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印刷2022/12/02 17:04

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「FORSPOKEN」の公式生放送レポート。武器に頼らず,魔法が軸となるバトルが実機プレイで紹介される

 スクウェア・エニックスは2022年12月1日に,2023年1月24日に発売を予定しているアクションRPG「FORSPOKEN」PC / PS5)の情報を紹介する“公式生放送#1 DEEP DIVE スペシャル”を配信した。
 番組では,本作のプロデューサーである大藤昭夫氏,Co-ディレクターの寺田武史氏,クリエイティブプロデューサーの光野雷生氏ら3名が出演し,本作のさまざまな情報が紹介された。

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プロデューサーの大藤昭夫氏がオープニングの挨拶で過去に「FINAL FANTASY XV アクティブ・タイム・レポート」という配信番組に出演していたことを話すと,「久しぶり」という視聴者からのコメントが多く寄せられた
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Luminous Productionsで本作のCo-ディレクターを務める寺田武史氏は,ゲームデザインの統括や開発全体のリード業務やマネージメントを担当
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Luminous Productionsで本作のクリエイティブプロデューサーを務める光野雷生氏は,世界観の構築,ストーリー制作,キャスティングや音楽関係の統括も行っている
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こだわりが詰まったキャラクター設定と世界観


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 番組は本日のラインナップと称したスライドに沿って進行し,まずは基本となる本作の概要,その中でもストーリーの部分について光野氏から紹介が行われた。

 本作は,ニューヨークで猫と一緒に住むごく普通の女性,フレイ・ホーランド(20歳)が主人公だ。これから自分がどうなっていくのか,どうしていきたいのかと道に迷っているのだが,ある日,謎の現象によってまったく別の世界であるアーシアに飛ばされてしまう。

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 アーシアで目覚めたフレイの右腕には,意思を持ち会話もする「カフ」という魔法のブレスレットが巻かれており,魔法が使えるようになっていた。
 危機的状況に陥っているアーシアの救世主になりえる可能性がフレイにあるというが,フレイ自身は故郷であるニューヨークへ帰る方法を探すために,広大なアーシアで旅を始めることになる。

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 旅の中でアーシアの人々とふれあい,少しずつアーシアを知っていく中で,フレイに芽生える感情と彼女自身の選択で物語が展開していくことから,フレイ・ホーランドの成長物語であるとも言えるようだ。

 ここで,発表当時に本作の世界観について,異世界転生という声が多く聞かれたことを大藤氏が質問。光野氏は,もともと異世界を意識していたわけではなく,「ナルニア国物語」や「不思議の国のアリス」「オズの魔法使い」など,海外で言うところの“fish out of water”(水から上げられた魚という意味が転じて,場違いで居心地の悪い状況を指す)というカテゴリのストーリーにインスパイアされ,その現代バージョンを作ろうというスタートだったと回答した。結果的に,開発中に異世界モノが盛り上がってきただけだった,ということのようだ。

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 続けて大藤氏は,本作の主人公であるフレイ・ホーランドについて,主人公が女性である理由やハリウッド女優のエラ・バリンスカさんを起用(実在する女優を起用)した経緯を質問した。
 光野氏は,最初に世界観を考えたとき,魔女vs.魔女を描きたかったため,主人公が女性になったのだという。そして,実在する女優を起用した理由として,リアルな女性の成長を描きたかったからだと話す。

 また,エラさんの起用は,フレイのキャラクター設定に完全マッチしたからだという。あまりにもハマっていたことから,よりフレイというキャラクターをリアルに描くために,エラさんをスキャンし,キャラクターとして使用するに至ったそうだ。
 そして,日本語版のキャラクターボイスを担当する庄司宇芽香氏も紹介された。オーディションで日本語の吹き替えはこの人しかいないと,エラさんのときと同様確固たる自信を持って起用したことを話していた。

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 エラさんのほかにも,有名な海外スタッフが多く参加している点が紹介された。それもそのはず,本作のオリジナルコンセプトは「Rogue One: A Star Wars Story」の原案で知られるゲイリー・ウィッタ氏が務め,ストーリーコンセプトは「アンチャーテッド」シリーズのエイミー・へニッグ氏が担当。そしてリードライターにはアリソン・ライマー氏(代表作:「Shadowhunters」)とトッド・スタッシュウィック氏(代表作:「Devil Inside」)が参加している。
 さらに,音楽は「God of War」や「The Walking Dead」で知られるベアー・マクリアリー氏と「Bioshock」シリーズで知られるギャリー・シャイマン氏が手掛けるなど,かなり豪華な布陣だ。

 光野氏は彼らの起用について,ストーリーテリングの面で海外のクリエイターの力を借りて,世界中のプレイヤーにプレイしてもらいたいということから,まずゲイリー氏に協力を依頼。魔法とファンタジーというキーワード以外は白紙の状態からゲイリー氏に広げてもらい,アーシアという世界やタンタといったキャラクターが生まれたことを明かした。
 それから,大きく広がったアイデアをエイミー氏の手で1本のゲームとして構築。それを土台とした具体的なストーリーをアリソン氏,トッド氏のふたりが執筆したという。
 ここまでのスタッフを集めていることから,大藤氏から「面白いの?」と直球な質問が飛び出したが,光野氏は誰が遊んでも面白いストーリーだと断言していた。
 また,「(ストーリーは)ちゃんと終わるの?」というこれまた大藤氏の直球な質問にも「気持ちよく,ちゃんと終わります」と力強く答えており,煮え切らない終わり方や中途半端に続編を匂わすような形の終わり方にはならないと思われる。

 続けて起用したコンポーザーのふたりについても,新規IPであるためどこかで聞いたことがあるような雰囲気ではなく,音楽面でも本作ならではの世界観を構築したいということから,それぞれ独自の世界観を表現できるふたりに協力を依頼したとのこと。
 光野氏によると,このふたりは互いに親交も深く,初期の話し合いからすでにふたりで世界観の共有などもできており,一貫性がある素晴らしい音楽に仕上がっていると語っていた。


オープンワールドを魔法パルクールで疾走! 実機プレイによるゲーム紹介


 ストーリーやキャラクター,開発スタッフといったゲームの概要部分の紹介が終わると,いよいよ実機プレイによるゲーム紹介のコーナーに。

 今回は出演者3名が操作する形ではなく,別のスタッフが裏でリアルタイムに操作しているゲーム画面を見ながら,ゲームの少し具体的な部分について寺田氏から紹介が行わた。なお,今回使用しているビルドはParis Games Weekに出展した際のビルドとなっており,TGS2022よりも内容はグレードアップされているとのことだ。

 ゲームの操作は左スティックで移動,右スティックでカメラ移動ができ,本作最大の特徴とも言える魔法パルクールでの移動が○ボタンとなる。魔法パルクールは使用するといわゆるスタミナゲージが減少していくため,ゲージのマネジメントを行いながら上手に活用していくことがゲーム性のひとつとなる。
 なお,魔法が強化されていくことで魔法パルクールによって可能なアクションも増え,行ける場所も増えていくとのこと。オープンワールドならではのマップ探索などもかなり楽しめそうだ。

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 また,魔法パルクールは走ったり飛んだりできるほか,繋留(けいりゅう)と呼ばれるグラブアクションで,捉えたものを引き寄せたり移動に使用したりといったこともでき,それを利用して水上を滑走するなど,魔法パルクールと言っても,そのアクションはかなり豊富に用意されている。

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 敵とのバトルも本作ではすべて魔法を使って行われる。寺田氏によると,本作は魔法を軸としてそれに特化したゲームを作ることをコンセプトとしており,バトルシステムはそのコンセプトに違わず,剣や槍,銃などの武器に頼らない,さまざまな魔法を駆使したバトルとなる。
 魔法には攻撃魔法,支援魔法,チャージ魔法という3種類が存在し,攻撃魔法はその名のとおり攻撃でダメージを与える魔法で,支援魔法は罠を張ったり,盾を作ったりといったバトルを有利に展開するために利用できる魔法だ。チャージ魔法は,魔法を使うことで溜まるゲージを消費し,一定範囲内の敵に攻撃できるものとなっている。
 そして,3種類の魔法はそれぞれ4つの系統に分岐されており,それらをすべて含めると,本作ではおよそ100種類の魔法が存在するという。

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 多種多様な魔法が存在することにより,プレイヤーの戦術に合わせた魔法を選択して使用できることが大きな特徴でもある。寺田氏によると,どんな戦い方でも本作のクリアは可能ということなので,いろいろな魔法を組み合わせた戦い方が存分に楽しめそうだ。

 自由に移動できるオープンワールドのフィールドだが,その広さも気になる。大藤氏からマップの広さについて聞かれた寺田氏は,今回使用しているマップはエリアふたつ分ほどとのことで,本編はその何倍も広いと答えていた。
 また,本作はオープンワールドのアクションでもあるがRPGでもあるということで,RPGとしてのシステムにも力を入れていると話し,ツリー状の魔法習得画面や装備画面などが紹介された。
 装備はマントとネックレスの2種で,装備品によってステータスが変化するほか,見た目が変化し,装備品に付与されているアビリティがステータスにプラスされる。

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 装備品とは別カテゴリとなるが,ネイルというカテゴリも存在する。ネイルは右手と左手で別のネイルが設定でき,ネイルもマントやネックレスと同様付与されているアビリティの恩恵が受けられる。

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 実機プレイの最後に,本作のロード時間についての話題が出たため,ファストトラベルを実施したところ,ローディング画面などはなく,1秒ほどで目的地に到着していた。寺田氏によると,狭い範囲だからではなく,世界の端から端でも同じ速度で移動でき,ゲームの起動からゲーム開始までの時間も本当に早いということで,PS5専用で制作してることの恩恵が最大限受けられているとも話していた。


寄せられた質問にできる限り回答「#おしえてFORSPOKEN」


 実機プレイのあとは,Twitterを始めインターネット上で見られた意見や質問などを集め,それを出演者が回答をしていくQ&Aコーナー「#おしえてFORSPOKEN」が行われた。ここではQ&A方式でお届けしよう。


Q.基本的なゲームフローを教えてください。サブクエストもありますか?
A.メインストーリーを追って,ワールドを旅しながらボスを倒し,進行していくというのが基本デザインです。サブクエストもあります。メインストーリーではフレイがアーシアにやってきて,タントをめぐる戦いが描かれますが,サブクエストでは過酷な状況下で生きるシュパールという街で暮らす人々と触れ合いが描かれています。


Q.難度や選択肢での分岐や,取り返しのつかなくなるような要素はありますか?
A.取り返しのつかなくなるような要素はないです。難度はあくまでもユーザーのプレイスタイルで,難度の違いで発生しないイベントなどはありません。選択肢の分岐はありますが,選択肢によって大きく展開が異なることはなく,その場のセリフやリアクションに変化が起こるだけなので,基本的にはありません。


Q.プレイ時間はどれくらいですか? やりこみ要素や2周目はありますか?
A.プレイ時間はユーザーによって異なりますが,少し寄り道を挟んでメインストーリーをクリアする平均的な時間はおよそ30時間です。周回プレイはなく,クリア後も引き続きゲームが遊べる形になっています。


Q.マップはどれくらいの広さですか?
A.デモのマップより何倍も広いです。実際の数字では表せませんが,多く実施してきたユーザーテストでは狭いと言われたことは一度もないので,十分な広さが担保できていると思います。


Q.魔法を100個も使って戦うって本当ですか?
A.100個をどう使い分けるのか,というイメージもあると思いますが,バトルに生かす魔法だけではなく,探索に使う魔法やクラフトで使う魔法などが存在します。


Q.魔法パルクール難しそうです。アクション苦手な人でも楽しめますか?
A.操作は非常にシンプルで簡単です。ただ,最初は魔法パルクールのスピードに慣れが必要ですが,それも慣れてしまえば簡単ですし,魔法の使用も簡単です。魔法の選択時も時間がゆっくりになりますが,設定で完全停止もできます。細かく設定を変更できるので,そこをいじってもらえれば,どのプレイヤーでも楽しめます。


Q.敵はどれくらいの種類がいますか?
A.敵の種類としては,タンタの眷属とアーシアという世界に存在する原生生物がブレイクという瘴気によって凶暴化したブレイクモンスター,そして特定のシチュエーションで出現するナイトメアという3つの系統があります。そのうえで,各系統でいろいろな種類が存在します。


Q.街が1つと聞いていますが,買い物などはそこでしかできないんですか?
A.ブレイクという要素によって住めなくなった世界の中,シュパールという街だけが残っているため,街はそこしかないです。ですが,買い物はほかの場所でもできます。


Q.わたしは三毛猫が好きなのですが,猫はどれくらいの種類がいますか?
A.具体的な数字は分かりませんが猫もたくさんいます。中には特別なタンタの使い魔という羽の生えた猫もいます。スタジオでも猫が好きな人が多く,力を尽くしてたくさんの猫を入れているので,猫好きのプレイヤーさんにも満足していただけると思います。


Q.バトルや探索中に,よりシネマティックで没入感が味わえる体験をするために,すべてのHUDをオフにする機能は実装されますか?
A.すべてのHUDを完全に消すことは難しいですが,設定画面で文字を小さくしたり,限定された機能だけをオフにするなど,さまざまな調整ができるようになっています。また,バトル系などのHUDもバトルの最中だけ出すなどコントロールしているので,通常のプレイでも没入感を味わっていただけると思います。


Q.新たな世界を作るうえで,もっとも大きな課題はなんでしたか?
A.新規IPを作るということで,何が「FORSOKEN」らしいのかという点をトライアンドエラーの繰り返しで作ってきたため,白紙状態から作り上げる部分が一番大きな課題でした。


Q.ゲーム機能や要素の中で,自身が一番誇りに感じておられるのはなんですか?
A.
寺田氏:魔法を使ったオープンワールドの部分です。本作は魔法パルクールを最大限楽しめるようにワールドを作っているので,自分で触っていても魔法パルクールで世界を回っていろいろなバトルをしたりコンテンツを探索するだけで,とても楽しいです。
光野:フレイ・ホーランドというキャラクターです。本当にオリジナリティ溢れるキャラクターだと思っていますし,いろいろな一面を持っているキャラクターで,この作品を通してフレイはいろいろな体験をして,すごく成長するんです。自分もそうでしたが,プレイヤーのみなさんもフレイに共感できるのではないかと感じています。


 #おしえてFORSPOKENのあとは,お知らせコーナーへと続いた。お知らせコーナーでは,本作の発売日や対応機種などを改めて紹介し,パッケージ版とダウンロード版それぞれの通常版に付属する特典,Digital Deluxe Editionの内容,Limited Edision(発売は日本のみ)の内容を紹介した。

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 最後に,寺田氏は本作がLuminous Productions最初の作品であり,ここに全力を尽くしてきたことを強調。「FORSPOKEN」というIP自体を知ってもらい,その名前を好きになってもらいたいと話した。光野氏は最高のストーリーと最高の音楽,魅力的なキャラクターたちで,みなさんが楽しめるゲームになっていると締めくくって,番組は終了した。

 本生放送のタイトルには「#1」記載されていたが,どうやら近いうちにあらたな情報を紹介する「#2」の放送も予定されていそうなので,ぜひ公式Twitterや公式サイトなどの情報をチェックしておこう。

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