Onion Gamesから本日(2021年10月14日)発売された
「Mon Amour 〜モナムール〜」(
PC /
Nintendo Switch)のインプレッションをお届けしよう。
本作のストーリーは,魔女に連れ去られた姫と64人の国民達を助け出すために,主人公のソワソワール男爵が旅に出るというもの。国民達は
「モナガール」と呼ばれ,男爵とチュウすることで救出できる。1ステージ10秒,使うボタンは1つだけと非常にシンプルだが,スリル溢れるプレイとスコア稼ぎを楽しめるゲームだ。
本作の基本部分は非常にシンプルだ。ゲームプレイに使用するのは
「上昇」ボタン1つだけで,ボタンを押すと男爵が少し上昇し,離すと下降する。男爵は1画面のステージを左から右に進んでいくので,画面外に飛び出したり,障害物に当たったりしないように,上昇ボタンをポチポチと押して高度を調整しよう。そして,画面端で待っているモナガールにチュウするとステージクリアだ。
男爵をうまく操作し,画面右端にいるモナガールを目指して飛んでいこう
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モナガールにチュウするとステージクリア
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本作の楽しさは,男爵を1つのボタンだけで操作するもどかしさとスリル,そしてスコア稼ぎにある。男爵は前進するだけでその場に留まることができず,放っておくと画面外へ落ちて,あっという間にゲームオーバーになる。かと言って,上昇ボタンを連打しすぎると男爵が急上昇して画面外へ飛び出し,ビルなどの障害物や敵の攻撃に触れてもミスとなる。
時には上下から迫ってくるビル同士の狭い隙間をくぐり抜けたり,落下してくる障害物を避けたりしなくてはならず,うまくボタン連打を調整して切り抜けたときの達成感は大きい。1ステージが10秒ほどで終わることもあり,ミスしてもついリトライを繰り返してしまう中毒性がある。
障害物の魚はステージ内を自由に泳ぎ回る
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上からゆっくりと落ちてくる箱(?)を避けつつ進まなければならない
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チュウしたモナガールは,男爵のうしろを付いてくるようになる。この状態のときは,男爵が障害物や弾に当たってもミスにならず,代わりにモナガールが一人ずつ脱落していく(モナガールに当たり判定はない)。10ステージごとに出現するお城にモナガールと一緒に帰還すると,人数に応じてボーナススコアがもらえるので,なるべくたくさんのモナガールを連れ帰ってあげよう。
お城にモナガールを連れ帰ると,人数に応じてボーナススコアがもらえる
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スコア稼ぎでもう1つ重要となるのが,モナガールにチュウすると飛び出すハートを集めること。取らずにいたハートはそのまま画面内に残り,次のステージでモナガールにチュウしたときに出現したハートと接触すると,合体して大きくなる。ハートが大きくなるほど,取ったときのスコアが高くなる仕組みだ。男爵がチュウする角度によって,ハートが飛び出す方向が変化するので,うまくハート同士をぶつけて大きく育てよう。
モナガールの周囲にある矢印形のインジケーターが,ハートが飛び出す方向を示している
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前のステージで上方向からチュウしたせいで,ハートが下に飛び出してしまった……
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大きく育てたハートを取る瞬間が何よりの楽しみ。いったい何点もらえるかな?
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バナナなどの果物アイテムを取ると,上下から迫ってきたビルなどを押し戻すことができる
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公式で
「セロファン風」を謳うパステルな背景とドット絵の組み合わせがキュートで,操作方法もカジュアルだが,スコア稼ぎを意識し始めると,途端にディープなゲームに早変わりする「Mon Amour 〜モナムール〜」。BGMも印象的で,スキャット主体のフレンチポップ風の曲が,ステージごとにどんどん変化していく。尺もステージに合わせた短めのものとなっており,「曲の終わり=クリア」となるのが気持ちいい。
また,無事に連れ帰ったモナガールは
「国民リスト」に登録され,カーソルを合わせるとちょっとしたひと言をしゃべってくれる。台詞の中には奥深いものもあり,いかにも木村祥朗氏らしいセンスが感じられる。
全体的に,ひと昔前のアーケードゲームや同人ゲームっぽい雰囲気が漂っており,1ステージ10秒ほどのテンポも相まって,ミニマルな楽しさがある。ちょっとした合間にプレイできるゲームを探している人は,ぜひどうぞ。
モナガールの1人「ミノタウロスさん」。台詞がディープだ
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たまに,ほかのプレイヤーがミスした状況が「おてがみ通知」として飛んでくるのも面白い。「魔界の突風」って何だろう?
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