プレイレポート
[G-STAR 2022]画面いっぱいに飛び交うダメージ表記。道士×妖怪×童話のアクションRPG「DOSA」を試遊
本作は,韓国で2024年上半期に配信が予定されているアクションRPGで,韓国の伝統文化と童話に基づいた“朝鮮フュージョンファンタジー”をテーマに,国の英雄「道士」の活躍を描いていく作品だ。
とりあえず,美男美女成分もたっぷりだ。
物語の主役は道士たちで,クールなイケメン「カン・スホウ」,おさげ少女「ユ・ヘナ」,武闘派お姉さん「チャン・サン」の3人だ。
朝鮮フュージョンファンタジーというアピールポイントの詳細は聞けなかったが,韓国の人に「これ元ネタ分かります?」と聞くと,「ええ知ってます」「こっちは?」「それも分かります」と,日本人にはなじみが薄くても,日本の桃太郎や金太郎のように,韓国生まれの人には小さな頃から親しみがあるモチーフがたくさんあるらしい。
ゲームは一般的なクエスト進行で,バトルステージはクォータービュー(見下ろし型の視点)が採用されており,キャラクターはフィールド全体,360度方向への移動や攻撃が可能である。
主な操作は,バーチャルパッドで移動,バーチャルボタンで通常攻撃,スキル,回避行動,チーム編成したメンバーとの切り替えという,今回のG-STAR出展タイトルでもよく見たオーソドックスな構造だ。
キャラクターごとにアクションの性能はもとより,キャンセルルートが異なっていたり,特定行動でスキルクールタイムを減少させられたりするらしく,要は“スキル回し”を組み立てて戦うゲームだという。
また,各キャラクターは装備枠に「妖怪」を身に着け,バトル中に妖怪ごとのスキルを使用することができる。
チュートリアル相当のプレイでは際立った特徴を確認できなかったが,装備品依存のスキルということで,例えば「近距離苦手なキャラにシールド付与」だったり,「近接オンリーなキャラに遠隔攻撃の手段を」だったりと,共用できる一般スキルとして活用されそうだ。
当の戦闘に関しては,挙動の軽快さも気持ちよく,またとにかくダメージ表記が派手だ。韓国らしい例を挙げるなら「アラド戦記」のようであり,たくさんの敵妖怪が重なっているところに攻撃を当てると,細かく確認する気も起きなくなるほどのダメージ値がバシバシ飛び交う。
その反面,攻撃ヒット時の手応えや反動,被撃した敵のリアクションが控えめなため,乱れ飛ぶダメージ表記とは裏腹に,体感的な爽快さが高まりきらなかった。2024年配信予定とあり,今回の出展はあくまでプロト版と称すべき段階だろうが,パッと触っただけでも操作面の良さが伝わってくるだけに,演出面の改良はぜひとも期待したいところ。
ボス戦は,これまたがっつり操作力が求められる。ボスは攻撃前に赤いマーカーで予兆範囲を表示させるが,それらの攻撃は一定間隔の大技などではなく,(試遊版ボスだけかもしれないが)すべてが通常攻撃相当,かつ広範囲へのアタックだった。これは回避行動で容易に避けられるものの,ボス戦中は割と心地よい緊張感が持続する。
もちろん,インパクト重視の出展内容として今回だけ派手めに調整したのかもしれないし,正式サービス時はアクションが苦手な人を振り落とさないように緩和させる可能性もあるが,この点は「このまま」のほうが,刺さる人にグッと刺さる気がしてしまった。
試遊版ではさらに「ハードモード」も遊ぶことができた。
こちらは名称通りの高難度コンテンツで,強化されたストーリーボスなどと戦うものだ。また4人マルチプレイにも対応しているという。
つまり本作が目指しているのは,「ストーリーは1人で,エンドコンテンツはみんなで」といったゲームデザインのようだ。
正直なところ,こういった自国・自地域に即し(すぎ)た題材のゲームが,はるばる海を越えてやってくるのは想像しづらい。
ただ,アクションゲームとしての設計は光るものがあり,あとはこの1年でどれだけ中身を充実させられるか次第ではある。文化の伝道者というのは,いつどこからやってくるのか分からないものなのだ。
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