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「グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-」バトル調整報告会レポート。調整に至った経緯や意図を福原哲也氏に聞いた
この番組は,今年7月に行われた「GBVSR」のオンラインβテストの反響が「不評だった」という事実を受け止め,バトルシステムに多数かつ劇的な調整を施したことを,11月上旬に行われる2度目のβテストの前に広く周知したいという福原哲也氏(クリエイティブディレクター)の想いから実施された。
バトル調査報告会の収録には福原氏に加えて,前作「GBVS」の対戦シーンで活躍しているdebagame選手,かずのこ選手,SCORE選手,公式大会などで実況を務めたキャスターのなかお氏,ゲーマーとしても有名な声優の市来光弘さんが出演。収録は,10月上旬に行われた。
本稿では番組内で明かされた各種ゲームシステムの変更点を紹介するとともに,収録後にメディア向けに行われた,出演者のインタビューをお届けする。
「グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-」公式サイト
ブレイブリーポイント周りや投げの仕様に大幅なテコ入れ。初回βテストにはなかった駆け引きが生まれる
今回のバトル調査報告会で主な議題にあがったのは,以下の10種の共通システムについて。それぞれのシステムにどのような調整が施されたのかを紹介していく。
・アビリティ+
・アルティメットアビリティ
・ダッシュ攻撃
・投げ
・BP
・レイジングストライク
・ブレイブカウンター
・奥義/解放奥義
・レイジングチェイン
・テクニカル入力
●アビリティ+
アビリティ+使用時に課せられていたゲージペナルティは削除されたため,前作「GBVS」と同じ感覚で積極的に使用できるようになった。
●アルティメットアビリティ
「使い道がわからない」という意見が多く寄せられたアルティメットアビリティは,使用できる局面を大幅に増やす方向性の調整が加えられた。奥義ゲージ消費量こそ50%と据え置かれたが,キャンセルでコンボに組み込めるようなり,ヒット後に追撃ができるようになった。
また,ダメージは下がるが,アビリティのクールダウン状態でもアルティメットアビリティを発動できるようになった。その結果,アルティメットアビリティは,奥義ゲージさえ確保できていれば,いつでも使用できる攻撃手段になった。
さらに前ダッシュや前歩きで溜まっていくゲージの量も大幅に増加しているので,次回βテストでは,アルティメットアビリティや奥義を多用した戦いが見られそうだ。
●ダッシュ攻撃
ダッシュ攻撃は弱,中,強,それぞれの攻撃に明確な役割が与えられた。
ダッシュ弱攻撃は,ダメージは低いが発生とリーチ(前進距離)が優秀,かつガードされても有利な状況を維持できるように変化した。福原氏いわく「キャラによってはヒットさせれば近距離中攻撃につながる」とのこと。接近手段,攻めのきっかけとして使い勝手のいい技になった。
ダッシュ中攻撃は大きな変更はないものの,性能は細かく調整されたとのこと。グランをはじめとした多くのキャラクターに下段属性が,一部のキャラクターに中段属性が与えられている。中下段のどちらが付与されたか,ガードされた後の硬直などは,それぞれのキャラクターが持っているほかの技との兼ね合いで決まったという。
ダッシュ強攻撃は,ヒット時のリターンが大幅に増加した。カウンターヒット時に特殊な演出が入るようになったことで爽快感が増し,さらにコンボへ移行できるようになった。
●投げ
投げは,初回βテストで簡単だった投げ抜け周りにテコ入れが入った。ガード崩しの手段として使えるよう,原点回帰の方向性で調整が加えられたようだ。
まず投げ抜けの猶予時間は,前作と同じぐらいのフレーム数になったそうで,代わりに投げ抜けの手段(種類)が増加している。投げ抜けは猶予時間内にいずれかの攻撃ボタンを押すだけで,“遅投げ抜け”が成立するように変化している。
遅投げ抜け後は抜けた側が,やや不利な状態での仕切り直しにはなってしまうが,起き攻めは回避できるようになった。
●BP(ブレイブリーポイント)
今回のバトルバランスの調整で最も大きな調整が入ったのは,BP周りのシステムだろう。レイジングストライク,ブレイブカウンターの仕様変更(後述)に加えて,奥義/解放奥義を近距離ヒット(初段ヒット後に演出が入る当て方)させることで相手のBPが減少するようになった。
加えてBPが1以下になると,被ダメージが増加するという,地味ながら対戦への影響が大きそうな仕様も実装。本作では,自身と対戦相手のBPを意識した立ち回り,奥義ゲージの使い方などが重要になりそうだ。
●レイジングストライク
初回βテストで大きな反響があったという新システム,レイジングストライクにも大きな変更点が入れられた。ガードクラッシュ技として活用するという基本線は維持されたが,発動条件が奥義ゲージ消費ではなく,BPを1消費する仕様になった。
実戦での使い勝手も変化が加えられており,とくに顕著なのは攻撃判定の発生の鈍化となる。注意深く画面を見ていれば,避けたりつぶせたりする発生速度で,「前作のオーバーヘッドよりちょっとだけ遅いくらい」(福原氏)になったそうだ。
レイジングストライクは強化点もあり,発生が遅くなった代わりにリーチが伸びたり,通常ヒット時に尻餅ダウンが奪えるようになったりと,別の用途の使い道が増えている。今後の研究によっては,初回βテストとは別のベクトルで進化を遂げる可能性を秘めていそうだ。
●ブレイブカウンター
レイジングストライクの仕様変更にあわせて,対抗手段だったブレイブカウンターにも調整が施されている。まず発動条件がレイジングストライクと同じくBP消費のみに変更。そしてレイジングストライクと同じ入力(中攻撃ボタン+強攻撃ボタン同時押し)で発生するようになっている。
技性能としては,カウンターヒット時にダウンを奪えるようになったことの影響が大きい。また,相手のレイジングストライクに合わせてヒットさせると,専用の挙動・エフェクトが発生するようになった。
●奥義/解放奥義
奥義,解放奥義には,ダメージソースや無敵時間を利用した割り込み手段といった役割に加えて,発動すると自身のBPを1回復させる効果が付与された(※ダメージを与える奥義のみ。ローアインなど一部例外あり)。また,近距離ヒット時に相手のBPを減らす効果もあり(※こちらも一部例外あり),開発としては相手のBPを減らす手段としても奥義/解放奥義を使っていってほしいようだ。
BPが減ることで防御力が下がる効果とのシナジーも注目ポイント。とくに解放奥義近距離ヒット時は,相手のBPを2減らすため,当てた瞬間に防御力ダウンが確定し,そこから大ダメージが入る流れになっている。
●レイジングチェイン
BP消費技に生まれ変わったレイジングストライクだが,その追撃技のレイジングチェインは,今回も奥義ゲージを消費する全キャラ共通のシステムとして残っている。
ただ,初回βテスト時に問題視されていた,“当てた後のゲージ回収率がよすぎる”点にはメスが入っており,レイジングチェイン後しばらくは,奥義ゲージが増加しにくくなるペナルティが課せられるようになった。
●テクニカル入力
初回βテスト時に,(特に海外で)賛否両論を招いたという,“テクニカル入力(コマンド入力)とクイック入力で出した技に性能差がない”という点には,テクニカル入力時にダメージが10%上乗せされる変更が入った。
これは「コマンド入力があるぶん,テクニカル入力で出すアビリティや奥義はクイック入力より物理的に発生が遅くなる」という福原氏&開発陣の判断のもと,実装されたとのこと。そのため通常技からキャンセルで出したアビリティ/奥義には,この10%ダメージアップは適応されない。
今回のバトル調査報告会では,番組出演者6名による,3on3バトルも開催された。福原氏からβテストからの変更を説明された市来さん,なかお氏, debagame選手,SCORE選手,かずのこ選手は,それぞれに用意された完成間近のバージョンの「GBVSR」を2時間ほどプレイ。チーム福原(福原氏,なかお氏,debagame選手),チーム市来(市来さん,かずのこ選手,SCORE選手)にわかれて対戦を行った。
なお,今回行われたバトル調査報告会の模様は,現在もこちらで視聴できる。福原氏による,より詳細な各種システムの変更箇所やその意図,3on3の模様を知りたい人は,こちらもチェックしておこう。
「GBVSR」バトル調査報告会 収録後インタビュー
●市来光弘さん
――今日の収録を終えて「GBVSR」に対して感じた印象を教えてください。
市来さん:
自分は前回のβテストには参加しておらず,前作の「GBVS」は初期バージョンを遊んでいたくらいなんですが,「GBVSR」で追加された新要素や,逆に前作から削られたシステムがあることは聞いていました。
同時に変化したシステムに対してのプレイヤーさんたちの感想も見ていたので,今回の収録でどういった内容に変化しているのか,ブラッシュアップされているのか気にはなっていました。
ただ触った感想として,シンプルにすごく面白そうなゲームになりそうという感覚はありました。初回βテストの印象を払拭する,というと失礼かもしれませんが,奥義ゲージやBPの使い道が読み合いになっていて,煮詰めていくことでより奥深い対戦が楽しめそうです。
自分で触ってみて楽しかったのもあるのですが,上級者が煮詰めていった時の対戦で,奥義ゲージやシステムをどのように使っていくのか,すごく気になります。
――練習時間の2時間で,みっちりトレモをしていましたが,そこで印象に残ったことはありますか。
市来さん:
前作から久しぶりのプレイになったんですけど,操作に関しては違和感なくすんなり入れました。頭の中で思い浮かべていた動きがすべてできたわけではないので,発売後は思考と手が一致してキャラクターを動かせるよう,もっとやりこんでいきたいですね。
今回のバージョンは,ユーザーの意見をうまくくみ取って,調整を施そうとしている意図を感じました。
●なかお氏,debagame選手,かずのこ選手,SCORE選手
――初回βテストからかなり変更点がありましたが,みなさんは実際に触ってみてどう感じましたか。
なかお氏:
まず,前回のアンケート内容をすごく反映してくれていますよね。これが一番の衝撃でした。そのうえで変更点が,変えたうえで個性を伸ばす,尖らせていくっていう方向性だったのもうれしかったですね。
前作はディフェンスが強いゲームでしたが,今の段階ですとオフェンスが強そうなイメージになります。派手なエフェクトも増えていたので,「グラブル」らしい世界観で楽しめるゲームになるんじゃないかなと思ってワクワクしています。
debagame選手:
初回βテストはレイジングストライクが強すぎて,投げに使い道がないなという評価でしたけど,今回はそういった目立った部分だけでなく,いろいろな点に調整が入っていたことに驚きました。
前回はゲージをいかにレイジングストライクに回すかという部分が大事だったんですが,今回はレイジングストライクがゲージ消費からBP消費に変わったことで住み分けがされていて,考える余地がかなり増えていそうです。やりこみがいがあるゲームになりそうだなと感じました。
かずのこ選手:
前作は調整内容が一貫していて,何を言われても我が道を行くというイメージだったんですが,今回の調整は,初回βテストの「もう少し尖らせたほうが面白いんじゃないの?」というプレイヤー側の意見に寄りそう形だったので,イメージはかなり変わりました。
Cygamesさんのやる気も感じるし,プレイヤーのモチベーションも上がりますよね。今後の調整にも期待できますし,発売がかなり楽しみになりました。
SCORE選手:
3人がほとんど言いたいことを言ってくれましたね(笑),我々ユーザーのアンケートを見て,それに応えてくれていることがなによりうれしかったです。ぼくはゲームの爽快感を大事にしてるんですけど,今回のダッシュ攻撃やアルティメットアビリティ周りの使いやすさは,爽快感や面白さにつながる部分だったので,かなり好感触でした。システム面では,ちょっと投げ周りが気になっているんですが,今のところ評価は高いです。
なかお氏:
かなり先走った感想になるんですけど,(発売後の)アップデートでどうなっていくのかなというのも気になります。今回プレイヤーの意見に寄り添ってくれたことは,収録された動画を見てくれれば,多くの格ゲーマーに伝わると思います。
アンケートを書く人ってかなり限られていると思うんですが,これだけ考えてくれていることが伝われば,プレイヤーの心は間違いなくつかめるんじゃないでしょうか。
――新キャラのアニラを操作できる初めての機会にもなりました。触ってみた感触はいかがでしたか。
かずのこ選手:
ハイスタンダードなキャラクターでしたね。飛び道具も対空も持ってるし,羊で突進する必殺技もかなり強い。羊をガンガン押し付けていって,相手が対策を見せてきたら,次の読み合いに移るという流れがかなり好感触でした。
なかお氏:
動物に乗る技は強いっすね,やっぱり。
かずのこ選手:
羊をカウンターで当てると痛いコンボも入ったので,ただのスタンダードキャラじゃなく,尖った面白い要素もあるのが面白かったですね。
なかお氏:
福原さんは十二神将のステージ背景にも注目してほしいと言ってましたね。普段は背景にアニラがいるんですけど,アニラが操作キャラだと背景からいなくなるらしいです。
debagame選手:
アニラとジークフリートは,「GBVSR」におけるハイスタンダード,基準になるキャラとして用意されているようにも感じました。
――先ほどSCORE選手から「投げが気になる」という話がありましたが,投げ周りに関してはいかがでしょうか。
なかお氏:
前作の時点で見てから投げ抜けをできる人はいたので,結局投げを使った時点で攻めが終わってしまうのかなと思いました。初回βテストと比べると強くなっているんですが,上級者が突き詰めていくとどうなっていくだろうという感じです。
かずのこ選手:
ただぼくらもちょっとしか触れていないので,最終的にどういった読み合いになるかはまだまったく見えていません。ですので,次回のβテストでどうなるかが重要だと思っています。
SCORE選手:
投げは発生がかなり速いので,切り返しの手段として使えるようになったかもしれませんね。最速の打撃を持っていないキャラはとくに。
debagame選手:
個人的には見てから投げ抜けできないぐらいにしてほしいんですよね。もう4フレぐらい猶予時間を短くして読み合いの要素にするのもいい気がします。
――次回βテストでは,さらにいろいろな意見がメーカーにも届けられそうです。
debagame選手:
そうですね。言っといてなんですけど,前提としては今回の調整でいい方向に進んでいるとは思います。
かずのこ選手:
繰り返しになりますけど,次のβテストは大事ですよね,鍵になる。
SCORE選手:
絶対評判はよくなると思うんだけどね。
なかお氏:
それは間違いない。今までにないですよ。ここまでプレイヤーの声を聞いてくれた格ゲーは。
debagame選手:
面白くなかったら「面白くない!」ってはっきり伝えてくれって言ってましたからね。
あと体力が多いのも気にはなりましたね。今回は体力が20000あったから,技を当てても体力ゲージが減ってないなと思うことが多かった。前作は体力10000が基準だったので,4000減っていても実質2000くらいの感覚でした。(※今回大会に使用されたバージョンは体力が多く,詳細は後述するが第2回βテストでは体力が下げられる予定とのこと)
SCORE選手:
かなりの変更点があって,疑問に感じるのがそれぐらいしかないのはかなりすごいことですよ。投げ抜け周りも,言ってしまえば上級者にしか関係のない話なので。だからすごい改善だなと感じてます。
●「GBVSR」クリエティブディレクター,福原哲也氏
――今回の開発時点でプレイヤーを呼んで調整内容を見せていくのは,珍しい企画だと思うのですが,実施しようと思った経緯を聞かせてください。
福原氏:
初回βテストの反響がよくなかったというのが一番の理由です。第2回ももちろん実施する予定なんですが,そこで評判がよくならないと,Cygamesとしてゲームを発売できないというのがありました。
初回βテストが不評だったのは,前作から変わったセオリーを説明していなかった部分があったのも影響していると思うんです。その結果,投げが弱い,ダッシュ攻撃やアルティメットアビリティの使い道が分からない,といったネガティブな部分が目立ってしまった。あとは純粋に,変わった部分が面白くはなかったというのがすべての結果だと思っています。
そもそも前作プレイヤーであっても使い方が分かりづらい部分が多々あるというのもゲームとして問題ですし,そこは基本に立ち返って,分かりやすくなるよう進めていきました。セオリーが変わった部分についてもシンプルに不評だったので,前作を踏襲してプレイ感を維持したまま,新要素がプラスされているという作品を目指すことになりました。
――ゲームの方向性自体を大きく変えたわけですね。
そういった経緯もあり,大きく変わった部分が多いので,何も説明がないまま第2回βテストを実施してもいい結果につながらないだろうと。そこで事前に変更点を説明する機会を設けたわけです。
動画を見てゲームのコンセプトを理解していただいて,次回βテストでは,ゲームの楽しい部分を感じてもらえればと思います。
――確かに初回βテスト時には不評な声も聞こえてきましたが,ここまで大きく変えるとは思ってもいませんでした。変化することに躊躇はありませんでしたか。
福原氏:
格闘ゲームを初めて遊ぶ人などからは楽しいという意見もあったのですが,前作の経験者などからはネガティブな意見が多くありました。それはつまり,いま楽しく感じている人でも上達したら同じような意見になってしまうのではないかとも思うんですよ。
既存のプレイヤーや熟練者にとっても「初心者も遊びやすいゲームだけど,上級者にとっても奥深くて楽しい」と思ってもらえるゲームにしたいんです。
――出演者に今回触った感想を聞いたところ,全体としてはかなり好感触でしたが,投げに関しては「結局崩しとして使えるのか?」という点を心配していました。
福原氏:
実は投げに関してはβテストでの反応が真っ二つだったんですよ。強くするべき,このままでいい,で五分五分くらいだったのでとても悩みました。
レイジングストライクは弱くする必要があったので,そうなると崩しとして投げが必要となる。ただ,投げを強くすると,投げ抜けのスキルが必須となってしまい,投げ抜けできないと攻めがループしてしまう。そこで,ある程度投げ抜けを簡易化しつつ,抜けられた側は有利状況で攻めを展開できる,今回の内容に落ち着きました。
――遅投げ抜け後の状況は,攻め手側が有利に立ち回るようには感じました。
福原氏:
そうですね。攻め手側が有利な読み合いを展開できるようにはしています。
――遅投げ抜け後の状況は全キャラ共通なんでしょうか。
福原氏:
今回のバージョンではそうですね。マイナス6フレームになってます。キャラによっては,最速ダッシュ弱攻撃でそこから攻め込まれるのですが,最速入力自体がかなりシビアにはなっています。強力な反面,失敗するリスクもあるので,テクニックとして許容してもいいのかなとは思っています。
――アルティメットアビリティについても聞かせてください。キャンセルで出せるようになるなど,かなり使い勝手が向上していますが,本作では奥義ゲージをアルティメットアビリティに回していく,というデザインなのでしょうか。
福原氏:
奥義ゲージの使い道は,プレイヤーそれぞれである程度変わってくるとは思います。「GBVSR」は前作と比べるとゲージが溜まりやすいので,アルティメットアビリティで小出しに使っていくか,100%溜めて奥義を使うか,状況でも変化すると思います。とくに奥義と解放奥義は近距離で当てることで相手のBPを減らせるので(※前述の通り,一部例外あり),その後の状況有利を生み出せます。ダメージも高いですし,メリットはかなり大きいと思っています。
――今回,テクニカル入力に10%のダメージアップというわずかなメリットが生まれました。これはどういった理由からなのでしょうか。
福原氏:
一言で説明するのが難しくはありますが,まず根本に「入力によって性能差を付けたくない」という考えがあって,そこは変わっていません。「GBVSR」ではそこにチャレンジしたいと思い,7月に意図を伝える長文を公式からも出しました。
ただ,国内からは悪くない反応が帰ってきたんですが,海外からはそうでもなくて……。これは文化が違うんだと思いますし,βテスト直後にEVOに行ったときに尚更それを感じました。海外のプレイヤーはアーケードスティックにある種のステイタスを持っていて,コマンド入力をうまくできるようになるためのモチベーションがすごく高いんです。
ライトユーザーでも「簡易入力は絶対に使わない」という方もいて,格闘ゲーム=コマンド入力でキャラクターを動かすのが楽しい,そしてその楽しさをほかの人にも伝えたいという熱がすごいんです。そういった方たちのことを考えると,コマンド入力に対するモチベーションを失わせてしまうのはよくないことなのでは? とも思ってはいました。
――確かに。海外のプレイヤーからの反響が大きかったようには感じます。
福原氏:
これは報告会でも話しましたが,とくにクイック入力の超反応で無敵技を出されるのが納得できないという意見が多くありました。コマンド入力で無敵技を出そうとすると,物理的に時間が掛かるのに,クイックの場合はより速く確実に出せてしまいますから。
この意見を考えてみると,必殺技自体の性能差はないものの,実質的にテクニカル入力のほうが発生が遅くなっていますよね。これは逆にクイック入力による必殺技が高性能になってしまっていることにつながってしまっています。そこで納得感を与えるために,テクニカル入力時にご褒美としてダメージ増加という,ある種シンプルな落としどころとなりました。
ただ,これはあくまでもニュートラル状態の話で,コンボ中は必殺技を先行入力できるので,発生差は関係ないのでご褒美のダメージ増加はありません。立ち回りで反応で対空した時に「Good!」と表示されていたら盛り上がると思います。
――そのほかに大きく変更しようと考えた部分があれば聞かせてください。
福原氏:
ブレイブカウンター自体を無くすという話も一時ありました。ただ,BPの減少で被ダメージが増えるようになったので,切り返しの手段は必要だろうということで残りました。
――BP周りの調整が一番難しいようにも感じます。今のバージョンですと,レイジングストライクを1回使うとBPが1減って,次に解放奥義を当てられると大ダメージを受けてしまう。そうなると,レイジングストライクを使うことに大きなリスクが伴うようにも思うのですが。
福原氏:
極論ですが,レイジングストライクがまったく使われなくてもいいとは考えています。BPをやりとりしなくても試合は十分に動くようになっていると思うので。ただし,当てることでのメリットも大きいですよね。相手のBPがフルの状態だと防御力の高い相手をそのまま倒しきる必要が出てきますし。
――ダッシュ攻撃はより使いやすく,またボタンにより役割が明確に与えられました。
福原氏:
スピード感があって手触りとしていい感じになりました。ダッシュ攻撃が攻めの起点になって,そこからコンボやアルティメットアビリティを叩き込んでいくのがセオリーになるのかなと予想しています。
――今日の対戦を見て想定通りだったこと,逆に予想外だったことはありますか。
福原氏:
両者のガードが固い試合が長引くことは想定していました。今回使用したバージョンは体力が20000あるんですが,実は次のβテストでは16000にする予定になっています。実質的に動画のダメージが大体1.2倍くらいになる程度と捉えていただければ大丈夫です。
これは開発チームの検証でも分かっていたことなんですが,今回のイベントではまだ反映できていませんでした。ひとまず次のβテストを16000で試して,そのフィードバックを見て,最終的な体力調整をする予定となっています。
――11月上旬に行われるβテストのフィードバックは,どの程度製品版に盛り込まれるのでしょうか。
福原氏:
時間の関係で今回ほどの大きな変更はできないとは思いますが,ひとまずはβテストのフィードバックを見て,内容によって優先度を付けて検討していくことになるかと思います。
――最後に次回βテストに期待しているプレイヤーや読者にメッセージをお願いします。
福原氏:
ダイレクトに伝えるのであれば,初回βテストで面白くない……と感じた人にこそあらためて遊んでいただきたいと考えています。もし可能であれば,調整内容の動画を見ていただいて,それからいろいろ触って体験していただけるとうれしいです。
また,前回は待ち受け時間中のみトレーニングモードが遊べましたが,次のβテストではトレーニングモードのみでも遊べるので,前回のように何も分からない状態でいきなり対戦とはならないので安心してください。
今回のβテストは誰でも遊べますし,「ぐらぶるレジェンドばとるっ!(ぐらばとっ!)」も3ルールで遊べるようになっています。格闘ゲームは苦手でも「グラブル」のキャラを動かしたいという人はそれだけ遊んでいただいて,興味が湧いたのであれば格闘ゲーム部分にも触れてみてください。
――本日はありがとうございました。
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