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ありがたき哉 日本語化:廃墟と化したテーマパークをゆくサバイバルホラーADV。画面も遊び心地もレトロな「Crow Country」をご紹介
「ありがたき哉 日本語化」は,ここ最近で日本語対応となった海外作品を良い機会だからあらためて紹介しようという,フワッとしたコーナーです
「サバイバルホラーアドベンチャーが遊びたい。でも複雑なシステムはいや。高難度もいや。ジャンプスケアだらけもいや……全部いや! プレイフィールもビジュアルもレトロな感じにしてー!!」という人は,今回紹介する「Crow Country」を遊んでみるといいかもしれません。これがそれです。
Crow Countryは,失踪した人物を捜すため,廃墟となったテーマパークを探索するというサバイバルホラーアドベンチャーです。初代PlayStation時代の雰囲気をまとうレトロなグラフィックスを採用し,操作系もシンプルで,遊び心地もなんだか懐かしい。でもちゃんと(しっかり)怖いという,いわば“ちょうどいい”仕上がりのゲームです。遊んで「そうそう,こういうのでいい」と感じる人は多いんじゃないでしょうか。
そんな本作は2024年5月にリリースとなりまして,10月のアップデートで正式に日本語対応となりました(PC版とコンシューマ機版が順次日本語に対応※関連記事)。ありがたき哉。本稿執筆時点でSteamでは3500件を超えるレビューを集めておりまして,評価は“圧倒的に好評”を獲得しています。すんごい人気ですね。
「Crow Country」公式サイト(英語)
全体がおばけ屋敷と化した廃テーマパークが舞台
さて本作の物語の主人公は,警察のIDを持つマーラ・フォレストです。時代は1990年で,舞台は“アトランタから南東へ数マイル”の場所でかつて営業していたテーマパーク「クロウ・カントリー」。パークのオーナーであり現在は失踪しているエドワード・クロウ氏を捜して,すでに廃墟となったパークを彼女が訪れるところから,物語は始まります。もちろん(?)夜です。
パークはたしかに廃墟なのですが,閉園からはまだ2年しか経っておらず,実際に歩いてみるとこの場所がそれほど古い場所でないことが分かります。建設中だった新アトラクションの跡も,まだ多く残っているぐらいです。
そしてこのパークでは奇妙な目撃証言が相次いでおり,オカルト写真家が撮影に来るぐらいの,いわば心霊スポットと化しています。園内は荒れ果ててゴミだらけなのに,なぜか稼働しているアトラクションがあり,はっきり言って謎の怪異も闊歩しています。園内全体がおばけ屋敷のようになっているわけですね。
さてCrow Countryのゲームとしての作りを一言で言うと,斜め見下ろし視点でマーラを操作するアクションアドベンチャーゲーム――といったところです。操作にはゲームパッドのようなコントローラの使用が推奨されており,銃器のリロードや左スティックでの照準操作は少し慣れが必要ですが,操作系そのものはかなりシンプルです。
マーラは不気味なパーク内を探索し,救急キットや解毒剤などのアイテムを拾い,武器や環境オブジェクトを駆使して敵と戦ったりしつつ,さまざまな謎やパズルを解いてパークの奥深くへ進みます。そしてエドワード・クロウ氏失踪の謎,そしてパークに隠された謎に迫っていくのです。
ずっとドキドキしながら探索,謎解き,そして戦闘
ゲームの主な構成要素をまとめておきましょう。
【探索】
マーラは園内を歩いたり走ったりして移動して,探索を進めます。道中では,武器弾薬やグレネードなどの戦闘用アイテム,回復アイテム,そのほか懐中電灯などのさまざまなアイテムを集めていきます。アイテムはただ拾うものもありますし,木箱などを破壊して入手できるものもあります。
マーラは謎を追ってパークに来ているわけですから,探索では情報を集めることが最も重要です。園内にはチラシや本,スタッフのメモなどの多数の書類が点在しています。パークの背景が分かるもの,関連する人物の情報,謎解きに関する情報など,その種類はさまざまです。
【謎解き】
パーク内にはたっぷりと謎解きやパズルが用意されています。というか,解かないと進めない場所,動かせない装置だらけです。
前述のとおりパークにはさまざまな書類があり,その中に,謎解きの答えや,パズルの解き方のヒントが隠されています。ヒントをしっかりと得て,ちょっと頭を使う,そんな謎がたくさんある形ですね。
【戦闘】
マーラは銃器の扱いが得意なようで,ハンドガンやショットガン,グレネードなどの武器を使って敵を攻撃できます。「敵って?」という感じだと思いますが,大雑把に言うと,大小さまざまな怪異といったところでしょうか。ちょっとグロい敵が多いです。
銃器の使用には弾薬と,リロードの時間が必要です。道中での弾薬探しは手が抜けません。いちおう,マーラの車(パークのゲート前に駐車しっぱなし)に戻ればハンドガンの弾薬はいつでも手に入りますが,まあ,いちいち戻るのはめんどくさいです。
また銃器で戦う場合は,いくつかのコツを頭に入れておく必要があります。ヘッドショットで高いダメージが出る,敵との距離が離れると弾の威力が落ちる――などといったもので,それらはTipsですべて学べます。多くありませんが,重要です。
戦闘では,マップに点在している,戦闘時に有利に使えるオブジェクトも活用したいところです。開いたトラバサミに敵を誘導する,シャンデリアを撃って誘導した敵に落とす,可燃物の入ったドラム缶を撃って爆発させる――などでしょうか。この手のオブジェクトを駆使して弾薬を節約するのも,探索を楽に進めるためのポイントですね。
すべてがちょうどいい塩梅
Crow Countryは,眠れなくなるほど怖いゲームではないですし,めちゃくちゃ難しい謎はなく,心が折れるほど強い敵と連戦することもありません。
一方で,メルヘンチックで不気味なパークや迫ってくるグロめの敵はちゃんと怖く,謎は頭を使う必要がありますし,戦闘はコツやリソース管理が必要です。これらの要素をキチンと楽しめるものの良い意味で尖っていないので,パークの謎を追うというミステリー部分に没入できる,そんな作りだという印象を受けました。
そういえばすっかり忘れていましたが,本作は難度別に3段階のモードがあり,その一つ「探索モード」では,敵から攻撃されないため自由にゲームを進められます。これでのんびりと遊ぶもよし,逆に高難度の「マーダー・オブ・クロウ」でビクビク遊ぶもよし――といったところですね。
「Crow Country」公式サイト(英語)
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(C)SFB Games Limited 2024
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