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Wo Long: Fallen Dynasty公式サイトへ
  • コーエーテクモゲームス
  • Team NINJA
  • 発売日:2024/02/07
  • 価格:8580円(税込)
    ■Digital Deluxe Edition:1万1880円(税込)
    ダウンロード版Complete Edition:7480円(税込)
    ※2024年2月7日発売
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「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開
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印刷2022/06/15 02:00

インタビュー

「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開

 コーエーテクモゲームスは,新作のダーク三國アクションRPG「Wo Long: Fallen Dynasty(ウォーロン フォールン ダイナスティ)」PC/PS5/Xbox Series X/PS4/Xbox One)を発表した。“戦国死にゲー”とされていた「仁王」シリーズとは別のタイトルとして,本作では三国志の世界が舞台となり,後漢末期・乱世の中国で戦っていくことになるという。
 本作を手がけるのは,仁王から引き続きTeam NINJAで,プロデューサーも同様に安田文彦氏が務める。また,かつてソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下,SIE)で「Bloodborne」に携わった山際眞晃氏も,プロデューサーとして参加している。今回は,お二人に本作がどのようなタイトルになるかを聞いた。

画像集#001のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開

4Gamer:
 本日はよろしくお願いします。先日発表されたばかりのWo Long:Fallen Dynastyについて,まずは概要を改めて教えてください。

安田文彦氏
画像集#004のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開
安田文彦氏(以下,安田氏):
 Team NINJAはこれまでも日本をテーマとした死にゲーの仁王シリーズを作ってきましたが,今回は端的に言えば,三国志を舞台にした死にゲーとなります。

4Gamer:
 山際さんが本作に合流されたきっかけはどういったものでしょうか。

山際眞晃氏(以下,山際氏):
 SIEでは,Bloodborneなどでグローバル規模のタイトルプロデュースを経験させてもらったので,これまでの経験を活かして次の挑戦をしたいと考えていました。そんなとき,Team NINJAが仁王シリーズでグローバルに評価されていて,今後さらにワンステップ上へ登ることを目指しているように感じられたので,私もその一員として一緒にチャレンジしたくて,安田に相談したのがきっかけですね。

4Gamer:
 安田さんと山際さんは,本作でそれぞれどういった役割を担われるのでしょう?

安田氏:
 私はTeam NINJA全体を見る,開発全体の責任者です。山際には,いつも私が苦労しているプロモーション,「ゲーム内容をどう伝えるか」を軸足に関わってもらっています。

4Gamer:
 具体的に,どういうところで苦労されているのでしょう?

安田氏:
 実際に触っていただければ面白さを分かっていただける自信はあるんですけど,「Team NINJAのゲームじゃ,どうせ難しいんでしょう?」みたいな目で見られたりするんですよ(笑)。

4Gamer:
 なるほど。Team NINJA作品は,手応えも含めてブランドになっていますからね。

山際氏:
 Team NINJAに入って感じたことは,妥協しないで作り込む意識が若いメンバーにまで浸透していることです。良い意味でブレーキが壊れているというか(笑)。そうしたチームのこだわりがお客様に一番伝わるかたちになるように,客観的な視点をゲームに持ち込むことを意識しています。

画像集#010のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開


ジャンプや新システムの導入で,激しいバトル展開に


4Gamer:
 Team NINJAで新作アクションRPGと言うなら,「仁王3」という選択肢もあったと思うのですが,三国志が舞台となった理由はどういったものでしょうか。

安田氏:
 確かに,仁王3も候補に挙がっていました。ただ,戦国をテーマにするとなると,既に関ヶ原や桶狭間,信長に秀吉といった面白い部分は描いてしまっています。それなら,歴史物を得意としている当社ですから,三国志をテーマにしてみよう。ただ,戦国でないなら,仁王シリーズではなく新作で,といった経緯です。

4Gamer:
 三国志というと,軍勢と軍勢の戦いや,一騎で多数の敵を倒す豪傑たち,個性的な武将たちの交流など,集団の物語であるという印象があるので,本作ではどのように描いていくのかが気になります。

安田氏:
 当社がシミュレーションや無双系アクションを作っているので,そうしたイメージがあるのかもしれませんね。三国志の時代は世が乱れ混沌とした状況ですから,死にゲーには良い題材だと思います。もちろん,魅力的な武将たちと一緒に戦ったり,対峙したりといったドラマも描かれます。

4Gamer:
 武将達の活躍は楽しみですね。死にゲーと言えば強敵ですが,三国志の猛将に殺されるのであれば,納得感がありますし。ティザームービーでも呂布っぽいキャラクターが登場していましたが,もし呂布がボスとして出てきたら「あ,俺死ぬわ」って思いますよ。

安田氏:
 そうですね,やられても納得していただけると思います。三国志を知らない方が見ても明らかにヤバそうなキャラクターですし,詳しい方ならなおさらでしょう。個性的な武将も多いですから,本作を通じて三国志の武将達を好きになっていただけると嬉しいですね。トラウマになっちゃうかもしれないですけれど(笑)。

画像集#008のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開

4Gamer:
 今回取り上げるのは,三国志のどの辺りなのでしょう?

安田氏:
 「黄巾の乱」から始まる,三国志の序盤といったところでしょうか。タイトルのWo Long(=臥龍)は,雄飛しているのではなく伏した龍であり,これは名を知られていない主人公の境遇にも通じているところがあります。三国志はきらびやかな武将たちが登場するイメージがありますが,彼らも世に出る前は「臥龍」でした。そうした部分も描いていきたいという願いがタイトルに込められています。
 また,序盤からスタートすることで,三国志をご存じない方にもどういった話なのかが伝わりやすいんじゃないかとも考えています。

4Gamer:
 時期が分かると,どんな武将が登場するのかなんとなく予想できますね。

安田氏:
 「この武将を出してほしい!」というご希望があれば,早めにご意見をいただけると助かります(笑)。
 武将のデザインに関しては,本作のダークで荒廃した世界観に合わせていますが,奇をてらうあまり「この武将,誰!?」となってしまわないよう気を付けています。

4Gamer:
 本作でプレイヤーが操作する主人公は,どういった存在なのでしょう? 勢力を自分で選んで仕官することはできるのでしょうか。

安田氏:
 三国志の時代に生きた,歴史の表舞台には出てこない名も無き義勇兵ですね。特定の勢力や国に属しておらず,仕官先を選ぶということもありません。

4Gamer:
 今回も仁王シリーズのように,キャラクタークリエイトは存在するのでしょうか。

安田氏:
 はい。性別も含め,容姿を自由に作ることができます。

4Gamer:
 仁王シリーズでは,戦国時代の歴史をベースに,妖怪が跳梁跋扈するファンタジー要素も導入されています。本作でこの点はどうなるのでしょう?

安田氏:
 中国には魅力的な伝承や妖怪・妖魔が存在していますので,本作でも採り入れています。日本の妖怪も,もとは中国の伝承がベースになっていると思しきものも多いです。
 ボスも,武将だけでなく妖魔も出てきますし,人間と妖魔のハイブリッド的なものも登場します。

画像集#002のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開

4Gamer:
 本作は仁王と同様のステージ制なのでしょうか。それとも,オープンワールド要素が導入されていたりしますか?

安田氏:
 オープンワールドではありません。死にゲーとしてのバトルの密度や,ゲーム全体において緊張感を保ちつつ世界に没入してもらうことを考えると,オープンワールドではゲームデザインが難しいということもあり,仁王同様のステージ制としています。

4Gamer:
 アクション面では仁王シリーズからどのように変化していますか?

安田氏:
 大きな変化は,ジャンプが導入されたこと。それと,スタミナや構えの概念がなくなったことです。これまでよりアクションの自由度が上がり,ステージ内も立体的に探索できるようになっています。

4Gamer:
 ジャンプがあり,スタミナがないとなると,アクションはより激しくなるのでしょうか。

安田氏:
 そうですね。我々が想像するような中国武術やカンフーの戦い方に,敵の攻撃を躱したり捌いたりしつつ攻撃を繰り出す,攻防が一体となったアクションがあると思うのですが,本作では一瞬で攻守が切り替わるような,中国のアクションらしいバトルシステムが導入されています。

4Gamer:
 新しいバトルは楽しみですね。本作では,難度設定は用意されているのでしょうか。

安田氏:
 ありません。単一の難度で同じゲーム体験をし,達成感を感じていただくのが大事だと考えています。一方で,敵を倒したりステージを探索したりして優れた装備を集める要素や,ほかのプレイヤーと協力できるオンライン要素はありますから,反射神経やアクションゲーマーとしての腕前がないとクリアできない,というわけではありません。

4Gamer:
 収集要素やオンライン要素が攻略の助けになるあたりは,仁王シリーズと同じ方向性ですね。

安田氏:
 そうですね。ただし,仁王ほどハックアンドスラッシュの側面が強い訳ではなく,敵を倒したときに大量のドロップアイテムが飛び散るわけではありません。装備品集めよりは,アクション面に重点を置いた仕組みになったとお考えください。

4Gamer:
 「仁王2」では,武器の種類がかなり増えましたが,本作ではどういったものが使えるのでしょうか。

山際氏:
 大刀や双剣など,皆さんが中国武術と聞いて連想されるような武器は出てきますね。

安田氏:
 具体的な種類や数についてはまだお話しできませんが,仁王シリーズと同レベルのボリュームと考えていただいて結構です。また「この武将ならアレを持ってるよね」というような,有名武将に関連する武器や装備も出てきます。それをどこまで主人公が使えるかについては,今後の情報にご期待ください。

4Gamer:
 いろいろな武器が出てくるとなると,モーションが気になりますね。仁王では「残心」というシステムで静と動のリズムが表現されていましたが。

安田氏:
 モーションは中国武術らしい,流麗でケレン味のあるものとなっているので,本作らしいリズムを感じていただけると思います。同時に,しっかりと重みやリアリティを持った操作感も大切にしているので,ワイヤーアクションのようなファンタジックな方向に振り切ったものではありません。

画像集#006のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開


達成感を得るための公平な死


4Gamer:
 今では死にゲーと呼ばれる作品も増えましたが,本作とほかの死にゲーの差別化ポイントはどういったところになりますか。

安田氏:
 アクションやレベルデザインなどすべての点において,インテンシティ(強さ,激しさ)と密度の高いものを作ろうという点ですね。これは仁王の頃から変わらないポリシーです。

山際眞晃氏
画像集#005のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開
山際氏:
 インテンシティの高いゲームだからこそ,手触りはとくに大切にしています。思った通りにキャラクターが動いてくれなかったり,自分の意図がゲームにうまく反映されなかったりすると,理不尽に感じますよね。そうなると,もう一度挑戦しようとか,今のミスは自分のせいだったと思えないですからね。

安田氏:
 アクションゲームとしての手ざわりの良さと,容赦のない敵AI。この2つを組み合わせた世界にプレイヤーが関わり,上達し,達成感を得ていただくことにフォーカスしています。ゲームの本質は,達成や成長を実感してもらうことであり,それをよりダイレクトに感じていただくためにはしっかりとした品質が大切だと考えています。品質の低い死にゲーというのは,もはや地獄じゃないですか(笑)。そうならないように意識しながら独自性を出していきたいです。

4Gamer:
 いくら高難度なゲームだと言っても,難しければいいというものではないですからね。納得のいく死に方をしたいですし。

安田氏:
 死にゲーであることばかり意識すると,開発側はどうしてもプレイヤーを死なせようとしてしまいます。それが目的になってしまって,プレイヤーが乗り越えたいと思えないものを作るのは,間違っています。……と言いつつ,体験版を出す度に厳しいご意見をたくさんいただいてしまうので,より意識していこうと思います。

4Gamer:
 さまざまなタイトルを遊んで,死にゲーファンも目が肥えているでしょうから,作りが甘い部分に対しては厳しい意見も容赦なく出てきそうですね。

安田氏:
 プレイヤーの皆さんは,向上心も学習能力も高いですから,ただ簡単にする必要はないと考えています。しかし,フェアでないと厳しい意見をいただくことになります。例えば,頭上から敵に襲われるシーンでも,用心深く少し前で立ち止まって上を見れば気付けるような,ちゃんと工夫する余地のある公平なものを心がけています。

4Gamer:
 ところで,本作で死んだ時のメッセージはどうなっているのでしょう? 仁王では「落命」でしたけど。

安田氏:
 「一敗塗地」(いっぱいとち)となります。完全に負けてしまい,内臓が地面に散乱して泥まみれになるという意味の,中国の故事成語を引用しています。日本でも「一敗地に塗れる」と言われたりしますね。

4Gamer:
 その死亡メッセージだと,もう立ち上がれなさそうですけど,諦めずに攻略したいですね(笑)。
 それでは最後に,本作に注目しているゲーマーにメッセージをお願いします。

山際氏:
 本作は,完全新作ということで,我々にとっても挑戦の多いタイトルです。三国志をダークな世界観で描く,Team NINJAらしい歯応えのあるゲームとなっていますので,ぜひ楽しみにしてもらえればと思います。

安田氏:
 まだお話しできないことも多いですが,いろいろと新しいシステムを用意しています。体験版についても,前向きに考えていますので楽しみにしていてください。

4Gamer:
 ありがとうございました。

画像集#003のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開

 インタビュー終了後,開発中のビルドを見せてもらえたのだが,確かに仁王とは異なる,より激しいアクションのバトルになるようだった。中国武術らしいケレン味のある動きも確認でき,本作ならではの面白さが盛り込まれていそうだ。どのようなバトルシステムになるのか,詳細が明かされていくのが早くも楽しみである。

画像集#009のサムネイル/「Wo Long: Fallen Dynasty」インタビュー。三国志の世界を舞台に,スピーディで迫力のあるバトルが展開

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