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ま〜るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS公式サイトへ
  • ディースリー・パブリッシャー
  • ユークス
  • 発売日:2020/12/24
  • 価格:パッケージ版:7480円(税別) / ダウンロード版:7480円(税込) / ダウンロード版デラックスエディション:9900円(税込) / ダブル入隊パック:9980円(税別)
    ベスト版:3980円(税込)※2021年12月16日発売
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「デジボク地球防衛軍(略)」プレイレポート。可愛いキャラクターとハチャメチャな特殊能力が入り乱れる,シリーズの新境地
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印刷2020/12/24 00:00

プレイレポート

「デジボク地球防衛軍(略)」プレイレポート。可愛いキャラクターとハチャメチャな特殊能力が入り乱れる,シリーズの新境地

 ディースリー・パブリッシャーは本日(2020年12月24日),「ま〜るい地球が四角くなった!? デジボク地球防衛軍 EARTH DEFENSE FORCE: WORLD BROTHERS」Nintendo Switch / PlayStation 4 以下,デジボク地球防衛軍(略))を発売する。

画像集#001のサムネイル/「デジボク地球防衛軍(略)」プレイレポート。可愛いキャラクターとハチャメチャな特殊能力が入り乱れる,シリーズの新境地

 2003年6月,PlayStation 2用に発売されたSIMPLE 2000シリーズ「THE 地球防衛軍」からその歴史が始まった「地球防衛軍」シリーズ。“アリやハチといった巨大生物が群がってくるのを,銃火器でバンバン吹っ飛ばしていく”という爽快なゲーム性と,“異星人に負けそうな絶望の中,主人公たちが必死にあがきながら進んでいく”という物語が合わさった,熱いシリーズとして知られている。
 シリーズはナンバリング作品だけでなく,「EARTH DEFENSE FORCE: INSECT ARMAGEDDON」PlayStation 3/Xbox 360「EARTH DEFENSE FORCE:IRON RAIN」PlayStation 4 / PC)といったスピンオフ作品が発売されている。「デジボク地球防衛軍(略)」もそういった外伝作品の1つで,歴代シリーズのキャラクターや敵が一同に集結したお祭り要素の高い作品となっている。本稿ではそのプレイレポートをお届けしていこう。


可愛い見た目と,地球防衛軍らしいプレイ感


 プレイヤーは,「地球防衛軍」(EARTH DEFENSE FORCE 略称:EDF)の個性的な「ブラザー」(男性隊員)「シスター」(女性隊員)たちを操作し,謎の侵略者「ダークレジオン」に立ち向かう。これまでの作品と世界観や物語は完全に独立しているので,地球防衛軍シリーズを遊ぶのは初めてという人も大丈夫だ。

タイトルにもある通り「デジボク地球防衛軍(略)」の世界において地球は四角い。しかし,突如襲来した侵略者の手によってバラバラにされてしまった
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バラバラにされた地球を巡り,個性的なブラザーやシスターたちを集めて戦え!
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 まず本作で目を惹くのは,何と言っても小さなボックスをドット絵のように組み上げた「ボクセル」スタイルのグラフィックスだ。キャラクターたちが可愛らしいのはもちろんのこと,マップのロケーションも都市や巨大な滝などさまざまで,見ているだけでも楽しい。

特に印象的なマップがこの大瀑布で,滝にかかった虹に乗ることもできる
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 これまでのシリーズが写実的なスタイルを採ってきたのとは対照的だが,表現やプレイ感はちゃんと「地球防衛軍」らしいものになっている。アリやハチといった巨大生物どもはワラワラと群がってくるし,弾が当たれば敵の身体が吹き飛び,死ぬと体液が飛ぶ。建物も撃てばガラガラと崩れて破片が降り注ぎ,榴弾や空爆といった爆発物が着弾した際は周囲が爆発で熱を持ちオレンジ色に染まる。こうした表現は実に「地球防衛軍」らしい。

攻撃すれば大爆発。建物を撃てば崩れ去る。実に「地球防衛軍」らしい光景
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「地球防衛軍」名物,群がる巨大生物
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 ゲーム性も「地球防衛軍」の基本に忠実だ。敵の数は多く,まともに立ち向かうと四方八方から叩かれて瞬殺の憂き目に遭う。そのため,各個撃破に専念して少しずつ勢力を削いでいくのがセオリーだ。しかし,シナリオによっては,敵がいきなり周囲に出現して乱戦になることもある。この場合は血路を開くため,無数の敵を必死で切り崩さなければならないわけだが,この時の絶望感と高揚感もまさに「地球防衛軍」のそれで,シリーズファンも満足のいくものになっている。

原作での挙動が表現された敵たち。今までのシリーズと同じ攻略法が通用するのが嬉しい
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個性豊かなブラザーを切り替え,連係プレイを楽しもう


 こうした今までの「地球防衛軍」らしいプレイ感に「デジボク地球防衛軍(略)」ならではの遊びを与えているのが,個性豊かな「ブラザー」たちだ。本作は,4人のブラザーたちをリアルタイムで切り替えてプレイしていくのだが,これがかなり面白い。
 ゲーム開始時に使用できるブラザーは,レンジャー(EDF5)1人だけだが,マップ内のあちこちにいるブラザーたちを助けると仲間になってくれる。ブラザーたちは歴代シリーズに登場した兵科に加え,世界各地の民族イメージをカリカチュアした「ご当地EDF隊員」が存在している。
 ご当地EDF隊員の見た目はどれもぶっとんでおり,メイドに忍者,動画配信者やパンダの着ぐるみ,海賊にローマ兵,探検家や宇宙服など,なんでもありだ。グラフィックスがボクセルスタイルなのも相まって,可愛らしいおもちゃを集めているような気分になれる。

「ご当地EDF隊員」は個性的なメンバー揃い。「メイドシスター」(左)や「テンシンシスター」(右)など,女性隊員も少なくない
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 出撃時には最大4人のパーティを編成でき,プレイヤーが直接操作している1人以外は自動で戦ってくれる。
 ブラザーたちはメインウエポンとなる武器1つと,特殊能力「アビリティ」,必殺技の「スペシャル」を持つ。武器は「アサルトライフル」「スナイパー」「ロケットランチャー」「火砲」「格闘」などのカテゴリに分かれており,地球防衛軍シリーズでお馴染みのものが多い。初期段階では自分が得意とするカテゴリのものしか装備できないが,ブラザーを育てると使えるカテゴリが増えていく(詳しくは後述)。
 独自の新要素となるアビリティとスペシャルは,ブラザー固有のもので付け替えができない。攻撃や補助などブラザーによって効果はさまざまで,それぞれの個性を際立たせている。
 アビリティは気軽に使える特殊能力。ドラゴンシスターは空飛ぶ雲に乗り,チューリップシスターは触れた者にダメージを与えるバイオ・チューリップを植え,ヨガブラザーはワープする……といった感じで見た目的にもゲーム的にも面白いものが多い。

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歴代シリーズのキャラクターは,原作を再現したアビリティを持つ。ウイングダイバー(EDF5)のアビリティは「飛行」で,空を自由に飛べる
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 そして,スペシャルは敵を倒してゲージを溜めないと使えないが,その分非常に強力なものとなっている。レンジャー(EDF5)は体力を回復し,オーロラシスターは大爆発する巨大ミサイルを撃ち,ファラオシスターは時間を止めて自分だけが自由に行動できるなど,こちらも個性の塊だ。

パンダブラザーは分身して突撃する(左)。ファラオシスターは9秒のあいだ時間を止める(右)
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ワイルドブラザーのスペシャルは無敵化しつつ周囲の敵を引きつける。本人は動けないが,操作キャラクターを切り替えれば連係攻撃が可能(左)。タピオカシスターはケーキや飲み物といった回復アイテムをばらまく(右)
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歴代シリーズのキャラクターは,当時の作品に登場した武器がスペシャルになっていることが多い。陸戦兵(EDF3)のスペシャルは,両手にアシッドガンを持ち,撃ちながら回転する……この動き,とあるロボットアニメで見たことがあるような(左)。エアレイダー(EDF4)はあの「ルール・オブ・ゴッド」を使う(右)
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 さらに,パーティの4人から操作するキャラクターを切り替える「ブラザーチェンジ」を,アビリティやスペシャルと組み合わせるとさまざまな戦略が採れる。
 例えば,コアラブラザーのガトリング砲は発射中に動けないため,普通に使うとちょっと危険だ。そこで,ブラザーチェンジで操作キャラをロイヤルブラザーに切り替えて壁を置き,その後ろにタクティカル(EDF:IA)が自動砲台を置き,再びコアラブラザーに切り替えてみる。すると壁で身を守りつつ,自動砲台から援護を受けられるという堅い陣形が完成するのだ。
 また,プリンスブラザーでじゅうたんを呼びだして乗り込み,じゅうたんが上昇してから長射程のスナイパーライフルを持つガウチョシスターに切り替え,高い所から一方的に狙撃する……ということもできる。

攻撃中は動けないコアラブラザー。しかし,ロイヤルブラザーで壁を,タクティカルが自動砲台を置けば,援護を受けつつ攻撃できる
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プリンスブラザーの空飛ぶじゅうたんに乗ったガウチョシスター。画像では分かりづらいが,エレベーターのように上昇する空飛ぶじゅうたんのおかげで,本人のジャンプ力ではたどり着けないほど高い位置にいる。地上の敵を狙撃し放題だ
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 また,ボクサーブラザーやベアブラザーが持つ格闘武器は,威力は高いが射程が短いため,普通だと使いにくい。そこで,ダッシュやローリングを持つレンジャー(EDF5)で,敵の懐に飛び込んでから切り替えれば,効率よく運用できる。さらに,手持ちの弾を撃ち尽くした時も,弾を残した別のブラザーに切り替えれば,リロードが終わるのを待たずに攻撃できる。パーティの4人を次々と切り替えて,ありったけの弾を叩き込むという戦法が採れるのもブラザーチェンジの強みだ。
 パーティをダッシュ能力を持つ4人で固めて機動力を重視したり,自動砲台を置ける4人でタレット祭りを展開したり……というように,パーティ編成を考えるのも面白い。まるでおもちゃ箱をひっくり返したかのような楽しさだ。

ベアブラザーは近接攻撃しかできない。本人もダッシュのアビリティを持つが,こちらは一度使うとクールタイムが必要になる。しかし,無制限にダッシュできるレンジャー(EDF5)が間合いを詰めた後に切り替えれば効率よく戦える
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 マップで助け出したのが手持ちのブラザーと同じだった場合,そのブラザーに経験値が蓄積される。経験値が一定値に達すると「スキルレベル」が上昇し,新しいカテゴリの武器を装備できるようになる。最初は接近戦武器しか使えないブラザーも,スキルレベルを上げれば銃を持たせられるようになるなど,パーティの可能性がさらに広がるというわけだ。

マップのあちこちにはブラザーが倒れていて,近づくと助けられる
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助けたブラザーが手持ちとダブっていた場合,経験値になる。一定値に達するとレベルアップし,別カテゴリの武器を持てるようになる
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レベルアップしてアサルトライフル系を持てるようになったスパルタブラザー。編成の自由度がどんどん広がるので,色々な組み合わせを試せる練習場のようなものが欲しくなる
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 本作では,今までのシリーズからプレイアビリティを高める変更も加えられている。中でも大きいのが,アイテムを回収する必要がなくなったことだ。
 今までは倒した敵からドロップした,耐久力を上げるアーマーや新しい武器といったアイテム類は,戦闘の合間やステージ終了後にマップを駆け巡って回収する必要があった。
 しかし,本作では敵を倒して出てくるのがアーマー回復やSP値上昇のアイテムだけになっている。武器は新しいブラザーを救出したときにもらえるし,アーマーはステージをクリアすることで増える。今までのシリーズはオンラインプレイなどで,参加者同士で声を掛け合いながらのアイテム回収をしていたが,本作はそうした手順なしに戦力アップできるというわけだ。

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 このように,武器とアビリティやスペシャルの組み合わせ,そしてリアルタイムでの切り替えによって,歴代シリーズとはひと味違ったプレイ感が生まれているのが本作だ。
 筆者はシリーズをずっと遊び続けているが,アビリティやスペシャルの奇想天外さも,グラフィックスがボクセルスタイルなので,コミカルに映り,違和感なく受け入れられた。

本作では敵を撃つとダメージの数字が表示され,武器の威力が一目で分かる。ボクセルのグラフィックスだから違和感なく映る
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 変化が大きい一方で,シリーズへの強い愛も感じられる。例えば,物語は開始当初こそコミカルな感じだが,後半では今までのシリーズ同様に状況が絶望的になっていく。ブラザーたちのボイスも,可愛らしい見た目に反して悲壮感が漂っていたり,熱かったりするものも多い。編成画面の解説から垣間見えるダークな過去と相まって,プレイヤー側も感情が入ってしまう。熱くてグッと胸をうつ“地球防衛軍節”は本作でも健在であると感じられた。

物語の序盤は非常にコミカルで,EDFは「メイドのくに」から通信を受ける。メイドはなぜか武器や装甲など物騒なブツをおねだりしてくる
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物語の後半では,状況が絶望的に
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ヘビーストライカー(EDF:IR)がスペシャルを発動すると,「自分はどうなってもいいから仲間を助ける!」と熱いセリフを叫ぶ
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ボクサーブラザーのフレーバーテキストによると,自分が産まれたことは“過ち”ではないと証明するために戦うという。重い過去がさらっと暗示されている
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 また,BGMとして歴代シリーズの名曲が収録されているのに加え,定型文チャットでは,あの「地球防衛軍4」で印象的だった“EDFの歌”が復活してたり,「THE 地球防衛軍2」のロンドンを再現したマップが登場するなどファンサービスも豊富だ。
 歴代作のキャラクターはオンライン用の定型文を元にした台詞をしゃべるし,「地球防衛軍3」の陸戦兵と同じヘルメットを被ったNPCが「自分の実力はフルプライスなんだ!」とドヤ顔する(地球防衛軍シリーズは「3」で初めてフルプライスとなった)など,ネタが仕込まれている。

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「地球防衛軍3」の陸戦兵と同じヘルメットを被ったNPC「シータ5」。装備がレーザー砲である辺り,同作のエリート部隊「オメガチーム」がモチーフのようだが,本作オリジナルである「シータチーム」の一員として登場する
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エアレイダー(EDF4)は,なんと衛星兵器「ルール・オブ・ゴッド」を作った科学者の息子。原作「地球防衛軍4」の衛星兵器は,神を自称するブッ飛んだ女性が操作しているが,「デジボク地球防衛軍」世界の息子は至極まともな人物のようだ
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本作のオペレーターや戦術士官は,ちょいちょいメタな発言をする
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漫画やアニメのネタも多い
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 以上のようにシリーズのツボを押さえたネタの数々や,さまざまな能力を持つキャラクターが入り乱れるお祭り的なアクションは爽快で,シリーズファンの筆者は非常に楽しめた。
 もともと地球防衛軍シリーズは数百時間単位で遊ぶゲームだが,今回は発売前のテストプレイである関係上,やり込みは充分に体験できていない。こうした部分で評価が変わる可能性はあるものの,現段階では非常にやりごたえがあり楽しいゲームだと思う。ナンバリングのシリーズはもちろんのこと,こちらの「デジボク」路線もぜひ継続してほしいところだ。

巨大ロボ「バルガ」の前に立ちふさがるのは,それ以上にデカイ怪獣。巨大さへのこだわりも地球防衛軍シリーズらしい
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