「龍が如く8外伝」×スパリゾートハワイアンズのコラボイベント還暦祭に行ってきた。寒さの残る時期にビーチへ繰り出したような開放感が心地いい

　福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズとセガは，2025年3月3日から4月20日まで，「スパリゾートハワイアンズ×『龍が如く8外伝』コラボイベント還暦祭」を開催中だ。スパリゾートハワイアンズは1月15日に創業60年目を迎える。「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」（PC / PS5 / Xbox Series X|S / PS4 / Xbox One）の主人公である真島吾朗（1964年5月14日生まれ）も3月時点で満60歳。奇しくも「還暦祭」が実現したわけだ。


　期間中はスパリゾートハワイアンズ・ウォーターパーク内でスタンプラリー，コラボフードやコラボドリンクを楽しめるほか，オリジナル缶バッジやピックなどのプレゼントも用意されている。


　スパリゾート・ハワイアンズは大型温水プール，温泉，ゴルフ，ホテルの滞在などを楽しめるレジャー施設だ。取材日も大勢の客でにぎわっていた。3月とはいえ，まだまだ寒いこの時期，温水プールと温泉の湯気に包まれて過ごす時間は存外にリフレッシュでき，取材にもかかわらず「水着を持ってくれば……」などと思ってしまった。

東京駅から2時間半ほどで到着。意外に近い

「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」公式サイト

「スパリゾートハワイアンズ」公式サイト

　コラボスタンプラリーはウォーターパーク内の大プールやビーチシアターの周辺で行われており，全6種のスタンプを集めると3種類の特製缶バッジのうち，ランダムで1つもらえる。館内は二層構造となっており，スタンプ台はすんなりとは見つからないかもしれない。
　というわけで，これから訪れる人のために若干のヒントをお伝えしよう。探し物系のサブストーリーのように楽しんでいただけるかと思う。なお，スタンプの台紙はウォーターパークのフロントで配布している。

入口から右手にある，台紙を配布しているフロント

スタンプAはフロント周辺。真島のポップに近づくと，音声で気さくに案内してくれる

スタンプBは2階フラミュージアム付近のエレベーター横。フラミュージアムの入口の前に立って振り返ってみると……

スタンプCは1階ルアウフードコートの端

カメハメハ大王っぽい絵が目印

スタンプDは2階ゲームコーナー付近。UFOキャッチャーで遊んでいたら，ついスタンプを押すのを忘れた……なんてことのないように

スタンプEはひまわり広場の案内板付近。温泉施設とプールのあいだあたり

スタンプFはスプリングパークプラザ。スタンプEからほど近い

コンプリート達成！　スタンプをキレイに押せると嬉しいが，ズレやカスレもまた味ということで……

　館内を歩きまわって喉が渇いたら，アロハタウン1階「パオ」に立ち寄り，6種類のコラボドリンクで水分補給はいかがだろうか。


　コラボドリンクのうち，4種はアイスの乗ったフロートだ。プールで遊んで，小腹が空いたときのおやつにも丁度よさそう。
　アルコールは2種。ブラッドオレンジジュースとヒプノティックの組み合わせがさわやかな「パイレーツ真島のドキドキサンセット」，マンゴージュースとカシスリキュールの口当たりがやさしい「ゴローのゴロゴロカシスマンゴー」。どちらもグイグイいけてしまう味なので，飲み過ぎにはご注意を。

左から「祝還暦！真島吾朗のウキウキブラッドオレンジ」「ゴローのゴロゴロカシスマンゴー」

1回の注文につき，オリジナルコースターが1枚もらえる。どれがもらえるかはお楽しみ

　続いて，コラボフードをご紹介。アロハタウン1階「ダイヤモンド」で提供している「リッチ島カレー」は，「龍が如く8外伝」の物語が始まるリッチ島と周囲の海をイメージしたビジュアルだ。「どんな味？」と不安になるが，実はスパイシーかつ親しみやすいテイスト。ジェイソン・リッチの人物像も思い起こさせるメニューだった。

特製ピック。実際は袋に入った状態でもらえる

　同じく「ダイヤモンド」で楽しめる「クレイジーバーガー」のポイントはパイナップルスライス。噛むとあふれるフレッシュな酸味と甘みが，パテとソースの旨味を引き立ててくれる。

こちらのピックにはシェフ真島吾朗が描かれている

　取材日（3月15日）は龍が如くスタジオの開発者や関係者が参加し，裏話やフリートークを繰り広げる「龍スタTV」の公開収録が行われていた。収録直前の宇垣秀成さん（真島吾朗役），松田賢二さん（ジェイソン・リッチ役），龍が如くスタジオ代表・制作総指揮の横山昌義氏，「龍が如く8外伝」プロデューサーの堀井亮佑氏らに実施した合同インタビューの模様をお伝えしよう。

左から，堀井亮佑氏，松田賢二さん，宇垣秀成さん，横山昌義氏

──スパリゾートハワイアンズの感想はいかがでしょう。

松田賢二さん（以下，松田さん）：
　ここはもう，すでに「夏」なんだなと思いました。想像していた5倍くらい広くて，これは1人では来られないぞと。もし僕に家族がいたら一緒に来たかったな，なんて……。

宇垣秀成さん（以下，宇垣さん）：
　じゃあ，今度一緒に行きましょう！（笑）　僕が小さかった頃，ここは常磐ハワイアンセンターって名前だったんですよ。当時から行ってみたくてしょうがなかったんですけど，それが思わぬ形で実現して嬉しいです。
　でも，今日はこれから僕の大キライな歌のお仕事があるので，複雑な気持ちでもあります。今度はそういうのは忘れて，松田さんも誘ってプライベートで遊びに来たいですね。


横山昌義氏（以下，横山氏）：
　2年連続同じ場所，同じ時期にイベントをやるのって，たぶん初めてなんですよ。いつの間にかハワイアンズさんが歌舞伎町に次ぐ，「龍が如く」第2の聖地となった気もするんですよね。
　僕はハワイに行ったことがないから，ここが「俺のハワイ」なんです。報道によれば，今後大改修が行われるそうなので，逆にいいときに来られたんじゃないかとも思います。

宇垣さん：
　ハワイアンセンターだった頃の名残を記憶しておく，というね……。

堀井亮佑氏（以下，堀井氏）：
　セガのメンバーと一緒に来て思ったんですけど，みんなでワイワイやるには最適な場所だと思いました。「龍が如く8外伝」が目指したのも，そういうからっと明るい雰囲気だったので親和性も感じましたし。
　ハワイという基本コンセプトがありつつも，普通にラーメン屋さんがあったりする何でもアリなところも不思議とフィットしていると思います。

──先ほど，公開収録に集まったファンの皆さんをお出迎えしていましたね。


宇垣さん：
　ほとんどの方が「クリアしました！」「トロフィーをコンプリートしました！」って言ってくれて。最高の反応をいただけたので，変な話，それだけでも来て良かったなって思いました。横山さん，堀井さんもいるところで「微妙だった」とか言えないでしょうけど。

横山氏：
　いや，これは言っておきますけど，ゲームが面白くなかったときはお客さんの反応に出るんですよ。「私は好きです！」「ここは良かったです」って言い方になりがちで。幕の内弁当なのに「ご飯の炊き方，最高ですね！」って褒め方をされるような。
　でも今回はそういう雰囲気はまったくなかったので，きっと全体を楽しんでもらえたんだろうと感じています。

堀井氏：
　シンプルに「楽しかったです！」という感想が，今までになく多かったですよね。

横山氏：
　実際，食べやすかったとも思うんですよ。本編がフルコースのディナーだとしたら，外伝はすごく豪華なランチで，最後までしっかり味わいつつ完食しちゃったような。

宇垣さん：
　まあ，いい役者が2人も出たからね。ここはぜひ，記事に書いといてもらわないと（笑）。

松田さん：
　（笑）。でも，今日はマジ祭りのときから欲しかった「ジェイソン素敵でした！」って言葉をいただけて，とても満足しています。

宇垣さん：
　僕はそれがイヤでした！　せっかくの単独主演作品なのに，また持っていかれちゃうのかって。ある意味，ジェイソンが桐生ちゃんのように見えてきました。

──そこは嫉妬ポイントなんですね。

堀井氏：
　ジェイソンの人気はもちろん，マサルたち仲間も受け入れてもらえて，とてもよかったなって思います。

横山氏：
　あとはファーストサマーウイカさんの演技は天才ですね。

松田さん：
　本当に。本当にそう思います。

堀井氏：
　エンドロールで初めて，ノア役がウイカさんだと知った人もいたようですよ。


横山氏：
　確かに事前知識なしだと分からないと思います。セガアメリカのメンバーが言っていたんですけど，日本の演者さんの演技ってハイクオリティすぎて，ほかの言語でそこまで持っていくのがひと仕事なんだそうです。
　僕らがロバート・デ・ニーロといった名優の演技で心が動くように，日本語が分からない人にもそこは伝わるみたいですね。

──宇垣さん，松田さんにお聞きします。「龍が如く8外伝」を振り返ったとき，どんなことが印象に残っていますか。

宇垣さん：
　今回は真島のノアに対する愛です。飲んだくれのジェイソンなんかより，「こっちが育ての親なんだ」という愛をめちゃくちゃ感じたんですよ。そこは1人の受け手としても感じるとこがありますし，演じながらノアがかわいくてしょうがなかったです。

松田さん：
　前に言ったこととかぶっちゃうんですけど，帽子をかぶって「また，こんな日がくるなんてな」と言う場面に集約されちゃいますね。青春が再来したような感覚が，今の自分ともリンクしていて。

宇垣さん：
　なるほど，仮面ライダー斬鬼を演じた頃の，女性にキャーキャー言われていた青春の日々が再来したと……。

松田さん：
　ははは，じゃあそれを僕の発言ってことで頂戴します（笑）。

──コラボメニューはいかがでしたか。

宇垣さん：
　「リッチ島カレー」の青いカレールーって少し不思議ですよね。青いカレー自体，たまに見かけるので衝撃ではないんですけど，食べるとちゃんと美味しいカレーなので，そこが逆に不思議に思えて（笑）。

堀井氏：
　コラボメニューは「龍が如く8外伝」の世界観に合わせるだけでなく，食べて美味しいというところも大切にして作っていただけたと感じています。

松田さん：
　僕は「クレイジーバーガー」のハンバーガーにパイナップルの組み合わせ，大好きですね。酢豚とかでもパイナップルが欲しい派なんで。

堀井氏：
　あー，僕も酢豚にパイナップル欲しい派ですね。

横山氏：
　えっ！　俺は酢豚のパイナップルは絶対イヤ派なんですよ。でも最近，食わず嫌いで食べないところがあるなと思って。なので，クレイジーバーガーは挑戦してみたんです。

宇垣さん：
　違和感ないでしょ？

横山氏：
　ないですね，美味しかったです！


──堀井さんは初めてプロデューサーを務めました。「新たな海」に乗り出したようなところがあったと思うのですが，一区切りついた今の心境はいかがですか。

堀井氏：
　今回はチーフディレクターを兼ねているので，中身を作るところはメンバーに渡していますが，仕事がすべて変わったわけでもないんですけどね。ただ会社の外に出て，メディアの皆さんや外部の方と関わることが増えて，その中で成長できた感覚があり，支えていただいていることを知れたと思います。

横山氏：
　彼が一番感じたことは，ゲームビジネスの半分はクリエイター以外の人が支えていることだと思うんですよ。プロデューサーという立場になると，出演者さんにも関わるようになるし，マーケティング，宣伝，営業，グッズ，いろいろな人の仕事を見るようになる。
　ゲームを作っていると，クリエイターが一番偉いと思いがちなんですけど，そうじゃなくてみんなで成り立っているということを味わったと思うんですね。ファンやメディアの皆さんも含めて，作品に関わった全員への感謝の気持ちはより増したんじゃないかと。

堀井氏：
　本当に良い経験ができたと思います。海賊というテーマを皆さんに肯定的に受け止めていただけたこともあり，これから作るものの可能性や幅をより広げられそうだとも感じました。これからも楽しいゲームをたくさん届けていきますので，引き続きよろしくお願いいたします。

──本日はありがとうございました。

お土産売り場ハワイアンズマーケットの「龍が如く」コーナーの様子。真島ポップが「しゃべる」ことに気がつき，喜んでいたファンの姿が印象的だった

「龍が如く8外伝 Pirates in Hawaii」公式サイト

「スパリゾートハワイアンズ」公式サイト