プレイレポート
「ファークライ6」DLC第3弾“ジョセフの崩壊”先行インプレッション。“お前が教祖だ”と言わんばかりの強烈な世界と 狂気じみた“救済”が待つ
「ジョセフの崩壊」は「バースの狂気」「パガンの支配」に続く最後のシーズンパスDLCだ。「ジョセフの崩壊」というタイトルからすでにお分かりの方も多いと思うが,プレイヤーは「ファークライ5」(PC / PlayStation 4 / Xbox One)に登場したヴィラン「ジョセフ・シード」,通称「ファーザー」となってプレイし,“ローグライト”なシステムで精神世界からの脱出を目指しつつ,「ジョセフ」とファークライ5のバックグラウンドに迫っていくことになる。
今回は本DLCの配信に先駆けて先行プレイする機会(PC版)を得たので,その模様をお届けしよう。
ジョセフの崩壊とは?
マッドな世界にどっぷりと浸かりつつ,ある種のカリスマ性やヒーロー感を存分に味わえる同社の看板タイトル「ファークライ」シリーズ。その世界を構成する要素として,魅力あふれるキャラクター達がプレイヤーを惹きつける1つの要因となっているのは間違いないが,中でも強烈な個性を放つ「ヴィラン(悪役)」の人気が非常に高い。
今では「作品パッケージに堂々と悪役が配置される」という優遇っぷりであり,そうした中でシリーズ初の「ヴィランとしてプレイできる」ことで大きな話題となったのがDLC第1弾「バースの狂気」である。同じくシリーズ初の試みである“ローグライト要素”との組み合わせで「NEW×NEW」の体験をプレイヤーにもたらしつつ,「キャラクターや作品のバックグラウンドに迫る」という意欲的なコンテンツだった。
4Gamerではインプレッションを掲載しているので,ぜひチェックをしてもらいたい。
「ファークライ6」DLC第1弾「バースの狂気」インプレッション。狂気に満ちた精神世界を“ローグライトなバース”で脱出せよ
ユービーアイソフトが販売中のオープンワールドFPS,「ファークライ6」のDLC第1弾となる「バースの狂気」が11月16日に配信される。「ファークライ3」のヴィラン「バース」にフィーチャーし,ローグライトなゲームプレイが楽しめる本作のインプレッションをお届けしよう。
本DLCでフィーチャーされるのはもちろんジョセフだ。彼が登場するファークライ5は,「終末思想を掲げるカルト教団“エデンズ・ゲート”の支配から地域を解放する」ことがプレイヤーの目的である。それまでのシリーズ作品では「司法の手が届かない」「文明から隔絶した土地」などが舞台となってきたが,「ファークライ5」は架空の土地でこそあるものの,現代のアメリカを舞台に選んだ挑戦的な作品。高いカリスマ性を持つジョセフは同作の中で非道の限りを尽くす教団の教祖であり,ゲーム的にいえばラスボスである彼を本DLCでは操作することになる。
ジョセフと精神世界にのめり込め
詳細なゲームシステムについては,先述のDLC第1弾「バースの狂気」のインプレッション記事を参照してほしいのだが,改めて軽く紹介をすると,目的(ゴール)は「精神世界の脱出」と極めてシンプルだ。脱出にはマップ各所のメインミッションをクリアして「十字架の欠片」を3つ発見する必要があるが,初期の装備やステータスでのクリアは困難。そのため,敵を倒してアイテムを獲得したり,自身を強化して更なる探索に挑んでいくわけだが,「死亡すると所持品はロスト」という“おなじみ”のローグライトスタイルがプレイヤーに選択を迫る。
軽くシステムに触れたところで,ゲーム内の精神世界やジョセフについてお伝えしよう。
本DLCの基幹となる「ジョセフの精神世界」は,ファークライ5の「ホープカウンティ」の様相を呈したワールド。ファークライ5のシーンやロケーションが多く盛り込まれており,ファンであればニヤリとできることは間違いない。ジョセフの信仰への盲目さを表すかのような,自然豊かな光景と建築物が奇妙に共存する世界で脱出へ挑むわけだが,「精神世界からの脱出」は「今までの行いの償いであり,やり直すチャンス」という形でストーリーはスタートする。
パッと見れば「極悪非道な行いへの贖罪」とも取れる内容だが,そこは狂気とシュールの集合体のような「ファークライ」シリーズの「ヴィラン」である「ファーザー」だ。そう簡単にはいくはずもなく,自身が考える「世界の救済」のため思うがままに暴れまわる。
無数の敵を「救いがたい魂」として片っ端から「浄化」(キル)しまくり,「導きの声」なるジョセフへ語りかける声に時に導かれ,時に抗いつつ,フィールドで「救済」「浄化」を行いつづけるプレイフィールは非常に強烈だ。なんとなくお察しいただいた読者もいるとは思うが,1つのゲーム作品として見れば“かなり”プレイヤーを選ぶ内容ではあるだろう。
先述の通りジョセフは明確に狂っているものの,あくまで彼は「正気」であり,「それが正しい」と認識してコトを進めるので,プレイヤー側はすべての歯車が噛み合わないまま延々と回り続けているような違和感を通り越した「なにか」を感じる。 それは恐らく「ジョセフのエゴイズム」からくるものであり,「プレイヤーがジョセフとしてプレイする」以上避けられるものではない。それゆえにプレイヤーは強烈なまでの「ジョセフの思考」を味わうことになるのだ。
プレイヤーを直撃する「ファーザー」像
筆者は「ジョセフの崩壊」をプレイする前に,DLC第1弾「バースの狂気」,第2弾「パガンの支配」をクリアしている。3作とも「脱出のためにアイテムを集める」というシステムはほぼ同一なので,味が異なるラーメンを食べ続けたようなもの。正直にいうと「だれる」感があったのは否めないが,「ロールプレイ」という側面から見れば本DLCがもっとも秀でていると感じた。「ヴィランの思考やバックグラウンドをプレイヤーが味わう」というスタイルは本DLC群の大きな魅力の1つだが,とりわけ「ジョセフの崩壊」はその主張が激しい。
バースの世界のように空にサメが“泳いでいる”わけでもなく,パガンの世界のように煌びやかなわけでもなく,ふと見ただけではどこかリアルな世界。その奇妙なリアルさと狂気に満ちた思考から生まれる体験は,現実と地続きのようであるためプレイヤーを直撃し,「ジョセフ・シード」「ファーザー」というキャラクター像に迫る上で十分な説得力を持っている。
シリーズファン,特にジョセフが好きなファンは「ジョセフ視点の世界」を存分に楽しめるだろう。そういった意味では,シーズンパス最後のDLCとしてのインパクトは十分に残しているのではないだろうか。
紹介してきた通り「ファーザー」を存分に堪能できる「ジョセフの崩壊」だが,本DLCでも引き続きマインドレベル(難度)の変更が可能で,CO-OP(協力プレイ)も「ファークライ6」所持者同士で可能になっている(双方がDLCを所持していなくても,どちらかが所持していればプレイできる)。単独プレイで没頭するもよし,フレンドと“マルチファーザー”で救済しまくるのも良いだろう。特定条件を満たせば「ファークライ6」本編内で使用できる「ファーザーセット」を獲得できるので,こちらもチャレンジしてみてほしい。
ジョセフの世界と現実の剥離が容赦なくプレイヤーに迫る中,「救済の果てに待ち受けるもの」は文字通り「崩壊」なのか。ぜひ自身の目で見届けてもらえれば幸いだ。
「ファークライ6」公式サイト
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(C) 2020 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubisoft and the Ubisoft logo are registered or unregistered trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.
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