プレイレポート
「マイティ・グース」プレイレポート。かわいいガチョウが重火器を乱射しまくる“マスィンガーン!”な爽快2Dガンアクション
本作は,賞金稼ぎのガチョウ「マイティ・グース」となり,宇宙の支配者「ヴォイド・キング」に立ち向かう横スクロールガンアクションだ。往年の名作2Dアクション「メタルスラッグ」や「魂斗羅」に影響を受けており,そのリスペクトは各所に見られる。
筆者は「メタルスラッグ」や「魂斗羅」シリーズの持つ独特の爽快感が大好きだが,完全にヘタの横好きで,コンティニューを繰り返さないと先へ進むこともままならない。果たして,そんな筆者でも楽しめる作品なのか。プレイレポートをお届けしたい。
“リスペクト”と“進化”。気持ち良さを追求し,爽快感に満ちあふれた2Dアクションシューティング
描き込まれた2Dグラフィックスと,重火器を連射し続けて敵を撃破していくゲーム性は,冒頭でも書いたように「メタルスラッグ」や「魂斗羅」シリーズに対するリスペクトが大いに感じられる作りとなっている。武器を取得すると,シブい男性のボイスで「マスィンガーン!」とか「シャッガーン!」とか言ってくれるあたり,スゴく分かっている。このボイス,メールの着信音にしたい。
本作は往年の名作に対するリスペクトだけでなく,それを「超えよう」とする意志と,時代に合わせたスピードアップが図られている。それを象徴するのが,「下撃ち」と「ローリング」の存在だ。
「下撃ち」は,自身が空中にいる間に下方向へ向かって撃つことで,しばらく空中に留まれる。盾を構えている敵を頭上から攻撃する手段としても使えるが,ジャンプ後に着地地点でダメージを受けそうな場合や,敵の左右よりも頭上にいたほうが安全な場合などにも有効だ。
もう1つの「ローリング」は転がることで敵の攻撃を回避する動作だが,空中でも出せるのが強みだ。本作のような2Dアクションシューティングでは,ほとんどの場合敵の弾に当たることがダメージの要因となるわけだが,ローリングの瞬間は完全無敵になるため,非常に便利かつ重要だ。また,下撃ちによる空中停止と空中ローリングを駆使することで,自由自在に画面を飛び回れる。
ただし,ローリングには約1秒のクールタイムがあるため,ひたすらローリングの連発はできないようになっている。
またゲーム中にいつでも,スマホのような端末「グースフォン」からショップにアクセスできる。敵は倒すとお金を落とすのだが,このお金を使って買い物ができるのだ。通常の攻撃は,正直攻撃力が低く心許ないので,行き詰まったときなどはショップで強い武器を購入したいところだ。
敵を攻撃し続けていると,画面左端にある「マイティメーター」が溜まっていき,満タンになると「マイティモード」を発動できる。発動中は無敵になり,あらゆる攻撃がパワーアップするので,体力が少なくて危ないときやボス戦などで使っていこう。
さて,「メタルスラッグ」や「魂斗羅」といったアクションシューティングは,難度が非常に高いことでも有名だ。筆者は,そのあたりもリスペクトされていたらどうしよう……と怯えながらプレイしていたのだが,結論としては“簡単ではないが,決して難しくはない”といった難度だった。本作には難度設定がないのだが,仮に,ベリーイージー,イージー,ノーマル,ハード,ベリーハードの5段階で難しさを表現するなら,イージー〜ノーマルの間くらいだろうか。
筆者はこの手のアクションシューティングは決して得意ではないので何度も倒れたが,残機の概念がないので,コンティニューは無制限に可能だ。ちょっと進んでは倒れ,ちょっと進んでは倒れを繰り返しながらも進んでいけたので,この手のゲームが苦手な人でも大丈夫だろう。しかも心なしか,コンティニュー後は体力回復アイテムが出現しやすい気もする。
アクションシューティングの楽しさは,ゲームとしてステージを攻略すること以外に,撃つことそのものの爽快感や,敵にヒットしたときの手応え,敵を破壊したときの爆発音,ドット絵による多彩な動きなどがあると思うが,本作はそこがしっかり押さえられているのもポイントだ。ある意味「撃つことは敵を倒す手段ではなく目的」と言えてしまうくらいにマイティ・グースを動かして,マシンガンやショットガンを連射することが気持ち良い。
そして,既存のアクションシューティングへの単なるリスペクトに留まらず,新たなアクションやマイティモードの追加によって,さらに爽快感や戦略性を高めようという,ゲームとしての進化への貪欲さも感じる。見た目の可愛らしさとは裏腹に,挑戦的で野心的だ。
マイティ・グースを支援してくれる,さまざまなカスタマイズ要素たち
最初のステージをクリアすると,基地に「武器庫」が解放されるが,これを利用すると主人公をどういう装備・能力で出撃させるか,連れて行くコンパニオンは誰にするかなどを選択できる。
武器庫でのカスタマイズ要素は,ステージが進むごとに少しずつ開放されていく(一部例外あり)。とくに装備品は複数の組み合わせになるので,プレイヤーごとに異なるビルドになるはず。自分なりに戦いやすいと感じた組み合わせを突き詰めていきたい。
懐かしくて新しい。自信を持ってオススメできる,2Dアクションシューティングの良作
前述のとおり,本作は往年の2Dアクションシューティングの踏襲に留まらず,さまざまな要素によって新たな地平を切り拓いている。
プレイ開始当初は,ド派手な画面効果も相まって,何に当たったせいで体力が減ったのかもよく分からなかった。しかし,「このタイプのロボットは何か投げてくるヤツだな」,「コイツの攻撃はしゃがんでいれば当たらないな」と,リトライを繰り返すうちに自然に被弾を減らしていくことができ,やればやるほど自身の成長を実感できる。このタイプのゲームで分岐点となるのは,「プレイヤーが成長する前に挫折するか否か」だと思うが,その点に関して本作は“絶妙”の一言だ。
往年のアクションシューティングに比べるとやさしい難度なので,この手のアクションが得意な人にとっては物足りなさが残るのではないかと思われるかもしれないが,おそらくそれはないだろう。というのも本作は,ステージクリア後のリザルトでランク「S」の獲得を目標とすると,一気に難度がハネ上がるからだ。ちなみに全ステージでのランク「S」獲得はトロフィー/実績の獲得条件にもなっている。
逆に,ステージクリア後のリザルト画面で低評価しかもらえず落ち込んでいる人もいるかもしれないが,新たな装備と能力を手に入れてから再チャレンジしたほうが,より上のランクを目指しやすい。もしかしたら本作は,一通りクリアした後からが本番かもしれない。
“一通りクリアした後からが本番”というのは,何も高ランクを狙ったプレイだけではない。というのも本作はクリア後にいわゆる“2周目”が存在し,これまでのステージがより難しくなって登場するからだ。
最初のステージでノーマルと+を比較してみたが,確かに敵の数が増えており難度は上がっている。ただ,敵の数が増えたぶん,コンボをつなぎやすかったり,撃破数を稼ぎやすかったりするので,高ランクを狙いやすくなるとも言える。現に筆者は,1周目ではランクBまでしか達成できていなかったステージ1が,2周目ではランクAを達成できた。
また,2周目を遊んでいたときに気づいたのだが,ステージの中には隠し通路があり,正規ルートとは異なるルートで進行することが可能な場所もあるようだ。クリアタイムの短縮を狙う際などは,こうしたルートの開拓も視野に入れるべきなのかもしれない。
結論として本作は,この手のアクションは難しいから……と敬遠しがちな人にもオススメできる,非常に良質なアクションゲームだ。1周クリアまでのボリュームはさほど多くはないが,ソフトの価格を考えると,十二分だろう。
「全ステージSランクのトロフィーは無理だろうな」と思いながらプレイしていた筆者が,プレイしていくうちに高ランク狙いや,隠しルート探しをやっているくらいにはリプレイ性も高い。やはり,プレイしていて気持ち良いので,たとえ目標がクリアできなくても,その過程に一定の満足感があるのだ。本稿を読んでみて,ちょっとでも「楽しそうだな」と感じたなら,プレイして損はない。
「マイティ・グース」公式サイト
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