イベント
「風来のシレン展」東京・コトブキヤ秋葉原館で開催中。キャラクターデザインを手がける長谷川 薫氏によるライブドローイングの模様をレポート
この企画展は,スパイク・チュンソフトからNintendo Switch用ソフト「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」が1月25日にリリースされたことを記念した催し。会場では,ダンジョンRPGの金字塔「風来のシレン」シリーズの設定資料の展示やグッズの販売を行っている。
また,会場では「風来のシレン」シリーズ歴代のキャラクターデザインを担当する長谷川 薫氏によるライブドローイングも実施される(4月29日,5月3日のみ。要整理券)。本稿では,4月29日に2部制で行われたライブドローイングのうち,第2部の模様をレポートする。
なお,ライブドローイング終了後には長谷川氏,「風来のシレン6」プロジェクトマネージャー 篠崎秀行氏,同シリーズ シナリオ担当 冨江慎一郎氏の合同インタビューが行われた。こちらも合わせて掲載しているので,ぜひ目を通してほしい。
「風来のシレン展」特設サイト
「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」公式サイト
ライブドローイングに臨んだ長谷川氏は,キャンバスに向かって下書きを始めると「今日2回めなんですけれども,緊張感はまったく変わらない」とコメント。冒頭では「静かにしなくていいですよ」と呼びかけていたが,来場者は女剣士アスカが描かれていく様子を終始,食い入るように見つめていた。
完成したアスカのイラスト |
第1部ではシレンが描かれた |
アスカのイラストが完成すると,篠崎氏が登壇。「『風来のシレン6』は皆さんに支えられている。皆さんと,こうして顔を合わせられたことを嬉しく思う」と来場者に感謝を伝え,「私自身,長谷川がキャラクターを描いているところを直接見ることは少ないので,とても楽しかった」と感想を述べていた。
また,冨江氏は楽屋にて「ライブドローイング中に『下手くそ!』とでも声をかけようか」と長谷川氏に持ちかけたところ,「そのほうがやりやすい」と返答があったエピソードを披露。しかし「上手すぎて,声をなくしてしまった」そうだ。
「風来のシレン6」についても触れており,「まだまだ追加コンテンツを配信していく」と話していた。
なお,長谷川氏によるライブドローイングは5月3日(2部制)にも実施される。当日配布の整理券が必要になるので,詳細を「風来のシレン展」特設サイト(※リンク)で確認してほしい。
合同インタビュー
──さっそくですが,今回のイベントの感想からお願いします。
長谷川氏:
想像した以上に多くの皆さんに来ていただけたので,緊張が高まってしまいました。でも本当にありがたかったです。
冨江氏:
私は第1部が終わった頃に来たのですが,長谷川が楽屋でグッタリしていて。長谷川が描いているところを遠くから見て,ニヤニヤしているだけのつもりだったんですが,皆さんの「風来のシレン6」に対する愛が本当に感じられました。感謝の気持ちでいっぱいです。
篠崎氏:
今日は朝から多くの皆さんに並んでいただきました。並んでくださった方,全員が何とか会場に入ることができたと聞いていますので,そこは少し安心しました。中には山口から来たという方もいらっしゃいまして,とても嬉しく思っています。
──今日は第1部にシレン,第2部にアスカを描かれていましたが,最初から決めていたのでしょうか。
長谷川氏:
いえ,決めていませんでした。でも第1部は,シレンでないと絶対ダメだと思いましたし,それで第1部を終えて楽屋に戻ったときに「次はアスカにしようかな」と。
冨江氏:
私が「次,何描く?」と聞いたら,「アスカかな」と返ってきたんですよ。あのときはもう決めていたってこと?
長谷川氏:
そうですね。どこかで「アスカを描いてほしい」と聞いたことがあるので,早めに描いておこうと。
──長谷川さんはこれまでにもライブドローイングを披露する機会がありましたが,心境の変化はありますか。
長谷川氏:
基本は変わらないですね。後ろからの目線が本当に怖いです。また,大きなキャンバスに描く機会がないので,全体像が見えなくて描きづらいんですよね。描き直しができない状況で描く機会も全然ないし。
でも,だんだん気持ち良くなってきて,楽しかったです。皆さんが温かく見守ってくださっていることにも,すごく助けられました。
──皆さん,真剣に見ていました。
冨江氏:
会場でも言いましたが,ヤジを飛ばそうと思っていたんだけどタイミングが見つからなくて。
──そういう雰囲気ではなかったですよね。
篠崎氏:
第1部では,長谷川に「好きなモンスターは?」などの質問をしてくる方もいたんですよ。それに答えたりして。終わったあとには長谷川が「仕込み入れたの?」と聞いてくるくらい,面白い感じになりました。
──どのように答えたのでしょうか。
長谷川氏:
好きなモンスターはトドだと。
篠崎氏:
マーモが好きとも言っていましたね。質問してきたのは,かなり熱いファンの方だと思うのですごく嬉しいんですけれども,その一方で面白いなと感じました。
──今回のライブドローイングの出来はどう評価されていますか。
長谷川氏:
最高でしょう。クオリティはともかく,私の気持ちが強く込められた,いい絵になりました。
──それでは,「風来のシレン6」のキャラクターデザインについて教えてください。今回は開発チームからどんなオーダーを受けましたか。
篠崎氏:
実は,あまり注文を出さないんですよ。
長谷川氏:
私がまず第1稿を出して,それを皆の叩き台にする感じでした。
篠崎氏:
長谷川がシナリオと「ゲームとしてはこんな感じ」というところを把握して,「こんなデザインかな」とイメージを膨らませたものを私達が確認。もしズレがあれば,修正していくという流れでしたね。
冨江氏:
ズレとは少し違うんですけれども,今回「そう来たか」と思ったのはソクセンでしたね。痩せた渋いオッサンだと思っていたら,まさかのリーチ・マイケル選手だった(笑)。
長谷川氏:
まずシナリオを読んで,頭の中でイメージを作っていくんですよ。
篠崎氏:
シナリオ側も企画側も「実在の人物や既存のキャラクターみたいな感じで」というオーダーはあまり出さないんですよ。だから,長谷川自身が抱いたイメージなんです。
冨江氏:
3Dモデルを作るにあたって,「どういうテイストにするか」を話し合います。テイスト作りを長谷川に手伝ってもらって,「3Dはこんな感じ。あとはイラストよろしく」みたいな感じでやっています。
──「風来のシレン6」の中で,描いていて一番楽しいキャラクターを教えてください。
長谷川氏:
うーん……セキさん。セキさんには2つの面があって,どちらかだけだとそうでもないんですけれども,それぞれの姿が気に入っています。
ゲーム中ではもうバレバレなんですけれども,いい塩梅のバレバレなんですよね。また,ああいったキャラクターが今まであまりいなかったというのも理由です。
──そうなると,5月3日のライブドローイングではセキを描く可能性もあると?
長谷川氏:
それはおそらくないです。なぜなら,デザインを覚えていないから(笑)。イラストを見ながらでないと描けない。
──最後に「風来のシレン展」に足を運ぼうと考えているファンにメッセージをお願いします。
篠崎氏:
初代「風来のシレン」から「6」まで,吟味して展示しています。かつて初代だけプレイした,「2」だけプレイしたという方でも,「最近はこうなっているのか」といった楽しみ方ができるかと思います。
お時間があって秋葉原にお越しの際には,ぜひお立ち寄りください。
冨江氏:
整理券の配布には,100人以上の皆さんに並んでいただいたと聞いています。長い時間お待たせして,大変申し訳なく思っていると同時に,大盛況をとてもありがたく思っています。
皆さんのおかげで成り立っているゲームですので,今後ともよろしくお願いします。
長谷川氏:
ゲームを作っているときは分からないのですが,いざ発売されていろんな感想が寄せられたり,今回の「風来のシレン展」のような機会に直接ファンの皆さんと顔を合わせたりすると,「風来のシレン」シリーズを愛してくださる人がいることを改めて実感します。
これからも,こういう思いをできるゲームを作り続けて行きますので,ぜひよろしくお願いします。
──ありがとうございました。
「風来のシレン展」特設サイト
「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」公式サイト
- 関連タイトル:
不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録
- この記事のURL:
キーワード
(C)Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved.
- 不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録 -Switch 【早期購入特典】3Dレンチキュラー(A5サイズ) 同梱
- ビデオゲーム
- 発売日:2024/01/25
- 価格:¥5,266円(Amazon) / 5346円(Yahoo)