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  • 発売日:2025/03/13
  • 価格:1480円(税込)
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[プレイレポ]男の娘同士のディープな愛が語られる「女装百合畑」。尊さ溢れる秘密の花園が此処に在り
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印刷2025/03/13 12:00

プレイレポート

[プレイレポ]男の娘同士のディープな愛が語られる「女装百合畑」。尊さ溢れる秘密の花園が此処に在り

 さまざまな愛の形が日常に浸透しつつある現代社会では,一人ひとりがステレオタイプから脱却し,日々の暮らしのなかで新しい情報をアップデートし続けることが重要だと,しみじみ感じる。

 2025年3月13日にリリースされるNintendo Switch版女装百合畑(開発:の〜すとらいく/配信:Sanuk)は,プレイヤーが持つ「普通」「常識」「当たり前」という概念を覆す作品なのかもしれない。

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 本作は,全編にアニメーションを使用した女装百合ノベルゲーム。名家の男の娘令嬢「雄嬢様」が通う綾野原学園を舞台に,女装した主人公とヒロインによる禁断の恋愛模様が描かれている。

 2024年6月10日にSteam版がリリースされており,コンシューマ版としてのリリースは今回が初となる。

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 最初に「女装百合畑」というタイトルを目にしたとき,頭のなかでうまく処理できず,思考が一瞬追いつかなかった。

 「女装」とは,生物学的な男性が女性のような見た目になっている状態であり,「百合」は女性同士の関係を表す言葉だ。この二つの言葉が組み合わさっていること自体を理解するのに,少し時間がかかった。

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 狐につままれたような気分で本作をひととおり遊んでみると,女性同士とは一線を画す「男の娘としての百合」が見事に具現化され,さらに,男の娘同士だからこそ生まれる「百合の美しさ」が芽吹いているのだと感じた。

 設定だけを聞くとやや混乱するかもしれないが,実際に本作を読み進めると納得感があり,その魅力が自然と伝わってくる内容に仕上がっている。本稿では,そんな本作の魅力をお届けしていこう。

 なお,ストーリー展開やスクリーンショットにネタバレを含むため,これからプレイ予定の人は注意してほしい

「女装百合畑」My Nintendo Store



女装が常識の綾野原学園に通う雄嬢様
彼ら……ではなく,彼女らのここでの過ごし方


 本作は,日本のとある地方都市にある全寮制の綾野原学園を舞台に繰り広げられる物語。めずらしいことに,この学園には「女装した男の娘のみ」が通っている。しかも,学生だけでなく,教師までもが女装をしているのだ。

 そう,ここでは女装が「常識」であり,化粧や言葉遣いまで,各々が徹底している。この取り組みは,多様性への理解を深め,次世代にふさわしい教養を身につけることを目的として始まったという。

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 さらに,百合作品ではよく見られる光景だが,下級生は上級生のことを「お姉さま」と呼び,上級生は下級生をかわいがる。このように,特別に親しい学生同士は契りを結ぶ習慣があり,それは「恋人同士」と同一視されている。姉妹制度は淑女にふさわしいものとされ,学園内でも推奨されているほどだ。

 主人公「機堂伊織」(CV:唯香)は,ある出来事をきっかけに綾野原学園へ入学し,卒業を目指すことになる。それまでの彼は,男性ばかりの環境で硬派な生活を送り,喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていたという。

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 ここで注目したいのが,伊織の女装だ。作中にイラストは用意されていないため,実際の姿を見ることはできないが,女学生を彷彿とさせるスカートを履いているものの,言葉づかいは男性のまま。男らしい無骨なイメージを残した,中途半端な女装となっているようだ。

 しかし,伊織にとってこのスタイルは,学園で生き抜くための決死の覚悟とも言える姿であり,仕方なく女装をしているのが実情だ。ちなみに,周囲の雄嬢様たちはかわいいうえにいい香りがするため,伊織は相手が男性であっても思わずドキドキしてしまうらしい。

 伊織の中途半端な女装のせいで,彼自身は綾野原学園に馴染んでいるとは言い難い。しかし,学園内の多くの雄嬢様たちは,そんな伊織を優しく受け入れている。

 なかでもとくに重要な存在が,伊織をいつもサポートし,良き友人として接してくれる「村前礼央奈」(CV: 潮谷篭愛)だ。

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イギリスの貴族の血を引く貴公子であり,格式の高い綾野原家や千住院家と比べても遜色のない立場にある
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 礼央奈は,その容姿やカリスマ性に加え,貴族出身という身分も相まって,綾野原学園では王子様的な立ち位置にある。雄嬢様たちの注目を常に集め,学園内の各方面から厚い信望を寄せられている。

 礼央奈の姿は女装ではないものの,貴公子のような振る舞いによって「王子様キャラ」としてギリギリ認められているらしい。

綾野原学園では,礼央奈の王子スマイルは百万ドルの価値があると称されている
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 不良の格好をしている「千住院真尋」(CV:手塚りょうこ)は,伊織のことを「パイセン」と慕い,彼の学園のやり方に屈しない姿勢をリスペクトしている。

 真尋は,堅苦しい家のしきたりに反発しているため,不良の道を選んだのだとか。そんな彼が順当に女装している理由の一つは,女装しないとお小遣いを減らされるかららしい。

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 伊織,礼央奈,真尋の3人は,学園の外れにある現在は使用されていない古びた時計塔でたびたび密会し,雄嬢様が口にしないようなジャンクフードや駄菓子を楽しむ仲だ。

 しかし,真尋は「中途半端な王子キャラが気に食わない」という理由で礼央奈のことを一方的に嫌っており,何かと突っかかったり,睨んだりしている。

礼央奈に投げかける言葉の数々は,淑女の振る舞いとはかけ離れている。ときおり,男性同士だからこそ飛び交うようなワードが見受けられるのも,新鮮な場面と言えるかもしれない
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 陰ながら伊織を見守るのが,“薔薇園の女帝”という二つ名を持つ「千住院明日香」(CV:すずな)と,伊織と礼央奈の担任教師である「桐山志津香」(CV:大野まりな)だ。

千住院明日香
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 学内の私設学生団体「友愛会」の会長を務める明日香は,学園内でも有数の名家の出身であり,有名な存在だ。入会には厳しい選定があるとされる友愛会は,綾野原学園の生徒たちにとって憧れの的となっている。真尋は明日香の妹……ではなく,血のつながった実の弟であり,明日香はそんな真尋をこよなく愛している。

千住院が主催するお茶会のシーンも,物語のなかでたびたび登場する。お茶会といえば,どことなく百合の香りを感じさせるものだ
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学園内でも,いちゃつくことは欠かさない。真尋のことを兄弟ではなく,姉妹だと思っている
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 志津香は,生徒たちから“志津香ちゃん”と呼ばれるほど親しまれている,子供っぽい先生だ。また,かわいらしい容姿と言動で雄嬢様たちから人気があり,「お持ち帰りしたい教師ナンバーワン」の称号を持っている。

 本人曰く,ネットのとある界隈で有名な存在であり,勇者として褒め称えられているゲーマーのようだ。

桐山志津香
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よく拗ねてしまうが,礼央奈がお菓子をあげるとすぐに機嫌が直る
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何やら長年の付き合いがありそうな,明日香と志津香のやりとり

 ここまで,寛容な心を持つ雄嬢様たちを紹介してきたが,伝統ある綾野原学園にふさわしくないという理由で,伊織を快く思わない人物もいる。それが,本作のメインヒロインである「綾野原御影」(CV:相模 恋)だ。

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 御影は,綾野原学園の経営母体である綾野原家の御令嬢であり,人の上に立つべく育てられた高貴な身分の存在だ。学年は伊織より一つ下ながら,この学園の自治を学生自身が担う学生会の会長を務め,さらに理事長代理の立場にもある。

 女装を何よりも尊び,清楚で愛くるしい可憐な女装姿から“白百合の妖精”の二つ名を持つ。しかし,そんな優雅な称号とは裏腹に,伊織の中途半端な女装を見て,「それが女装? 何かの冗談ですか?」「ゴミかと思いましたわ」といった辛辣な発言をすることも……。当然,伊織は御影のことが苦手だ。

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「守りたい,この笑顔」――そんな言葉がぴったりな,御影のスマイル
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明日香とは名門出身のプライドがぶつかり合い,たびたび衝突。その場は,殺伐とした空気に包まれる

 物語の序盤は,主人公の回想と現在の時間軸が交差する形で進行していく。綾野原学園の独特な風習や登場人物の掛け合いを楽しみながら,まずはこの学園での生活を理解することから始めよう。

 それにしても,女装のクオリティが高すぎて,どう見ても全員が女性にしか見えない……。


女装を辞めた主人公が「退学」に追い込まれる


 綾野原学園に馴染めないながらも,学園に残るために女装を続ける伊織。しかし,やはり女装という行為に抵抗を感じる日々を送っている。

 それは,女性の格好をすることが,自分の生き方ではないという考えがあるからだ。

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 ある日,この学園には「女装をしなければならない」という絶対的な校則が存在しないことに気づいた伊織。女装を辞めただけで退学になる恐れはないと推測し,その後,“脱女装行為”と称して,本来の姿(男性の姿)のままで学園に通うことを決意する。

教え子が突然,女装を辞めたことに驚きを隠せない志津香
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雄嬢様たちは,伊織×礼央奈のカップリングに“腐った妄想”を膨らませ始める……
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 女装を辞めたことで,周囲の雄嬢様たちのあいだで多少のざわつきはあったものの,真尋をはじめ,伊織の仲間たちは彼の本来の姿を尊重する。

 そんな平和な時間も束の間,伊織の前に立ちはだかったのが御影だった。

 綾野原学園は,男の娘がその美を競う神聖な場所。そんな学園にふさわしくないとして,御影は伊織に対し,直々に「退学」を強いる。

 なぜ,御影はここまで女装に厳しいのか――。その理由は,彼女の家系に伝説的な男の娘が存在していたことにある。

 その男の娘は,数々の男性を翻弄し,国をも傾けるほどの魔性の美貌を持つ人物であり,周囲からは特殊な才能を持つ者として尊敬されていた。そんな人物の影響を受け,御影自身も「完璧な男の娘」を目指しているのだ。

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 綾野原学園は,御影の理想を追求するための「美しき花園」でなければならない。ゆえに,御影にとって美しくないとされる伊織は,学園から排除すべき存在でしかなかった。

 この決定に対し,明日香と志津香は伊織の退学に反対の意を示してくれたが,御影はまったく動じない。返す言葉もなく,伊織は退学を決意。みんなとの別れを惜しみながらも,退学届を用意するのであった……。

 しかし,退学届を提出するつもりだった当日,御影の腹黒な一面を知ってしまったことがきっかけで,伊織の考えは一転。綾野原学園に残る覚悟を決める。

 学園に残るということは,伊織の意に反して「女装をする道」を選ぶことを意味する。しかし,このとき伊織は本気で女装に取り組み,御影よりも美しくなることを胸に誓う。

 ときは流れ,1週間後。御影でさえ「美しい」と認めるほどの一人の美女が,綾野原学園に現れる。

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 そう,この人物こそが,本気の女装をした伊織なのである。

 ここまでの流れで気づいた人もいるかもしれないが,物語のなかで伊織のビジュアルが初めて披露されるのがこの場面(合わせてボイスも)となる。

 正直なところ,これまでビジュアルやボイスがなかったため,伊織というキャラクターは主人公ではあるが,印象は薄かった。しかし,この一幕でようやく「機堂伊織」という人間像が,プレイヤーのなかに鮮明に浮かび上がるのではないだろうか。

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この人物が伊織だという事実に,驚きを隠しきれない御影。まるで別人のような姿に,かつての伊織と同一人物なのかと疑ってしまう
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 見た目から言葉遣いまで,何を取ってもパーフェクトな雄嬢様と称されるほどのハイクオリティな女装で登場した伊織。周囲の雄嬢様たちは,彼に即座に“黒椿の女神”という二つ名を授ける。それは,御影の“白百合の妖精”,明日香の“薔薇園の女帝”にも引けを取らない名であった。

 伊織がこの姿を手に入れられたのは,紛れもなく千住院家の協力があってこそだった。美しい男の娘を目指すために作られた明日香の生活改善プログラムでは,美容体操,ヨガ,礼儀作法,座学,言葉遣い,服の選び方,男の娘の体に近づける食事メニューなど,多岐にわたる項目が課せられている。

 聞いただけで頭が痛くなるような過酷なプログラムだ……。さらに,特別講師として召集された志津香からは,お肌のケアやお化粧に関する指導が行われた。

 それにしても,わずか1週間でこの膨大な課題を成し遂げた伊織には脱帽だ。まさに努力の賜物と言えるだろう。


次第に恋に落ちていく伊織と御影
その行く先は――


 本気で女装したことで,伊織が綾野原学園を退学する理由はなくなった。当然ながら,彼は綾野原学園の生徒として,新たな生活をスタートさせる。

 これで一件落着かと思いきや,伊織と御影の互いに対する態度に,ある変化が訪れていた――。

伊織がロッカーを開けると,雄嬢様たちからの大量のラブレターが! 次々とアプローチを受ける伊織を見つめる御影は,なんだか面白くなさそう……?
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 伊織は,かつては御影のような美少女に近づいただけで緊張してしまうタイプだった。しかし,今では何一つ気にすることなく,御影と会話できるほどに成長している。

 一方で,かつて伊織に対して高圧的な態度を取っていた御影は,口数が少なくなり,どこか様子がおかしいようだ。

プライベートの会話ですら,男の娘としての立ち居振る舞いを徹底している
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 そんななか,伊織は明日香から友愛会の会員にならないかという誘いを受ける。しかし,友愛会の会員になるということは,即ち千住院家の勢力に加入することを意味し,必然的に綾野原を敵視しなければならなくなる。

 学園の闘争に巻き込まれるのは釈然としないという思いから,一時は加入を悩んだものの,最終的には入会を決意する。

 ところが,その矢先に御影からも「学生会の仕事を手伝ってくれないか?」という相談を受ける。かつて敵対した相手である御影ではあったが,同じ学園の学生同士でありながら争わなければならない状況に,伊織は苛立ちを感じていた。

 どちらか一方の勢力に加われば角が立つと考えた伊織は,なんとその誘いをどちらも引き受け,両方の勢力を自由に行き来する特別な存在となるのだった。

2人きりの時間を重ねるうちに,互いの本質を知っていく伊織と御影
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 親しみやすく,これまで酷いことをしてきた自分にも分け隔てなく接してくれる伊織。そんな彼のことを,次第に想い始める御影。

 しかし,自分の性的嗜好はノーマルだと否定したい気持ちもある。女装した美しい男の娘が好きだとは公言しているものの,それはあくまで綾野原学園に馴染むための“仮面”のはずだった……。

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 一方,伊織は,これまで知らなかった御影のかわいらしい一面に触れるたびに,次第に恋する乙女のようになっていく。

 御影と同様,伊織も男の娘は恋愛対象ではないはずだった。だが,ちょっとしたことで照れてしまったり,「お姉さま」と呼んでくれたりする御影に,すっかり夢中になっているようだ。

 ついには,恋人のような対等な関係で,もっと御影と親しくなりたいと願うようになる。

 また,今となっては,主導権を握ることが多くなった伊織。かつては御影の手のひらで転がされていたことを思い出し,懐かしく感じるほどだ。

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 こうして,2人の関係は徐々に「妹と姉」の枠を超え,新たな形へと移り変わっていく。しかし,御影が背負う綾野原家という十字架が,その行く手を阻み,雲行きが怪しくなっていく。

 幸せな時間というものは,往々にして長くは続かないものなのかもしれない。

 そして,これは現在の世界にも言えることだが――。

 この世には,互いに愛し合っていることが分かりきっていても,生まれ育った環境やさまざまな理由によって,別れを決断せざるを得ないときがある。世の中は,不条理なことで溢れているのだ。

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 これから先,伊織と御影は,さまざまな選択を迫られることになる。そのとき,2人は何を最も大切にし,自らの将来を見据えるのだろうか?

 愛し合う男の娘同士が歩んでいく運命。その結末を,ぜひ実際にプレイして,最後まで見届けてほしい。

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