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「レインボーシックス シージ」の体験を,多くのプレイヤーが楽しめるように――。「レインボーシックス モバイル」開発チームインタビュー
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印刷2022/04/20 12:00

インタビュー

「レインボーシックス シージ」の体験を,多くのプレイヤーが楽しめるように――。「レインボーシックス モバイル」開発チームインタビュー

 ユービーアイソフトの新作スマートフォン向けアプリ「レインボーシックス モバイル」iOS / Android,以下R6M)が,先日(2022年4月5日),発表となった。
 本作は2015年に発売され,今年で7年目を迎える「レインボーシックス シージ」PC / PS5 / PS4 / Xbox Series X / Xbox One,以下R6S)のモバイル版にあたるタイトルである。その高い競技性,緻密な設定などがウケ,長く人気を維持している同作の体験をモバイルで楽しめるという触れ込みから,期待している人も多いだろう。



 今回,4Gamerではそんな「R6M」の開発チームにインタビューする機会を得た。メールでのインタビューにはなるが,現在の心境や,開発にあたっての取り組み,ゲームプレイへの健全な環境作りなど,多くの回答をもらうことができている。ぜひ,最後まで読み進めてほしい。

画像集#001のサムネイル/「レインボーシックス シージ」の体験を,多くのプレイヤーが楽しめるように――。「レインボーシックス モバイル」開発チームインタビュー

多くの人が「シージ」の体験をモバイルで楽しめる作品


4Gamer:
 まずは,作品の発表をした今の心境をお聞かせください。

R6M開発チーム:
 開発開始から3年,ようやく皆さんに発表ができることを嬉しく思います。「レインボーシックス」のモバイルゲームはコミュニティから長年求められ続けていたものであり,開発チームとしても,多くの素晴らしい野心作がモバイル市場で成功を収めているのを目にしていました。
 「R6S」をモバイルで無料プレイできるようにすることで,より多くの新しいプレイヤーに「R6S」独自のスタイルである戦術的なゲームプレイを体験していただくことができ,すでにファンになっている人にも,独自の機能,新モード,よりスピーディーな試合などの,新しい体験を楽しんでいただけることが嬉しいです。

4Gamer:
 どのようなコンセプトで本作を開発しましたか。

R6M開発チーム:
 モバイルで提供するにあたっても,「R6S」のコアなゲーム体験を失わないことです。個性豊かなオペレーター,ドローンによる情報収集,破壊によるエリアの構築など,独自の戦術的な要素で「R6S」は構成されています。それらを失わず,いかにモバイルでの直感的な操作感を生み出せるかを製作当初から検討し,操作性,画面サイズ,デバイスの音量,パフォーマンスなど,さまざまな点を考慮しつつ,研究を重ねました。

4Gamer:
 開発にあたり,苦労した点はありますか。

R6M開発チーム:
 苦労という観点からはやや外れますが,「R6S」に忠実であるということです。開発期間中,ずっと目標としていたことですし,そして達成できたと思っています。

4Gamer:
 本作と「R6S」の開発チームは,どのように連携しましたか。

R6M開発チーム:
 本作は「R6S」に忠実でありながら,独立したゲームとして成り立っています。iOSとAndroidデバイスに向け,世界11か所のスタジオで,モバイル開発で強力な経験を持つ,独自の専門チームによって開発が行われています。もちろん,「R6S」チームとも連携していますよ。



4Gamer:
 ターゲットにしているユーザー層はどのあたりでしょうか。

R6M開発チーム:
 「レインボーシックス」が初めてという人,「R6S」を体験していない人,「R6S」のベテランファンまで,幅広く楽しんでいただくことを目標としています。
 たとえば,開発チームの中で行われたテストセッションでは,Ubisoftに入社したばかりで,「R6S」やモバイルFPSに慣れていないメンバーが,ラウンド終了間際に大きなクラッチプレイを見せたりと,熟練度を問わず,様々なゲームプレイが生まれました。これは本作が「R6S」と同様の戦略性と緊張感を併せ持っており,たとえ初心者でも,いかに素早くゲームの流れを変えることができるかを示す,いい例だと思っています。


モバイルでの「シージ」体験を作るために


4Gamer:
 「R6S」といえば,様々なリソースでエリアを防衛する防衛側と,それを突破する攻撃側の攻防が魅力です。この独自のプレイフィールを再現するにあたって,どのような取り組みを行いましたか。

R6M開発チーム:
 社内トーナメントを開催するなど,開発メンバーに「R6S」をしっかりと理解してもらいました。たとえば,“破壊”は「R6S」の重要な要素であり,その対象は床,壁,天井……と,攻撃側,防衛側双方が目標を達成するために用いる,根幹的な手段でもあります。ファンの皆さんにはおなじみだと思いますが,そのほかにも,ドローン,壁の補強,バリケード,オペレーターの固有ガジェットでプレイを体験できます。

 また,モバイルではほかのデバイスと比較すると,精密な照準が難しい場合がありますが,マップの梯子や複雑な設計の階段,手すりの間などに変更を加えることで,より高精度な照準が求められるシチュエーションを軽減しています。これらはレンダリング性能の向上という意味でもゲームプレイに寄与していますが,いずれも慎重なテストプレイを重ねており,調整後のマップでも,「R6S」と同様のゲーム体験が行えるバランスに仕上がっています。

4Gamer:
 モバイルデバイスで「R6S」を再現するにあたって,とくに力を入れた部分はどこですか。

R6M開発チーム:
 本作をゼロから構築するのはエキサイティングなチャレンジであり,革新的なシステムを作ることができました。軽く紹介すると,ガジェットをより活用できるようにする「ガジェットプレビュー」,銃声や敵の足音などの音源を視覚的に判断できる「オーディオコンパス」などです。文字通り,まるで「R6S」を手にしているような感覚を楽しんでいただけると思います。

画像集#002のサムネイル/「レインボーシックス シージ」の体験を,多くのプレイヤーが楽しめるように――。「レインボーシックス モバイル」開発チームインタビュー

4Gamer:
 操作感はモバイルデバイス向けにどのような変更を行いましたか。

R6M開発チーム:
 開発にあたり,「R6S」のあらゆる象徴的な要素を取り入れるよう,細心の注意を払っています。すでに「R6S」ファンの皆さんでも,モバイル向けに最適化された点を非常に親しみやすく感じていただけることでしょう。

 本作はiOSとAndroidデバイス専用に設計されているので,スクリーンスペース,プレイヤーの操作範囲,パフォーマンスなど,様々な事項を詳細に検討する必要がありました。このような細やかな配慮は,大きく3つのポイントで行っています。

 1つ目が,HUDです。カナダのウィニペグで開発を行っているHUDチームは,画面スペースを最大に活用し,プレイヤーの多彩な動作範囲に対応するため,コントロールの再配置,サイズ変更,透明度変更,ダブルタップ時などの動作,特定ボタンの表示/非表示機能,プレイスタイルに合わせた変更などの機能を持つ,素晴らしいHUDシステムを開発しました。たとえば,ADSボタンにはいくつかの動作モードがあり,通常のADSはもちろん,角をピークするように使用することもできます。

 2つ目がマップです。オブジェクトの配置で,必要以上に高精度な射撃を求められる場面を減らし,同時にレンダリング性能を向上させることで,ゲームパフォーマンスを向上させる調整を施しています。

 3つ目が,デバイスの音量や,コントロール入力とスクリーンスペースを共有する課題などを補うための,モバイル独自の機能を導入したことです。ボタンを押すことに集中するのではなく,移動と戦略的な位置取りにより集中できる,タクティカルフォーカス自動射撃モードや,スプリントロック,オートスプリント,オートボーディング(乗り越え)などの移動システムがあります。また,重要な音の発生源を視覚化するオーディオコンパスは,プレイヤーが圧倒的な不利になることなく,デバイスをミュートしてプレイできるため,より多くの環境でゲームをプレイすることができるでしょう。開発チームでも,オフィスでのプレイテストの際に非常に役立ちました。

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4Gamer:
 「R6S」では,すべての機種のPvPモードでエイムアシストはオフになっていますが,本作にはPvP,PvEを含むモードでアシストは存在していますか。

R6M開発チーム:
 本作では,画面上のごく小さな範囲にいる敵に向かって作用するエイムアシストがオプションで用意されています。スマートフォンは画面が小さいことが多く,画面上を指で操作すると摩擦が生じるため,一部のプレイヤーにとっては狙いすぎたり,逆に狙いきれなかったりすることもあります。実装に伴い,動作範囲を細かく調整することにより,不当に有利になることなく,プレイヤーがエイムを修正することができるようになっています。

4Gamer:
 ゲームのローンチ時にプレイできるゲームモード,マップ,オペレーターはどのようなものになりますか。

R6M開発チーム:
 リリース時には「爆弾」と「エリア確保」がプレイ可能となる予定です。マップ,オペレーターについては,それぞれ人気の高いものがセレクトされて登場します。その他のモードや,詳細については,リリース間近にお知らせします。

4Gamer:
 性能が大きく変更された,逆に変更されていないオペレーターはいますか。

R6M開発チーム:
 「R6S」でおなじみのオペレーターたちは本作でも同様にプレイできます。「R6S」ファンは,お気に入りのオペレーターでプレイしている間に学んだ戦略や戦術が,本作でもすぐに役立つことに気づくでしょうし,その逆もまた然りです。

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4Gamer:
 悪質なプレイヤーなどにより,昨今のPvPシューターは健全なプレイヤーが苦しめられることが多々あります。平等で公正なゲームプレイ環境を維持する取り組みはありますか。

R6M開発チーム:
 本作には,プレイヤーが公平にマッチングされるためのMMRを用いたスキルベースマッチメイキング,プレイヤーの行動が常にサーバーに対して検証される,完全サーバー認証型のシステムが搭載されますが,詳細は後日発表します。コミュニティを守るため,グローバルでカスタマーサポートチームがサポートを行い,また,ヘイトや不適切なアカウント名などの報告に応じ,必要に応じてアカウント削除を行うことも予定しています。

画像集#005のサムネイル/「レインボーシックス シージ」の体験を,多くのプレイヤーが楽しめるように――。「レインボーシックス モバイル」開発チームインタビュー

本作の今後とプレイヤーへのメッセージ


4Gamer:
 リリースを予定している国,地域をお聞かせください。また,すでに「R6S」をプレイしている人にリワードなどはありますか。

R6M開発チーム:
 リリースが近づき次第,アナウンスしますので,続報をお待ちください。

4Gamer:
 「R6S」のeスポーツシーンは大きな人気を持っていますが,本作でも同じような展開を期待してもよいですか。

R6M開発チーム:
 現時点で,eスポーツの計画についてお話する内容はありません。我々が注力しているのは,モバイルでの素晴らしい体験を提供し,プレイヤーの皆さんが,好きな場所で,好きな時に「レインボーシックス」をプレイできる機会を提供することです。

4Gamer:
 プレイヤーにはどのように本作を楽しんでほしいと考えていますか。

R6M開発チーム:
 モバイルプラットフォームは柔軟性に富んでいることが大きな魅力といえます。外出先で気軽に遊びたいときも,腰を据えてしたいときも,双方でプレイ可能です。
 ご紹介してきた通り,モバイルデバイスでの体験を向上させる多くの新機能を導入し,より多くのプレイヤーに素晴らしい体験を提供できるよう製作しているので,様々なシチュエーションで,プレイしていただければと思います。フレンドとのプレイが盛り上がることは間違いないでしょう。この点は,社内で開催されたトーナメントで大きく意識させられました。対戦という状況において,互いにゲームをどれほど楽しんでいるかを見るのは,本当にエキサイティングな体験ですよね。

4Gamer:
 ありがとうございました。4Gamerの読者に一言お願いします。

R6M開発チーム:
 「レインボーシックス」の世界に新たに加わるこの作品を,皆さんにお届けすることを嬉しく思います。ファンはもちろん,初めての人にも楽しんでいただきたいですし,みなさんと一緒にプレイすることを心待ちにしています。
 ぜひ,クローズドアルファに参加していただくためにも,公式サイトに登録し,最新情報をチェックしてください!

「レインボーシックス モバイル」公式サイト

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