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FF14開発チーム監修「FINAL FANTASY XIV TTRPG」を先行体験。初心者歓迎のシンプルさ,原作再現を両立したスマートなルールに注目だ
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印刷2024/02/20 19:06

プレイレポート

FF14開発チーム監修「FINAL FANTASY XIV TTRPG」を先行体験。初心者歓迎のシンプルさ,原作再現を両立したスマートなルールに注目だ

 スクウェア・エニックスが2024年5月25日の発売を予定している「FINAL FANTASY XIV TTRPG」(以下,FF14 TTRPG)の先行体験会が,2月17日に都内で開催された。本作はそのタイトルどおり,MMORPG「ファイナルファンタジーXIV」の世界を舞台にした公式TTRPG(テーブルトップRPG)だ。

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 今回,4Gamerも体験会に参加し,体験用シナリオを遊んでみたのでプレイレポートをお届けしよう。なおTTRPGは,いわゆるテーブルトークRPGの英語圏での呼び方だが,本稿では日本人によりなじみ深いTRPGと表記している。ストーリーのネタバレはできるだけ避けつつ,システム面を中心に紹介していく。今後に開催される体験会に参加する人も,安心して読み進めてほしい。

「FINAL FANTASY XIV TTRPG」公式サイト



アクションが“外れる”ことはない

まず当たり,運次第で効果が拡大する


 FF14 TTRPGの体験を開始するにあたって,まずは「戦士」「竜騎士」「黒魔道士」「白魔道士」(スターター収録の4ジョブ)の中からキャラクターシートを選択することになった。

 いずれのキャラクターも多数のアビリティを所持しているが,今回は体験会ということで使用アビリティに制限がある。本来であればキャラクターシートに書かれたスキルは,すべて使えるとのことだ。

シートに描かれたイラストはあくまでイメージであり,本来は自由にビジュアルを想像する形になる。写真のプラスチック製コマは,体験会のために作られたものだ
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 なお,本作には経験値や成長といった概念は存在しないようだ。シートには「Lv30」と記載されているが,これは便宜上「原作においてレベル30相当の実力を備えたキャラクターですよ」といった意味合いのもので,製品版では各ジョブにいくつかのレベル帯を再現したシートが用意される。

 そのぶん,1人のキャラクターができることはかなり多く,前衛職であっても多彩なスキルを所持している。キャラクタービルドを作り込むよりも,チーム全体の相性を考えたパーティビルドに軸足を置いたシステムといったところだろう。

 このあたりは賛否の分かれる部分だと思うが,レベルに対応して能力が拡張されていく原作の再現と,TRPGとしての遊びやすさのバランスを考えると,ちょうどいい落としどころに感じられた。シートを受け渡すことでジョブチェンジを容易に行える点を含め,初心者にとってもかなり遊びやすいゲームシステムだと言えるだろう。

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 筆者のキャラクターは,パーティのDPS(火力要員)である竜騎士だ。ゲームの大まかな流れは原作同様,シナリオに合わせてクエストを受諾することで進行する。体験会のシナリオでは,ある荷運び人が忘れていった荷物を届けるため,キャンプ・ドライボーンへと向かうことになった。

本作の付属品ではないが,小さいホワイトボードや写真,ゲーム内のマップを使って状況を説明してくれた。GMが使える素材が豊富なところは,FF14ならではの強みだ
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 本作では探索/戦闘を問わず,各種の判定は20面ダイスで決定する。まずはプレイヤーが実行したい行動を宣言して20面ダイスをロールし,出目に補正値を加えて目標値を超えていれば成功だ。
 20面ダイスを使った判定方式と言えば,「ダンジョンズ&ドラゴンズ」の「d20システム」を思い浮かべる人も多いと思うが,会場で確認したところ,本作のシステムはそれらとは直接関係がないとのこと。確かに似た雰囲気はあるが,とくに判定に失敗がない点は,大きな違いだと感じられた(詳細は後述)。

いろいろあって「ギャンブル中毒」という設定が“生えた”竜騎士さん。ドマ式麻雀で作った借金を返すため,急ぎ足でクエストに向かうことに
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 捜索の末にたどり着いた場所で,我々は例の荷運び人がアマルジャ族の群れに襲われている姿を目の当たりにする。彼はすでにダメージを受けており,今すぐにでも助けなければ「クエスト失敗」になってしまう! ……というわけで,ついにバトルが始まった。

 バトルに入ってさっそく驚いたのは,手番の決定システムだ。本作のターンは勢力によって分割されており,プレイヤー全員が順に手番をこなしたあと,エネミーが行動する形式を採用している。いわゆる「イニシアチブ」などの概念は存在せず,指定がない場合は常にプレイヤーが先手を取る形でバトルが始まり,プレイヤーターン内での行動順も任意に決められる。

 TRPGとしてはやや珍しい形式だが,先にタンクやデバッファーが動いてからダメージディーラーが続くという,「MMOらしい動き」としてはむしろ違和感がない。手番順決定の処理を覚える手間を減らしつつ,仲間と相談して行動順を決める戦略性も生まれているのだから,なかなかスマートなルールだ。

一度決定した行動順は戦闘が終了する,または何らかの理由でフェーズが移行するまで変更できない。敵の構成を見極めて慎重に決めよう
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 手番が来たキャラクターは各1回の「アクション」「サブアクション」,そして移動を自由な順番で実行できる。今回のジョブは最大5マスの移動が可能だったが,分割して移動してもいい。接近したあとにアクションを実行し,残ったマスで後退する,といった動きも可能だ。

 キャラクターが使えるアクションには,実行すれば必ず発揮される「基本効果」と,判定に成功した際に発生する追加効果「ダイレクトヒット」が設定されている。例えば戦士のアクション「オーバーパワー」は,範囲内の敵にデバフ(敵視)を与えるのが基本効果,2点のダメージを与えるのがダイレクトヒット効果だ。

ダイレクトヒットやクリティカルの有無は20面ダイスで判定し,ダメージや回復量を算出する際には6面ダイスを使うことが多かった
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 さらに,ダイスが20を示せば「クリティカル」が発生し,その後のダメージ(あるいは回復)を算出するダイスが2倍になる。一方で,ダイスが1を示した際のペナルティ(いわゆるファンブル)のルールは存在しないため,下振れしても不利益は起こらない。つまり,ダイスがどんな出目になろうと,あらゆるアクションが必ず一定の効果を発揮してくれるのだ。
 こうした仕組みは,選択したスキルの「効果の発動」自体の失敗がほぼ起こらない原作の戦闘を再現しているだけでなく,全体的にポジティブなプレイフィールにもつながっている。予想外の出来事がすべてうれしい方向に転がるので,いろいろな意味でストレスフリーなゲームだ。

アクションとは別に,ジョブ固有の特殊能力も用意されている。竜騎士は複数のアクションを連続して実行できる「コンボ」を持ち,異なる敵を連続して攻撃することも可能
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 基本的には敵側もプレイヤーと同じルールで行動するが,敵ならではのアクションもしっかり用意されている。それが,FF14のボス戦ではお馴染みの「予兆マーカー」を用いた攻撃だ。

 予兆マーカーは表示から一定時間経過(ターン経過など)すると効果を発揮する攻撃だが,タメがあるぶん強力な効果を持っている。今回のバトルでは,範囲内のプレイヤー全員にダメージが割り振られる「頭割り」が発動された。
 その合計ダメージは,1人で受ければ前衛職でも即死する威力だ。そのうえ,範囲は「指定したキャラクターを中心とした5×5マス」であり,指定のキャラクターは必ずダメージを受けてしまう。
 前衛職が攻撃を当てるには前に出る必要があるが,1人だけ仲間と離れて範囲から外れることになれば大きな被害は免れない。今回はパーティ全員と相談しながら,うまく位置の調整を行い,4人でダメージを分け合うことで被害を最小限に抑えられた。

予兆マーカーのエリアはタイルで示される。範囲の四隅を示すマーカーを組み合わせて表示することもできるので,プレイヤーは好きなほうを選べる
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 敵の切り札を乗り越え,気兼ねなく前進できるようになった我々は,集団を率いるボス「アマルジャ・シーア」に攻撃を集中することに。最後は竜騎士の「ジャンプ」が合計20点の大ダメージを叩き出し,撃退に成功。荷運び人の傷も浅く,無事にクエスト達成とあいなった。

ジャンプの威力は基本効果が6面ダイス×2+3ダメージだが,ダイレクトヒットすれば追加で6面ダイスを2個振れる。さらに5マス先まで攻撃可能なので,ダメージを集中させたいときに便利だ
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 システム面の手触りとしてはかなり軽快で,適宜ルールの説明を受けながらゲームを進める形式でも,戸惑ったり滞ったりすることなく遊べた。知識ゼロの状態からゲームを開始し,シナリオを攻略してもなお,1時間程度しか経っていなかったのは驚きだ。
 単純にルールを原作に合わせて簡略化しただけでなく,ダイスという不確定要素に対する考え方がデジタルゲーム寄りなのも相まって,FF14のプレイヤーであればスンナリとゲームに入り込めるだろう。

 また,戦略シミュレーションゲームのような戦闘はかなり本格的だ。使えるスキルの数が増えれば,相当に悩ましい意思決定を楽しめるはず。スターターセットの製品版には全3篇のシナリオが収録されるので,どんな物語が繰り広げられるのか,今から楽しみにしたい。

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 なお,FF14 TTRPGの体験会は全国5都市で開催が予定されている(※公式サイト)。参加者の感想を投稿するためのハッシュタグ「#FF14のTRPG」が用意されているので,検索すればさまざまな感想が見つかるだろう。事前に情報を得たい人は,そちらも合わせてチェックしてみよう。

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