと決めました。「NINJA GAIDEN」シリーズにも類するシステムはあるのですが,もっとシームレスな形というか,バトルの駆け引きをスピーディかつ自在に行えるような方向性です。

中尾氏:
 まだ詳細をお伝えできませんが,例えば,こちらの攻撃と敵の攻撃がぶつかり合って,そこから逆転するような攻防があったり……。アドリブを効かせて戦い方をスピーディに組み立てられる,唯一無二の遊びがあるゲームを作れたと自負しています。

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──技や行動によって攻防をコントロールしたり,逆に裏をかかれても即座に対応したりするといった面白さを大切にしていると。

中尾氏:
 そうですね。私は「フェアな感覚」が大事だと思っていて,敵は(斬られるための存在ではなく)あくまで対等な相手であると。もはや対人戦にも通じるようなやりとり,あらゆるアクションからの逆転があり得るのが,このシリーズの良さだと思っています。
 上級者の方が遊び込んだ場合,さまざまな要素を自在に組み合わせ,高度な攻防を楽しめるように設計していますので,大いに期待していただきたいです。
 その一方で,難易度を調節することで,システムをある程度理解していれば,初心者や中級者でも爽快に楽しめるようにもしています。

安田氏:
 「NINJA GAIDEN 2 Black」(1月24日リリース)の制作でも感じたのですが,やはり死んだときの復活地点だったり,オプションで選べる項目だったりは,この十数年でスタンダードが大きく変わっているんですね。
 ゲーム中,敵にはかなりやられると思いますが(笑),それ以外の余計なストレスがかからないように対応しますので,そこはご安心いただければと思います。

──リュウ・ハヤブサとヤクモ,操作する機会としては半々くらいでしょうか。

中尾氏:
 ヤクモが多めになります。ただ,リュウもピンポイントというわけではなく,そのキャラクター性や強さをしっかり味わってもらえるボリュームがあります。リュウは「2」の手触りをベースに引き継ぎつつ,飯綱落としや飛燕などに代表される多彩な技を使いこなして戦えます。
 一方,ヤクモ編はゲームを進めていく中で,新たな戦い方を編み出していく形になり,徐々にシステムを理解していける流れを作っています。

──リュウ・ハヤブサのパートはシリーズらしい,リュウをしっかりグリップしつつ操作する感触。一方,ヤクモのパートはシリーズをプラチナゲームズらしく解釈した,新たな「NINJA GAIDEN」を遊べるということでしょうか。とても自然な分け方に感じます。

中尾氏:
 繰り返しになりますが,そこは本当に強調してお伝えしたいところなんですよ。主人公をすげ変えたまったく新しい手触りのゲームではなく,あくまで「NINJA GAIDEN」のナンバリングであり,正統進化したアクションを楽しんでいただくために,鋭意開発を進めています。

──ありがとうございました。

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 ナンバリング作品として正統進化の「NINJA GAIDEN」を目指す「NINJA GAIDEN 4」は,前作「3」よりも,2008年にリリースされた「2」の手触りに強く影響を受けた作品になりそうだ。一方,アナウンストレーラーの映像はまさにプラチナゲームズの作品らしさにあふれるものだった。両社のコラボレーションから生み出される,最新作の手触りを試せる日が待ち遠しい。

「NINJA GAIDEN 4」公式サイト

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