東京ゲームショウ2022のKOREA PAVILION(複数の韓国のデベロッパ/パブリッシャが出展しているブース)にて試遊した,
「LAPIN」という名のPCゲームを紹介しよう。開発スタジオはStudio Doodalだ。
“勇敢なウサギ探検隊の冒険を描いた2Dプラットフォームゲーム”と紹介されている本作の物語は,とある公園で始まる。その地面の下には,人間に捨てられたウサギの巣「アルファ」があり,5羽のウサギが生活していた。ところが,人間たちが公園の工事を始めたことでこの土地に住めなくなり,彼らはこの地を離れ,新しく済む場所を探さなければならなくなってしまう。
デモ版は,5羽のウサギの旅立ちの日から始まった。プレイヤーは主人公の白ウサギ
「リーベ」を操作し,ウサギたちの
“小さな大冒険”の物語を追うことになる。
まず目を引くのはグラフィックスのスタイルだろう。絵画的なビジュアルの背景に,どこか懐かしいセル画のアニメのようなキャラクターが動き回る,なんとも印象的なものだ。ウサギたちは人間のように表情豊かだが,そのしぐさは
“ウサギらしさ”があるかわいさで,とても丁寧に表現されている。
ゲームは主にジャンプで障害物をクリアしていくという,2Dプラットフォームアクションとしてはシンプルな内容だ。壁に飛びつき,その反対側に大きくジャンプしたり,踏むとピョンピョン跳ねる花を使ってトラップを飛び越えたりしてステージを進んでいく。
操作はシンプルだが,これがなかなかやり応えがあり,少しでもジャンプの加減やタイミング,着地点の予測を間違えるとミスになるようなシビアさがある。ウサギならでは(?)のスピード感やテンポ,リスタートの早さによって,失敗しても「いまのは惜しかった。もう一度!」とトライできるのもいい。
個性豊かな5羽のウサギたちの会話からは,彼らの関係性やこれまでの生活が垣間見られ,巣を出た外の世界には,彼らより先に旅に出て多くの形跡を残している「ホルヘ探検隊」の存在など,
さまざまな謎がある。ステージの途中で仲間と会話したり,ホルヘ探検隊が残したものにインタラクトしたりすることで,少しずつ,プレイヤーの想像の余地を残しながらゲームの世界や背景にあるものが見えてくるのも面白い。
なにより,主人公たちが捨てられたペットで,その動物たちが
人間の都合で住処を追われるという物語の始まりにも考えさせられるものがある。あくまで本作は公園に捨てられたウサギたちの話だが,そこにはもっと大きなテーマがあるように感じられるのだ。
Steamのページによると,LAPINは2022年11月のリリース予定とのこと。デモ版を配信しているので,気になった人はさっそくダウンロードしてみるといいだろう。