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Intel,ノートPC向けCPU第12世代「Core HX」を発表。デスクトップPC向けAlder LakeをノートPCに詰め込むハイエンドCPU
CPUコア自体には,目新しい要素がない製品だったりもするので,簡単に新製品の概要をまとめてみたい。
デスクトップPC向けのAlder Lake-SをノートPC向けに転用
冒頭で触れたとおり,Core HXプロセッサは,元となったAlder Lake-Sとおおむね同じ特徴を持っている。プラットフォームの構成は次に示すスライドのとおりで,CPU直下にGPU向けとなる16レーンのPCI Express(以下,PCIe)5.0と,ストレージ向けとして4レーンのPCIe 4.0を備える構成だ。
ちなみに,既存のノートPC向けのHシリーズは,最上位モデルでPCIe 4.0×8レーンと,PCIe 3.0×4レーンが2組という構成だった。つまり,既存のHシリーズは単体GPUのx16レーン接続ができなかったのだが,Core HXプロセッサはx16レーンでの接続が可能なわけだ。
また,対応可能なメモリも,Alder Lake-Sと同じくDDR5-4800およびDDR4-3200となっており,逆に,既存のHシリーズが対応するLPDDR5-5200には対応していない。
さらに,Hシリーズを含めた既存のノートPC向けのCoreプロセッサは,CPUパッケージ内にチップセット(PCH)を組み込んだSoC製品だが,Core HXプロセッサは,デスクトップPC向けCPUと同じように,PCHが別途必要だ。
製品ラインナップは表1〜3のとおり。最上位モデルCore i9が2製品で,ミドルハイ向けCore i7が3製品,そしてCore i5が2製品の計7製品である。
Core HXプロセッサの主要なターゲットは,ハイエンドのゲーマー向けノートPCと,ビジネス向けのモバイルワークステーションだ。そのため,Intelの企業向けセキュリティおよび管理ソリューションである「Intel vPro Technology」(以下 vPro)対応製品がラインナップされている。vPro対応製品は企業向けなので,コアクロック倍率のアンロックに対応していないのが共通点と言えようか。
最上位のCore i9は,デスクトップPC向けのCore i9と同じく,高性能コアの「P-Core」が8基と,高効率(低消費電力)コアの「E-Core」も8基というAlder Lakeのフル実装版である。既存のノートPC向け最上位「Core i9-12900HK」は,P-Core×6+E-Core×8の構成だったので,ついにノートPC向けCPUにも,フル版のAlder Lakeが登場したことになる。
TDP(Thermal Design Power,
デスクトップPCクラスの性能をノートPCで実現
デスクトップPC向けのCPUを,ほぼそのままノートPCに持ち込んだと言っていいCore HXプロセッサなので,当然ではあるがIntelは,「ノートPC向けのCPUとして最高の性能を有する」とアピールしている。
Intelが主にアピールしているのは,クリエーター向けのアプリケーションにおけるCore HXプロセッサの性能だ。Intelとしては,モバイルワークステーションを本製品の主要なターゲットと見ているようである。
とはいえ,卓越したゲーム性能もアピールしているので,Core HXプロセッサを搭載するゲーマー向けノートPCも,いずれ登場するだろう。かなり大がかりで高価な製品になりそうではあるが,ハイエンドデスクトップPCに匹敵する性能を得られるノートPCが欲しいゲーマーならば,Core HX搭載PCをチェックしておくといいかもしれない。
Intelの第12世代Coreプロセッサ製品情報ページ
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第12世代Core(Alder Lake)
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