プレイレポート
明日発売の「ソング オブ ホラー」日本語版を先行プレイ。神出鬼没の「怪異」をかわしつつ,事件の真相に迫るホラーゲーム
※Xbox One版は発売日未定
本作はスペインに拠点を置くデベロッパ Protocol Gamesが手掛けたタイトルで,2019年にリリースされたPC版(Steam)ではユーザーから高い評価を獲得した。いよいよリリースされる同作の日本語ローカライズ版を先行してプレイできたので本稿で紹介したい。
“見つかったら,終わり”なホラーゲーム「ソング オブ ホラー」の日本語版が8月26日に発売。怪異も起きた(?)試遊会レポート
ある日届いた不気味な一枚の紙。それは,2021年8月26日にEXNOAから発売されるホラーゲーム「ソング オブ ホラー」の“シ遊会”の招待状だった。……というドッキリ的な企画を交えて行われたメディア向け試遊会にて,“見つかったら,終わり”な本作をプレイしてきたので,どんなゲームなのかを紹介したい。
まずは物語の概要を簡単に説明しよう。事の発端は,歴史小説家のセバスチャン・P・ハッシャーとその家族が行方不明になった事件だ。担当編集者は一家を捜索するため,セバスチャンの屋敷へとダニエル・ノイヤーを派遣するのだが,彼も姿を消してしまう――というのがオープニングにて語られる。
本作はチャプター制となっており,チャプター1の舞台はセバスチャンの屋敷だ。プレイヤーは屋敷を訪れた人物(詳しくは後述)として,失踪したセバスチャン一家とダニエルを探すことが目的となる。
ホラーゲームにおいて脅威(敵と言い切れないのであえてこう表現する)となるのは,ゾンビや幽霊などさまざまだが,本作での脅威は「それ」と呼ばれる怪異。“それ”のビジュアルを言葉で表現するのは難しく,影の形をし,壁などに侵食してくる存在だ。プレイヤーには“それ”を倒す術はなく,ひたすら見つからないように逃げたり,隠れたりしながらゲームを進めていく。
ゲームのメインとなる探索は,カメラは固定で,部屋の広さや形状,キャラクターの立ち位置などで視点が切り替わる。屋敷の中を歩き回りながら,行方不明となったセバスチャン一家やダニエルを見つける手がかりとなりそうなものを探していくのだが,場面によっては,先に進むため必要な道具を探すこともあるので,見落としのないようにしよう。
薄暗い邸内を頼りない明りを頼りに,いつ襲ってくるか分からない“それ”の存在に怯えながらとなる探索の緊張感はなかなか高く,そして恐怖が付きまとう。
恐怖といってもその種類はさまざまあるが,本作のそれは,決して派手ではない"ジットリとした静かな恐怖"だ。邸内は不気味なほどに静まり返っているのだが,探索していると突然物音がしたり,自然現象か怪異によるものなのかが分からない事象が起こる。また,最近まで人が住んでいたような痕跡があり,“人がこつ然と姿を消したという事実”にリアリティを与えてくれる。
怪異はスクリプトで制御されているわけではなく,AIによって行動している。そのため,決まったシーンで決まった演出が入るわけではなく,いつどこで襲われるかが分からない。前述のとおり,定点のカメラ視点が採用されているので,初期の「バイオハザード」や「サイレントヒル」などを彷彿とさせる,その独特なアングルを利用した演出も恐怖感を煽る。
ただ,歩いてるだけで怖いのだ。ドアの向こうに“それ”がいるかもしれない。“それ”がどこかから襲ってくるかもしれない。今,“それ”が迫っているのかもしない。常に怪異の恐怖がつきまとい,ずっと逃れられない。
前述のとおり,“それ”を倒す術はないが,対応するアクションによって回避することはできる。例えば,怪異がドアをこじ開けようとするならば,ドアを押さえつけて必死に抵抗するのだ。ただし,失敗すれば即死なので,まったく気は抜けない。
壁が影に侵食されたときには,クローゼットの中や机の下に隠れてやり過ごすしかない。聞き耳を立てて,ドアの向こうに怪異がいるかどうかを確認することも必要だ。
ストーリーに刻まれるキャラクターの死
本作は,全部で13人のキャラクターが操作可能となっている。キャラクターによってスピードや精神力といったステータス,暗いなかを探索するうえで重要となる明かりの種類などが違い,チャプターによって選択できる人物が異なる。
チャプター1のセバスチャンの屋敷で選択可能なキャラクターは全部で4人。ソフィー・ヴァン・デネントやエティエンヌ・バートランドといったダニエルの関係者のほか,セバスチャンの使用人のアレクサンダー・ラスキン,セキュリティ会社の電気技師であるアリーナ・ラモスと,このように,登場する人物たちの立場や人間関係,バックボーンにあるものなどは人によってさまざまだ。
そんな,さまざまな背景を持つ彼らを操作して探索し,謎を解いていくのだが,怪異に見つかればそのキャラクターは「死」を迎えることになる。1人が死んでもゲームオーバーにはならず,物語はその人物が亡くなったまま進行し,残された者たちでゲームは進行していく。進行状況は引き継がれ,亡くなった人物が持っていたアイテムは死を迎えた場所に残されているので,それを回収して探索を続けていこう。
もちろん,使用可能なキャラクターが全員死んでしまったらゲームオーバー。その際はチャプターの最初からやり直しとなる。キャラクターの死は,罪悪感とともに後味の悪さも覚えることになるだろう。悲劇的な結末を迎えないため,怪異に捕まらないよう探索は慎重に進めていきたいところ。
「ソング オブ ホラー」は,じわりじわりと恐怖が忍び寄ってくるタイプのホラーゲームだ。立て続けに襲われるパニックホラーには高揚感や興奮があるが,本作では静寂のなかに潜んでいる何かに狙われているという,“底知れない恐ろしさ”が実感できる。チャプターを進めていくと,放置された孤児院や精神病院といった“これぞホラー”なシチュエーションも待っているので,この手のホラーゲームが好きな人はプレイしてみてほしい。
「ソング オブ ホラー」公式サイト
- 関連タイトル:
ソング オブ ホラー
- 関連タイトル:
ソング オブ ホラー
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ソング オブ ホラー
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Published by EXNOA LLC. (C) Raiser Games S.L. Developed by Protocol Games S.L. All rights reserved. Song of Horror is a trademark of Protocol Games S.L.
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