2023年7月23日,AYANEOは,開発中の携帯型ゲームPC「
AYANEO KUN」と「
AYANEO SLIDE」の概要を公開した。いずれも搭載CPUにAMDの「Ryzen 7 7840U」を採用するハイエンド製品である。AYANEO KUNは,クラウドファンディングサイト「
Indiegogo」のプレローンチページが公開となっており,8月中旬から下旬のキャンペーン開始を予定するそうだ。一方のAYANEO SLIDEについては,キャンペーンの開始日など明らかになっていない。
AYANEO KUNは,8.4インチサイズで,解像度が2.5K(詳細な解像度は未公開)と大型ディスプレイを備えるハイエンド市場向けの携帯型ゲームPCだ。AYANEOは,7インチサイズのディスプレイを搭載する「
Steam Deck」や「
ROG ALLY」といった競合製品と比べて,本体サイズがそれほど変わらず,より大きなディスプレイを採用できたとアピールする。
8.4インチサイズの大型ディスプレイを搭載するAYANEO KUN
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AYANEO KUNとSteam Deck,ROG ALLYのサイズ比較
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搭載CPUのRyzen 7 7840Uは,最近の携帯型ゲームPCでは定番となっている高性能なSoC(System-on-a-Chip)だ。具体的な指標は公開していないものの,AYANEOによると,いくつかの薄型軽量ノートPCに匹敵する性能を備えているという。シングルファンと3本の銅製ヒートパイプによる冷却機構によって,CPUの性能を引き出すとのこと。加えて,195000mAhもの大容量バッテリーを内蔵するのもポイントだ。
一部の薄型軽量ノートPCに並ぶ性能を備えると主張している
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設定できるTDP(Thermal Design Power,熱設計消費電力)は非公開のようだ。
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ゲームパッド部分にもこだわっているそうで,左右のアナログスティックとトリガーボタンには,磁気ホールセンサー式のスイッチを採用する。D-Padと右アナログスティックの下に搭載するタッチパッドは,マウスポインターの操作に加えて,特定ボタンの機能割当やショートカットなども設定できるようだ。また,ショルダーボタンの横や,背面に独自の拡張ボタンを備える。
アナログスティックやトリガーボタンのスイッチにこだわる
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Steam Deckと同様に左右にタッチパッドを備える
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背面には4つの拡張ボタンを搭載している
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このほかにも,携帯型ゲームPCとしては極めて珍しく,前面にカメラを搭載しており,Windows Helloの顔認証ログインに対応するのもAYANEO KUNならではの特徴と言えるだろう。
左アナログスティックの右横にカメラを内蔵するようだ
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一方のAYANEO SLIDEは,6インチサイズで,解像度1920×1080ドットのスライド式ディスプレイを備えており,ディスプレイ部分を上に動かすと,小型の物理キーボードが現れる構造となっている。ディスプレイは,スライドするだけでなく,傾斜の調整も行えるという。
AYANEO SLIDE
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ディスプレイは傾斜の調整も可能だ
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AYANEO SLIDEのキーボード配列は,左下の[Ctrl]キーや右下の右矢印キーを除けば,比較的に無理のない配列だ。LEDイルミネーション機能にも対応している。
AYANEO SLIDEのキーボード
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LEDイルミネーション機能を備える
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CPUは,AYANEO KUNと同じRyzen 7 7840Uだ。こちらも具体的な性能についての言及はない。設定可能なTDPも非公開となっている。
こちらも設定できるTDPは非公開だ。
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