プレイレポート
[TGS2022]「Wanted: Dead」プレイレポート。サイバーパンクな香港で,刀と銃を組み合わせてバイオレンスに戦う
「Wanted: Dead」公式サイト
本作は110 Industriesが2023年2月14日に発売予定のアクションゲームで,対応機種はPC,PlayStation 5, Xbox Series X|S。サイバーパンクな近未来の香港を舞台に,特殊部隊「Zombie Unit」に所属する主人公のハンナが,傭兵やギャングといった敵と戦う。
大きな特徴は,TPSと剣戟アクションをミックスしたゲームシステム。ハンナは刀と銃を装備しており,刀を使ったコンボやパリィ,銃による遠距離攻撃やカバーといった要素を組み合わせて戦っていくのだ。
刀で攻撃するには相手に接近しなければならないが,敵は銃を装備しているので,うかつに近づくとハチの巣にされてしまう。とは言え,こちらの銃の弾数には限りがあり,遮蔽物に隠れていると回り込んできたり,グレネードを放り込んできたりと対策してくる。そこで,まずはカバーからの銃撃で牽制し,敵が近づいてきたところに突っ込んで刀によるコンボでトドメを刺す……というように,両者をうまく組み合わせて戦うのが勝利のカギだ。
ここで重要なのが,独特の回復システム。敵から攻撃を受けた際,ダメージの何割かが回復可能な特殊ゲージとなって残り,刀で敵に斬りつけるとその分だけ体力が回復していくのだ。とは言え,回復できるのはあくまで特殊ゲージの範囲内で,それ以上には回復できないのがミソ。ダメージを受けると体力の上限が下がるので,刀で斬りまくって体力を最大まで回復するというわけにもいかない。
状況に応じて適切な攻撃手段を選び,時には敵の近接攻撃をギリギリで払いのけるパリィや回避,敵が銃を撃とうとする瞬間を狙って発砲する射撃カウンターといった,特殊な防御手段を駆使して,クレバーに立ち回ることが求められる。
鮮烈なバイオレンス描写も目を引く要素だ。刀で斬りつけると血しぶきが舞い,部位が欠損する。片腕を失った敵が残った手で攻撃してくることもあり,まさに死闘。本作の開発を担当するのは,「DEAD OR ALIVE」や「NINJA GAIDEN」シリーズの開発に携わった岡本好古氏が設立したSOLEIL。部位欠損した敵がそれでも戦う様は「NINJA GAIDEN」を思わせるものがある。
敵が強いのでやりがいがあり,さまざまなシステムを駆使して立ち向かうのが楽しい。ハードコアなアクションゲームが好きな人は要注目のタイトルと言えるだろう。
会場では,SOLEILの代表取締役会長である岡本好古氏に話を聞くことができたので,その様子をお伝えして本稿の締めくくりとしたい。
4Gamer:
よろしくお願いします。まずはゲームの見どころについて教えてください。
岡本好古氏(以下,岡本氏):
このゲームは刀と銃をミックスし,距離や敵の人数に応じて攻撃手段を選択して遊べるようになっています。海外の方からは「ハックアンドスラッシュ(海外では戦闘体験に注力したデザインのゲームがハックアンドスラッシュと呼ばれる)なのか? それともTPSなのか?」と聞かれることが多いんですが,そうした固定概念や先入観に捕らわれず,新しいアクションゲームとして味わってほしいですね。
4Gamer:
刀で攻撃すると回復できるシステムによって,刀と銃がうまく組み合わさっていると感じました。また,敵が強くてやりごたえがあるバランスになっているのも印象的です。
岡本氏:
僕らは単に難しいだけでなく,中毒性のあるゲームを作りたいんです。そのためには,山あり谷ありの緩急のバランスが大事だと思っています。難しい谷に突き落とすにしても,プレイヤーさんに「自分のプレイが悪かったんだ」と思ってもらえないと,再挑戦してもらえません。だから,プレイヤーさんが「ゲームのせいで負けたんだ」と感じてしまうような要素は全部排除し,さまざまな選択肢を用意したゲームにしているんです。
4Gamer:
操作性が悪かったり,難度が理不尽だったりすると「ゲームのせいで負けた」と思いがちですが,そうした部分が取り除かれているからこそ,リトライへのモチベーションもアップすると。
岡本氏:
そうですね。瀕死の状態になると補正を掛けてちょっと死ににくくし,「危険な状態から状況を打破した俺って,カッコイイよね」とカタルシスを味わいやすくしていたりもします。
4Gamer:
細かな職人芸の積み重ねでもあるということですね。部位欠損や血しぶきといったバイオレンス描写もインパクトがありました。
岡本氏:
バイオレンス自体をやりたいわけではないのですが,ボタンを押したときに得られる快感は大きいほうがいいですし,そう考えるとリアクションは派手であるべきです。ファンタジー系のゲームならエフェクトの派手さになるでしょうけれど,「Wanted: Dead」の世界観における派手さとは腕や首が飛ぶブラッディなものであり,1つのボタンを押したときのアウトプットを最大化したいということでバイオレンスを取り入れたんです。
4Gamer:
バイオレンス描写は目的ではなく,手段であるというわけですね。現在の開発状況について教えてください。
岡本氏:
開発は最後の段階で,TGSでのお客様の反応を見て,ゲームを磨き込んでいます。登場する仲間達は一緒に戦ってくれるだけでなく,「レザボア・ドッグス」ではないですが移動中にも掛け合いをしてくれ,内面や人となりが分かるようになっています。キャラクター性も大事にしているので,そうした部分にも注目してください。
4Gamer:
では,最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
岡本氏:
新しい感覚を持つ,きちんとしたアクションゲームを作りましたので,ぜひプレイしてみてください。
4Gamer:
ありがとうございました。
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