MIXIは日本時間の2022年10月19日12:00から10月24日15:59にかけて,新作PCゲーム「
Asym Altered Axis」の
αテストを北米サーバーにて実施する。本作は,防衛側のプレイヤー1名と,最大5名の潜入側のチームが腕を競う,
非対称型の対戦ゲーム。最大の特徴は,防衛側が自身の作成したステージを見下ろすRTSを,潜入側が同じステージで三人称視点のステルスアクションをそれぞれプレイするという,クロスジャンルのゲームになっている点だ。今回,開発中の本作をプレイする機会を得たので,
インプレッションを交えてその概要を紹介する。
侵入者を見つけ出し倒すRTS vs. 目標を奪取し脱出するステルスアクション
本作のゲームプレイの軸となるのは,マップ上に配置された
「Nexus」と呼ばれる資源をめぐる攻防だ。防衛側である
「Protector」は,あらかじめ建物やトラップを配置してステージを作成。プレイ中はステージを上空から見下ろす“神の視点”から,潜入してきた
「Infiltrator」をサーチライトを使って見つけ出したり,アイテムやガード(NPC)を召喚して彼らの行動を妨害したり,直接攻撃したりしながら,Nexusを死守することになる。プレイ中,InfiltratorがNexusを奪取するまでが「潜入フェーズ」,奪取後は「脱出フェーズ」となるが,Protectorのやることは基本的に変わらない。
Protectorの画面。地上を見下ろす神の手となり,サーチライトを使ってInfiltratorを見つけ出す
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一方Infiltratorは,潜入フェーズにおいてはProtectorが配置したトラップをかいくぐり,ガードに見つからないよう物陰に潜み,Nexusの奪取を目指す。Infiltratorはダッシュする,ジャンプするといった速く大きい行動を取ると身体の各所が光り,そのトレイル(軌跡)がしばらく残るため,闇雲に動き回っているとProtectorやガードに見つかりやすくなるというリスクを負う。
Infiltratorのプレイ感は,オーソドックスな三人称視点のステルスアクションゲームとほぼ同じ
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ダッシュなどの速く大きい行動を取ると,トレイルが残り見つかりやすくなる
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InfiltratorがProtectorのサーチライトに照らし出されると,アラートレベルが上がって周囲が少し明るくなり,Infiltratorの名前なども分かるようになっていく。さらにアラートレベル3では罠が一斉に発動,レベル4ではミニマップにInfiltratorの位置が表示されるなど,レベルが上がると段階的にProtectorが有利な状況に変化していく。
なお,Infiltratorは各自が3つのライフを持ち,攻撃を受けるなどして体力がゼロになると1つずつ減っていく。ライフがゼロになると,ゲームに復帰することができなくなる。
Infiltratorが発見されて,アラートレベルが上がった状態
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InfiltratorがNexusの奪取に成功し,脱出フェーズに移行すると同時にアラートレベルが強制的にMaxのレベル5になり,制限時間が表示される。Infiltratorは,この制限時間内にステージ上のポータルから脱出しなければならないが,Protectorからはほぼ丸見えなので,執拗な攻撃を受けることになる。ただ,Protectorを直接攻撃する手段もあり,成功すれば一定時間行動不能に陥らせる。Infiltrator同士が協力して,味方が脱出するまでの時間を稼ぐことも可能だ。
アラートレベル5のProtectorの画面。Infiltratorがほぼ丸見えなので,設置したトラップと直接攻撃で追い詰めていく
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ステージにはNexusが2本設置してあり,Infiltratorが1本でも奪取に成功すれば脱出フェーズに移行する。派手に逃げ回るInfiltratorの脱出を阻止しようと,Protectorが躍起になっている裏をかいて,もう1人のInfiltratorが2本めを奪取してもいい。
2本あるNexusをどのように奪取するかが,Infiltrator側の戦術の軸となる
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本作の対戦には明確な勝利と敗北はなく,プレイヤーごとの結果に応じた評価が与えられる。たとえばInfiltratorがNexusを1本奪取して,5名中3名が脱出に成功したとする。この場合,Protectorは脱出阻止報酬を逃すが,Infiltrator2名を倒しきった,もしくは脱出を阻止した分の報酬は獲得できる。またInfiltratorは,ステージ上に点在する資源「Cell」の獲得量も報酬の対象となる,といった具合だ。
画面左側の光っているキューブがCell
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操作はキーボード&マウス,またはゲームパッドに対応している。筆者はゲームパッドを使ったのだが,Infiltratorの場合,デフォルトのキーアサインは昨今のオーソドックスなアクションゲームとほぼ同じものを採用している。
また,Infiltratorは銃器を使ってガードやProtectorを攻撃するシーンもあるが,基本的にはステルス主体のアクションなので,エイミングがそれほどうまくなくとも大きな問題にはならない。
潜入と脱出では異なる緊張感を味わえるInfiltrator,対するは“神”になれるProtector
潜入フェーズ時のInfiltratorは,トレイルができるだけ目立たないよう,草むらでしゃがんだり,建物の影に隠れたりしながらNexusを目指して進むことになる。その過程にはガードの背後を走り抜けてスライディングで物陰に滑り込んだり,ジャンプで段差を乗り越えたりといったリスクのある行動を取らなければならないケースもあり,なかなかにスリリングだ。
フィールドには多数のガードが配置されている
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ガードに見つかる前に先制攻撃を仕掛けることもできる
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慎重に行動しているつもりなのにもかかわらず,仕掛けてあるトラップに引っかかって空中に打ち上げられたり,Protectorに見つかってアラートレベルが上がったりする。そのときの“してやられた”感は強く,かなり悔しい。
トラップに引っかかった! 上空にProtectorの姿が見えるので,見つかった可能性が高い
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そしてNexusを奪取し,脱出フェーズに入るとゲームは一変。画面内はそれまでと違って明るくなり,Protectorとガードが追いかけてくるので,Infiltratorは慎重な行動どころか,ポータルを目指して全速力で走り抜けることになる。必然的にトレイルは表示されっぱなしになり,視覚的なスピード感も高まっていく。
脱出フェーズのInfiltratorの画面はとにかく派手で,潜入フェーズとは違った緊張感がある
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ロケットランチャーでProtectorに反撃。当たれば一定時間ダウンを取れる
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勝負のクラマックスは脱出を巡るポータルでの攻防になる。ポータルはステージ上に5つあり,Infiltratorはいずれかのポータルを開き,脱出しなければならない。上空にはもちろんProtectorが待ち構えており,容易には脱出できない。仲間と連携し,Protectorの気をそらしつつ脱出を目指すのが成功の近道だ。
Protectorとの駆け引きの末,ポータルを開き……
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脱出ゲージが満タンになれば脱出に成功となる
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一方のProtectorの場合,最初は何をすればいいのか分からないという,非対称対戦ゲームのいわゆる“キラー”を初めてプレイするときにありがちな状況に陥った。潜入フェーズは見下ろしているステージ全体が暗く,アテンドしてくれたスタッフから「そこの光ってるとこ,敵がいますよ」とアドバイスをもらっても,認識が追いつかない始末である。
プレイ序盤は画面全体が暗く,Infiltratorのトレイルを見落としがち
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しかし,ステージ上に配置されたガードが優秀で,Infiltratorを倒した旨のメッセージが次々に表示されていく。なるほど,今回のプレイではあらかじめ用意されたものを使ったが,Protectorの駆け引きはステージ作成の段階から始まっているのだなと得心した次第だ。
ステージ作成画面。Protectorでプレイしたい場合は,あらかじめステージを作成しておく
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ガードは対戦中にも召喚できる
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アラートレベルが上がって画面が多少明るくなると,Infiltratorの位置もけっこう把握しやすくなる。そうなると上空から魔法を使って攻撃したり,直接手で叩き潰したりとやりたい放題……と言うほどにはうまく操作できなかったが,それでも眼下に小さく見えるInfiltratorを追い詰めていくのは,逃げ惑う害虫を退治しているようでなかなかに楽しい。それだけに,Infiltratorの反撃を受けてダウンさせられたときには,「地を這う矮小な存在ごときが……」といった怒りを含む悔しさを感じることになる。
ファイアボールを放ったり
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Ultimateのメテオフォールを使ったり
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ポータルを氷の壁で覆ったりと,まさにやりたい放題
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それだけに,Infiltratorの反撃を受けると非常に悔しい
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1プレイの時間は約10分。上記のとおり,Infiltrator側はオーソドックスかつステルス要素のあるアクションゲームに慣れていれば,比較的スムーズにプレイできるはず。またProtector側も,スクリーンショットや動画で受ける印象よりかなり直感的に操作できる。
またゲームサイクルの設計上,InfiltratorとProtectorの双方をプレイする必要はないので,苦手なジャンルをわざわざプレイしなくても大丈夫だ。
Infiltratorには3種類のUltimateがあり,プレイ前に1つだけ選べる。アルマジロは高速移動,ネコは高いジャンプ力とトラップの察知,サイは高い攻撃力と壁破壊といったようにそれぞれ能力が異なる
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今回の
αテストは主に北米のテスターを対象としているが,日本からも参加可能だ。ただし使用言語は英語のみ。また北米に設置したサーバーを使用するため,プレイ中に遅延が発生したり,時間帯や参加人数によってはマッチングに時間を要したりする可能性があるとのこと。本作に興味を持った人は,
Steamページから,ぜひチェックしてみてほしい。